JR寝台特急「富士」「はやぶさ」ヒルネ利用乗車記
2009年春のダイヤ改正で廃止されることになった、JR寝台特急「富士」「はやぶさ」。
東京と大分・熊本間を結ぶ寝台特急で、長くの間多くの利用客に親しまれてきました。
しかし、新幹線・航空機・夜行高速バスの発達などの影響で利用客は減少。
更に、車両老朽化の問題も深刻になり、これ以上列車を維持するのは難しいとの判断に至ったのでしょう。
私自身、「富士」「はやぶさ」にはこれまで乗車したことがありませんでしたが、廃止3ヶ月前の2008年12月に「ヒルネ利用」という形で利用する機会を得ました。
「これは今しかない!」ということで、早速乗車してきました。
「ヒルネ利用」の富士ぶさで熊本までの4時間の旅
2008(平成20)年12月13日7時10分、JR新山口駅。500系「こだま」から下車した私は一旦改札を出て、駅のKIOSKで買い物を済ませます。
何しろ4時間程の乗車になるので、それなりの食料を買い込まなければなりません。
買い物を済ませ、新幹線口から在来線専用改札を通り、7番ホームに向かいます。
7時33分、定刻ビッタリに「富士ぶさ」入線です!!↓
ホームに滑り込みます。↓
今回は熊本まで乗車するので、「はやぶさ」の6号車に乗り込みます。
私が座ったのは・・・・6号車の一番後ろの寝台。↓ ここの寝台って、半個室状態になっていて、以外とと穴場な場所だったりするんです。
7時34分、「富士」「はやぶさ」は定刻に新山口を出発します。
落ち着いたところで車内を散策しますが、週末ということもあってか、B寝台は7割方が埋まっていました。(個室寝台は・・・当然の事ながら満席です!!)
ついでに・・・「下関到着前に「富士」のヘッドマークを撮っておかないと・・・」
ということで、客車側の「富士」ヘッドマークの写真も撮っておきます。
17分程経過したところで、列車は宇部に到着です。
ここを出ると、下関まで止まりません。
途中、ブルトレ撮影の聖地(?)とも言われる有名な「オノアサ」カーブを通過しましたが・・・10人程がカメラを構えていました。
8時33分、下関に到着です。
5分間停車するのですが・・・・ここで2つのイベントが!!
一つは・・・機関車の切り離しです。
東京からはるばる「富士ぶさ」を引っ張って来たEF66が切り離され、代わりに関門トンネル専用のEF81が付けられます。
これを見たさにマニアがダッシュ!!沢山の人だかりが出来ておりました。
もう一つは・・・・7~8号車付近にある下関駅売店で繰り広げられる下関駅名物「ふく飯」「ふく寿司」「ふく天うどん・そば」の争奪戦。
ドアが開いた瞬間、売店目がけて徒競走が繰り広げられます!!
私はどちらに参加したかというと・・・・・・
売店ゴールの徒競走の参加しました(笑)。
そして・・・これをゲット!!この日の朝食となりました。↓
8時38分、下関を出発。
10分程で関門トンネルを通過し、九州へ上陸。そして門司に到着です。
ここでもイベントが!!!
機関車の交換と「富士」「はやぶさ」の解結作業があるのです。!!
機関車はEF81からED76に交代します。
解結直前の「富士」「はやぶさ」の連結部分です。
左が「はやぶさ」、右が「富士」になります。
見学がてら、方向幕の写真も忘れずに撮影します。
これらの方向幕が見られるのもあと僅かです。
解結も終わり、門司を出発します。
最後部には数多くの人が・・・。
この後、小倉、博多、鳥栖、久留米、大牟田と停車。徐々に人が降りていきます。
博多駅停車中の「はやぶさ」です。
列車やがては熊本県内に。徐々に寂しさがこみ上げてきます。
思い出として、エンブレムや方向幕等も撮影しておきます。
そして新山口を出発して4時間14分後の11時47分、寝台特急「はやぶさ」は終点熊本に到着しました。
ここで最後の一仕事が。
そう、最後の形式写真撮影です!!!
じっくりカメラを構えて撮影します。
そして、「はやぶさ」が車両基地に回送される姿を見届けて、ホームを離れました。
旧態依然のスタイルで運行を続けた寝台特急の末路
というわけで、僅か4時間程の「はやぶさ」の旅でしたが、長年に渡り走り続けた由緒ある列車の姿を見る事が出来ただけでも、私的には大満足です。ただ、一方で廃止になる理由というものも今回の乗車でなんとなくではありますが分かったような気がします。
高速バスの発達や新幹線の高速化等といった交通機関を取り巻く状況がここ10~20年の間に激変しているにもかかわらず、旧態依然のスタイルで運行を続けていたのでは、乗客が離れていくのは当然なのではないでしょうか。
旧態のスタイルの方が情緒があるのでは?という意見があるのも事実ですが、ブルートレインの情緒が分かる人はごく限られます。
この手の移動手段は今や何らかの付加価値をつけない限り、乗客数・利益を稼ぐ事はまず無理です。
「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」「北斗星」を見れば明らかです。
何故これらの列車が成功しているか・・・・
それは様々な付加価値を提供する事により、「移動」がエンタテイメントとして確立しているからだと思います。
JR東海での「機関士のなり手がいない」という問題もありますが、「富士ぶさ」にもこの様な努力をして欲しかったというのが正直な感想です。
ともあれ、廃止まであと2ヶ月。「富士ぶさ」の勇姿を最後まで見届けてあげたいものです。
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