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関西電力「関電トンネル電気バス」と扇沢「トロバス資料館」

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富山県の立山駅と長野県の扇沢駅の間を結ぶ、全長37.2km、最大高低差1,975mの交通路「立山黒部アルペンルート」
世界有数の大規模山岳観光ルートとして、多くの観光客が訪れます。

立山黒部アルペンルートは、以下の7つの交通手段から構成されています。
(★印:立山黒部貫光が事業主 ☆印:関西電力が事業主)

  • 立山駅~美女平「立山ケーブルカー」★
  • 美女平~弥陀ヶ原~室堂「立山高原バス」★
  • 室堂~大観峰「立山トンネルトロリーバス」★
  • 大観峰~黒部平「立山ロープウェイ」★
  • 黒部平~黒部湖「黒部ケーブルカー」★
  • 黒部湖~黒部ダム「徒歩」
  • 黒部ダム~扇沢駅「関電トンネル電気バス」☆

立山駅から扇沢駅まで、乗り換え時間を含めない合計移動時間は2時間弱。立山駅~扇沢駅間の片道通し運賃は9,300円となっています。

実は私、以前から「立山黒部アルペンルート」を縦断してみたいと思っておりまして、4月のとある日に「立山黒部アルペンルート」の縦断を長野県側から試みたのですが、当日になって美女平~弥陀ヶ原~室堂「立山高原バス」が、悪天候の理由で急遽終日運休することに。
やむなく、「立山黒部アルペンルート」縦断を断念したのでありました。
「立山黒部アルペンルート」の縦断については、いつかリベンジを敢行したいと考えておりますが、それでも「せめてこれだけは乗っておきたい」という乗りものがありましたので、その乗りものを今回はご紹介します。

その乗りものとは・・・こちらです。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1008_211 黒部ダムにて

扇沢駅~黒部ダム間の路線バス「関電トンネル電気バス」です。
扇沢と黒部ダムの間は、一般の車両が通行可能な道路がないため、両県境を直接行き来することが出来る唯一の交通機関でもあります。

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「関電トンネル電気バス」とは?

先述の通り、「関電トンネル電気バス」は、長野県大町市の扇沢駅と富山県中新川郡立山町の黒部ダム駅との間を関電トンネル経由で結ぶ、関西電力の路線バス。「立山黒部アルペンルート」の一部を構成しています。
関西電力のグループ企業が運営する北アルプス交通(関電アメニックス)や黒部峡谷鉄道と異なり、本路線は関西電力直営の路線。
運行及び管理は、同社の黒四管理事務所運輸課が担当しています。

ご存知の方も多いと思いますが、元々この区間には、トロリーバス「関電トンネルトロリーバス」が運行されていました。1964(昭和39)年8月の運行開始以降、約半世紀の歴史を重ねて来ましたが、車両や設備の老朽化が進み、トロリーバスの運行システムの維持が困難になったことや、環境性及び運行にかかる経済性なども踏まえ、2018年度をもって「トロリーバス」の運行終了を発表。これに代わって翌年の2019年度より運行を開始したが「関電トンネル電気バス」なのです。

「関電トンネル電気バス」に使用される車両について

ベースになっている車両は、J-BUS製の現行型「日野ブルーリボン」。
車載パンタグラフを通して、エンジンルームの部分に設置されたバッテリーに充電する方式をとっており、扇沢の乗り場に設置された充電設備にて約10分間で急速充電します。
主電動機はトロリーバスの約2倍の出力を誇り、最高速度は50km/hとなっています。

車体は、北アルプスの雪に着想を得た白を基調色としており、「黒四」にちなんだ黒色の線が4本入っているのが特徴です。
そして、前面には関電の社章を設置しています
この社章ですが、退役したトロリーバス車両から取り外したものだとか。
トロリーバスの魂をしっかりと引き継いで運行する!“という、関電側の確固たる意思すら感じられます。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1008_201 黒部ダムにて

