北都交通「高速はこだて号」昼行便 乗車記(2015年12月乗車分)

昼行高速バス,高速バス乗車記

前々回の記事の続きになります。


青森港から津軽海峡フェリー「ブルーマーメイド」で函館港に到着した私。
津軽海峡フェリー「ブルーマーメイド」

更に北上します。

函館港からは、函館タクシー(函館帝産バス)の「函館港シャトルバス」で函館駅前ターミナルへ移動。
通常であれば路線タイプの車両が充てられるのですが、この日は貸切仕様の三菱エアロバスが充てられていました。
函館タクシー(函館帝産バス)「函館港シャトルバス」 ・633

20人前後の乗客を乗せたバスは、15分程で函館駅前ターミナルに到着。
駅近くの「ラッキーピエロ」にて昼食を済ませ、函館からはこちらのバスで札幌へ戻ります。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609
北都交通の札幌~函館間都市間バス「高速はこだて号」昼行便です。
札幌~函館間を約5時間20分で結びます。

夕暮れの道南路を一路札幌へ・・・

都市間バス「高速はこだて号」は、北海道中央バス・道南バス・北都交通3社が運行する札幌~函館間の都市間バスです。
元々は、北海道中央バスと道南バスが「オーシャンドリーム」として、北都交通が「オーロラ号」函館線として別々に運行していましたが、2003年4月に路線統合を行い、路線名も「高速はこだて号」に変更されました。
現在は3社合計で夜行便を含む1日8往復体制で運行しています。

今回乗車したのは、函館駅前ターミナル15時45分発の北都交通担当便。
同社に2台しか在籍していない三菱エアロエース(LKG-MS96VP)です。
かつての北都交通は三菱車がメインでしたが、経営破綻して旧銀嶺バス傘下に入ってからは、いすゞ車の割合が増えているだけに、ある意味貴重なのかもしれません。
始発は「湯の川温泉東」ですが、函館駅前ターミナルには発車10分程前に到着しています。
早速、乗車改札が始まります。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609 函館駅前ターミナル改札中

車内は、3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様。
ダークブラウンを基調にグレーのストライプが入ったシート地と木目調の床が特徴です。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609 車内

北都交通「高速はこだて号」 函館・609 シート
前方遮蔽カーテンも装備されており、夜行便の運用にも対応はしていますが、乗務員仮眠室が装備されていないことから、昼行便運用を前提とした車内の造りになっています。
また、この車両には昨今流行の座席コンセント、通路カーテンが装備されていません。
道内の都市間バスで外国人観光客向けWi-fi運用試験が始まりますが、少なくても座席コンセント(もしくはUSBポート)の増設は望みたいところですね。

私を含め15名の乗客を乗せたバスは、定刻の15時45分に函館駅前ターミナルを発車します。
函館市内の五稜郭駅前、昭和4丁目で乗車扱いの停車を行いながら、夕暮れの道南路を札幌へ向けて走ります。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609 函館市内走行中

桔梗を過ぎると、左手には3月26日に開業する北海道新幹線の新函館北斗駅と車両基地が見えて来ます。
北海道新幹線開業後は、この「高速はこだて号」も全便が新函館北斗駅に乗り入れることになっており、東北・東京方面へのアクセスがより便利になります。
特に、夜行便については、並行するJRの夜行急行「はまなす」が廃止されることから、これまで以上に混雑するのではないでしょうか。

七飯を過ぎると、バスは右手に大沼や内浦湾を眺めながら国道5号線を森・八雲まで走り、八雲からは道央自動車道を札幌までひた走ります。
年末の帰省ラッシュもひと段落したのか、車の流れも至って順調。この先渋滞が無ければ札幌には少し早く着きそうです。

函館を発車して2時間余りの18時05分、バスは1回目の休憩場所である静狩パーキングエリアに到着。
10分間の開放休憩を取ります。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609 静狩PAにて
私の記憶が確かならば、「高速はこだて号」の開放休憩は1回のみであったと記憶していますが、現在は開放休憩を2回実施している様です。
とはいえ、静狩パーキングエリアはトイレのみのパーキングエリア。
雪が降っていたこともあり、トイレを済ませた後すぐさまバスに戻る乗客が多かったですね。

