大阪バス「久宝寺出戸線」を見てみる
高速乗合バス「ニュースター号」や貸切バスで全国展開を図っている東京バスグループ。
その東京バスグループの大阪バス(東大阪市)が、東大阪地区では同社初となる一般路線バス2路線の運行を2016年7月より開始しました。
今回開設したのは、近鉄布施駅と近鉄八尾駅を結ぶ「布施八尾線」(大蓮経由)と、JR大和路線久宝寺駅と大阪市営地下鉄谷町線出戸駅を結ぶ「久宝寺出戸線」(竹渕経由)。
いずれの路線もかつては既存事業者(近鉄バス)が運行していましたが、2009年までに路線が廃止されていました。
その後、八尾、東大阪両市が同社に運行を要請し、開業にこぎ着けました。
同社の西村社長曰く「参入にはいろいろと規制があったが、ようやく実現にこぎ着けた。将来はこのターミナルから各地に向かう運行を実現したい」と路線拡大に意欲をみせている他、開業式典に出席した大阪府の松井一郎知事は「(官民が)連携してサービスを提供する時代の象徴」と、自治体側も期待を寄せています。(大阪日日新聞 2016年7月30日記事より引用)
今般、大阪に立ち寄った目的の一つが、この大阪バスの新規路線バスの実見でした。
時間の関係から2路線のうちどちらかしか実見出来ないということもあり、今回はJR大和路線久宝寺駅とと大阪市営地下鉄谷町線出戸駅を結ぶ「久宝寺出戸線」に実際に乗車してみることにしました。
狭隘地を走る面白い区間ではあるのですが・・・
やって来たのは、JR大和路線とJRおおさか東線が乗り入れる久宝寺駅。大阪バス「久宝寺出戸線」は、バスロータリーの近鉄バス降車停留所と同じ場所に設置されたバス停から発車します。
ダイヤは全日共通で、データイムのみ90~120分ヘッドでの運行と、本数は多くありません。
今回乗車したのは、JR久宝寺駅10時30分発の便。
写真の東京バスグループ路線カラーを纏った日野ポンチョロング(2ドア仕様)が充当されます。
JR久宝寺駅を発車したバスは、まず八尾市立病院に立ち寄ります。
近鉄バスと同様に玄関前まで乗り入れますが、病院利用者にはありがたいかもしれません。
JR久宝寺駅~八尾市立病院間については、既存事業者に合わせてか、運賃が100円になっています。
その後バスは、跡部本町三丁目 、竹渕コミュニティセンターと停車していきます。
と、ここでお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は久宝寺~竹渕地区の間は、かつての八尾市コミュニティバス「愛あいバス」竹渕ルートをほぼ踏襲しています。(運行は近鉄バスに委託。)
途中、狭隘地を走破する、ある意味面白い区間ではあるのですが、八尾市コミュニティバス「愛あいバス」時代と比較すると停留所数を絞っており、少々勿体ない気も。
既存事業者との関係もあるのでしょうか。
竹渕コミュニティセンターを発車すると、バスは終点の地下鉄出戸駅までノンストップ運行となります。
この区間も住宅地があることから、停留所を設けたら使ってくれる人が少しかは居ると思うのですが、近隣を走る大阪市営バスに配慮しているでしょうか・・・。
終点の地下鉄出戸駅のバス停は、地下鉄出戸駅5号出口傍にあるイオン長吉店の目の前にあります。 地下鉄や買い物へのアクセスを考えると、大阪市営バスの出戸バスターミナルよりは便利な場所かもしれませんが、当然のことながら(?)地下鉄駅やイオンでの案内が無いため、初めて利用する方はバス停を探すのに苦労するかもしれません。
というわけで、大阪バス「久宝寺出戸線」を簡単にご紹介しました。
前述の通り、この路線は以前八尾市が運行していた八尾市コミュニティバス「愛あいバス」竹渕ルートをほぼ踏襲しています。
「愛あいバス」時代も停留所数は少なかったのですが、大阪バス「久宝寺出戸線」では更に停留所数を絞っており、実際は久宝寺・竹渕~地下鉄出戸間の直通バスと化しています。
事実上の交通機関空白地帯であった跡部、竹渕地区を通過しているだけに、少々勿体ない気もしますが、今後はこれら交通機関空白地帯の停留所新設と増便を含めた利便性向上が課題なのかなぁと感じました。
前回の記事でも少し触れましたが、東大阪・八尾地区においては、同地区をエリアとする近鉄バスの大幅な減便など、ここ最近は明るい話題がありませんでした。
それだけに、今回の大阪バスの新路線開業は、同地区にとって明るい話題を提供することにもなりました。
今回の新路線の開業で、交通機関空白地帯が増えたこの地区のバス路線網の復興を願うとともに、大阪バスの一般路線バス事業の更なる拡大に期待したいものです。
【乗車データ】
- 乗車日:2016/08/22
- 乗車区間:
JR久宝寺駅→地下鉄出戸駅 - 運行会社:大阪バス
- 車両:日野/ポンチョロング2扉仕様
- 年式:2016年式
- 所属:本社営業所
- 社番:不明
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