道北バス「流氷もんべつ号」西工SD-Ⅱ 乗車記

昼行高速バス,高速バス乗車記

北海道オホーツク海側に面し、流氷観光で有名な街「紋別市」。
この紋別市を札幌との間を直通する都市間バスが、これからご紹介する「流氷もんべつ号」です。

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 札幌駅前T出発

「流氷もんべつ号」は、1996年に北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、道北バス、北紋バスの4社共同運行という形で運行を開始しました。
元々、紋別~旭川間には、道北バスが単独で「特急オホーツク号」(次回ご紹介予定)という都市間バスを運行していますが、この「流氷もんべつ号」は「特急オホーツク号」と「高速あさひかわ号」(北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、道北バス)各4往復を振り替える形で開設しています。
この流れを汲んでか、運行開始当初は全便旭川経由でしたが、2001年(平成13年)より直行便が設定され、順次切り替えられます。
現在は直行便3往復と旭川経由便1往復で運行。
更に2006年(平成18年)度より2月の流氷観光期限定で直行便が2往復増回され、更に旭川紋別自動車道延伸に伴う経路変更を経て、現在に至ります。

「流氷もんべつ号」には、かつて仕事の移動の際に何度かお世話になりましたが、今般、道北バスの「流氷もんべつ号」に元西武バス(→西武観光バス)から移籍してきた西工製夜行高速車(日産KL-RA552RBN 西工02MC SD-Ⅱ)が稼動を始めたと聞き、「それならば一度乗車してみようか」ということで先日乗車してきましたので、今回はその時の模様を簡単にご紹介します。

西工製夜行高速車がついに北海道にも・・・

やってきたのは、ビックカメラやユニクロ等が入居する札幌エスタ1階にある札幌駅前バスターミナル。
「流氷もんべつ号」はこちらを始発とします。
今回乗車したのは、札幌駅前バスターミナル14時25分発の便。
こちらの車両↓に乗車しました。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 リア
西工製の日産スペースウィング(西工02MC SD-Ⅱ)です。
3列シート29名定員の夜行高速仕様となっており、西武バス(西武観光バス)時代は、主に三重方面の路線や「京阪神ドリームさいたま号」などで活躍していました。
首都圏で活躍していた夜行高速仕様車が北海道で活躍すること自体、珍しいといえば珍しいのですが、こと西工製夜行高速車ともなるとこれまで前例が無く、実質今回が初めてのケースであるといえましょう。

発車10分前にはバスが乗り場に到着し、乗車改札が行われます。

車内はこの様になっております。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車内

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 シート

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 マルチステレオコントローラ(後付け)

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 液晶モニター&LCD運賃表
西武時代の面影を色濃く残していますが、西武時代には装備されていなかったマルチステレオコントローラや液晶モニタ、LCD運賃表が後付けされるなど、かなり大掛かりな改造を施しています。
移籍してから運用開始までに数ヶ月要した理由が分かった気がしました。

途中休憩は1回のみ 高速道路と自動車専用道路を経由して紋別へ・・・

14時25分、10名強の乗客を乗せたバスは、定刻に札幌駅前ターミナルを発車。
中央バス札幌ターミナル、菊水元町7条、高速野幌で乗車扱いを行い、バスは雪景色の中を紋別へ向けてひた走ります。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 道央自動車道走行中

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車窓 その1

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車窓 その2

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車窓 その3

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車窓 その4

途中、高速納内での乗務員交代を経て、札幌を出発して約2時間、16時27分にバスは道央自動車道の比布大雪パーキングエリアに到着しました。
ここでは10分間の開放休憩が設定されています。
多くの乗客がバスを降り、トイレや一服を済ませていきます。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 比布大雪パーキングエリアにて その1

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 比布大雪パーキングエリアにて その2

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 比布大雪パーキングエリアにて その3

16時37分、乗客が全員揃ったところでバスは出発。
この先は比布北ジャンクションより旭川紋別自動車道に入り、浮島インターまで走行した後、国道273号線を紋別へ向けてひた走ります。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車窓 その5
旭川紋別自動車道からの車窓も美しいのですが、残念ながら路面状態はあまり良くありません。
そろそろ大掛かりな補修工事が必要なのかもしれませんね。

やがてバスは浮島インターを流出。
ここからは国道273号線を走行します。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 浮島インター通過

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 車窓 その7

全長3,332mの浮島トンネルを抜け、凍結する路面をひた走りますが、民家が無い田舎道を走る都市間バス・・・・どことなく寂しさを感じるのは私だけでしょうか。

やがてバスは滝上町内に入ります。
滝西を通過し、17時59分、滝上に到着。
滝上のバス停は、かつての旧国鉄渚滑線北見滝ノ上駅跡に整備されたバスターミナルにあり、構内には滝上町役場と図書館が設置されています。
ここでは1名が下車しました。

外は日が暮れ、暗闇の中をバスは走り続けます。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 まもなく紋別市内

その後、旭町、濁川、滝下、上渚滑、中渚滑、渚滑を通過し、終点の紋別ターミナルには定刻よりも18分早い18時47分に到着しました。
道北バス「流氷もんべつ号」 1026 紋別ターミナル到着 その1

道北バス「流氷もんべつ号」 1026 紋別ターミナル到着 その2
乗客を全員降ろし、トランクに入っていた荷物の搬出を済ませ、車内の点検を終えると、バスは紋別市渚滑にある道北バスの車庫へと回送されていきました。

最後に

というわけで、道北バス「流氷もんべつ号」の乗車記をお届けしました。
次回ご紹介する予定の道北バス「特急オホーツク号」乗車記でも述べようかと思いますが、今回改めて乗車してみて感じたこととして、「流氷もんべつ号」の運行によって、紋別地区からの「お出かけ場所」が旭川から札幌へ完全に移ってしまったのかなぁという印象を持ちました。
旭川までの移動時間が約3時間であるのに対し、札幌までですと高速道路経由で4時間半前後で移動出来てしまうわけですから、人間の心理として「1時間半程度であれば、旭川よりも都会の札幌へ行こうか!」という気持ちになるのも仕方が無いのかもしれません。
逆にいえば、高速道路網の整備により、札幌へのアクセスがより近くなっているという証拠でもあるのですが・・・。

あと、今回乗車した元西武バスの西工製夜行高速車ですが、4時間半程度路線で使用するのが勿体無い位に快適な車両でした。
恐らくですが、現状の「流氷もんべつ号」の車両の中では、北紋バスの3列シート車と同様「当たり車両」であることには間違いないでしょう。
必ずしも毎日運用されているわけではありませんので、実際に乗車出来るかは運次第といったところですが、機会がございましたら狙ってでも是非一度乗車してみることをオススメします。
九州生まれ首都圏育ちの夜行高速用車両を北海道で見るというのも、バスファン的には楽しいと思いますよ。

さて、次回は帰路で乗車した道北バスの都市間バス「特急オホーツク号」をご紹介する予定です。
「特急オホーツク号」の歴史なども少し触れられたら・・・と考えております。
お楽しみに。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2015/02/28
  • 乗車区間:
    札幌駅前ターミナル→紋別ターミナル
  • 運行会社:道北バス
  • 車両:日産/スペースウィング(KL-RA552RBN 西工02MC SD-Ⅱ)
  • 年式:2003年式
  • 所属:本社営業所(紋別駐在)
  • 社番:1026


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