道南バス「勇舞空港線」を見てみる
北海道千歳市。
その千歳市内を走る路線バスが、2016(平成28)年10月1日に再編されました。
(写真はイメージです。)
これまで千歳市では、住民、自治体、事業者、住民などが参加する地域公共交通会議を通じて、バス路線の見直しをはじめとする様々な検討・施策が行われてきました。
その後、千歳市の地域公共交通会議は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく協議会(通称:法定協議会)へ移行し、現在は住民、自治体、バス事業者のみならず、鉄道(JR)やタクシー事業者も協議会に参加して、千歳市の公共交通をより良いものにしようと努力されています。
今回実施された路線バスの再編は、「千歳市地域公共交通網形成計画」(千歳市交通戦略プランPartⅠ)に基づいて策定された「千歳市地域公共交通再編実施計画」(千歳市交通戦略プランPartⅡ)がベースになっています。
これら計画の詳細については、「千歳市交通戦略プラン」(千歳市公式サイト)にて詳しく紹介されていますので、是非とも見ていただきたいのですが、主な内容としては、
ですが、今回私が一番注目したのは、何といっても
新設された「勇舞空港線」における道南バスの千歳市内路線初参入
であります。
ご存知の方も多いかと思いますが、道南バスは室蘭市に本社を置く北海道有数のバス会社で、札幌~函館、室蘭、苫小牧間などで高速乗合バスを運行している他、室蘭、苫小牧、倶知安をはじめとする日高地区、後志地区にて一般路線バスを運行しています。
今回、その道南バスが何故に千歳市内の路線バスに参入することになったのか・・・。
実は、「千歳市地域公共交通再編実施計画」にその理由と思わせる記載がなされています。
千歳市内の路線バスは、長らくの間、北海道中央バスと千歳相互観光バスが運行を続けてきました。
しかしながら、御多分に漏れず、両社ともここ数年来の乗務員不足は深刻で、バスの配車体制に限界があるため、新設の「勇舞空港線」についてはバス事業者が現状の余力を活用するということになり、結果として千歳から比較的近い苫小牧で路線バスを運行している道南バスに白羽の矢が立った・・・ということの様です。
千歳市内を走る道南バスは一体どんなものなのか・・・
気になった私は、早速千歳へと向かいました。
道南バスと千歳相互観光バスが運行する「勇舞空港線」は、新千歳空港国際線ターミナル66番のりばから発車します。 1日10往復運行されており、このうち3往復を道南バスが、残りの7往復を千歳相互観光バスが担当します。
今回乗車した車両はこちら↓ 2015(平成27)年に導入された道南バスの日野ブルーリボンⅡワンステップ(QPG-KV234Q3)です。
デビュー当時は同社錦西営業所所属でしたが、現在はどうなっているのか正直分かりません。
ですが、車内掲示物を見る限りでは、苫小牧市内の営業所から送り込んで運用している様でした。
残念ながら車内は写真撮影が出来ませんでしたが、座席数が多い郊外路線仕様になっています。
新千歳空港国際線ターミナル66番のりばを発車したバスは、新千歳空港国内線ターミナル28番のりば→同1番のりばにて乗降扱いをします。
座席が半分以上埋まったバスは、エアカーゴ前、南千歳駅に停車した後、国道36号線を千歳市内へ。
朝日町からは市役所、中心街へと入っていきます。
新千歳空港から約20分でバスはJR千歳駅に到着します。 かなりの乗客が降りるかなぁと思いきや、JR千歳駅では2名が下車するのみでした。
千歳駅を発車したバスは、旧国道をさらに北へ進みます。
ホーマックのある交差点を右折後は、JR千歳線の踏切を渡り北陽地区へ。
このあたりから徐々に降車する乗客が出始め、勇舞地区に入った頃には車内は私を含めて数人のみと寂しくなります。
新興住宅地の勇舞地区を過ぎると、バスは終点の長都駅東口に到着です。(写真の一部はイメージです。)
新千歳空港からの所要時間は約45分。運賃は360円です。
並行するJRよりは時間がかかりますが、運賃はJRと同額になっています。
今回は私の様に終点まで乗り通す人はいませんでしたが、JR千歳駅より先の区間まで乗車する方がそれなりにいたことに加え、人口が増えている勇舞地区の状況を見るなり、「千歳市地域公共交通再編実施計画」に記載されている通り、「JR千歳駅~新千歳空港間の路線強化」と「勇舞地区利便性向上のための先行投資」の2つの役割を兼ね備えている路線であることを改めて実感しました。
今後は勇舞、北陽地区からの乗客をいかに増やすかが課題になるでしょうが、バスの利用者が増えて増便→更なる利便性向上といった良い循環が作り出されることを是非とも望みたいですね。
尚、「勇舞空港線」道南バス担当便は、午前中1往復(新千歳空港国際線ターミナル10時10分発→長都駅東口11時20分発)と夕方~夜にかけての2往復(新千歳空港国際線ターミナル16時20分発→長都駅東口17時20分発と新千歳空港国際線ターミナル18時20分発→長都駅東口19時20分発)の計3往復運行されています。
担当便も固定されていますので、興味がある方は一度乗車してみてはいかがでしょうか。
【おまけ】
千歳相互観光バスの「勇舞空港線」です。 この日は元西武バスの富士7Eが充てられていました。
【乗車データ】
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北の空の玄関口「新千歳空港」がある
その千歳市内を走る路線バスが、2016(平成28)年10月1日に再編されました。
(写真はイメージです。)
これまで千歳市では、住民、自治体、事業者、住民などが参加する地域公共交通会議を通じて、バス路線の見直しをはじめとする様々な検討・施策が行われてきました。
