高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 簡単な乗車記

昼行高速バス,高速バス乗車記

前回、このブログで近鉄バスの宿毛特急線「しまんとブルーライナー」(京阪神~須崎・中村・宿毛)の乗車記をご紹介しました。


近鉄バス「しまんとブルーライナー」 8804 淡路サービスエリアにて

この乗車記の中で、「とある高速バスの実見のために・・・」と書かせていただいたのですが、今回は、その「とある高速バス」をご紹介します。
その「とある高速バス」とは・・・
高知西南交通が運行する高知~中村・大月・宿毛間高速バス「しまんとライナーさんご号」であります。
高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 高知駅バスターミナルにて
高知~宿毛間を約4時間半かけて走破する高速バス「しまんとライナーさんご号」、一体どの様な路線なのでしょうか。

かつては2往復体制だった路線も、現在は高知西南部を広くカバー

高速バス「しまんとライナー」は、旧高知県交通(現:とさでん交通)と高知西南交通の共同運行路線として開設されました。
運行開始は、2012年12月21日。
両社各1往復の2往復体制で運行されていましたが、運行会社毎に路線名称が若干異なっており、旧高知県交通は「しまんとライナーつばき号」、高知西南交通は「しまんとライナーさんご号」という名称を付けていました。
何故に運行会社によって異なっていたのかは不明ですが、実は旧高知県交通便と高知西南交通便とでは運行経路が異なっており、旧高知県交通便は中村・土佐清水地区・足摺岬をカバーする高知~中村・土佐清水・足摺岬線として、高知西南交通は中村・宿毛地区をカバーする高知~中村・宿毛線として運行していました。
ところが、その後、「しまんとライナーつばき号」の利用状況が思わしくなかったことから、「しまんとライナーさんご号」に一本化され、更にダイヤ改正で土佐清水地区もカバーするダイヤに変更、現在に至っています。

高知~中村間の路線バスといえば、かつて大阪高知特急フェリーに連絡していた高知~中村・足摺岬間の路線バスを思い出すのですが、この路線、聞くところによると2005年頃に廃止されたとのこと。
以来約7年間は高知と中村の間を結ぶ路線バスが無かったことになるのですが、高知自動車道の延伸により、事実上高知~中村間の路線バスが復活した・・・ということになります。

学生や所用客が目立つ車内

高知西南交通本社近くの川沿いから眺める中村市街です。
朝の中村市街 その1

朝の中村市街 その2
この日は朝から快晴で、気分も清々しくなれる青空でした。

今回私が乗車したのは、高知西南交通本社(中村)8時23分発の高知行き。
発車時刻の5分前にはバスが入線します。
高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 高知西南交通本社にて その1

高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 高知西南交通本社にて その1
早い入線だなぁと思いきや、実はこちらで開放休憩と乗務員交代を実施しているとのことで、5分間の停車時間が設けられているとか。
広大なエリアを抱える昼行路線バスならではですね。

改めて車内を見てみますが、宿毛・土佐清水・中村駅から乗車した乗客を含め、学生と思わしき方や所用客が目立ちます。
週末というのが大いに影響しているのでしょうが、もしかすると平日は高知市内の病院への通院や出張、買い物といった目的で利用する方も多いのかもしれません。
高知~中村・宿毛間は、JR特急「南風」「あしずり」が多数運行されていますが、JRより運賃が安く、市街地に直行するバスは、特に学生や女性にとってありがたい存在。
もう少し便数があれば良いのかもしれませんが、採算面などの理由から、宿毛・土佐清水・中村地区からの日帰り需要に特化したダイヤにしている印象を受けます。

車両は、かつて「しまんとブルーライナー」(京阪神~中村・宿毛線)で活躍していた3列独立シート28人定員夜行高速仕様の日野セレガR-GD(KL-RU1FSEA)。
現在は「しまんとライナーさんご号」をメインに活躍していますが、繁忙期には「しまんとブルーライナー」の続行便に充てられることもあるそうで、その場合はトイレ付きの貸切車両が充てられるとのことでした。

バスは、国道56号線を四万十中央インターへ向けてひた走ります。
高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 車窓 その1

高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 車窓 その2

高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 車窓 その3

高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 車窓 その4
進行方向右手には一面に太平洋が広がります。
早朝または夜に通過する「しまんとブルーライナー」では味わえない車窓が楽しめます。

田野浦分岐、入野役場前、上川口、伊田、佐賀、佐賀温泉、窪川古市の各停留所で乗車扱いを行ったバスは、四万十中央インターから高知自動車道へ。
高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 車窓 その5
中土佐インター口で最後の乗車扱いを行ったバスは、高知自動車道を伊野インターまで走破します。

伊野インターを降りたバスは、国道33号高知西バイパスから電車通り(中村街道)を経由し高知市中心部へ。
高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 車窓 その6

旭町3丁目、県庁前、堺町で降車扱いを行い、10時半頃にバスは高知駅バスターミナルに到着します。
高知西南交通「しまんとライナーさんご号」 ・134 高知駅バスターミナル到着
この後バスは、イオンモール高知前里通を経由して、高知インター近くの一宮バスターミナル(旧一宮高知営業所)まで運行します。

宿毛・土佐清水・中村地区から高知への所用客、しいていえば日帰り需要に特化した高速バス「しまんとライナーさんご号」。
本数、所要時間という点においては、JRに大きく水をあけられる格好ですが、「きめ細かくカバーする」「運賃の安さ」「乗り換えなしで市街地へ直行出来る」という、バスならではの利点を生かした路線であることを、今回の実見を通じて改めて感じました。
惜しむらくは、もう少し本数があれば・・・といったところですが、利用客の動向や運行会社の体制などを考えると、おいそれ増便という訳にもいかないのかもしれません。

「決して目立たないが、知る人ぞ知る、地元住民にとっては安くて便利な高知直行便」
「しまんとライナーさんご号」を利用した私の率直な感想でした。
次回乗車の際は、是非とも高知~宿毛間を完乗してみたいですね。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2016/11/26
  • 乗車区間:
    高知西南交通本社(四万十市中村)→高知駅バスターミナル
  • 運行会社:高知西南交通
  • 車両:日野/セレガR-GD(KL-RU1FSEA)
  • 年式:2004年式
  • 所属:本社営業所
  • 社番:134


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