夜行高速バス「カルスト号」 運行休止へ・・・
SNSやマスコミ報道などでご存知の方も多いかと思いますが、近鉄バス(本社:東大阪市)と防長交通(本社:周南市)が運行している夜行高速バス「カルスト号」(京都・大阪・神戸~広島・山口・萩)が、2025年2月1日付で運行休止されることが先日発表されました。
近鉄バス「カルスト号」(イメージ)
防長交通「カルスト号」
※以下 近鉄バス公式サイト内「トピックス」より引用
【2025年2月1日(土)から】カルスト号(京都・大阪・神戸~広島・徳山・山口・萩)の運行を休止いたします。
日頃より近鉄高速バスをご利用いただきましてありがとうございます。
防長交通(株)と共同運行しております京都・大阪・神戸から広島・徳山・山口・萩を結ぶ高速バス「カルスト号」について、運行を休止いたします。
【休止日】
2025年2月1日(土) から
ご利用のお客様にはご不便お掛けしますがご理解賜りますようお願いいたします。
<お問い合わせ>
近鉄高速バスセンター
0570-001631(9:00~18:00)
夜行高速バス「カルスト号」とは
ここで、夜行高速バス「カルスト号」の歴史について簡単におさらいしておきましょう。京都・大阪・神戸~広島・山口・萩「カルスト号」は、1990(平成2)年8月2日に近畿日本鉄道(→近鉄バス)・防長交通の2社が大阪~山口・萩間で運行を開始しました。
防長交通「カルスト号」初代専用車(日野グランデッカ)
運行開始当初、大阪~山口間では、阪急バスとサンデン交通が「ふくふく号」(大阪~山口・下関)という夜行高速バスを運行(現在は廃止)しており、「カルスト号」はこれに追従する形で路線が新設されました。
愛称の「カルスト」は、いうまでもなく秋吉台の「カルスト台地」から採られたもので、現在も山口と萩の間で近傍を通過しています。
「ふくふく号」が大阪と山口を直行する運行経路であったのに対し、「カルスト号」は山口県東部から中部を幅広くカバーする運行経路になっており、それまで関西方面への直通交通機関のなかった萩地域とのアクセスを念頭に置きつつも、防長交通の主要エリアである周南・防府・山口のエリアとのアクセスも考慮されています。
現在の運行距離(営業キロ)は約580km。
運行開始当初は両社便とも2名乗務(ツーマン運行)でしたが、現在は両社担当便ともに途中交代制の全区間ワンマン運行となっており、途中のSAで2時間程度の仮眠休憩をとる他、途中の熊毛インターバス停で別の乗務員に交代することでも知られています。
近年は、萩から長門市への延伸や、広島市のアストラムライン広域公園駅への乗り入れ開始など、新たな需要獲得に積極的であった印象を受けます。
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