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いささか旧聞ではありますが、2016年10月15日の土曜日、釧路駅近くの「アクアベール」にて「第10回バスシンポジウムin釧路」が開催されました。

第10回バスシンポジウムin釧路 その1

実行委員会と私鉄総連北海道地方労働組合の共催で開催されたこのシンポジウムですが、「釧路地方のバスの話を聞く良い機会」なのではということで、釧路まで都市間バスを利用して参加してきました。
今回はその時の模様を報告します。

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元西武バス西工製夜行高速車で景色を堪能しながら移動

往路は諸事情により、道北バスの都市間バス「サンライズ旭川釧路号」で釧路へ向かいます。
所要約6時間の路線ですが、運良く元西武バスの西工製夜行高速仕様(日産KL-RA552RBN 3列独立シート)車に当たりました。
道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040 その1

道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040 その2

道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040 その3

道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040 その4

この路線の良いところは、何といっても美しい車窓です。
層雲峡、阿寒湖といった、道内有数の温泉観光地を経由するのもポイントです。
道北バス「サンライズ旭川釧路号」 1040 層雲峡にて
道東方面のJR不通の影響からか、車内は満席に近い24名が乗車。
こんなに混んでいる「サンライズ旭川釧路号」は、私自身初めてかもしれません。

シンポジウム会場最寄りの釧路駅前に到着したのは14時15分頃。
シンポジウムのスタートが14時ですので遅刻にはなりますが、ダッシュで今回の目的である公共交通系シンポジウムの会場へ向かいます。

シンポジウムの会場はほぼ満員!大学生と思わしき姿もちらほら・・・

シンポジウム会場に到着したのは14時30分過ぎ。
開催時間より30分程遅刻してしまいましたが、来賓の挨拶が長引いていたためか、到着時に基調講演が始まる頃合いでした。
会場に入るな否や、座席はほぼ満席(恐らく200名近くはいたかと思います)で、大学生と思わしき方もちらほら見受けられました。

前半は、釧路公立大学下山准教授による『地域活性化に資する公共交通の役割』というお題の基調講演。
第10回バスシンポジウムin釧路 その2
台風10号を中心とした被害の実状の話から、釧路圏における地域活性化とは何なのか、その中で公共交通が果たすべき役割と、更にその中でバスの位置付けはどうあるべきかについて、具体的な数字を挙げながらお話しされていました。

講演の内容については当日にTwitterにて実況しましたので、詳しくはTwitterのタイムラインを追いかけて欲しいのですが、

  • 御多分に漏れず釧路圏も完全な車社会で、自家用車利用前提の街に変わってしまった。
  • 本当に乗る路線をバス会社は走らせているのか?という疑問から、大学側で調査分析した結果、 目的地までの時間の差が大きければ大きいほどバスは敬遠されること、大型商業施設を経由することが輸送人員に影響を与えていることが分かった。
  • 時間が掛かり物凄く大変ではあるが、ニーズに合わせた路線変更の重要性と路線を維持するための積極的な取り組みが必要である。
  • 釧路・根室圏は、宿泊費と交通費の観光消費額の割合が高い。
  • さらに交通費の消費の詳細をみてみると、飛行機が53.2%でついでバスの20.5%。バスの割合が意外と高い。
  • 観光客のニーズに合っているのか、ハードが大切か、ソフトが大切か・・・ 利用者目線で考えていくことが大事。
などの話が私としては印象に残りました。知らない情報(特に統計資料のデータ)が聞けただけでも収穫でしたね。

後半のパネルディスカッションは利用者代表も参加

休憩を挟み、後半は下山准教授をコーディネーターに、5人のパネリストを迎えてのパネルディスカッションでした。
第10回バスシンポジウムin釧路 その3
パネリストの顔ぶれも、自治会関係者、観光業界関係者、高校生2名、タクシー会社社長と様々でしたが、普段バスを利用している利用者をパネリストとして迎えたのは、利用者の本音が聞けるという意味で大変良かったのではと思いました。

パネルディスカッションでは様々な話が出ました。
まずは、バスの持続可能性について思っていることを、それぞれの立場で話されていました。

「自家用車普及と大型商業施設の登場で街の姿が大きく変わった。現状はバスの利用が少なく、僅か4%しか利用していない。 ニーズに合わせた公共交通のあり方を、自治体、住民、事業者が知恵を出し合い、出来ることからやっていくことが大事。と同時に、事業者と利用者のコミュニケーション(直に話し合える場)が何よりも大切なのではないか。」(自治会関係者談)

「朝に釧路から阿寒町まで走っているバスは1本のみ。 以前は2本あっただけに不便になっている。 下校時は平日4本あるが、阿寒湖から来るバスが1本あり、釧路空港まで乗車する観光客が多いが、19時台のバスは、自分一人という日が多い。あと。阿寒~益浦間を通学している友人がいるが、くしろバスの釧路~益浦間が少なくて愚痴をこぼしている。」(高校生生徒会長談)

「普段は徒歩通学しているので、バスは殆ど使わないが、乗り方が分からない生徒が大変多い。いざ乗るとなると乗り方が分からないことでストレスになる。 乗り方教室など、もっと啓蒙活動が必要なのではないか。あと、休日遊びにいくのに釧路へ行きたくても、便数がない、乗り方が分からないのなどの理由でバスに乗れず、自家用車で送迎して貰っていく子が多い。自分は釧路へ行きたくても中々行けない。」(高校生生徒会副会長談)

「釧路のバスは路線が複雑。 定時制はある程度確保されているように思うが、路線図にしても作ってはいるものの周知されていない。混む時間がパターン化されていることも含め、もっとやれることがあるのではないか。 あと、Suicaなどの交通系ICカードの導入も今後の課題。」(観光関係者談)

