川崎近海汽船(シルバーフェリー)「シルバーエイト」 簡単な乗船記
1973年4月より苫小牧と八戸の間を結んでいる「シルバーフェリー」。
元々は八戸に本社を置くフェリー会社でしたが、1992年に川崎近海汽船に合併され、現在はフェリー航路の愛称として残されています。
ここ10年来の同社のトピックといえば、なんといっても相次ぐ新船の就航と室蘭~宮古航路の開設です。
新船の就航は、2012(平成24)年の「シルバープリンセス」に始まり、2013(平成25)年の「シルバーエイト」、そして2018(平成30)年の「シルバーティアラ」と、6年の間に3隻の新船を就航。
これらはいずれも苫小牧~八戸航路に投入されており、現在は同航路4往復のうち3往復が新船で運航されています。
一方で、2018(平成30)年6月には、室蘭~宮古航路が開設されます。
航路開設の計画は2015(平成27)年春に報道され、翌年の2016(平成28)年3月に川崎近海汽船が航路開設を正式に発表。
地元としては念願の航路開設になりました。
残念ながら、貨物の輸送量が低調とのことで、今後の航路存続に一抹の不安があるのも事実。
現在、「室蘭宮古航路開設一周年割引」(40%引き)を延長するなど、利用促進に躍起ですが、今後この航路がどの様に推移していくか、注目したいところです。(近いうちに実見を兼ねて乗船してみようとは思っていますが・・・。)
そんな中、今回ご紹介するのは、2013年(平成25年)6月に竣工したこちらの船舶↓、「シルバーエイト」です。
この「シルバーエイト」、総トン数は9,483t、全長142.59m、航海速力20.5ノット、旅客定員600名となっており、八戸22時00分発の便と苫小牧09時30分発の便に充てられています。
「シルバーエイト」の詳細は公式サイトをご覧頂くとして、以前このブログで「シルバープリンセス」の乗船記を紹介しましたが・・・・
「シルバープリンセス」と比較すると、幾分か小ぶりながらも旅客定員は600名と「シルバープリンセス」よりも多くなっており、旅客輸送重視の船舶であるといえましょう。
船内の造りも、女性客を意識した内装が特長の「シルバープリンセス」に対して、「シルバーエイト」はスタイリッシュな内装が特長です。
いざ八戸港フェリーターミナルへ
前日、東京ディズニーランド(R)から庄内交通の夜行高速バス「夕陽号」で山形県酒田市に到着した私。酒田からJR羽越本線・陸羽西線・奥羽本線・北上線・東北本線を乗り継いで向かったのは、JR盛岡駅でした。
ここから、岩手県北自動車の高速バス「特急八盛号」(盛岡~八戸線)に乗車して、青森県八戸市の八戸港へフェリーターミナル向かおうという算段です。
盛岡から札幌へ移動するには、この様な便利なきっぷがあります。 先述の「特急八盛号」・シルバーフェリー・「高速とまこまい号」(北海道中央バス)を乗り継いで盛岡駅~札幌駅を最安7,100円で移動出来る「札幌・盛岡なかよしきっぷ」です。
沿線のバス会社とフェリー会社が提携して販売するこのきっぷ、格安で移動出来るということで一定の利用があるそうです。
実際にこの日も、私の他にも数名がこの切符を利用していました。
「特急八盛号」の始発は、現在解体新築工事中の盛岡バスセンターですが、今回は盛岡駅西口から乗車。
元京王バス東の三菱エアロバスが充てられていました。
車内は、4列シート42人乗りの昼行高速仕様。
トイレが車内後部に設置されていますが、閉鎖されていて使用することは出来ません。
バスは、盛岡インターから東北自動車道を北上し、安代ジャンクションから八戸自動車道に入り、八戸へと向かいます。
途中の九戸インターでいったん高速道路を降り、最寄の九戸インターオドデ館で乗務員交代を兼ねた開放休憩を取った後、再び八戸自動車道に入り、軽米インターを経由して八戸市街へと向かいます。
「特急八盛号」の八戸側起終点は八戸ラピアバスターミナルなのですが、この便に限っては八戸港フェリーターミナルまで運行されます。
フェリー利用者にとってはありがたいものです。
結局、バスは定刻より10分早い20時55分に八戸港フェリーターミナルに到着。
さあ、いよいよフェリーに乗船です。
いよいよ「シルバーエイト」に乗船