その後、千歳市の地域公共交通会議は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく協議会(通称:法定協議会)へ移行し、現在は住民、自治体、バス事業者のみならず、鉄道(JR)やタクシー事業者も協議会に参加して、千歳市の公共交通をより良いものにしようと努力されています。
今回実施された路線バスの再編は、「千歳市地域公共交通網形成計画」(千歳市交通戦略プランPartⅠ)に基づいて策定された「千歳市地域公共交通再編実施計画」(千歳市交通戦略プランPartⅡ)がベースになっています。
これら計画の詳細については、「千歳市交通戦略プラン」(千歳市公式サイト)にて詳しく紹介されていますので、是非とも見ていただきたいのですが、主な内容としては、
- 初乗り運賃の値下げ(初乗り区間1.3kmまで100円で乗車可能)
- 乗継無料チケット(実証試験)の配布
- 高齢者100円運賃の実施(時間帯限定)
- バス路線網の抜本的見直し(路線数、本数の増加、JR千歳駅と新千歳空港間の路線強化など)
- 待合環境の整備
- 情報発信機能の充実
ですが、今回私が一番注目したのは、何といっても
新設された「勇舞空港線」における道南バスの千歳市内路線初参入
であります。
ご存知の方も多いかと思いますが、道南バスは室蘭市に本社を置く北海道有数のバス会社で、札幌~函館、室蘭、苫小牧間などで高速乗合バスを運行している他、室蘭、苫小牧、倶知安をはじめとする日高地区、後志地区にて一般路線バスを運行しています。
今回、その道南バスが何故に千歳市内の路線バスに参入することになったのか・・・。
実は、「千歳市地域公共交通再編実施計画」にその理由と思わせる記載がなされています。
千歳市内の路線バスは、長らくの間、北海道中央バスと千歳相互観光バスが運行を続けてきました。
しかしながら、御多分に漏れず、両社ともここ数年来の乗務員不足は深刻で、バスの配車体制に限界があるため、新設の「勇舞空港線」についてはバス事業者が現状の余力を活用するということになり、結果として千歳から比較的近い苫小牧で路線バスを運行している道南バスに白羽の矢が立った・・・ということの様です。
千歳市内を走る道南バスは一体どんなものなのか・・・
気になった私は、早速千歳へと向かいました。
JR千歳駅~新千歳空港間の路線強化の役割を果たす「勇舞空港線」
やって来たのは、北の空の玄関口「新千歳空港」。道南バスと千歳相互観光バスが運行する「勇舞空港線」は、新千歳空港国際線ターミナル66番のりばから発車します。 1日10往復運行されており、このうち3往復を道南バスが、残りの7往復を千歳相互観光バスが担当します。
今回乗車した車両はこちら↓ 2015(平成27)年に導入された道南バスの日野ブルーリボンⅡワンステップ(QPG-KV234Q3)です。
デビュー当時は同社錦西営業所所属でしたが、現在はどうなっているのか正直分かりません。
ですが、車内掲示物を見る限りでは、苫小牧市内の営業所から送り込んで運用している様でした。
残念ながら車内は写真撮影が出来ませんでしたが、座席数が多い郊外路線仕様になっています。
新千歳空港国際線ターミナル66番のりばを発車したバスは、新千歳空港国内線ターミナル28番のりば→同1番のりばにて乗降扱いをします。
座席が半分以上埋まったバスは、エアカーゴ前、南千歳駅に停車した後、国道36号線を千歳市内へ。
朝日町からは市役所、中心街へと入っていきます。
新千歳空港から約20分でバスはJR千歳駅に到着します。 かなりの乗客が降りるかなぁと思いきや、JR千歳駅では2名が下車するのみでした。
千歳駅を発車したバスは、旧国道をさらに北へ進みます。
ホーマックのある交差点を右折後は、JR千歳線の踏切を渡り北陽地区へ。
このあたりから徐々に降車する乗客が出始め、勇舞地区に入った頃には車内は私を含めて数人のみと寂しくなります。
新興住宅地の勇舞地区を過ぎると、バスは終点の長都駅東口に到着です。(写真の一部はイメージです。)
新千歳空港からの所要時間は約45分。運賃は360円です。
並行するJRよりは時間がかかりますが、運賃はJRと同額になっています。
今回は私の様に終点まで乗り通す人はいませんでしたが、JR千歳駅より先の区間まで乗車する方がそれなりにいたことに加え、人口が増えている勇舞地区の状況を見るなり、「千歳市地域公共交通再編実施計画」に記載されている通り、「JR千歳駅~新千歳空港間の路線強化」と「勇舞地区利便性向上のための先行投資」の2つの役割を兼ね備えている路線であることを改めて実感しました。
今後は勇舞、北陽地区からの乗客をいかに増やすかが課題になるでしょうが、バスの利用者が増えて増便→更なる利便性向上といった良い循環が作り出されることを是非とも望みたいですね。
尚、「勇舞空港線」道南バス担当便は、午前中1往復(新千歳空港国際線ターミナル10時10分発→長都駅東口11時20分発)と夕方~夜にかけての2往復(新千歳空港国際線ターミナル16時20分発→長都駅東口17時20分発と新千歳空港国際線ターミナル18時20分発→長都駅東口19時20分発)の計3往復運行されています。
担当便も固定されていますので、興味がある方は一度乗車してみてはいかがでしょうか。
【おまけ】
千歳相互観光バスの「勇舞空港線」です。 この日は元西武バスの富士7Eが充てられていました。
【乗車データ】
- 乗車日:2016/10/08
- 乗車区間:
新千歳空港国際線ターミナル66番のりば→長都駅東口 - 運行会社:道南バス
- 車両:日野/日野ブルーリボンⅡワンステップ(QPG-KV234Q3)
- 年式:2015年式
- 所属:錦西営業所(?)
- 社番:820
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