「釧路市阿寒町の予約制乗り合いタクシーについて、阿寒バスの廃止により実証実験を経て運行を初めた。 バスより便数が減ったことによる不満も。開始時の運行率は52%。H26年には運行率58%まで増え、利用者も増加傾向であったが、昨年より利用者が減少。布伏内地区の減少が大きな原因。会社全体としては、営業時間を短縮するなど、ご不便をおかけしているが、観光タクシー部門でなんとかもっている現状。」(タクシー会社社長談)

そして、これらの話を受けて、バスの活性化に必要なことや取り組みについては、

「観光客が路線バスを使うにはハードルが高い。しかし、乗り方や見どころなどのプランを提示、周知していくことで、乗っていただける人が増える可能性はある。長期滞在者が路線バスに乗っていただける施策(滞在地から近場や近郊観光地へ行ける路線の整備など)も今後必要なのではないか。」(観光関係者談)

「阿寒湖温泉の観光の現状はピーク時より半分。 東日本大震災時が底で、ここ数年はインバウンド客が増えている。 観光タクシーの約8割がインバウンド客。 アジア圏の富裕層が3世代でジャンボタクシーを貸し切って広範囲を周遊する仕事も多い。やはり、不便さを感じさせない公共交通機関の連携が不可欠。阿寒バスの路線バスを使ったモデルコースを公式サイトにて紹介しているが分かりやすい。現在、阿寒バスとタクシーが連携した着地型旅行商品を提供しているが、もう少し路線バスを絡めた施策を考えても良いのではないか。」(タクシー会社社長談)

「人口減の中で考えなければならないのは、まずは青少年の問題。 本州へ行った学生が、釧路で受け皿がないために戻って来ない。 これをどうにかする必要がある。 あとは高齢化の問題と中心街の空洞化。 その中で、街の活性化とバス路線の活性化をどうしていくかを考える必要がある。」(自治会関係者)

「釧路はまだまだPRできる。 阿寒インターも開通し、今がチャンス。 路線バスについては、バス情報を表示する掲示板(デジダルサイネージのようなもの)があれば良い。」(高校生生徒会長談)

「高齢者が乗りやすい公共交通機関の整備が必要なのでは? あと、情報の見える化をきちんと対応して欲しい。」(高校生生徒会副会長談)

などのようなことを話されていました。

こうして実質約3時間のシンポジウムは幕を閉じました。

地方都市の公共交通問題と観光客対策をどう解決していくのかが課題

道東地区開催の交通系シンポジウムに参加したのは今回が初めてだったのですが、多くの識者が指摘・主張されている「住民、自治体、事業者が一体となって公共交通を作って育てることの重要性」「公共交通機関の問題を、自分達のこととして考え実行することの大切さ」が重要なポイントなのではと感じました。

ご存知の方も多いかとは思いますが、釧路市では「釧路市地域公共交通活性化協議会」を既に設置しており、現在「地域公共交通網形成計画」策定に向けて各種調査を行っているそうです。
http://www.city.kushiro.lg.jp/machi/t_keiei/page00034.html
地方都市が抱える公共交通の問題に加え、釧路圏においては観光客対応という問題もあります。
調査の結果をもとに、地域公共交通網形成計画の策定、ひいては再編実施計画の策定→実行という流れになるのでしょうが、一利用者の立場としては『より便利で分かりやすい』公共交通の整備を是非とも望みたいものです。

【おまけ】JR不通の影響で「スターライト釧路号」は大混雑

シンポジウムが終わったところで、終了後は念願のスパカツを味わうことも無く、札幌へとんぼ帰りです。

帰りは北海道中央バスの札幌~釧路線「スターライト釧路号」昼便の最終便を利用しました。(写真の一部はイメージです。)
北海道中央バス「スターライト釧路号」 2184 その1

北海道中央バス「スターライト釧路号」 2184 その2

北海道中央バス「スターライト釧路号」 2184 その3
ご存知の通り、台風10号による影響で、札幌と帯広・釧路の間を結ぶ特急列車「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」は全区間運休となっています。
現在は、札幌~トマム間に臨時特急列車が3往復とトマム~帯広間に代行バス3往復、トマム~十勝清水~新得間に代行バス1往復、そして帯広~釧路間に臨時快速列車が3往復運行されています。
しかし、2度の乗り換えが必要な上、所要時間も都市間バスとほぼ同じであることから、札幌と帯広・釧路を結ぶ都市間バスは軒並み混雑しており、私が乗車した「スターライト釧路号」も2台運行で2台とも満席という盛況ぶりでした。
この状況は、JRが復旧するまで当分の間続くことが予想されますので、都市間バスをご利用の方は早目のご予約をお勧めします。

釧路駅バスターミナル発車は18時05分。
鳥取分岐、大楽毛駅前で乗車扱い後、阿寒インターより道東自動車道に入ります。
途中、十勝平原サービスエリアで10分間の休憩を挟んだ後、道東自動車道~道央自動車道を札幌へ向けてひた走ります。
大谷地バスターミナル、時計台前で降車扱いを行い、終点の札幌駅前ターミナルに到着したのは、定刻よりも20分程早い23時00分頃でした。
北海道中央バス「スターライト釧路号」 2184 その4
昔は札幌~釧路間を7時間近くかけて運行していた「スターライト釧路号」も、今や5時間代前半で移動出来るようになりました。
便利になったものです。
これでは、JRの利用客がバスに奪われるのも無理ないなぁと改めて感じました。


【おことわり】
この記事は、過日Facebookにアップした内容を編集、リライトしたものです。


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自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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