JR九州バス「広福ライナー」夜行便 乗車記

夜行バス,高速バス乗車記


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広島~福岡間を結ぶ高速バスといえば、「広福ライナー」を連想する方が多いかと思います。
両都市間を片道4,000円で1日10往復運行し、週末や繁忙期には多くの乗客で賑わう路線です。
特に福山始発の夜行便は、直行夜行交通機関が無いこともあってか、平日でも利用率が高く、満席になることも少なくありません。
この夜行便、従来は中国JRバスと中国バスの共同運行でしたが、諸事情により運行会社が変更され、2012年7月末より、中国JRバスに代わって、新たにJR九州バスが夜行便の運行に加わることになりました。

JR九州バスの夜行路線バスといえば、かつて名古屋~博多間を結んでいた「レインボー号」や、堺・なんば~博多・筑前前原間を結んでいた「サザンクロス博多」という路線がありましたが、いずれも競合路線との競争に敗れ、1990年代初頭に廃止されました。
以来、同社は昼行路線を中心に高速路線を展開していくのですが、夜行路線に関しては参入していませんでした。
それだけに、今回の「広福ライナー」夜行便の参入は、同社にとって約19年ぶりの夜行路線の参入となります。

今回の夜行路線再参入あたっては、特に使用車両の面において、ネット上で様々な憶測が流れていました。
しかし、どれを見るにも、イマイチ信憑性に乏しい情報ばかりで、正直なところ納得できるものは皆無でした。
「であれば、これは一度実際に見ておかないと・・・・・・」ということで、早速広島へ向かい、乗車して来ました。

「フェニックス号」「たいよう」で活躍した西工車が・・・

今回乗車した車両はこちら↓。
JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556

JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556 リア

JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556
かつて、「フェニックス号」「たいよう」で活躍していた、日産スペースウィング(PKG-RA274RBN 西工02MC SD-Ⅱ)8656車です。
(※上記写真は、中国バス㈱の協力のもと、許可を得て撮影しています。)

「広福ライナー」夜行便参入にあたっては、写真の8656車と僚車の8657車の計2台が転用されたそうで、転用にあたっては4列シート仕様への改造が施されています。
どの様に改造が施されているのかというと・・・・・
こちら↓をご覧下さい。
JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556 車内

JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556 シート
「どこの廃車体から流用してきたシートですか?」と言わんばかりの、バブル期に多く採用されたバックレストがしっかりしたシートが並んでいます。
定員は39名ですが、うち乗務員の仮眠スペースとして4名分が充てられている関係上、実際の客席定員は35名となっています。
因みにフットレスト・レッグレストは装備されていません。

で、今回は広島で少し遊んでから乗車しようと思い、広島バスセンターから乗車しました。
西日本JRバスの大阪行き「山陽ドリーム広島号」出発後に、「広福ライナー」夜行便はバスセンター1番乗り場に入線してきます。
JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556 広島BC入線

JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556 入口行先表示

乗務員がバスから降りてきて手早く改札を行います。
チケットを渡して荷物を預け、バスの車内に入り、バスの出発を待ちます。
福山・西条から数人が乗車していましたが、大半の予約済みの乗客は広島から乗車します。

23時35分、定刻にバスは広島バスセンターを出発。
この後、不動院・中筋駅で残りの乗客を乗せ、総勢16名の乗客を乗せたバスは、広島インターから山陽道へ入ります。
ここで自動放送による案内と乗務員からの挨拶・補足説明が行われますが、この案内によると、乗客の休憩場所が消灯前の宮島サービスエリアの1箇所のみとか。
残りの2箇所(佐波川サービスエリア・吉志サービスエリア)は乗務員の休憩及び時間調整の為の停車で、乗客は外へ出ることが出来ないようです。
せめて、朝の1箇所も降りられるように配慮してもらいたいところなのですが・・・・・。

3列シート仕様のままでも良かったのでは・・・

0時10分、バスは宮島サービスエリアに到着。
ここで15分間の休憩を取ります。
大半の乗客が下車し、買い物や洗顔を済ませます。
JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556

0時25分、乗客が全員揃ったところで、車内は消灯され、バスは出発します。
持参のU字エア式枕と腰当てをセットして、シートを倒してみますが・・・・・
見かけによらず(?)、4列仕様のシートにしては、それなりに深く倒れます。
感覚的には、「ライオンズエクスプレス」のシートよりもリクライニングが深いのでは?と感じましたね。
更に、フットレストが無い事が幸いしてか、前席下へ足を放り出すことが出来るために、慣れてしまうとそれなりに良いポジションで眠るが出来ます。
流石に満席時にこのシートで寝るのにはキツイでしょうが、平日などの閑散期であれば、工夫次第で眠ることが出来るのでは?と感じましたね。

途中何度か目を覚ましますが、疲れからか熟睡していた様で、気が付くとバスは呉服町を過ぎ、博多バスターミナルへ向かっている途中でした。
結局、終点の博多バスターミナルの到着したのは、定刻ジャストの7時01分。
JR九州バス「広福ライナー」夜行便 748-06556
『快眠』とまではいきませんでしたが、思っていたよりも眠ることが出来たのは、正直拍子抜けでしたねww。

というわけで、JR九州バス「広福ライナー」夜行便の乗車記をお届けしましたが、一つ思ったのは、共同運行会社の車両に合わせるためとはいえ、わざわざ4列シートに改造する必要があったのか?ということ。
改造前の3列シート仕様のままで投入しても良かったのでは?と思うんですよね。
無駄な経費をかけずに済みますし、何しろ乗客へのサービスアップにも繋がります。
もし採算面で問題があるのであれば、夜行便料金として500円~1,000円程度プラスして徴収する方法もあります。
3列シート車であればそれなりに乗客も乗ると思いますが・・・・・・。
その辺が今回乗車してみて残念に思った部分ですね。
逆に、今回の参入にあたっての運用車両選定は大正解だったかもしれませんね。
ハイデッカーとスーパーハイデッカーとでは、静粛性が全く違ってきます。
今回、「たいよう」の休止による余剰車両対策があるとはいえ、あえてスーパーハイデッカーを選択したJR九州バスを私は評価したいですね。
あと、これは「ライオンズエクスプレス」の乗車記でも述べたかもしれませんが、今回乗車した「広福ライナー」夜行便も、ある程度の自己防衛が必要ですね。
少なくても、U字型エア枕と腰当クッション、そして携帯スリッパ(使い捨てスリッパ)は必須だと感じました。
逆に自己防衛が出来ていれば、それなりに眠れる夜行バスであることも、今回乗車してみて分かりました。

「広福ライナー」は、サービスレベル面は別として、全般的に見て使い勝手の良い高速バスだと私は思います。
特に夜行便は、運行ダイヤ設定が素晴らしく、平日でも老若男女多くの方が利用しています。
週末・繁忙期はなかなか予約が取れない夜行路線ではありますが、この路線に関しては続行便も良く設定されますので、もし興味がある方は是非一度利用されてみてはいかがでしょうか。
個人的には・・・・・やはりJR九州バス便の今回紹介した車両をお奨めしますね!


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