西鉄高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」乗車記(2014年5月乗車分)
西鉄高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」。
福岡・北九州~高松間を約10時間20分で結ぶ夜行高速バスであります。
「にしてつグループの夜行高速バス=西工車」を連想する方も多いかと思いますが、ご存知の通り、今から4年前に西工(西日本車体工業)が会社解散して以降、最大ユーザーであったにしてつグループでも次第に西工夜行車による運用路線が減少し、現在は福岡~鹿児島線「桜島号」夜行便と福岡~高松線「さぬきエクスプレス福岡号」続行便(2号車)でしか見かけることができません。
2014年のゴールデンウィーク期間中、全国各地の夜行高速路線が続行便を従えて運行していましたが、こと「さぬきエクスプレス福岡号」においても連休後半を中心に続行便が設定・運行されました。
西工夜行車好きの私は、当然のことながらこの状況を黙っているわけもなく、続行便設定を予約サイトで確認の上で座席を予約、九州遠征の帰りの足として同路線で活躍する西工夜行車のバス旅を楽しんできました。
今回はその時の模様をご報告したいと思います。
九州各地へ向かう高速路線の他、首都圏・名古屋・関西をはじめとする本州各地ヘ向かう高速路線の発着ターミナルとしても有名ですね。
通常、高松行き「さぬきエクスプレス福岡号」は5番乗り場から発車しますが、今回は続行便の2号車に乗車するので、隣の6番乗り場でバスの入線を待ちます。
で、今回乗車したバスですが・・・西鉄高速バス福岡支社所属の3802号車。(形式は三菱KL-MS86MP。)
所属こそ福岡支社となっていますが、実際の乗務は北九州支社の乗務員が担当します。
西工02MC SD-Ⅱボディに白夜行塗装を纏った、バスファンに人気が高く風格を感じられる車体です。(写真はイメージです。)
そしてこの車両、上の写真では分かりませんが、最近車体更新を実施した様で、外観は新車の如く輝きを取り戻しています。
暫くは「さぬきエクスプレス福岡号」の予備車として活躍を続けるのでしょうか。
車内の様子はこちら↓。
車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっており、シートこそ一時代を築いた杉本工業製ではなく天竜工業製ではありますが、西工夜行車の特徴でもある「均一の通路幅」「緻密に計算された室内空間」はこの車両にもしっかりと受け継がれています。
そのため、メーカー純正車両と比較して座席の前後が広く感じられるのは、西工車ならではの特徴といえましょう。
勿論、足置き台・レッグレストを完備している他、西鉄夜行高速バスの特徴でもあるプライベートカーテンもこの車両には設置されています。
一方で、にしてつグループでは既存夜行車のコンセント増設工事が行われましたが、残念ながらこの車両に関しては対象外だった様で、座席コンセントは増備されていませんでした。
やはりこの車両、あくまで「予備車」としての位置付けの様です。
因みに、「ポカリスエット」と「SOYJOY」のサービスは健在でしたよ。
車内を観察しているうちに時刻は21時20分。
定刻になったところでバスは西鉄天神バスセンターを発車します。
キャナルシティ博多、博多バスターミナル(JR博多駅前)で乗車扱いを行い、8割方の座席が埋まったバスは、呉服町ランプから福岡都市高速道路に進入、一路北九州へと向かいます。
と、ここで乗務員からマイクを通じて自己紹介と運行経路・到着時刻・車内設備等の説明が行われます。
そのマイク案内でも触れていましたが、実はこの路線、途中交代制のワンマン運行路線となっており、この先の砂津(チャチャタウン前)で高松まで乗務する乗務員と交代します。
この路線の走行距離は約530km。
完全ワンマン運行ですと、2013年8月1日より適用された「高速乗合バスと貸切バスの交替運転者配置基準」に抵触しますが、途中で乗務員交代を実施することで、この基準のクリアとコスト抑制効果を兼ねています。
