中国バス「ドリームスリーパー」セログラビティシート乗車記

夜行バス,高速バス乗車記




運行開始間際になってに突如発表され、2012年8月29日に運行を開始した中国バスの横浜・町田~福山・広島間超豪華夜行高速バス「ドリームスリーパー」
これまでになかった夜行高速バスとしてネットニュースをはじめとする各媒体で紹介され、各方面から注目されています。
同区間で運行している「メイプルハーバー」の豪華版として位置付けされているようですが、全席個室型?ゼログラビティシート??各種の充実した装備???・・・・
「果たして実際のところはどうなのよ???」ということで、先日乗車してきました。

洗練された車体デザインと豪華な車内設備が特長の「ドリームスリーパー」

その前に、まずは「ドリームスリーパー」の雄姿をとくとご覧あれ。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202

中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 リア

中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 サイド
乗車後の車庫回送前待機中に撮影させて頂きました。
ベース車両は韓国現代製の「ユニバース」2012年モデル。
白地の車体に「DREAM SLEEPER」と大きく描かれたロゴが目立ちます。
エクステリア・インテリアデザインは、両備HDの太陽電池バス「ソラビ」を担当したチームが携わったそうで、今風の洗練されたデザインになっております。
因みに車体ロゴやステッカー類は、夜になると光で反射して色が変わるとか。
芸が細かいです。

今回乗車したのは、平日の横浜発の便。
発車5分前にはバスが入線、改札が始まります。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 横浜駅東口BT改札中

改札を済ませ、車内に入ると・・・・・まぁ、ビックリする部分が多くて、車内に入った瞬間「これ凄いなぁ~」と思わず言ってしまいました。
まず、出入口付近にはアロマ発生器が設置されていて、ほのかなラベンダーの香りが乗客を出迎えてくれます。
そして、車内は土足厳禁。
運転席付近で靴を脱いで車内に入ることになります。
その肝心の車内がこちら↓。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 車内
左右2列配列の14席定員で、うち、ファーストグレードの「ゼログラビティシート」が4席、セカンドグレードの「エグゼグティブシート」が10席となっておりますが、両者の違いは後程ご紹介するとして・・・・・
各座席はパーテーション(ゼログラビティシート)とカーテン(エグゼグティブシート)で完全に仕切られ、座席に座ると、そこはもう完全なプライベート空間です。
床は完全なカーペット敷きになっていて、座席からトイレ及びパウダールームへの移動は、スリッパか素足で移動することになります。

今回私が予約したのは、ファーストグレードの「ゼログラビティシート」でした。
そのシートがこちら↓。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 ゼログラビティシート
「NASAの理論に着目、浮遊感を感じながら快眠できるシート」というのがセールスポイントらしいのですが、シートの電動リクライニング(最大40度)と電動チルト(最大30度)、更には水平にまで調節できる手動式レッグレストを併用することで、この様な↓状態で快適に眠ることが出来ます。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 ゼログラビティシート フルリクライニング状態
シートを深く倒すというよりは、クレイドル機能を最大限に活用して腰の部分を下に落とすことで、ゆりかご状で快適に眠って頂こう・・・・・というコンセプトのシートですね。
で、実際に寝てみての感想ですが、シートクッションの厚さが薄めであるにもかかわらず、長時間座っていても疲れを殆ど感じなかったのは、昭和西川の「ムアツクッション」のおかげでしょうね。
「ムアツクッション」は「エグゼグティブシート」にも採用されているので、「エグゼグティブシート」でも十分な睡眠を取ることが出来るのではないでしょうか。

因みに、こちらはセカンドグレードの「エグゼグティブシート」
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 エクゼグティブシート
こちらのシート、チルト機能は電動ですが、それ以外のリクライニング・レッグレストは手動操作となります。
また、前後の仕切りがパーテーションではなくカーテンとなっている他、「ゼログラビティシート」で提供されているアメニティグッズが、エグゼグティブシートでは有料(600円)となっています。
この辺が「ゼログラビティシート」との違いになるでしょうか。
「エグゼグティブシート」については、機会を見て試乗・レポートできればと考えております。

