JR東海バス「オリーブ松山1号」乗車記

夜行バス,高速バス乗車記

JR東海バスとJR四国バスが共同で運行する名古屋~徳島・高松・松山間夜行高速バス「オリーブ松山号」

JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 JR松山駅にて

JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 リア JR松山駅にて

東海と四国とを結ぶ高速バス路線としては、3番目に誕生した路線であります。
この路線の起源は、現在は廃止された名古屋~高松(高知)線「オリーブ号」になりますが、この「オリーブ号」(後の「オリーブ高知号」)の実績から、松山だけでは集客力に難があると考えられたため、徳島駅を経由する設定になったとも言われています。
運行開始当初は香川県内を経由せず、阿波池田駅を経由していました。
しかし、2006年の「オリーブ高知号」の季節運行化(2007年1月を最後に運転されておらず、同年3月正式に廃止)に伴い、徳島県内での停車地を引き継いだほか、香川県内を経由することになり、東海地方と四国を結ぶJR系の夜行高速バスは、事実上「オリーブ松山号」に集約され、現在に至っています。

今般、2013年9月15日~16日に高松で開催された「バスマップサミットin高松」に参加するにあたり、高松までの交通機関として、未乗車のこの路線「オリーブ松山1号」に乗車しましたので、今回はこの時の模様をご紹介しましょう。

途中休憩は朝の3時台1回のみ!雨の中を一路高松へ・・・

出発は、名古屋駅新幹線口直結のJR名古屋駅バスターミナル。
桜通口にあったバスターミナル(名古屋ターミナルビル)の取り壊しに伴い移転し、2010年12月9日より使用開始しています。
JR名古屋駅新幹線口 バスターミナル建物

JR名古屋駅新幹線口バスターミナル 待合室
新バスターミナル完成までの暫定施設とはいえ、建物内には発券カウンターと高速バス乗車券自動券売機、待合室用の椅子、コインロッカー、各種自動販売機が完備。

発車時刻を知らせるインフォメーション画面も設置されていて、快適な室内でバスを待つことが出来ます。
JR名古屋駅新幹線口バスターミナル 行先案内

そしてこのバスターミナルの一番の特長は、何といってもその立地の良さ。
新幹線口を出てすぐ目の前にあり、付近には売店や飲食店が多数並んでいるなど、バスを待つ環境としては最高レベルであるといえましょう。
流石、JR系のバス会社だけのことはあります。

「オリーブ松山号」の発車時刻は23時。
21時過ぎにもなると、東京・北陸・中国方面への夜行高速バスが次から次へと発車していきます。
JR東海バス 三菱エアロキング サイド

JR東海バス 三菱エアロキング リア上部

JR東海バス 三菱エアロキング 25周年ステッカー
エアロキングのトランクルームに張られたステッカーをしばし見ながら、「JRバスも今年で発足25周年なんだなぁ」と思いに耽ったり・・・。

22時30分には、中国JRバスの広島行き「広島ドリーム名古屋号」が発車。
中国JRバス「広島ドリーム名古屋号」 744‐2907
以前は「セレナーデ号」と呼ばれていたこの路線も、いつの間にか名称が変わったのですね。

そして、22時40分発の横浜・TDR・西船橋線「ファンタジアなごや号」が発車すると、4番乗り場に「オリーブ松山1号」が入線してきます。
この日の便はJR東海バスが運行を担当。
同社の夜行高速バスではすっかりお馴染みの三菱エアロキング(MU612TX)です。
JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 JR名古屋駅改札中 その1

JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 JR名古屋駅改札中 その2

この「オリーブ松山号」には女性専用席が設けられており、1階席の計8席が女性専用席として割り当てられています。
JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991

車内はこの様になっておりまして・・・
JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 車内

JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 シート
2階席は3列独立シート30人定員、そして1階席は2+1配列(一部独立)の3列シート8人定員の計38人乗り夜行高速バス標準仕様となっています。
トイレは1階中央部に設置。
正直狭いですが、緊急時には何かと役に立つ、夜行バスには欠かせないアイテムです。
出入口付近には配布用時刻表入れケースも設置されていて、所々にJR東海バスらしさも感じられます。
ですが、今回それ以上に感心したのは、車内の清掃が行き届いていること。
今回乗車した車両、実は2001年式の経年車でした。
外観こそ多少の痛みは見受けられますが、こと車内に至っては経年車とは思えない位の綺麗な状態でした。
恐らく1度位は更新工事を行っているのでしょうが、それにしてもあの綺麗な状態を保てているのは、現場社員の日々の努力の賜物ではないでしょうか。
私のJR東海バスに対する見方が、良い意味で変わった気がします。