10分後、乗務員が人数確認を行い、乗客が全員揃ったところでバスは発車します。
その1時間後には、2回目の休憩場所である有珠山サービスエリアに到着。
こちらでは少し長めの20分間の開放休憩となりました。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609 有珠山SAにて その1

北都交通「高速はこだて号」 函館・609 有珠山SAにて その2

北都交通「高速はこだて号」 函館・609 有珠山SAにて その3

車内では大晦日ということで、ダウンタウンのガキ使「絶対に笑ってはいけない名探偵24時」が放映されていました。
至るところから笑い声が・・・正しく「笑ってはいけない「高速はこだて号」」になっていました(笑)。

19時15分、乗客が全員揃ったところでバスは再び発車。
例年になく雪が少ないということもあって、高速道路は目立った速度規制がありません。
交通量も少なく、20時30分前には札幌南インターを通過します。

その後、地下鉄大谷地駅、南郷18丁目駅、時計台前、北2条西3丁目に停車しますが、降車客がおらずにすぐさま発車したため、終点の札幌駅前ターミナルには定刻よりも5分早い21時00分に到着しました。
北都交通「高速はこだて号」 函館・609 札幌駅前ターミナル到着 その1

北都交通「高速はこだて号」 函館・609 札幌駅前ターミナル到着 その2
あっという間の5時間15分でした。

高速道路の延伸に加えて、3年前(2013年)夏のJR特急「北斗14号」火災事故の影響で、「高速はこだて号」をはじめとする都市間バスの利用が増えていることは周知の事実ですが、今回久しぶりに「高速はこだて号」に乗車してみて、そのことを改めて実感しました。
実はこの日、今回乗車した便以外の全ての便が満席で、唯一今回乗車した便のみに空席があったために利用したのですが、年末年始の帰省方向の逆方向の便にしては、それなりに乗っている印象を受けました。
昔であれば、恐らく1桁台の乗客数であったことでしょう。
客層を見る限りでは、ご多分に漏れず女性や学生を中心とした若い方が多いですが、少なくても札幌~函館間においては、都市間バスの利用が徐々に根付いているのかもしれません。

そして、来る3月26日には北海道新幹線が開業しますが、新幹線開業に併せて「高速はこだて号」も新函館北斗駅に乗り入れることになっています。
となると、都市間バス+新幹線という使い方が出来る他、新幹線のネット割りを併用することで、東京~札幌間を片道22,000円前後の金額で移動することが出来ます。
「飛行機(LCC含む)+ホテルの方が安いでしょう!」という声が聞こえてきそうですが、外国人観光客の急増により、札幌市内及び近郊では想像以上にホテルの確保が難しい状況です。
更に、「飛行機が嫌い」という方が意外といることを考えると、都市間バス+新幹線で札幌~東京間を移動する方法がもう少し注目されても良いのではという気がします。
個人的には、東京発の新函館北斗行き最終「はやぶさ」に乗車して新函館北斗駅で「高速はこだて号」の夜行便に乗り換えるか、札幌から「高速はこだて号」夜行便に乗車して新函館北斗駅発の始発「はやぶさ」に乗り継ぐ方法が、宿代も浮かせられ、現地での滞在時間も有効に使えるという点でお勧めしたいですね。

高速道路延伸に並行するJR特急の現状、そして北海道新幹線の開業と、「高速はこだて号」をはじめとする札幌~函館間の都市間バスは追い風が吹いている状況といえます。
問題はこの先、バス事業者側がこの追い風をどう生かすのか、そして観光客をどの様にして都市間バスに目を向けてもらい利用に繋げていくのか・・・北海道新幹線開業を機に色々な意味で変わりそうな札幌~函館間都市間バスの今後の可能性を感じた今回の乗車でありました。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2015/12/31
  • 乗車区間:
    函館駅前ターミナル→札幌駅前ターミナル
  • 運行会社:北都交通
  • 車両:三菱/エアロエース(LKG-MS96VP)
  • 年式:2012年式
  • 所属:大曲バス営業所
  • 社番:609

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