因みにアメニティグッズはこちら↓。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 アメニティグッズ
スリッパと専用ロゴが入ったポーチの構成になっていて、ポーチ内には耳栓・ヘッドホンパッド・歯ブラシ・歯磨き粉・携帯コーム(ヘアブラシ)・アイマスク・携帯靴べらが入っています。

各座席には、快眠ミュージックが楽しめる4chマルチステレオや、
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 シートスイッチ・LEDスイッチ・マルチステレオコントローラ

眠りを誘う効果がある桜色LED、
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202エアコン吹き出し口・桜色LED

パナソニック製のイオン発生器ナノイー、
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 パナソニックイオン発生器ナノイー

更には写真はありませんが、今や夜行バス車両には必需品となりつつある電源コンセント・USBコンセントも装備。
至れり尽くせりの設備を誇っています。
そして、設備の使い方が分からない人の為に、この様な車内リーフレットも備え付けられています。
(但し持ち出しは厳禁なのであしからず。)
中国バス「ドリームスリーパー」 車内案内リーフレット
このリーフレットですが、写真付きで説明が書かれていて、初めての人でも分かりやすい内容だと思いました。

車内後部には、トイレとパウダールームが設置されていますが・・・・・
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 後部車内トイレ

中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 後部パウダールーム その1

中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 後部パウダールーム その2
デザインのセンスが素晴らしいですね。
まるでどこかのデザイナーホテルのトイレと見間違える位ww。

ここで「あれっ??交代乗務員はどこで休むの???」と思われている方、実は乗務員仮眠室がこちら↓にあります。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 後部乗務員仮眠室
車内最後部です。
つまり、車内後部には進行方向向かって左側にパウダールームがあり、右側にトイレ、そして最後部に乗務員仮眠室という造りになっているのです。
このため、パウダールームとトイレのスペースは、通常のユニバースよりも若干狭くなっています。

以上が車内の紹介になりますが、とにかく至れり尽くせりなんですよね。
これまで数多くの夜行バスに乗車してきましたが、この「ドリームスリーパー」の設備には正直度肝を抜かれました。
ここまでやってしまうか・・・・・という位に。

「快適」「快眠」のシートで福山・広島へ・・・

横浜駅東口バスターミナルからは、私を含めて4名が乗車。
うち、「ゼログラビティシート」は私のみで、残りの3名は「エグゼグティブシート」の乗客でした。
その後、町田バスセンターで「エグゼグティブシート」の乗客を2名乗せ、この日の乗客は6名で確定。
しかもこの日は、広尾・福山駅前・西条昭和町・中筋駅で降りる人がいないということで、広島へ直行するとの案内が。
これはもしかして、大幅な早着が予想されますが、果たしてどうなのか・・・・・。
バスは横浜町田インターから東名高速・新東名・伊勢湾岸道・東名阪・新名神・名神・中国道・山陽道を広島へ向けてひた走ります。
途中の開放休憩は1箇所。
休憩場所は東名高速道路の足柄サービスエリアで、定刻ですと22時30分頃に到着します。
中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 足柄SA休憩中

中国バス「ドリームスリーパー」 G1202 足柄SA休憩中 その2

足柄サービスエリア出発後は完全消灯され、翌朝到着まで下車することが出来ません。
シートをフルにセットして目を瞑ると、何時しか夢の中へ。
翌朝目が覚めた時、バスは山陽道の福山SAで乗務員交代を行っていました。
その後バスは山陽道を広島インターまでひた走り、途中市内の渋滞に巻き込まれつつも、広島バスセンターには定刻よりも10分程早い7時40分頃に到着。
そして通勤客で賑わう終点の広島駅新幹線口には、こちらも定刻より10分程早い8時頃に到着しました。

ソフト面の充実が今後の課題!?

