JR牟岐線で始まった「鉄道・高速バス連携」とは?

昼行高速バス, 鉄道

移動は続きますが、この後の本格的な移動は夜から。
そして、「私個人的に見てみたいもの」があったので、ちょっとだけ寄り道をします。
その「私個人的に見てみたいもの」とは・・・

JR牟岐(むぎ)線の「鉄道・高速バス連携」

です。

JR四国 牟岐線 <br />
1500形気動車 1506
JR牟岐線などで活躍するJR四国1500形気動車

徳島バス「エディ号」阿南大阪線 ・271 橘営業所にて_02
徳島バス「室戸・阿南~大阪線」(橘営業所にて)

JR四国で初のパターンダイヤを導入した牟岐線と既存高速乗合バスとの連携

マスコミ報道などでご存じかとは思いますが、JR四国が実施した2019(平成31)年3月のダイヤ改正で、徳島駅と県南部の海部駅を結ぶJR牟岐(むぎ)線が大きく変わりました。

何が大きく変わったのか・・・。
大きく変わったのは、次の2点です。

日中時間帯のパターンダイヤの導入

ひとつは、毎時「00分」「30分」発といったパターンダイヤの導入です。
これまでの牟岐線のダイヤは特に規則性がありませんでしたが、2019(平成31)年3月のダイヤ改正で、徳島~阿南(徳島県阿南市)間の9時台から19時台と、阿南~海部(同・海陽町)間の10時台から15時台において、パターンダイヤを導入しました。
徳島発で見ると、9時30分発の海部行き普通列車から19時00分発の阿南行き普通列車までの間、毎時「00分」「30分」発に統一された他、阿南発海部方面行きで見ると、10時25分発の海部行き普通列車から14時25分発の海部行き普通列車までの間、2時間おきですが「25分」発に統一されました。
分かりやすいダイヤと利便性向上が目的だそうですが、一方で、1日4往復運行されていた特急「むろと」「ホームエクスプレス阿南」は、朝夕の1往復のみに減便されるなど、牟岐線は普通列車主体のダイヤに転換された他、阿南~海部間の本数が削減されています。

列車本数削減分を既存高速バスでカバー

そして、もうひとつは、先述の阿南~海部間の削減分を徳島バス(本社:徳島市)が運行する高速バス「室戸・阿南~大阪線」でカバーするというものです。

高速バス「室戸・阿南~大阪線」は、高知・徳島県内の沿線と神戸・大阪とをダイレクトに結ぶ路線です。
路線の特性から、JRのダイヤ改正以前は高知・徳島県内のバス停が大阪方面行き「乗車のみ」、室戸方面行き「降車のみ」というクローズドドア制をとっていましたが、JR牟岐線との連携を図るために、牟岐線および阿佐海岸鉄道沿線に位置する阿南駅から甲浦(かんのうら、高知県東洋町)までの各バス停を「乗降」可能に変更。
これにより、列車本数が削減された阿南~海部~甲浦間で、高速バスを鉄道や路線バスの代わりとして使えるようにするしたのです。

このJR牟岐線との連携を行うべく、徳島バスはJR四国のダイヤ改正にあわせ、「室戸・生見・阿南大阪線」のダイヤ改正を実施。
阿南駅での列車とバスの乗り継ぎに10分以上の余裕を持たせるべく、一部の便のダイヤを変更しています

JR四国からの提案で実現!? 利用の際には注意点も

バス停の乗降扱いを変更し、ダイヤまで合わせて鉄道と高速バスが連携する事例は、全国的にも殆ど例がありませんが、今回の鉄道と高速バスの連携ついては、実はJR四国からの提案がきっかけで実現したといわれています。
「阿南以南の運行本数を削減して効率化を図りたいものの、利便性が損なわれるのを少しでも抑えたい」というJR四国側の思惑と、「阿南以南で空席が目立っていた高速バスを有効活用して利便性をアップさせたい」という徳島バス側の思惑が一致したということなのでしょう。
また、日和佐駅(徳島県美波町)と牟岐駅(同・牟岐町)の間は徳島バスグループの路線バス空白地帯にもなっていることから、この区域での利用も期待出来そうです。