外観上の変わった点として挙げられるのが、”バックミラー”でしょうか。
トンネル内の湿度が高いことによる結露対策として、電熱ヒーターが付いた観光バス用のものを採用しています。
このバックミラー、どう見ても三菱エアロクイーン/エアロエースのものですが、何故に同じJ-BUS製「日野セレガ」「いすゞガーラ」のバックミラーを採用しなかったのか、不思議ですね(笑)。

車内定員は80名(うち座席数は33名)となっており、トロリーバスと比較すると、座席数は減りましたが、トータルでの定員は増えています。

因みに、トロリーバスでは運転士は動力車操縦者運転免許(無軌条電車運転免許)と大型自動車第二種運転免許の取得が必要でですが、電気バスは大型二種免許のみで運転が可能だそうです。

この電気バスですが、2020年現在、計15台が配備されています。

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「関電トンネル電気バス」に乗って黒部ダムへ

実際に「関電トンネル電気バス」に乗って、黒部ダムへ行ってみます。

新宿から京王バス「中央高速バス安曇野・白馬線」で信濃大町駅へ移動し、

京王バス「中央高速バス白馬線」 51311 双葉SAにて
京王バス「京王バス「中央高速バス安曇野・白馬線」」

信濃大町駅から関電アメニックス(北アルプス交通)の路線バスで扇沢駅へ。

関電アメニックス(北アルプス交通) ・・33
関電アメニックス(北アルプス交通)「大町~扇沢線」

扇沢駅の乗車券窓口にて扇沢駅~黒部ダム間の往復乗車券(2,610円)を購入し、停車中の電気バスに乗車します。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1014 扇沢駅にて
関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 扇沢駅にて_02

扇沢駅発車後、関電トンネルに繋がる坂道を上ります。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 扇沢駅発車直後_01

降車ホームの向かい側には、電気バスの車庫があります。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 扇沢駅発車直後_02

下には扇沢駅と駐車場が。
随分と高い位置まで上るのですね。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 扇沢駅発車直後_03

いよいよ、関電トンネルに入りました。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 関電トンネル走行中_01

車内のモニターでは、「関電トンネル電気バス」の案内映像や、立山黒部アルペンルートの案内映像が流れます。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 関電トンネル走行中_02 車内モニター

車内のつり革です。
黒部ダムのマスコットキャラクターである猫「くろにょん」をモチーフにしています。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 関電トンネル走行中_03 「くろにょん」をモチーフにしたつり革

やがて、青色の照明看板を通過します。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 関電トンネル走行中_04 破砕帯通過

この照明看板の地点は、「破砕帯」と呼ばれる場所です。
関電トンネル建設の際にいくつもの破砕帯が発見され、頻繁な出水のため想定以上の難工事となったそうです。
結局、100本以上の水抜きボーリングや軟弱地盤の固化工事が加えられて、関電トンネルは1958年に全通しましたが、現在でもこの地点付近では、大量の湧水が出ているとのことでした。

先へ進むと、黄色の照明看板を通過します。
長野県と富山県の県境です。
ここから先は富山県になります。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1011 関電トンネル走行中_05 県境通過

もう少し先に進むと、交換地点に差し掛かります。
関電トンネルは1車線分の幅しかないため、対向車両が運行している場合、交換地点にて運転士同士が窓越しで樹脂製通票(タブレット)の交換を行います。(写真が無くて申し訳ありません。)

扇沢駅を発車して15分程で、電気バスは黒部ダム駅に到着。
ここから歩いて黒部ダムへ向かうことにします。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1008_211 黒部ダムにて

黒部ダム駅から黒部ダムへ向かう方法は2通りあります。
ひとつは、220段の階段を上って展望台から黒部ダムを眺める方法。
そしてもうひとつは、60段の階段を下ってから、約5分歩いてレストハウス・売店付近から黒部ダムを眺める方法です。
どちらを選ぶかは人それぞれですが、マスクをしながらの220段の階段は、正直きつかったです。

展望台から見た黒部ダムです。

関西電力「関電トンネル電気バス」 黒部ダム_01

そして、こちらはレストハウス前から見た黒部ダムです。

関西電力「関電トンネル電気バス」 黒部ダム_02

見ての通り、天候は吹雪。
この天候であれば、「立山高原バス」が終日運休になるのも仕方ないなぁと思いました。

昼食や買い物を済ませ、黒部ダム駅から電気バスで扇沢駅に戻って来ました。
扇沢駅も吹雪模様でした。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1001_201 扇沢駅にて

