寝台特急「日本海」廃止直前惜別乗車記【その1】
大阪~青森間を運行していたJR寝台特急「日本海」。
定期運行終了後は臨時列車扱いとなっていましたが、臨時列車として運行されたのは現在のところ昨年2012年のGWと夏、そして冬の繁忙期のみ。
2013年度は今のところ運行の計画がないそうです。
存廃については現在検討しているとのことですが、果たして存続されるのか、それともこのまま廃止になってしまうのか・・・・
この列車の歴史は長く、1947年に運行を開始した大阪~青森間の急行列車がルーツとなっています。
1950年に「日本海」という列車名が付けられ、1968年に特急列車化されました。
以降、関西・北陸~東北日本海側都市間を結んできましたが、近年の飛行機・夜行バスの発達や格安ビジネスホテルの増加による利用客減少及び車両の老朽化などの理由から、2012年3月のダイヤ改正をもって臨時列車化されました。
私自身、「日本海」は函館延伸時代に「ヒルネ特急」として数回利用したことがあるだけで、全区間利用したことは一度もありませんでした。
今回、一昨年秋の定期運行終了の話を聞いて、「これは一度全区間乗車しなければ・・・・・」と思ってはいたのですが、なかなかスケジュールの都合が付かず、半ば乗車を諦めていました。
しかし、廃止直前の2012年の1月中旬になってスケジュールに空きが出たため、急遽、寝台特急「日本海」惜別乗車を企画、乗車してきました。
そこで今回と次回にわたって、この時の模様をご紹介したと思います。
寝台特急「日本海」 ガラリと変わった大阪駅に見参!
出発は、昨年2011年6月に大きく生まれ変わった大阪駅。ガラリと変わった駅舎に、驚きと戸惑いを隠せません。
まずは駅内のコンビニエンスストアで食料を買い込みます。
というのも、この寝台特急「日本海」の下り列車は車内販売が無いため、ここで買いそびれると翌朝の青森到着まで食べ物にありつけなくなるからです。
食料の準備が終わったところで、「日本海」が発車する10番ホームへと向かいます。 大阪駅は夕方の帰宅ラッシュ時間でどのホームも混雑。
次から次へと入線する列車に吸い込まれていきます。
寝台特急「日本海」も、ダイヤの関係で出発時間ギリギリの17時41分に入線してきます。
意外にも空いていたB寝台車
この日の私の寝床は、2号車のB寝台。本当はA寝台に乗車する予定でしたが、この日のA寝台は指定券が売れ切れで、仕方なくB寝台にしました。
最後のA寝台の旅を味わいたかっただけにちょっと残念。
しかし、寝台列車の旅情を味わえるだけでも満足としなければ・・・・・・
早速車内を見てみます。
まずは2号車室内入口の銘盤 昭和49年に日本車輌にて製造された車輌です。
B寝台の通路です。
そしてこちらがB寝台のベットになっております。
車端部には洗面所や、 懐かしい飲料水サーバー、簡易更衣室が設置されています。
一部リニューアルされて入るものの、国鉄時代の雰囲気が色濃く残っている車両です。
この日はA寝台が満席であるのに対し、B寝台は「これが運行終了が近づいている列車の車内かぁ?」と思わせる位の空席ぶり(ガラ空き)で、通常10両編成が7号車・8号車減車の8両編成で運行するとのこと。
空席状況を見る限りでは、定期運行が終了する理由も分かるような気がします。
因みに、臨時列車格下げ後は更に減車されるそうで、B寝台のみの6両編成で運行されるとか。
現状を考えると、これ位が丁度良いのかもしれません。
大阪駅を発車 楽しい会話で時間はあっという間に・・・
そうこうしているうちに寝台特急「日本海」はほぼ定刻に大阪駅を出発。この後、京都、敦賀、福井、加賀温泉、金沢、高岡、富山と、北陸地区の主要都市に停車していきます。
私の向かいには、名古屋在住の年配の男性鉄道ファンが同乗していて、消灯まで鉄道やその他の話で盛り上がってしまいました(笑)。
楽しい話だけではなく、私自身が勉強になる話(人生論など)もして下さいました。
こういった出会い、私は好きですね。
旅の思い出として心の中に強く残りますしね。
スマートな夜行バスの旅もそれはそれで好きなのですが、夜行バスが発達する一方で、旅の道中でこういった素晴らしい出会いの場を提供してくれる夜行列車が無くなってしまうのは、正直なところ寂しい気がします。
しかし、昨今のJRの現状やJRの新幹線優先主義などを考えると、夜行列車という乗り物がこの日本からなくなるのはそう遠い話ではないのではと思ってしまいます。
残念ではありますが・・・・・。
金沢を出発したところで、この日の最後の案内放送が流れ、車内は消灯となります。
先程出てきた年配の男性鉄道ファンとは24時頃まで話をし、その後就寝しました。
前々日、前日の疲れがあったためか、目を瞑るとすぐさま夢の中へ。
おかげで翌朝の秋田を出発する頃まで熟睡することが出来ました。
横になりながら移動できる夜行列車の利点を改めて感じた一時でした。
この後は、朝の奥羽本線の車窓を堪能しながら青森へと向かいますが・・・・・
続きは次回に。
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