北海道バス「釧路特急ニュースター号」 乗車記(2013年5月乗車分)
4月24日には大阪~高知線「高知特急ニュースター号」の運行を開始しましたが、実は「高知特急ニュースター号」が開業した同日に、グループの北海道バスも同社2路線目の高速路線バス「釧路特急ニュースター号」の運行を開始しました。
※写真はイメージです。
運行開始初日の模様は、先日別ブログにてご報告させていただきましたが、開業1ヵ月後の2013年5月中旬、運良く乗車する機会があり、「実際のところどうなのよ?」ということで早速乗車してきました。
車内は通路カーテンとコンセント完備のハイグレード仕様
やってきたのは、札幌テレビ塔東側に位置する札幌大通市営バスセンター前。ここに北海道バス「ニュースター号」の停留所があります。
「釧路特急ニュースター号」の他に、先輩格の「函館特急ニュースター号」もここから発着しています。
で、今回乗車した車両はこちら↓。 「ニュースター専用カラー」を纏った三菱エアロエース(QRG-MS96VP)です。
「函館特急ニュースター号」用と合わせて計5台導入されたそうです。
いや~、大阪バスGも気合が入っていると言うか、太っ腹ですなww。
車内はこの様になっておりまして・・・・・
後部トイレ付き3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様になっているのですが、一見普通に見えるこの車両、実はこの車両には「通路カーテン」と「座席コンセント」を装備しています。
本州の夜行バスでは当たり前の装備になりつつありますが、こと北海道内の都市間バスに関してはこれまで採用された例が無く、実質この車両が道内の都市間バスで初めての採用になります。
「回りを気にせずに休みたい」方や、携帯電話・スマートフォンユーザーにとっては有難い設備ですね。
では、乗車時の模様を簡単にご紹介。
始発の大通市営バスセンターからの乗車は私一人でしたが、その後の札幌駅前で新たに一名が乗車、結局この日は私と他1名の計2名で釧路へと向います。
出発後、自動音声にて案内が流れた後、乗務員から補足説明があります。
そつなく行われていきますが、通路カーテンやコンセントの使用方法のついてのフォローも欲しいところ。
シートバック背面に貼られている説明シールだけでは物足りない気がします。
バスは札幌北インターを通過後に消灯となります。
この先は、道央自動車道から道東自動車道に入り、国道38号線などを経由して釧路へと向います。
運行距離の関係から、乗務員は2名体制。
途中交代しながら釧路まで乗務します。
実はこの路線、北海道内を走る夜行バスでは珍しく乗務員交代を兼ねた開放休憩があります。
かつては、北都交通の「オーロラ号」函館線夜行便で深夜の開放休憩がありましたが、現在北海道内を走る夜行都市間バスで開放休憩があるのは、北海道バスの「ニュースター号」2路線位でしょうね。
場所は占冠サービスエリアと道の駅うらほろ。
占冠サービスエリアでの休憩停車は寝ていて気付きませんでしたが、2箇所目の道の駅うらほろでの開放休憩は停車と同時に目が覚め、折角なので降りてみました。
定刻ですと3時30分前後に到着します。
駐車場には仮眠のために停車しているトラックがちらほらと。
ついでにこの様な写真も撮ってみました。
最後の休憩地「道の駅うらほろ」出発後は、夜が明けた太平洋を横目に釧路へとひた走ります。
5時前には前方のカーテンが開けられ、5時10分過ぎには釧路駅前(北大通13丁目)の到着。
そして終点の湖陵高校前には、定刻よりも15分程早い5時25分に到着しました。
湖陵高校前のバス停は、地元の貸切専業バス会社「太平洋交通」の車庫内にありまして、この「釧路特急ニュースター号」の運行に際して、車庫提供や仮眠・休憩施設に関して業務提携を結んだそうです。
因みに車庫前の風景はこの様な感じです。 高校と住宅地の中にある、小さなバス車庫ですねww。
というわけで、「釧路特急ニュースター号」乗車の模様を簡単にご紹介しました。
今回実際に乗車してみて、私的にはいろいろと思うことがあるのですが、一言で言うと
「もったいない!」
これに尽きるでしょうか。
このことは昨年2012年春に「函館特急ニュースター号」3列シート車に乗車したときにも思ったことなのですが、最新型の良い車両・良い車内設備を誇っているのに、どうもリソースを十分に生かしきれていない印象を強く持ちました。
特に北海道においては、中央バス連合「Rakutoku Bus 13」の力が強いです。
その中央バス連合に真っ向勝負を挑んだとしても、まともに勝てる訳がありません。
では、どうすれば、利用客が付くようになるのか・・・・
「戦略・戦術は?」
「営業活動は?」
「知名度を上げる努力は?」
これを突き詰めて考え、実行していくしかないと考えます。
「釧路特急ニュースター号」に限りませんが、大阪バスグループ「ニュースター号」をどの様な戦略で路線を育てていこうとしているのか、イマイチ見えてこないんですよ。
ウィラーの様な全国ネットワークを目指しているのか?それとも単なるオイシイどこ取りで終始してしまうのか・・・・
その辺の方向性・戦略が出来ていないと、中途半端な路線展開に終わってしまうのではないのかと今回思いました。
なので、まずは「ニュースター号」としての方向性をしっかり決めて、その上で
・どの利用者層をターゲットにするのか
・その地域はターゲットとする利用者層が多いのか?少ないのか?