ところで、上記写真の電気バスのナンバープレート部分に車号が掲示されていますが、実は、この下には取得済みの白ナンバーが隠れています。
冬季休業中や修理点検の際に公道を走行するために白ナンバーを取得していますが、では何故に緑ナンバーではなくて白ナンバーなのか・・・。
これは、営業運転の経路が国立公園の敷地内で、道路交通法上の「道路」に当たらないこと、そして、公道走行時は営業運転を行わないので、緑ナンバーを取得しなくても白バス行為に該当しないため、緑ナンバーではなく白ナンバーを取得しているとのことでした。

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トロリーバスに会える?扇沢駅前の「トロバス記念館」

帰路のバスの時間まで少し余裕が出来たので、扇沢駅前の扇沢総合案内センター内にある「トロバス記念館」に寄ってみました。

扇沢駅前 トロバス資料館_01
扇沢駅前 トロバス資料館_02
扇沢駅前 トロバス資料館_03

館内に見学客が居たので、中の様子を写真でしっかりとお伝えすることが出来ないのですが、トロバスの歴史を伝えるパネルや部品などがを数多く展示されていました。
歴史的価値のある資料もありますので、トロリーバスに興味がある方は、ぜひ見学されることをお勧めします。

⇒ トロバス記念館(信濃大町なび)

そして、屋外には、ファンの熱意や解体業者の配慮により解体が免れたトロリーバス1台が保存されています。

扇沢駅前 トロバス資料館_04 保存用トロリーバス

この車両ですが、大町市がクラウドファンディングにより里帰りさせることに成功したということで、話題にもなりましたね。

⇒ 「解体を待つ奇跡の1台「トロバス」を保存して守りたい!」(クラウドファンディングサイト「READY FOR」内)

車内も見学出来るそうですが、資料館の展示物を見るのに時間を使ってしまい、車内の見学時間が取れなかったのが心残りです。
次回の扇沢訪問時に必ず訪れたいと思います。

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最後に

悪天候による「立山黒部アルペンルート」縦断断念からの「関電トンネル電気バス」の往復乗車。
正直な話、消化不良の感は否めませんでしたが、「乗りたい乗りものには乗車出来た」ということで、とりあえず今回は良しとしました。

初の「関電トンネル電気バス」の乗車でしたが、確かに音は静かで、乗り心地もそれなりに良いです。
ですが、ベース車両自体もそれなりに音が静かという印象を持っているだけに、あっと驚くようなインパクトは正直無かったかなぁ・・・というのが正直な感想でした。

ひとことでいえば、「モーターで動く日野ブルーリボン」。
その程度の認識で問題ないかと思います。

とはいえ、現在のところ、国内で唯一の「車載パンタグラフを搭載したバス」であることに間違いはありませんし、黒部ダムの見学を兼ねて”見てみる””乗ってみる”価値はあると思います。

今回は「関電トンネル電気バス」の往復乗車で終わりましたが、機会を改めて「立山黒部アルペンルート」縦断を敢行する際には、もう少しじっくりと見てみたい・・・そんなことを感じた今回の「関電トンネル電気バス」の乗車でございました。

関西電力「関電トンネル電気バス」 1001_201 扇沢駅にて

【乗車データ】 

  • 乗車日:2021/05/02
  • 乗車区間:
    扇沢駅→黒部ダム駅
  • 運行会社:関西電力
  • 車両:日野/ブルーリボン(改造:株式会社フラットフィールド)
  • 年式:2018年式
  • 所属:黒四管理事務所運輸課
  • 社番:1011

【乗車データ】 

  • 乗車日:2021/05/02
  • 乗車区間:
    黒部ダム駅→扇沢駅
  • 運行会社:関西電力
  • 車両:日野/ブルーリボン(改造:株式会社フラットフィールド)
  • 年式:2018年式
  • 所属:黒四管理事務所運輸課
  • 社番:1003

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