JR四国バス「松山高知急行線」松山~落出間乗車記
JR四国バスが運行する路線バス「松山高知急行線」。
松山~高知間を一般道経由で運行する路線バスでしたが、同区間に高速バス「なんごくエクスプレス」が運行を開始して以降は、次第に直通便が減便され、終い直通便が廃止。
現在はJR松山駅~落出間に路線短縮の上、運行を続けています。
私自身、この「松山高知急行線」に初めて乗車したは、今から16年前の1997年のこと。
当時、直通便は「なんごく号」という愛称が付けられていて、観光型のバスにて運行されていました。
その時の写真がこちら↓。
JRバス関東から移籍してきた三菱エアロバスです。
東名ハイウェイバスで活躍していた車両で、市販タイプのエアロバスのエンジンにターボチャージャーを搭載した特注仕様の車両でした。
この車両は移籍後数年で廃車されましたが、あれから14年・・・・・2011年秋に、短縮された「松山高知急行線」に乗車する機会があり、乗車して参りました。
今回はその時の模様を振り返りたいと思います。
戦前から続く伝統の老舗路緯
まずは、簡単に「松山高知急行線」の歴史に触れておきたいと思います。同路線は今から77年前の1934年、四国で最初の省営自動車線として「予土線」が開業しました。
「予土線」という名称は、旧国鉄予讃本線(現在のJR四国予讃線)と土讃本線(同じく土讃線)を結ぶ路線であることを意味していて、鉄道線の予土線とは異なります。
「鉄道線の先行・短絡」という使命の下に開設されたこの路線は、松山の有志たちが「鉄道が無理なら自動車線を」という想いで鉄道省に陳情し実現した路線でもあるのです。
国道33号線経由で松山と高知を結ぶ幹線で、1960年以降の都市間連絡輸送は好調に推移、特にJR四国発足当時は鉄道も含めたJR四国全体で唯一の黒字路線としても有名でした。
しかし、「なんごく号」は新車投入及び増便を積極的に行う一方、本線(松山~高知)以外の枝線の廃止が進み、平成に入ってからは、本線のローカル便にも合理化が及びます。更に2001年以降なると、伊予鉄道、土佐電気鉄道、高知県交通による高速バス「ホエールエクスプレス」が運行を開始。これに対抗する意味合いで同社は松山~高知間の高速バス「なんごくエクスプレス」を開業、かつての「なんごく号」が担った役目は高速バス「なんごくエクスプレス」に譲ることになり、一般道区間は愛媛県内の松山~落出駅(愛媛県久万高原町)間に平日9往復の普通便のみの運行となり、現在に至っています。
地元自治体高吾北広域事務組合"及び愛媛県柳谷村(2004年より久万高原町)は「なんごく号」も含めた路線維持を求めていましたが、最終的には廃止を覆すことは出来なかったそうです。
この様に長い歴史を持つJR四国バスの「松山高知急行線」。
先述の通り、1997年に四国を旅行した際に「なんごく号」を利用して以来なので、約14年ぶりの乗車となります。
関西からやって来た移籍車で山越え
今回乗車したのは、松山駅9時50分発の便でした。っとその前に、まずは乗車前の朝風呂を楽しむために道後温泉へ向かいます。
朝風呂でゆっくりして、道後温泉からは伊予鉄道の松山市内線でJR松山駅へと向かおうとするのですが・・・・
「JR松山駅ゆきの電車が行ってしまった・・・・・」
仕方がないので、写真の電車で南堀端まで行って乗り換えることにしました。
ですが、今度は、
「乗換の電車がなかなか来ない・・・・・・」
ようやく来た電車に飛び乗るのですが、時計を見てみると、発車時刻の9時50分には間に合わないことが判明。
結局、JR松山駅前の一つ手前の「大手町駅前」で電車を降り、すぐ傍の「大手町」からバスに乗車することにしました。
待つこと数分、JR松山駅方面から旧国鉄カラーのバスが到着します。
落出ゆきの「松山高知急行線」です。
このカラーリングに懐かしさを覚えるのは、私だけでしょうか・・・・・。
整理券を取って車内に入ります。
車内はこんな感じです。 ハイバックシートが並びますが、色々調べてみると、この車両は大阪市営バスから来た移籍車両であることが判明。
元々大阪市営バスの車両ってグレードが高いのが多く、こういった比較的長距離のローカル線に向いているのかもしれませんね。
バスは、松山の中心街「大街道」に停車後、一旦狭い路地を進んでいきます。
そして暫く進むと、いよいよ峠越えが始まります。
峠からは、いかにも四国らしい、心休まる風景が堪能できます。
峠を上りきって下ると、久万高原町に入ります。
久万高原町内でこまめに停車し、やがて久万高原駅に到着します。
ここで数分間停車。
基本的には下車できないのですが、トイレを済ませたい方は、乗務員に伝えればOKとのこと。
私もこの停車時間を利用してWeb用写真の撮影を済ませます。
久万高原駅を出発後は、川沿いの道や峠道を進んでいきます。
所々きついカーブもあって、乗務員は見事なハンドル捌きでバスを進めて行きます。
そして松山を出発してから約1時間50分の11時43分、定刻よりも約10分遅れでバスは終点の落出駅に到着しました。
長閑な風景に旧国鉄カラーのローカル路線バス・・・・・・
何ともいえない懐かしさと雰囲気を醸し出しています。
このような情緒、私は大好きですね。
乗り場付近は・・・・・人の心を癒してくれそう風景が広がります。
今回、久しぶりに「松山高知急行線」に乗車しましたが、前回乗車した時とはまた違った見方をすることが出来ました。
いかにも四国らしい風景に出会えたこと、そして幹線からローカル線という地位に移りつつも、地域の人や観光客の重要な足として立派に機能していることが改めて確認できて、私的には大収穫のローカル路線バスの旅でした。
今後も沿線住民の足として立派に活躍し続けることを願いたいものですね。
さて、旅はまだ終わりません。
この後は、廃止された「松山高知急行線」の高知側を代替運行するローカル路線バスとJRなどを乗り継いで高知へと向かうのですが・・・・
この続きはまた次回に。
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