JR学園都市線(札沼線)新十津川駅を訪れてみる
JR学園都市線の末端区間とは、北海道医療大学(北海道当別町)~新十津川間47.6kmを指すのですが、北海道医療大学~新十津川間は乗客が非常に少なく、新十津川駅まで走る列車は1日3往復しかありません。
2016年3月26日のダイヤ改正では、新十津川駅を発着する3往復のうち2往復が運転見直しの対象になっており、ダイヤ改正実施後は新十津川駅には列車が1日1回やって来て、折り返し発車していくだけになります。
私自身、JR学園都市線は通勤や私用でほぼ毎日利用しており、末端区間もこれまでに何度か乗車していますが、先般時間が出来たことから、改めてダイヤ改正前の末端区間に乗車してみようということで、現地を訪問してみました。
JR学園都市線とは?
ここで、改めてJR学園都市線について簡単にご紹介しておきます。JR学園都市線は、札幌市中央区の桑園駅と樺戸郡新十津川町の新十津川駅の間を結ぶ全長76.5kmのローカル線です。
「学園都市線」(がくえんとしせん)というのはあくまで愛称で、正式名称は「札沼線」です。
ローカル線とはいいつつも、札幌~桑園~石狩当別~北海道医療大学間は札幌都市圏の通勤・通学路線として機能していて、IC乗車カード「Kitaca」の利用エリアともなっています。
2012年6月1日にはこの区間が交流電化され、同年10月27日からは新十津川方面との直通列車が気動車で残る石狩当別駅~北海道医療大学駅間を除いて全て電車による運転となっています。
一方で、北海道医療大学~新十津川間においては、列車本数・利用者数とも少ない閑散区間であり、単行(1両編成)の気動車列車が走るローカル線となっています。
この区間における2014年度の輸送密度は81人、営業係数は1,909円と、JR北海道の線区でワースト2になっています。
(「輸送密度」とは「旅客営業キロ1kmあたりの1日平均旅客輸送人員」、「営業係数」とは「100円の営業収益を得るために必要な営業費用」のことです。)
現在、終点の新十津川駅を発着する列車は3往復設定されていますが、2016年3月26日のダイヤ改正で1往復に減便されることが決定しており、ダイヤ改正後新十津川駅を発着する列車は朝の1往復のみとなります。
乗り鉄の姿が目立つ末端区間
今回乗車したのは、石狩当別11時15分発の新十津川行き5427D。自宅近所の駅から731系電車で石狩当別駅へと向います。
20分程電車に揺られて石狩当別駅に到着すると、向かいには既に新十津川行き5427Dが停車していました。 今回乗車したのは、キハ40系の402号車。
1996年に札沼線石狩当別~新十津川間のワンマン化と老朽化したキハ53形500番台の置き換えのために、キハ40形700番台を改造して導入された車両です。
導入にあたっては、エンジンや変速機、動力台車の交換が行われています。
札幌発の電車から乗り換えたのは、私を含めて10人弱。
石狩当別での40分の乗り換え時間を利用して多くの方が写真を撮っていました。
客層を見てみると、春休み期間を利用して乗りに来た学生「乗り鉄」や減便の情報を知って駆けつけた社会人「乗り鉄」の方々ばかりで、地元の方は皆無でした。
時期が時期だということもあるのでしょうが、これが閑散期だと・・・と考えると末恐ろしくなります。
故に今回のダイヤ改正による減便に繋がっているのでしょうね。
11時15分、定刻に列車は石狩当別を発車。
当別の市街地を抜けた列車は、道北へ繋がる国道275号と並行する形で新十津川へ向けてひた走ります。
北海道医療大学を過ぎると、線路状態が悪いからか、一気に列車の速度が落ちます。
所々徐行しながら、残雪の中を北へ向けて走ります。
中小屋、石狩月形、晩生内、浦臼と聞きなれた駅に停車し、列車は更に北へ。
石狩当別から1時間20分程で、列車は終点新十津川駅に到しました。
新十津川駅の開業は戦前の1931年10月。
札沼線の前身「札沼北線」(石狩沼田~中徳富間)の終着駅「中徳富駅」として開業しましたが、「札沼北線」の延伸、「札沼線」への改称を経て、現在の「新十津川駅」に改称されたのは昭和28年といわれています。