というわけで、超豪華夜行バス「ドリームスリーパー」初乗車の模様をお届けしましたが、ここからは総括を。

まず、ハード面についてですが、これに関しては正直文句無しの素晴らしさでしたね!
車内設備の充実ぶりは勿論ですが、私が特に感じたのは、現代「ユニバース」の乗り心地がかなり進化していたということ。
「ユニバース」には今から3年前にいわさきバスネットワークの「きりしま号」で乗車したことがあるのですが、当時の軟過ぎるサスペンションのイメージが強かっただけに、今回どうかなぁ~と多少不安だったのですが、いざ乗車してみると、若干軟さを感じるものの、乗り心地が大幅に進化している様に思えました。
とはいえ、国産車と比較すると、まだ詰めが甘い部分も。
特に高速道路走行時の揺れは、時々??と感じることもあり、今後この辺をクリアにすれば、かなり国産車に近い乗り心地になるのでは?と思いましたね。
あと、今回の車両に関しては、カーペット敷きということもあるのでしょうが、静粛性がかなり改善されています。
強いて欠点を挙げるとすれば、空調でしょうか。
今回乗車した車両ですが、どうもエンジンからの熱がダイレクトに車内後部に入ってきている様で、車内後部を基準に空調を設定すると、車内前方部は寒くて寒くて・・・・・・。
エアコン吹き出し口を調整しても、衣類で調整しても、寒さだけは完全には改善出来ませんでした。
幸い風邪をひかずに済みましたが、これがもし女性だったら・・・・・寒くて寝られないかもしれません。
車両構造の改善と空調システムの改善が今後必要になってくるでしょうね。

一方でソフト面については、今後改善の余地があるでしょうね。
とはいっても、悪いという訳ではなくて、同業他社と比較するとむしろ良い方なのですが、それでも「改善の必要がある」とあえて言ったのは、「アッパークラスの夜行バスにはそれなりのハイレベルな接客サービスが求められる」という考えが私の中にあるからです。
先日、とあるブログでイルカ交通の超豪華高速ツアーバス「ドルフィンライナー雅(みやび)」の乗車記を読みました。
その乗車記のなかで、「アッパークラスの夜行バスには、それに相応しい特別感を与える接客が求められる」旨の内容が書かれていました。
私もこの内容には同感で、折角それなりの料金を支払って乗車する訳ですから、ある程度のおもてなしの接客を望みたいというのが本音です。
車両は素晴らしいのに、接客内容が「メイプルハーバー」と同じ内容だと、がっかりしてしまうんですよね。
イルカ交通の様なハイレベルの接客までは求めませんが、せめてマイク案内後に「本日はご乗車ありがとうございます。設備の使い方などで分からないことはございませんか?何かございましたらお気軽にお申し付け下さい」といった様に、交代乗務員が各座席を回って案内することで、乗客に対して安心感や特別感を与えられるのではないでしょうか。
実際に九州の西鉄では、「はかた号」開業後暫くの間、この様なサービスを行っていました。
両備G担当者や中国バスの担当者は、一度他社様の夜行バスに乗車、ノウハウを研究して、「ドリームスリーパー」に相応しい接客というのを研究・実行してみてはいかがでしょうか。
これがもし出来れば、ハード面・ソフト面両方において「日本一の夜行バス」として君臨出来ることでしょう。

バス業界にインパクトを与えた中国バスの「ドリームスリーパー」。
両備Gの今後の努力如何では、リピーターが付く人気路線になるのでは?思っています。
そして、「ドリームスリーパー」横浜~広島線が成功すれば、他路線への展開といったことも今後考えられるでしょう。
先程述べた通り、この路線の最大の課題は「ソフト面の充実」です。
この部分を今後真面目に取り組むか取り組まないかで、この路線の運命が決まってくるのではないでしょうか?
両備Gの今後の努力に期待したいと思います。

【最後に】
今まで都市間ツアーに先行されていたバス車内の改善ですが、いよいよ路線高速バス陣営もこのドリームスリーパーの登場でその一歩を踏み出しました。
今後この様なバスが普及するかどうかは分かりませんが、「ドリームスリーパー」は、夜行バスが苦手の方や今まで夜行バスに乗車したことがない方、そして女性に特に乗車して貰いたいですね。
きっと、夜行バスに対するイメージが変わることでしょう。
それ位に素晴らしいバスに仕上がったと思います。
夜行バスに乗車したことがある方もない方も、「ドリームスリーパー」は是非ともお勧めします!!

尚、「ドリームスリーパー」について、詳しい情報はこちらからどうぞ。


【お知らせ】
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