千歳市内の路線バスをちょこっと見てきました。【ビーバス・講演会編】

一般路線バス,交通系セミナー・勉強会・イベント

前回の記事で、千歳市内を走る路線バスの概要についてご紹介しました。


で、前回の記事で「乗りバスを開始するわけですが・・・」と書きました。
今回は、その時に乗車したバスについて書こうかと思います。
そのバスとは・・・こちら↓。
千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」 Aコース専用車両(北海道中央バス)
千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」です。
実はこのバス、以前から乗ってみようとは思っていたのですが、中々乗る機会に恵まれず今日に至ってしまいました。
しかし、今回の千歳訪問を機会に「これは是非乗ってみないと!!」と思い、今回初乗車してみました。

簡単に「ビーバス」についてご紹介すると、この千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」は、千歳市が主体となって運行されていまるコミュニティバスです。
千歳市内の主要施設を8の字型に循環運行する路線形態になっていまして、Aコースは"30″、Bコースは"31″の系統番号が付けられています。
運行経路は以下の様になっています。

【運行経路】
 千歳駅前 – 市民病院 – 青葉中学校前 – 千歳川河川事務所前 – 千歳駅前 – 北栄2丁目 – 緑小学校前
 - スポーツセンター前 – 市役所前 – 千歳駅前


運行本数は平日8往復、土曜・休日・年末年始6往復。
AコースとBコースが設定されていて、Aコースは市民病院先回り、Bコースは市役所前先回りで運行されます。
運行受託しているのは、北海道中央バス(千歳営業所)と千歳相互バスの2社。
中央バスがAコースを担当し、千歳相互観光バスがBコースを担当しています。
2001年9月から約1年間の試験運行期間を経て、2002年9月より正式運行を開始しました。
以降、系統番号の新設や運賃改訂、停留所の新設等を経て、現在に至っています。
運賃は均一運賃で、大人180円、子供90円となっています。
現金の他、「ビーバス専用回数券」「千歳市高齢者等福祉乗車券」で乗車することが出来ます。
中央バス、千歳相互観光バスの回数券や交通系ICカードで乗車することは出来ません。

と「ビーバス」について簡単にご紹介しましたが、今回は千歳駅前を基点に「Aコース」にて8の字の下の○部分(南エリア)を一周した後、「Bコース」にて残りの上の○の部分(北エリア)を半時計回りで市民病院まで乗車してきました。
まず乗車したのは、「Aコース」のこちら↓のバス。
千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」<br />
Aコース専用車両(北海道中央バス)

千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」 Aコース専用車両(北海道中央バス) 車内
中央バスが運行するオレンジ色の日野ポンチョです。
地方のコミュニティバスでよく見られる車体ですね。
千歳駅前出発時はさほど乗客が多くありませんでしたが、途中停留所間の乗降が意外にも多く、約30分かけて千歳駅前に戻ってきた時には、バスの車内は座席がほぼ全て埋まるほどまで混んでいました。

そして、今度は千歳相互観光バス「Bコース」に乗車し、市民病院前に向けて移動します。
千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」 Bコース専用車両(千歳相互バス) 

千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」 Bコース専用車両(千歳相互バス) 車内
こちらは「Aコース」乗車のときよりも更に空いていましたが、こちらの便でも途中の乗降が多く、市民病院前に到着する頃には全ての座席が埋まっていました。

約20分程で、市民病院前に到着です。
千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」Bコース専用車両(千歳相互バス)

千歳市循環型コミュニティバス「ビーバス」 市民病院前バス停

で、この市民病院、言うまでも無く千歳市立の総合病院になります。
写真はありませんが、ご多分に漏れず、まあとにかく車の台数が多いわけです。
そんな中、バス利用者に対する配慮も(少しではありますが)なされていまして・・・
千歳市民病院 建物内に掲示のバス時刻表
病院の建物内には時刻表が掲示されている他、

千歳市民病院バス停前に掲示の 中央バス路線図
中央バスのバス停前には、市民病院前に乗り入れている路線の路線図と停留所一覧・千歳駅までの所要時間が見やすい形で掲示されていました。
ただ、同じ乗り入れている千歳相互バスのバス停付近にこの様なインフォメーションが無いのは残念ですね。
中央バスの様なインフォメーションが欲しいと同時に、出来れば両社で統一した路線図や停留所一覧・千歳市までの所要時間の掲示があってもいいのかなぁと思いましたね。
もっと言うと、「共同停留所」という形で停留所自体も統一しても良いのかなぁと。
こういった細かなところについても、後述の「地域公共交通会議」で話し合って改善していただけると、利用者側としては嬉しいですね。

で、「ビーバス」に乗車してみての感想です。
今回私が乗車した便がたまたまそうだっただけかもしれませんが、途中停留所間の乗降が多かったのには意外でした。
と同時に高齢者のみならず若いお母さん達や学生も利用していて、しかも所々で井戸端会議の話し声が聞こえるんですよね。
バスの車内で地域のコミュニティが成立しているんですよ。

