西日本鉄道の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗ってみました

鉄道



地域を味わうランチの旅「CHIKUGO LUNCH COURSE」に参加してみる

今回私が参加したのは、西鉄福岡(天神)駅を昼前に発車する“地域を味わうランチの旅「CHIKUGO LUNCH COURSE」"
大牟田発のディナーコースでも良かったのですが、昼間の景色を楽しみたいということもあり、ランチコースにしてみました。

乗車するまで

「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗車するには、基本的に専用予約ページ(https://reserve.railkitchen.jp/から予約・決済する必要があります。
但し、「地域を味わうブランチの旅」については、(空席がある場合のみ)運行当日に西鉄福岡(天神)駅チケットカウンターにて購入することが出来ます。(販売時間:8時00分~9時15分、当日の電話予約不可。座席が無くなり次第終了。)

予約は、運行日2ヶ月前の1日午前10時から運行日7日前17時まで受け付けており、決済はクレジットカード決済かコンビニ決済のいずれかになります。
代金は、ブランチコースが3,300円、ランチコースとディナーコースが8,800円(いずれも税込)となっています。

そして、ランチコースとディナーコースご利用の方限定にはなりますが、乗車日に限り天神大牟田線・太宰府線・甘木線全駅で自由に乗り降り出来る乗車券「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO 限定1日乗車券」も発売しています。
発売金額は、大人550円、小児280円(税込)。
西鉄福岡(天神)~大牟田間の普通運賃が1,200円ですので、帰りも西鉄電車を利用して福岡へ戻りたい・・・という方は、この乗車券を利用した方がお得です。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 限定1日乗車券

11時35分過ぎ 西鉄福岡(天神)駅にて

西鉄福岡(天神)駅のチケットカウンターにて先述の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO 限定1日乗車券」を購入後、有人改札窓口にて「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」乗車券の代わりとなるメールを提示してホームに入ります。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 乗車券メール

「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、既に入線していました。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 福岡(天神)にて_01

早速、乗車します。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 福岡(天神)にて_04

指定されたテーブルです。
レシピカードのやドリンクのメニュー表も置いてありました。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 福岡(天神)にて_05

そうこうしているうちに、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の発車時刻となりました。


11時50分 西鉄福岡(天神)駅発車

発車直前、クルーの方が発車の合図となるトライアングルを鳴らし、ドアが閉まります。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 福岡(天神)にて_06

そして、11時50分、定刻に「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は西鉄福岡(天神)駅を発車します。
約2時間の非日常に誘う旅の始まりです。

発車後、間もなくしてウェルカムドリンクが運ばれて来ます。
乗車当日のウェルカムドリンクは、あまおうのスパークリングワインとフルーツジュースのいずれかを選ぶことが出来ましたが、私は迷わずあまおうのスパークリングワインを選択。
乗客全員で乾杯し、あまおう独特の甘い香りがするスパークリングワインの味を楽しみます。
初めて飲みましたが、私好みの味でした。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 ウェルカムドリンク(あまおうプレミアムスパークリングワイン)

暫くして運ばれてきたのは、とうもろこしと胡瓜の冷たいスープ
柳川産とうもろこしと八女産の胡瓜を使用しているとのことですが、とうもろこしならではの甘さと胡瓜のさっぱり感がミックスして、味的にも飲みやすいスープでした。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 アミューズ(とうもろこしと胡瓜の冷たいスープ)

続いて運ばれてきたのは、ベジタブルプレート
うきは産のズッキーニや茄子などを使ったスカペーシェと、同じくうきは産卵やドライトマトなどを使ったゆで卵のドライトマトソース、そして同じくうきは産の桃やマスカットなどを使ったカプレーゼが一皿に盛り付けられています。
どれも美味しかったのですが、印象的だったのはズッキーニの美味しさ。
私自身、ズッキーニは普段食べないのですが、調理の仕方でこんなに美味しくなるのものなのか・・・と、新たな発見をした気がします。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 ベジタブルプレート

12時30分頃 筑紫駅停車

12時30分頃、筑紫駅に停車。
筑紫駅といえば、駅舎内に乗務所がある他、隣接して筑紫車両基地があることでも有名です。
職員の方々が手を振って見送る中、この様な横断幕を掲げる職員の方も。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 筑紫駅にて

そういえば、今楽しんでいる夏メニュー、スタートしたばかりでしたね。

ベジタブルプレートを食したところで、もう少しお酒が飲みたいと思い、メニューを見てみると・・・なんと1,800円(税込)でお好きなドリンクを3杯呑めるセットがあるではありませんか!
早速注文し、1杯目は「うきはフルーツエール」という、うきは産のぶどうと麦芽を使用したクラフトビールを頼みました。
口当たりの良い、さっぱりとした味で飲みやすかったです。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 アミューズ(とうもろこしと胡瓜の冷たいスープ)