バスは九州道を八幡インターまで走行し、八幡インターからは北九州都市高速道路に入りますが、メーカー純正車体とは違った安定した走りっぷりは、「さすが西工車」と思わせます。
黒崎インター引野口で乗車扱いを行った後、再度北九州都市高速道路に入り、15分程走ったところで、一旦北九州都市高速道路とはお別れです。
23時00分、砂津(チャチャタウン前)に到着。
ここで乗務員が交代しますが、引継及び出発準備に時間を要し、23時07分、定刻より若干送れてバスは砂津(チャチャタウン前)を発車します。
その3分後には小倉駅前の高速バス乗り場にて乗車扱いを行い、ほぼ満席になったバスは、小倉駅前を出発後、三度北九州都市高速道路に入り門司インターへ。
門司インターからは九州自動車道を四国へ向けてひた走ります。
23時32分、最後の乗車停留所である高速門司港バス停を通過。
その3分後には、消灯前最後の休憩場所である九州自動道めかりパーキングエリアに到着します。
ここで20分間の休憩を行ったあと、乗務員がプライベートカーテンをセットして消灯。
前後間の仕切りカーテンをセットしてシートを倒すと、疲れからかすぐに眠りについてしまいます。
その間、バスは関門橋を渡り、中国自動車道から山陽自動車道、瀬戸中央自動車道をひた走りますが、当然のことながら私を含めた乗客の殆どは夢の中。
翌朝目を覚ますと、バスは朝の休憩場所である瀬戸中央自動車道鴻ノ池パーキングエリアに停車していました。
5時20分、乗務員のモーニングコールで起床。
同時に15分間の開放休憩が行われます。
殆どの乗客がバスを降り、トイレや洗顔・買い物を済ませていきますが、私はというと・・・トイレと洗顔を済ませた後、Web用写真の撮影に勤しみますww。
5時35分、乗客が全員揃ったところでバスは出発。
数分で瀬戸大橋に差し掛かります。
瀬戸大橋を渡ると、バスは坂出市内に入っていきます。
6時過ぎ、定刻よりも20分ほど早くバスは坂出駅に到着。
ここでは3名が下車していきました。
その後、丸亀駅、善通寺インターバスターミナルで降車扱いのために停車後、高松自動車道に入り高松中央インターへ。
高松中央インターで高速道路とお別れし、隣接する高松中央インターバスターミナルには7時05分に到着します。
ここでも数名下車し、その後のゆめタウン高松でも数名が下車。
以前このブログにも書きましたが、香川県における高速インター併設のバスターミナル利用が根付いていることを改めて実感します。
そして7時27分、早着時分を維持したまま、定刻よりも19分早くバスは終点の高松駅高速バスターミナルに到着しました。
以上、西鉄高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」2号車の乗車の模様をお届けしました。
先述の通り、3802号車の「さすが西工夜行車」と思わせる「広々とした車内空間」と「安定した走りっぷり」は今回も健在でしたね。
加えて、車体更新を実施したとなると、もう暫くは活躍を続けるものと思われます。
とはいえ、この車両の寿命もさほど長くはないことから、もし乗車されるのであれば出来るだけ早めの方が良いでしょう。
一方で今回、繁忙期とはいえ「さぬきエクスプレス福岡号」の利用者数の多さを改めて実感しました。
途中交代制とはいえ片道8,230円でワンマン運行・・・他路線やLCC・新幹線との競争が激しい、しかもツーマン路線である名古屋線「どんたく号」や京阪神線「ムーンライト号」と比較すると、ある意味おいしい路線なのかもしれませんね。
閑散期の利用状況がどうなのか気になるところではありますが、今回乗車した限りでは利用がそれなりに定着している印象を受けました。
今後余程のことがない限り、この路線に関しては暫くは安泰かもしれませんね。
【乗車データ】
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福岡・北九州~高松間を約10時間20分で結ぶ夜行高速バスであります。