23時00分、乗客が全員揃ったところでバスは定刻に名古屋駅BTを出発。
岩塚駅前で乗車扱いを行った後、乗務員による肉声案内と自動放送による案内が行われます。
この日は満席とまではいきませんが、約8割程の乗車率。
台風の影響がなければ、恐らく満席になっていたことでしょう。

23時30分頃、名古屋西インターから東名阪自動車道に入ったところで、車内は消灯されます。
バスは東名阪自動車道から新名神高速道路~名神高速道路~中国自動車道~神戸淡路鳴門自動車道~高松自動車道などを経由して徳島・高松へと向かいます。
私はというと、東名阪道を走行中に眠りについていた様で、気が付くとバスは唯一の休憩場所である神戸淡路鳴門自動車道の緑パーキングエリアに到着していました。
時計の時刻を見てみると、3時30分。
少し早い気もしますが、徳島の到着時刻が5時前後であることを考えると仕方がないのかもしれません。
web用の写真を撮ろうと試みますが、外は台風の影響による大雨。
止む無く写真撮影は諦め、そそくさとトイレを済ませてバスに戻ります。

4時過ぎ、バスは緑パーキングエリアを出発。
鳴門大橋を渡り、鳴門インターからは一般道を徳島市内へと向かいます。
4時55分、松茂とくとくバスターミナルに到着。
ここで数人が下車し、その後の徳島駅前には定刻の5時10分に到着します。
徳島駅前では約半数の乗客が下車、一気に車内は寂しくなります。

徳島駅前出発後は、再び高速道路を一路高松・松山へと向かいます。
6時10分過ぎ、高松中央インターバスターミナルに到着。
ここでは数人が下車し、その後のゆめタウン高松では降車客がおらずに通過します。
そしてほぼ定刻の6時35分、バスはJR高松駅に到着しました。
JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991

JR東海バス「オリーブ松山号」 744-01991 リア
本当は松山まで乗車して行きたいところなのですが、今回は「バスマップサミット」参加がメインなので泣く泣くここで下車。
高松駅では私を含めて3名が下車。
松山まで乗車する乗客も数人いた様ですが、「松山まで行くのであれば、名鉄バス&伊予鉄道の名古屋~松山線があるのに・・・」と思いながら高松駅を離れたのでありました。

というわけで、JR東海バスの「オリーブ松山1号」の乗車記をお届けしました。
今回この路線に初めて乗車しましたが、所要時間及び利用客の動向などを考えると、この路線に関しては名古屋~徳島間及び名古屋~高松間を移動される方がメインターゲットなのかなぁと。
と同時に「別に無理して松山まで運行しなくても・・・」とも思いました。
名鉄バス&伊予鉄道の「名古屋~松山線」もあることですしね・・・。
この際、「オリーブ松山号」の運行区間を『名古屋~徳島・高松・観音寺間』に変更して、香川県西讃地区からも利用出来る様にすることで、需要喚起と乗務員の負担軽減・運用効率化にも繋がるのでは?と、ふと考えてしまいました。
一方で、今回の乗車では、JR東海バスの「目立たないが気持ちよく乗っていただくきめ細かなサービス」というものを感じました。
先述の通り車内清掃が行き届いていたことしかり、乗務員の運転技量・接客応対しかり、何れをとってもハイレベルでありました。
もっとも名古屋地区においては、ライバルの名鉄バスがサービス改善に積極的な他、高速路線バスに移行した「移行組」の影響もあって、何かと競争も激しくなっていることも影響しているかと思いますが、これらの積み重ねが、ひいては『信頼』というものに繋がっていくわけで、この姿勢は今後も是非続けていって欲しいものです。

ともあれこの「オリーブ松山号」、名古屋~徳島・高松間の利用であれば・・・という条件付きですが、私的には選択肢の一つとしてアリだと今回の乗車を通じて思いました。
機会があれば、また是非乗車してみたいですね。


【乗車データ】
●乗車日:2013/09/14
●乗車区間:JR名古屋駅(新幹線口)→高松駅
●運行会社:JR東海バス
●車両:三菱/エアロキング(MU612TX)
●年式:2001年式
●所属:名古屋支店
●社番:744-01991


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