ビールを飲みながら景色を見ているうちに、肉料理が運ばれて来ました。
うきは産の耳納いっーとんという豚肉を、赤ワインと野菜やニンニク、シナモンなどで煮込んだものですが、とにかく肉が柔らかい。
そして、シナモンとニンニクを効かせた味わいがくせになりそうでした。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 豚肉のスパイス煮込み

暫く走ると、沿線の方々が手を振る姿を見かけます。
特に、この辺りにある「たこやき工房じゅん」のご夫婦がいつも手を振って下さっているとか。
話には聞いていましたが、車内がさらに和やかになったひと時でした。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 沿線風景_01

13時00分頃 花畑駅停車

筑後川を渡った「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、久留米市に入ります。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 沿線風景_02 筑後川

そして、13時00分頃、花畑駅に停車。
こちらではホームに降りることが出来るとのことでしたので、ホームに降りてみました。

駅名標は「花畑」という駅名の通り、花畑らしさを表現したデザインになっています。
両面でデザインが異っているのも特徴のひとつで、片面が「ガーベラ」と「コスモス」の造花を、もう片面が「クルメツバキ」の造花を敷き詰めているとのことでした。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 花畑駅 駅名標_01

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 花畑駅 駅名標_02

2号車のサイドロゴです。
この様になっていたとは・・・。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 花畑駅 2号車サイドロゴ

列車の中で食する焼きたてのピザは格別!

花畑駅を出発したところで、2杯目のアルコールを頼みます。
2杯目は、ウェルカムドリンクとして味わったあまおうのスパークリングワイン
どうもこの味が気に入ってしまった様です・・・。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 あまおうプレミアムスパークリングワイン(2杯目)

そうこうしているうちに、メインともいえるズッキーニと大葉のピザが運ばれて来ます。
これもまた、ズッキーニと大葉の美味しさが感じられる逸品で、しかも焼きたてですから、美味しくないわけがありません。
久しぶりに美味しいピザというものを味わった気がします。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 ズッキーニと大葉のピザ

ピザを食べ終えたところで、3杯目のアルコールを頼みます。
3杯目は、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」オリジナルカクテル
詳細は忘れましたが、モヒート系のカクテルでした。
さっぱりしていて飲みやすかったです。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 TRKCオリジナルカクテル

食後のデザートは、うきは市吉井町にあるカフェ&ケーキショップ「miel」のアイスケーキ
ブルーべリーとミント、そして上にのっているクッキー(?)のアクセントが個人的には絶妙だと感じました。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 「miel」のアイスケーキ

最後に出されたハーブティーは、ほうじ茶とレモングラスが入った「The Adventure」
フローラルな味わいが特徴とのことでしたが、こちらも飲みやすかったです。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 ハーブティー「The Adventure」

飲んで食べてお腹も満足になりました。
そんな中、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は長閑な風景の中を大牟田へ向けて南下。
約2時間の非日常な時間も、あと少しで終わろうとしています。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 沿線風景_02

14時14分 大牟田駅到着

西鉄福岡(天神)駅を発車して2時間20分あまり経過した14時14分、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は定刻に終点大牟田駅に到着しました。

食事を楽しんでいるうちに着いてしまったという感覚。
もう少し乗っていたい気もしますが、とりあえず降ります。

この後列車は、約2時間の停車時間を使って福岡行きディナーコースに向けての準備を行います。

記念写真を撮っているご夫婦も。
ご夫婦にとって良い思い出になるといいですね。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 大牟田駅到着_02

大牟田駅西口に出てみました。
三池港行き路線バス(島原行き高速船に接続)に乗車される方は、こちらの出口が便利です。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 大牟田駅西口

西口広場へ行ってみると・・・かつての西鉄大牟田市内線で活躍していた車両「200形電車204号」が静態保存されていました。

西鉄 6050形改造「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」 大牟田駅西口

聞くところによると、西鉄大牟田市内線は1927(昭和2)年に大牟田電気軌道の路線として旭町~四ツ山間で開業し、その後、同社の九州鉄道への吸収合併などを経て、1942(昭和17)年の九州電気軌道の西鉄への社名変更以降は西鉄大牟田市内線として運行されていたそうです。
しかし、1952(昭和27)年1月6日に全線が休止となり、1954年に廃止。
約25年の歴史に幕を閉じたのでありました。

静態保存されている204号は、1943(昭和18)年に関西で製造された車両。
実に77年も経過しているわけで、凄いとしかいいようがありません。
大牟田市内線廃止後は、福島線(久留米~八女福島)や福岡市内線で活躍後、山口県光市の市立図書館の児童図書室に活用されていたそうですが、2011(平成23)年に大牟田への里帰りが実現し、現在に至っています。

地元の方の努力の賜物だとは思いますが、状態の良さにびっくりすると思います。
もし大牟田へ立ち寄った際は、是非一度ご覧になられてはいかがでしょうか。


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