「にしてつグループの夜行高速バス=西工車」を連想する方も多いかと思いますが、ご存知の通り、今から4年前に西工(西日本車体工業)が会社解散して以降、最大ユーザーであったにしてつグループでも次第に西工夜行車による運用路線が減少し、現在は福岡~鹿児島線「桜島号」夜行便と福岡~高松線「さぬきエクスプレス福岡号」続行便(2号車)でしか見かけることができません。
2014年のゴールデンウィーク期間中、全国各地の夜行高速路線が続行便を従えて運行していましたが、こと「さぬきエクスプレス福岡号」においても連休後半を中心に続行便が設定・運行されました。
西工夜行車好きの私は、当然のことながらこの状況を黙っているわけもなく、続行便設定を予約サイトで確認の上で座席を予約、九州遠征の帰りの足として同路線で活躍する西工夜行車のバス旅を楽しんできました。
今回はその時の模様をご報告したいと思います。
かがやきを取り戻した西鉄高速バス3802号車
やってきたのは、福岡の中心地「天神」に位置する西鉄天神バスセンター。九州各地へ向かう高速路線の他、首都圏・名古屋・関西をはじめとする本州各地ヘ向かう高速路線の発着ターミナルとしても有名ですね。
通常、高松行き「さぬきエクスプレス福岡号」は5番乗り場から発車しますが、今回は続行便の2号車に乗車するので、隣の6番乗り場でバスの入線を待ちます。
で、今回乗車したバスですが・・・西鉄高速バス福岡支社所属の3802号車。(形式は三菱KL-MS86MP。)
所属こそ福岡支社となっていますが、実際の乗務は北九州支社の乗務員が担当します。
西工02MC SD-Ⅱボディに白夜行塗装を纏った、バスファンに人気が高く風格を感じられる車体です。(写真はイメージです。)
そしてこの車両、上の写真では分かりませんが、最近車体更新を実施した様で、外観は新車の如く輝きを取り戻しています。
暫くは「さぬきエクスプレス福岡号」の予備車として活躍を続けるのでしょうか。
車内の様子はこちら↓。
車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっており、シートこそ一時代を築いた杉本工業製ではなく天竜工業製ではありますが、西工夜行車の特徴でもある「均一の通路幅」「緻密に計算された室内空間」はこの車両にもしっかりと受け継がれています。
そのため、メーカー純正車両と比較して座席の前後が広く感じられるのは、西工車ならではの特徴といえましょう。
勿論、足置き台・レッグレストを完備している他、西鉄夜行高速バスの特徴でもあるプライベートカーテンもこの車両には設置されています。
一方で、にしてつグループでは既存夜行車のコンセント増設工事が行われましたが、残念ながらこの車両に関しては対象外だった様で、座席コンセントは増備されていませんでした。
やはりこの車両、あくまで「予備車」としての位置付けの様です。
因みに、「ポカリスエット」と「SOYJOY」のサービスは健在でしたよ。
車内を観察しているうちに時刻は21時20分。
定刻になったところでバスは西鉄天神バスセンターを発車します。
キャナルシティ博多、博多バスターミナル(JR博多駅前)で乗車扱いを行い、8割方の座席が埋まったバスは、呉服町ランプから福岡都市高速道路に進入、一路北九州へと向かいます。
と、ここで乗務員からマイクを通じて自己紹介と運行経路・到着時刻・車内設備等の説明が行われます。
そのマイク案内でも触れていましたが、実はこの路線、途中交代制のワンマン運行路線となっており、この先の砂津(チャチャタウン前)で高松まで乗務する乗務員と交代します。
この路線の走行距離は約530km。
完全ワンマン運行ですと、2013年8月1日より適用された「高速乗合バスと貸切バスの交替運転者配置基準」に抵触しますが、途中で乗務員交代を実施することで、この基準のクリアとコスト抑制効果を兼ねています。
バスは九州道を八幡インターまで走行し、八幡インターからは北九州都市高速道路に入りますが、メーカー純正車体とは違った安定した走りっぷりは、「さすが西工車」と思わせます。
