宮崎交通「はまゆう号」921号車(三菱MS7系エアロバス U-MS726S)
前回の記事で、西鉄高速バス「桜島号」9134号車に乗車して鹿児島空港国内線ターミナルまで移動した模様(乗車記)をご紹介しました。
この乗車記の中で、私は「桜島号」で鹿児島空港を訪問する目的として「鹿児島空港国内線ターミナルバスのりばの現状も見ておきたい」と述べました。
ですが、実は鹿児島空港を訪問したかったもう一つの目的があったのです。
その目的とは一体・・・。
全国的にも珍しくなった高速路線運用のMS7系エアロバス
その目的とは、こちらのバス↓を見るためでした。宮崎交通が高速用車両として現在も運用している三菱エアロバス(U-MS726S)です。
宮崎中央営業所(高速)に在籍しており、宮崎~鹿児島間の高速バス「はまゆう号」専用車として活躍しています。
昔は全国各地で見られた三菱のMS7系エアロバスも、現在は見かける機会も少なくなりました。
まして高速路線ともなると、この車両を含めて数える程にまで減少してしまいました。
三菱MS7系エアロバスは、1979年に当時の三菱自工・名古屋自動車製作所で開発・設計が始められ、1982年11月に発売されました。
車体はイタリア人デザイナー「アルド・セッサーノ」が基本デザインを手がけ、モノコックボディとスケルトンボディの長所を組み合わせた独自の工法“スーパー・コンプ・ストラクチャー”によって組み立てられました。
その秀逸なスタイリングは、全国のバス事業者に注目され、一躍ヒット商品にもなりました。
宮崎交通で活躍している921号車は、1990年式のU-MS726。
マイナーチェンジ後の車体となります。
側窓は固定窓となっており、外観の雰囲気でも分かる通り、元貸切車両です。
クーラーは三菱重工製のサブエンジン式を採用しています。
写真では分かり難いですが、車内は4列シートで縦10列の定員41名仕様となっています。 後部にはサロンシートを2列装備しており、その部分のみ高さが高くなっています。
座席は座り心地を重視したのか、幅が上まで殆ど変わらないタイプとなっています。
尚、トイレは未装備となっています。
宮崎交通921号車の存在についてはつい最近知ったのですが、「懐かしいバスが未だに高速路線で現役」という話を聞くな否や、「見ないわけにはいかないでしょ。」ということで、今回は鹿児島空港から宮崎県都城市の高城バスストップまで乗車してみることにしました。
鹿児島空港国内線ターミナルから高城バスストップまでの所要時間は約1時間30分。
MS7系エアロバスの独特なエンジン音と乗り心地は、バブル期の古き良き時代のバスを思い出させてくれます。
雄大な山々を眺めながら、バスは宮崎へ。
小林インターを過ぎてすぐの霧島サービスエリアでは、10分間の開放休憩が設定されています。
休憩時間を利用して撮影をしますが、改めて車体を見てみると、多少の錆が発生してはいるものの、とても27年選手のバスとは思えない程外観の状態が素晴らしいです。
車体外観の手入れには定評の宮崎交通ですが、この車両にも同社の魂(イズム)はしっかり受け継がれています。
バスはほぼ定刻に高城バスストップに到着。
懐かしいバスの余韻に浸りながら、この後私は都城~鹿児島へと移動するのでありました。
日本のバス車両史の一時代を築いた三菱MS7系エアロバス(初代エアロバス)。
年月が経つにつれ、台数も減少していきました。
現在は、新免事業者を中心に見かけることは時々ありますが、こと乗合事業者に関しては見かける機会も激減してしまいました。
それだけに、今回ご紹介した宮崎交通「はまゆう号」921号車の様な存在は、正しく貴重なものといえましょう。
もう暫くは活躍するかと思いますが、年式が年式だけに、何時廃車になってもおかしくありません。
興味がある方は、出来るだけ早目に乗車されることをお勧めします。
【追伸】
ところで、同じ宮崎交通で、春季~秋季の間に運行している「えびの高原線」(宮崎~小林~えびの高原)に投入されていた復刻塗装のMS7系エアロバスはまだ現役なのでしょうか。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、一方を頂けると幸いです。
【乗車データ】
- 乗車日:2017/04/16
- 乗車区間:
鹿児島空港国内線ターミナル→高城バスストップ - 運行会社:宮崎交通
- 車両:三菱/エアロバス(U-MS726S)
- 年式:1990年式
- 所属:宮崎中央営業所(高速)
- 社番:921
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