尚、詳しいいきさつなどについては、「乗りものニュース」に記事として掲載されていますので、そちらをお読みいただけると幸いです。


利便性向上を目的に始まったJR牟岐線の「鉄道・高速バス連携」ですが、利用の際には注意点がいくつかあります。

  • 高速バスは全車指定席であるため、満席時には乗車出来ない可能性があります。
  • 牟岐線から乗り換えた乗客は座席指定が出来ないため、乗務員から指示された空席に着席することになります。
  • 渋滞等でバスが遅延した場合、牟岐線の接続予定の列車と接続出来ない可能性がある点にも注意です。(特に上り便)
  • 阿南~海部間のバスは、JRの代行・代替輸送ではないため、JRの”通し運賃”が適用されません。徳島~阿南はJRの運賃、阿南~海部はバスの運賃が適用されるため、それぞれ運賃を支払う必要があります。乗車区間にもよりますが、JRの”通し運賃”よりも高額になる場合がありますので、注意が必要です。
  • 利用出来る区間は、あくまで阿南駅~甲浦間です。阿南駅~室戸などといった利用は出来ません。この場合、甲浦で降車し、そこから路線バスなどを利用することになります。(甲浦から先は高知東部交通が路線バスを運行しているため。)同様に、室戸から「室戸・生見・阿南大阪線」に乗車し、甲浦~阿南駅間で降車することも出来ません。
  • 橘営業所始発/終着便は区間利用が出来ません。

JR牟岐線の「鉄道・高速バス連携」を実際に見てみる

「では、実際にどうなのよ?」ということで、徳島からJR牟岐線と高速バスを乗り継いで阿波橘まで行ってみることにしました。
本来であれば、その先の牟岐まで利用したかったところですが、夜からの移動の都合もあり、叶いませんでした。
その点はご了承いただければと思います。

私が乗車したのは、徳島駅16時30分発の牟岐行き普通列車。
てっきり阿南までの運行かと思いきや、牟岐まで運行する列車もある様です。(写真はイメージです。)
JR四国 1500形気動車 1506_02

徳島から50分弱で列車は阿南駅に到着。
この駅は西口にロータリーがありますが、バスが乗り入れるスペースがないため、高速バスを含めた路線バスは東口から発車します。
とりわけ、高速バスについては阿南商工会議所敷地内のバスのりばから発車。
もちろん、「室戸・阿南~大阪線」もこちらから発車します。

バス停には目的地到着時刻も記された時刻表が。
画像では分かりませんが、阿南~甲浦間区間乗車についての注意点もきちんと明記されています。
阿南駅 高速バスのりば

阿南駅から乗車したのは、大阪なんば13時55分発(阿南駅17時28分発)の室戸行き。
若干遅れてバスが到着しました。
こちらで下車したのが10名前後に対して、こちらから乗車したのは私を含めて3名。
正直少ないですが、元々の接続列車が牟岐行きであることを考えると、まあ仕方がないのかなぁといったところでしょうか。
因みに、私を除く残り2名は、甲浦までの利用でした。

利用方法ですが、まず乗務員に降車停留所を申告します。(今回私はひとつ先の橘営業所までの利用でしたので、その旨を乗務員に申告します。)
すると、乗務員から運賃が告げられますので、その運賃を運賃箱に投入します。
乗務員はその間に、専用のハンディプリンターにて乗車券を発行しますので、乗車券を乗務員から受け取り、降車の際にその乗車券を乗務員に渡します。(もしくは運賃箱に投入します。)

阿南駅から15分程で、バスは徳島バス橘営業所に到着。
阿南橘駅から2km程離れた国道55号線沿いに位置し、近くには、四国電力の阿南火力発電所があります。
徳島バス橘営業所

徳島バス橘営業所_02

敷地内には、徳島からの徳島バス路線車も停車していました。
徳島バス ・・63

バスはこちらで乗降扱いを行った後、乗務員交代とトイレ設備の調整などを行い、約100km先の室戸へ向けて発車して行きました。
徳島バス「エディ号」阿南大阪線 ・271 橘営業所にて

暫くすると、室戸15時45分発神戸・大阪なんば行き最終便が到着。
こちらでの乗降はなく、乗務員交代後にバスは大阪へ向けて発車して行きました。
徳島バス「エディ号」阿南大阪線 ・324 橘営業所にて

他の地域でも応用出来る施策?

以上、JR牟岐線で始まった「鉄道・高速バス連携」について、簡単にご紹介させていただきました。

全国的にも珍しいこの試みですが、率直に感じたのは、高速バス(都市間バス)と並行している線区では応用出来る施策なのでは?ということです。
我が地元北海道であれば、JR北海道が公表している「単独では維持困難な線区」のうち、都市間バス(路線バス)と並行している旭川~遠軽・北見間や深川~留萌間、旭川~富良野間、名寄~音威子府などで応用出来るのかなぁと思います。

一方で、実際にこれを実施しようとすると、鉄道とバスが上手く乗り継ぎが出来る様にダイヤの調整を行う必要がありますし、バス会社同士の調整、補助金の問題などなど・・・JR、バス会社、自治体間の調整が結構大変で、一筋縄にはいかないのかなぁとも感じました。
ですが、今回の事例を見る限りでは、現状出来る範囲内で実施している様に見受けられましたし、利便性向上目的という点において、今後期待出来る施策のひとつなのではと感じました。

四国で始まった「鉄道・高速バス連携」。
この様な施策が全国的に広がるといいのになぁ・・・と思いながら、夜の徳島へ戻ったのでありました。


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