八戸港フェリーターミナル到着後、川崎近海汽船のカウンターで乗船手続きを済ませ、売店でお土産などを購入し、「シルバーエイト」に乗船です。早速船内を見ていきましょう。
4デッキにある案内所兼売店です。 客層を考慮してか、長距離フェリーの様な売店は設置されていませんが、こちらでアルコール類や菓子類・カップラーメンを購入することが出来ます。
また、毛布の貸出(有料で400円)も行っています。
但し、タバコ類の販売は自販機を含めて一切行っていないので注意が必要です。
また、アルコール類の販売は、窓口・自販機ともに23時までとなっていますので注意です。
同じく4デッキにあるオートレストランです。
冷凍食品の自動販売機にて商品を購入後、電子レンジで暖めて食事する方式を採用しています。
飲み物やカップラーメン、アイスクリームなどの自販機もこちらに設置されています。
乗船時は多くの乗客で賑わっていました。
5デッキは、1等洋室と特等、ドライバー室、そして浴場があります。
浴場の前にはソファーが設置されており、フリースペースになっています。
大浴場は時間制限がありますので、入浴される方は予め営業時間を確認しておきましょう。
この便の紳士用浴室入浴時間は、20時45分~23時00分となっています。
そして、今回お世話になったのがこちらの部屋↓。 4デッキにある2等寝台Aです。
2人様個室になっており、ベッドの他、テーブル、照明、毛布、コンセントが完備されています。
私が乗船した日はほぼ満席で、キャンセル待ちで何とか部屋を確保したという状況でした。
ご利用の方はお早目のご予約をお勧めします。
尚、「札幌八戸なかよしきっぷ」利用の場合の追加料金は2,500円となっています。
22時00分、「シルバーエイト」は八戸港を定刻に出航します。
この日は汗だくだったということもあり、すぐに浴室へ直行。
ひとっ風呂浴びて気分がすっきりしたところで、オートレストランで遅い食事を済ませ、就寝します。
今回の旅を振り返りながら布団に包まっているうちに、いつしか夢の中へ。
目を覚ますと、時計の針は午前5時半を指していました。
しっかりと寝ていた様です。
着替えを済ませ、身支度を整えているうちに、「シルバーエイト」は定刻よりも早い5時45分に苫小牧港フェリーターミナルに到着。
この後、苫小牧フェリーターミナル6時46分発の北海道中央バス「高速とまこまい号」で札幌駅前ターミナルへ。
導入したばかりの三菱エアロエース2019年モデルが充てられるとは・・・正直驚きました。
コストパフォーマンスの良さが「シルバフェリー」の良さ
というわけで、シルバーフェリーの「シルバーエイト」の乗船記をお届けしました。今回乗船してみて改めて感じたのは、苫小牧~八戸間の近さと、「シルバーフェリー」のコストパフォーマンスの良さでした。
苫小牧~八戸間約8時間という、ひと眠りするにはちょうど良い所要時間も、「思っていたよりもあっという間」という感覚になりますし、特に夜行移動において「シルバーフェリー」のコストパフォーマンスの良さを実感出来るのでは思います。
一方で、今回乗船した「シルバーエイト」ですが、以前乗船した「シルバープリンセス」と比較すると、旅客定員を増やした分、フリースペースが狭くなっている印象を受けました。
これに関しては賛否両論があるかと思いますが、私個人的な意見としては、他船との差別化を図る点では仕方がないのかなぁと。
ですが、欲をいえば、もう少しフリースペースが広くても良いのかなぁという気もします。
とはいえ、寝ながら移動する船としては、快適であることには間違いありません。
デビューして6年が経過した「シルバーエイト」。
1人旅はもちろんのこと、2人旅、家族連れにも対応した、オールマイティな形態に対応した船だと思います。
機会がありましたら、是非一度乗船されてみてはいかがでしょうか。
【乗船データ】
- 乗船日:2019/06/26
- 乗船区間:
八戸港フェリーターミナル→苫小牧フェリーターミナル(西港) - 運航会社:川崎近海汽船(シルバーフェリー)
- 船名:シルバーエイト
- 竣工年:2013年
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