西鉄高速バス「桜島号」夜行便4012号車 乗車記(2016年5月乗車分)
西鉄高速バス「桜島号」昼行便で鹿児島へやって来た私。
数時間後には西鉄高速バス「桜島号」夜行便で福岡へ戻るのですが、「桜島号」夜行便の発車時刻まで時間が空いています。(写真はイメージです。)
当初は指宿または枕崎方面へ出掛けることを計画していたのですが、「桜島号」夜行便発車時刻まで戻って来れない可能性があるため、今回は鹿児島交通の近距離高速バス「せんだい号」で薩摩川内市へ向かうことにしました。
通勤・通学需要に特化した高速バス「せんだい号」
高速バス「せんだい号」は、鹿児島市と薩摩川内市を結ぶ近距離高速バスで、薩摩川内~鹿児島間の通勤・通学需要及び薩摩川内市にある鹿児島純心女子大学川内キャンパスへの通学需要に特化したダイヤ編成になっているのが特徴です。このため、平日は11往復運行しているのに対し、日祝日は1日4往復と、平日の運行本数の方が多くなっています。
また、派生系統として、甑島フェリーへ接続する鹿児島~串木野新港線「こしきじま号」も運行しており、こちらは平日1日1往復、日祝日1日2往復の便数設定になっています。
今回は、鹿児島中央駅18時20分発純心女子大学行きの便を選択。
こちらのバス↓に乗車しました。 鹿児島交通の1993年式601号車(日野セレガFD U-RU2FTAB)です。
20年選手の車両が未だに高速用車両として現役というのも、同社らしいといえばらしいですね。
この車両ですが、複雑な経歴を辿っており、元々は鹿児島空港リムジン(現:鹿児島交通)に所属していたのですが、その後鹿児島交通→林田バス→いわさきバスネットワークと移籍を繰り返し、2016年初頭のいわさきバスネットワークの会社清算に伴い、再び鹿児島交通の所属になりました。
車内は4列シートトイレ無しの近郊高速用仕様ですが、元リムジン仕様車ということもあってか、車内前方には荷物置き場が設置されています。
鹿児島中央駅を発車したバスは、新武岡トンネルから鹿児島インターへと向かい、鹿児島インターから南九州道を薩摩川内へ向けてひた走ります。
40分程で薩摩川内都インターに差し掛かり流出します。
ここからは一般道を走行し、定刻の19時11分に川内山形屋前に到着しました。
終点の純心女子大学まで乗車したいところですが、時間の関係で今回は川内山形屋前で下車。
折り返しの鹿児島交通路線バスでJR川内駅へ移動し、JR鹿児島本線で鹿児島中央駅へ戻ります。
初めての「せんだい号」乗車でしたが、鹿児島~薩摩川内間の通勤・通学利用で乗車している方は見受けられたものの、実態は「純心女子大学通学専用バス」なのかなぁという印象を持ちました。
鹿児島~薩摩川内間は、JR鹿児島本線の他、九州新幹線が早朝から深夜まで運行しています。
運賃も並行するJR在来線と大した変わらないとなると、バスを使うメリットも少ないのではという気がします。
便数を増やすか、運賃をもう少し下げるなどしない限り、中々厳しいのではと感じました。
ひっそりとしたターミナルでバスの到着を待つ
鹿児島中央駅に到着後、食事を済ませ、ひとっ風呂で汗を流したところで、鹿児島中央駅前の南国交通バスターミナルへ戻ります。(写真はイメージです。)22時を過ぎると、バスの発着台数は一気に減り、城山観光ホテル行きのシャトルバスと、後術の大分行き夜行高速バス「トロピカル号」、福岡行き「桜島号」夜行便、そして福岡からの「桜島号」昼行便が発着するのみ。
ターミナル内もバスの発着時以外はひっそりと静まり返ります。
「桜島号」夜行便の入線を待っていると、やがて大分バスの大分行きの夜行高速バス「トロピカル号」が入線。
同路線専属の三菱エアロバス(PJ-MS86JP)が充てられていました。
この路線、昼行便があった頃に乗っておきたかったです。
そして、バスを待つこと約30の23時38分、福岡行きの西鉄高速バス「桜島号」夜行便が入線します。
今回もこちらの車両↓に乗車しました。(写真はイメージです。)
西鉄高速バス福岡支社所属の4012号車(三菱KL-MS86MP 西工02MC SD-Ⅰ)です。
何度も登場している車両ですので、ご存知の方も多いかと思いますが、にしてつグループとしては最後の西工SD型夜行高速車になります。
元々この車両は西日本鉄道博多自動車営業所に在籍していまして、福岡~東京線「はかた号」や福岡~名古屋線「どんたく号」、福岡~大阪線「ムーンライト号」などで活躍後、夜行高速バス伊勢線(西鉄高速バス・三重交通運行)の車両確保に伴い、三重交通にレンタルされていました。
西鉄に返却後は西鉄高速バス(福岡支社)に移籍、現在は主に「桜島号」夜行便で活躍しています。