黒崎インター引野口で乗車扱いを行った後、再度北九州都市高速道路に入り、15分程走ったところで、一旦北九州都市高速道路とはお別れです。
23時00分、砂津(チャチャタウン前)に到着。
ここで乗務員が交代しますが、引継及び出発準備に時間を要し、23時07分、定刻より若干送れてバスは砂津(チャチャタウン前)を発車します。
その3分後には小倉駅前の高速バス乗り場にて乗車扱いを行い、ほぼ満席になったバスは、小倉駅前を出発後、三度北九州都市高速道路に入り門司インターへ。
門司インターからは九州自動車道を四国へ向けてひた走ります。
23時32分、最後の乗車停留所である高速門司港バス停を通過。
その3分後には、消灯前最後の休憩場所である九州自動道めかりパーキングエリアに到着します。
ここで20分間の休憩を行ったあと、乗務員がプライベートカーテンをセットして消灯。
前後間の仕切りカーテンをセットしてシートを倒すと、疲れからかすぐに眠りについてしまいます。
その間、バスは関門橋を渡り、中国自動車道から山陽自動車道、瀬戸中央自動車道をひた走りますが、当然のことながら私を含めた乗客の殆どは夢の中。
翌朝目を覚ますと、バスは朝の休憩場所である瀬戸中央自動車道鴻ノ池パーキングエリアに停車していました。
5時20分、乗務員のモーニングコールで起床。
同時に15分間の開放休憩が行われます。
殆どの乗客がバスを降り、トイレや洗顔・買い物を済ませていきますが、私はというと・・・トイレと洗顔を済ませた後、Web用写真の撮影に勤しみますww。
5時35分、乗客が全員揃ったところでバスは出発。
数分で瀬戸大橋に差し掛かります。
瀬戸大橋を渡ると、バスは坂出市内に入っていきます。
6時過ぎ、定刻よりも20分ほど早くバスは坂出駅に到着。
ここでは3名が下車していきました。
その後、丸亀駅、善通寺インターバスターミナルで降車扱いのために停車後、高松自動車道に入り高松中央インターへ。
高松中央インターで高速道路とお別れし、隣接する高松中央インターバスターミナルには7時05分に到着します。
ここでも数名下車し、その後のゆめタウン高松でも数名が下車。
以前このブログにも書きましたが、香川県における高速インター併設のバスターミナル利用が根付いていることを改めて実感します。
そして7時27分、早着時分を維持したまま、定刻よりも19分早くバスは終点の高松駅高速バスターミナルに到着しました。
以上、西鉄高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」2号車の乗車の模様をお届けしました。
先述の通り、3802号車の「さすが西工夜行車」と思わせる「広々とした車内空間」と「安定した走りっぷり」は今回も健在でしたね。
加えて、車体更新を実施したとなると、もう暫くは活躍を続けるものと思われます。
とはいえ、この車両の寿命もさほど長くはないことから、もし乗車されるのであれば出来るだけ早めの方が良いでしょう。
一方で今回、繁忙期とはいえ「さぬきエクスプレス福岡号」の利用者数の多さを改めて実感しました。
途中交代制とはいえ片道8,230円でワンマン運行・・・他路線やLCC・新幹線との競争が激しい、しかもツーマン路線である名古屋線「どんたく号」や京阪神線「ムーンライト号」と比較すると、ある意味おいしい路線なのかもしれませんね。
閑散期の利用状況がどうなのか気になるところではありますが、今回乗車した限りでは利用がそれなりに定着している印象を受けました。
今後余程のことがない限り、この路線に関しては暫くは安泰かもしれませんね。
【乗車データ】
- 乗車日:2014/05/05
- 乗車区間:
西鉄天神バスセンター→高松駅高速バスターミナル - 運行会社:西鉄高速バス(2号車)
- 車両:三菱/KL-MS86MP(西工02MC SD-Ⅱ)
- 年式:2003年式
- 所属:福岡支社(乗務は北九州支社)
- 社番:3802
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