新十津川駅に改称後、暫くは中間駅でしたが、1972年に新十津川~石狩沼田間が廃止され以降は終着駅として現存しています。
昼間に見る駅舎も風情があって良いのですが、実は夜になると外灯の効果で幻想的に見えるんです。
ダイヤ改正前に夜の駅舎をもう一度見てみたかったですね。
終着駅ならではの光景です。
この先は線路がありませんが、かつてはこの線路が石狩沼田まで繋がっていました。
駅車内の時刻表です。
現在は1日3本発着していますが、ダイヤ改正後は1本のみとなります。
新十津川での折り返し時間は約20分。
殆どの乗客が折り返し列車で戻る中、私はここで下車。
しばし駅周辺を散策後、滝川方面へと向うのでありました。
今回、久しぶりに新十津川駅を訪れましたが、地方交通線の厳しさというものを改めて感じました。
こと学園都市線(札沼線)末端区間においては、沿線人口が多くないこと、本数が多い函館本線主要駅へのアクセスがさほど不便でないことから考えて、今回の一日1往復への減便は仕方がないのかなぁという気がしました。
新十津川町は滝川まで10分程で移動出来ますし、月形町も岩見沢や札幌まではさほど遠くないので、恐らくですが自家用車やバスで札幌方面や函館本線沿線の駅へ移動する方が多いのでしょう。
とりあえず、線路自体は辛うじて残ることにはなりましたが、今回のダイヤ改正は今後の廃止を前提としたものであることには間違いないでしょう。
沿線自治体は廃止反対を表明していますが、営業係数1,900円台の赤字を出しているローカル線を残すための方策・解決策(しかもJRが納得する方策・解決策)を沿線自治体が示さない限り、感情論を翳すだけでは線路存続は正直難しいと考えます。
長年の歴史を誇って来た学園都市線(札沼線)末端区間ですが、線路が残るか否かは沿線自治体の今後の動き次第といえそうです。
同様な問題は道内の他の路線でも起きており、今後どの様な形で動くのか、私も注目して見ていきたいと思います。
(おまけ)滝川で名物の松尾ジンギスカンを食す
「折角新十津川まで来たのだから・・・」ということで、新十津川からは北海道中央バスの路線バス「滝新線」で滝川へ移動し、名物の「松尾ジンギスカン」を食すことにしました。北海道中央バス「滝新線」は、新十津川駅から徒歩約5分の新十津川役場前から発車します。
新十津川町内のバス停にくまなく停車後、滝新バイパスを経由して滝川市内へ。
新十津川町内から15分前後でバスは滝川駅前にある中央バス滝川ターミナルに到着します。
松尾ジンギスカン本店は、滝川駅から歩いて15分程のところにあります。 松尾ジンギスカンは、1956年に創業者の故松尾政治さんが滝川で「松尾羊肉専門店」を開業したのが始まりです。
以来、札幌を中心に直営店を展開している他、東京都内にも直営店2店舗を経営しています。
松尾ジンギスカンの特長は、羊肉を特製タレに漬け込む製法です。
この製法は、ジンギスカンを北海道の食文化の一つとして根付かせる一端を担ったともいわれています。
「ジンギスカン=松尾」という人も少なくないとも聞きます。
今回食したのはこちら。
平日限定の「ランチAセット」です。
マトンジンギスカン200gに野菜、ライス(おかわり自由)、味噌汁、サラダが付いて980円・・・といいたいところですが、実は創業60周年企画として、本店限定で「ランチAセット」が期間限定で600円で食べられるのです。
「これは安い!!」ということで、なんと「ランチAセット」を2人前オーダーしてしまいました。(笑)
肉も柔らかく、味付けも丁度良い感じで美味しく頂きました。
これにビール一杯追加して、会計は1,800円。
リーズナブルでお腹も一杯になり、満足して店を出ました。
3月31日までの期間限定ですが、「札沼線末端区間乗車後に滝川で昼食を・・・」という方には是非ともお勧めします。
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