車内はこの様になっておりまして、
3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様になっています。
残念ながら、運行時間が短いことからプライベートカーテンは撤去されましたが、一方で昨今の利用者にニーズに応える目的で各座席にコンセントが設置されています。
携帯電話やスマートフォン利用者にはありがたい設備です。
快眠の中、バスは一路福岡へ・・・
23時45分、私を含めて14名が乗車した「桜島号」夜行便は、定刻5分遅れで鹿児島中央駅前(南国交通バスターミナル)を出発します。出発後、自動音声による案内が行われた後に、乗務員から自己紹介・運行経路の説明・車内設備の案内・補足説明が車内マイクを通して行われます。
夜行便での自動音声放送運用を目にするのは今回が2度目。
乗務員の負担軽減目的で導入された自動音声案内ですが、乗務員によるマイク放送も丁寧に行っているあたり、良い意味での「西鉄らしさ」を感じます。
下伊敷で乗客1名を乗せたバスは、鹿児島北インターから九州自動車道に入ります。
00時11分に高速帖佐で2名が乗車し、00時21分に鹿児島空港南で残りの乗客3名が乗車します。
予約の20名全員が揃ったところで、乗務員が改めてマイクでの案内を行い、前方のカーテンをセットして消灯となります。
「桜島号」夜行便は、所要時間が約6時間半と短いことから、開放休憩は設定されていません。
翌朝の福岡到着まで下車することが出来ないため、飲食物の購入は事前に済ませておくことをお勧めします。
消灯後、目を瞑りシートを倒すと、すぐさま夢の中へ。
バスはその間、九州自動車道を福岡へ向けてひた走ります。
翌朝、目を覚ますと、バスは久留米インターに到着する直前でした。
5時01分、久留米インターに到着しますが、降車客はおらずに通過。
その後、5時10分に高速基山バス停に到着し1名が下車、5時21分に筑紫野(二日市温泉入口)で1名が下車していきました。
5時25分、大宰府インターを通過。
ここからは国道3号バイパスを経由して、博多バスターミナルへと向かいます。
夜行便については基本的に福岡都市高速道路を経由しませんが、恐らく路線免許の関係でしょうね。
5時45分、バスは定刻よりも若干早く博多バスターミナルに到着しました。
ここでは13名が下車しましたが、人数が多く降車扱いが終わるまで時間を要します。
そして、朝が明けてばかりの博多の街を駆け抜け、定刻の6時01分にバスは終点の西鉄天神高速バスターミナルに到着しました。
お洒落な雰囲気のバスターミナルに改めて感心しつつも、この後の行程の関係上、私は次なる場所へ急ぐのでありました。
というわけで、西鉄高速バス「桜島号」夜行便4012号車の乗車記をお届けしました。
再三同じことを書いていますが、この路線の運行時間帯、車内設備、更には「SUNQパス全九州版」(3日間用、4日間用)が使用可能な点を含め、使い勝手が良い「宿代わり」になる夜行高速バスであることを今回も実感しました。
かつて、JR「ドリームつばめ」が運行されていた頃は、平日の利用が少ないといった傾向があったのですが、「ドリームつばめ」が廃止されて以降は、週末・繁忙期はもとより平日でも混む路線になっている印象を受けます。
ただ、今回の乗車では、前回の「桜島号」昼行便乗車記でも書いた通り、熊本地震による出控えの影響からか、週末の便にしては少し乗客が少ない様に思えました。
ただ、これも時期が経ち、復興が進むことによって、乗客数も次第に戻るのではと考えます。
いずれにしろ、九州新幹線というライバルがあるにせよ、福岡~鹿児島間唯一の夜行交通機関である以上、この路線(夜行便)に関しては、暫くは堅調に推移していくことでしょう。
あとは如何に利用客の期待を裏切らないサービスを今後も提供し続けることが出来るかでしょうね。
2016年6月13日のダイヤ改正で、夜行便の鹿児島側運行会社がJR九州バスに変更されることですし、夜行便の動向についても今後注目していきたいと思います。
恐らくですが、そう遠くない時期にまたこの路線を利用することになるでしょう。
果たして次回はいつ乗車することになるのでしょうか・・・。
【乗車データ】
- 乗車日:2016/05/13
- 乗車区間:
鹿児島中央駅前(南国交通BT)→西鉄天神高速バスターミナル - 運行会社:西鉄高速バス
- 車両:三菱/KL-MS86MP(西工02MC SD-Ⅰ)
- 年式:2005年式
- 所属:福岡支社
- 社番:4012
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