・ライバル交通機関の現状は?今後の予想は?
・サービスはどうするのか?他社との違いをどう出していくのか?
・営業活動はどうするのか?
地上戦メインで行くのか?空中戦メインで行くのか?それとも効率よく両立させるのか?
・WEBを活用するのであれば、どういった流れで自社サイトへ誘導し、更に販売サイトへ誘導&クロージングしていくのか?
などといった戦略・戦術を立てて、出来るところから実行していく必要があるでしょうね。
あと、営業活動についてですが、大阪バスグループのこれまでの動きを見る限りでは、どうもWEBでの集客に力点を置きたいのでは?と思えてしまうんですよ。
確かに、既存事業者と比較しますと従来のバス会社が行ってきた営業活動方法ではどうしてもハンデがありますし、限界もあるでしょう。
そういった意味で、WEBでの集客に力点を置きたいという方向性は理解できますし、大いに結構だと思うのです。
では、現状においてWEBで集客するための仕組み作りがきちんと出来ているのでしょうか?
残念ながら出来てるとは言い難いというのが私の実感です。
とかくWEB集客に力点を置くとなると、「楽天トラベル」「じゃらんネット」に頼りがちですが、「楽天トラベル」「じゃらんネット」頼みだけでは駄目です。
「発車オーライネット」も・・・という声も挙がりそうですが、「発車オーライネット」はあくまで販売ツールであって、集客ツールではありません。
如何に自社サイトに訪問して貰い、そこから販売サイトへ誘導させ、発券(=成約)させるか・・・ということを考えて仕組みづくりをしていく必要があります。
それには、自社サイトが魅力あるものでなければなりません。
コンテンツの内容は勿論のこと、サイトのデザインにも気を配って作り上げる必要があるでしょう。
単なる情報の羅列だけでは、すぐに他のサイトへ流れていってしまいます。
人は3秒でそのサイトの良し悪しを決めてしまうと言われています。
3秒見てつまらないサイトは、すぐに閉じられてしまいますよw。
勿論、twitterやFabebookなどのSNSの活用、メルマガの活用も必要になってきますし、効果的SEO(検索エンジン対策)も必要になってきます。
その他、従来の企業・学校訪問やチラシ配布などといった従来型の地道な営業活動も必要ですし、広告媒体を使って知名度を上げていく活動も今後必要でしょう。
これら一連のことを効果的にやっているのが、実はウィラートラベルをはじめとする大手高速バスツアーバス陣営だったりします。
高速ツアーバス自体に関しては賛否両論があり、新高速制度で形態が変わることになっているので、ここではあえて話しませんが、高速ツアーバス陣営の営業戦略・戦術を学ぶことは、今後にとって参考になる部分が多いかと思います。
あと、これは個人的意見ですが、折角車内案内放送で4ヶ国語対応を行っているのですから、サイトも「4ヶ国語」対応にしてみては如何でしょうか?
同様に「4ヶ国語対応」の「ニュースター号」紹介Facebookページを立ち上げてもいいかもしれませんね。
「4ヶ国語対応」が難しいのであれば、手始めに英語版のサイトページやFacebookページを立ち上げてみてもいいかもしれませんね。
海外からの観光客に利用してもらうチャンスが増えますし、実際の話、某温泉街の観光協会にて英語版「Facebookページ」を開設したところ、海外からの問い合わせが急増したという事例を聞いたことがあります。
検討する価値はあるかと思うのですが・・・。
大阪バスグループが「ニュースター号」について今後どう考えているのかは、いずれ近いうちにお聞きしたいとは思っていますが、本気で「ニュースター号」を育てていきたいのであれば、やらなければならないことが沢山あるような気がします。
逆に言うと、やるべきことを明確にして、出来ることから着実に実行していけば、それなりの数の利用客が付くのではないかとも思っています。
現に「函館特急ニュースター号」では、学生を中心に徐々に利用客が付いてきているという話も聞きますので。
利用客が付けば、「釧路特急ニュースター号」の昼便運行開始・・・ということにもなるかもしれませんね。
少なくても、ハード面においては、北海道内の既存事業者よりも上をいっています。
大阪バスグループが現在持っているリソースを十分に発揮すれば、決して出来ないことではないと思っています。
今後の事業者側の努力に期待したいところですね。
そんな事を思った、今回の「釧路特急ニュースター号」の旅でございました。
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