・家の近くのバス停でバスに乗り
・バスの中で会話が弾み
・降りたいバス停でバスを降りる・・・


実はこれが真のコミュニティバスの姿なのかなぁ~と今回乗車してみて強く感じました。

一方で、ちょっと気になったのが、8の字の路線経路。
ショッピングセンターや銀行・コミュニティセンター・病院などを細かく回る路線だなぁ~とは思いましたが、如何せん「8」の字を一周するの約1時間かかる経路は、ちょっと長いかなぁと。
現状、良く考えられた路線経路だとは思うのですが、もう少し経路をコンパクトに出来るかもしれませんね。
もっとも、本格的にいじるとなると、他の路線や交通機関との連携も考える必要が出てくるかとは思いますが・・・。
あと、現状の経路ですと、住宅地の比較的狭い路地を入っていく箇所がいくつかあるのですが、冬場の運行経路の確保をどの様になさっているのか、興味があるところではありますね。

と、そんなことを思いながら、市民病院前からは千歳相互バスの泉沢向陽台行きの路線バスで千歳駅へ戻ります。
千歳相互バス 11系統 向陽台線

そして、千歳駅近くのファミレスにて昼食を済ませた後、一路千歳市役所へ。
地域公共交通会議の後に開催された名古屋大学加藤先生の講演会に参加です。
平成25年 第2回千歳市地域公共交通会議 講演会案内

今回は、

「地域公共交通に住民や自治体はどう取り組むべきか」

というテーマで、「辛口」「大辛」「激辛」ネタを織り交ぜながら、約90分間の熱い講演が繰り広げられました。

90分間という大学講義1コマ分の時間が用意されたということもあり、とても中身の濃い講演でしたが、
・「地域公共交通会議」の仕組み(機能)をしっかり理解する
・「地域公共交通会議」を仕方なく作るのでは駄目!地域公共交通を本気で良くするという
  意気込みが重要
・「自治体」「事業者」「住民」の三位一体の姿勢
・「地域公共交通は大事だから自分たちで考える」という意識を持つことの重要性
  ①何故地域公共交通が必要なのか?
  ②何故自治体、地域・利用者は事業者と共に頑張らなければならないのか?
  ③どういうふうに進めていけば良いのか?
・地域公共交通を良くする=「街づくり」の一環である
・「地域公共交通会議」と「地域公共交通活性化・再生法に基づく協議会」(法定協議会)との違いと
 法定協議会で出来ること

以上の点について、日本のバス業界の現状や地域公共交通会議を活用して成功した事例(松阪市、八戸市、北九州市枝光・市川市柏井など)を織り交ぜながら、分かりやすい言葉で説明されていました。

で、講演を聴いての感想ですが、

「自分の中でもやもやしていた部分がやっと晴れた」

これが正直な感想でしょうか。

「地域公共交通会議」「活性化再生法法定協議会」という言葉自体は知っていたのですが、それぞれの会議・協議会がどのような役割で、どの様なことが出来るのか・・・しっかりと理解出来ずにモヤモヤ感が残っていたんですよね。
それが、今回の加藤先生の講義を聞いて、ようやくこれらの会議の位置付けや目的・役割・出来ることについてようやく理解することが出来ました。
と同時に、これらの会議・協議会について理解していない事業者・自治体・運輸局が圧倒的に多いとか。
この事実にも驚愕した次第でして・・・。

一方で私自身も、今回の講演をきっかけに地域公共交通について少し真面目に勉強してみようかなぁ~と思いましたね。
ちょっと話がそれますが、私は現在札幌市内に住んでいます。
とはいつつも、私が住んでいるのは札幌市内でも結構田舎な場所です。
しかも、昔からの団地地域なので、高齢者が多く住んでいます。
で、実は私が住んでいる町内で現在、ある問題が起こっています。
私が住んでいる地域は元々通院や買い物に便利な場所ではないのですが、昨年夏に地域唯一のスーパーマーケットが突然潰れてしまいました。
で、どうなったか・・・言うまでもありませんね。
『買い物難民』の大量発生ですww。
近所で買い物できるのは、2件のコンビニのみ。
ちょっとした買い物は出来ますが、車を持っていない人は、買い出しに行くことが出来ません。
今のところ、生協の「トドック」など宅配サービスを利用している方が多いそうですが(うちもそうですww)、かかる費用は決して安くありません。
現在、自治会を中心にスーパーの誘致活動を行っているそうですが、同時に高齢者を中心に隣町への買い物の足を要望する声も日増しに高まっています。
今冬に自治会貸切という形で、隣町までの無料買い物バス(曜日限定&期間限定)を走らせるそうですが、その話を聞いて、
「それこそ自治会(住民代表・利用者代表)と自治体(札幌市&区役所)・事業者で『地域公共交通会議』を開いて、そこで地域(コミュニティ)バスの開設の可能性を話し合ったらどうか?」と。
話がそれましたが、今回の講演を聞いて、ふとこの様なことも思った次第です。

以上、長々となってしまいましたが、今回の千歳訪問で思ったこと。
何度も言っていますが、

「地域公共交通はホントに奥深い!!」

この一言に尽きますね。


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