しかし実は、名古屋と福岡を結ぶ夜行高速バス「どんたく号」という便利な移動手段があります。
「11時間のバス移動は疲れそう・・・」
「車内でちゃんと眠れるのかな?」
そんな不安を持つ方もいるかもしれません。
しかし、今回乗車した名鉄バスの「どんたく号」は、ひとり掛けの広々としたシート「プレミアムワイド」を採用しており、想像以上に快適で「目が覚めたらそこは九州」というワクワク感に溢れた旅となりました。
本記事では、2026年で運行開始37年を迎える伝統の「どんたく号」名鉄バス担当便に、名古屋から小倉まで乗車した時の模様を詳しく紹介します。
移動コストを抑えつつ翌朝から九州でフル活動したい方や、夜行バスで九州へ行こうと考えている方の参考になれば嬉しいです。
名古屋(名鉄バスセンター)と北九州・福岡(博多バスターミナル・西鉄天神高速バスターミナル)を結ぶ夜行高速バス「どんたく号」(名古屋~福岡線)。
名鉄バス(愛知県名古屋市)と西日本鉄道(福岡県福岡市、以下:西鉄)が共同で運行し、1989(平成元)年12月の運行開始から2026年で運行開始37年を迎える老舗夜行高速バスです。
福岡市内を走行中の名鉄バス「どんたく号」3706号車(2025年11月撮影)
博多駅前を走行中の西日本鉄道「どんたく号」4875号車(2025年6月撮影)
このブログでは、過去に「どんたく号」の乗車記を紹介している他、高速バス関連の情報配信サイト「バスとりっぷ」様でも「どんたく号」の乗車記を紹介しておりますが・・・
▶西日本鉄道「どんたく号」乗車記(2019年3月乗車分)
▶目覚めると九州博多! 快眠シート「プレミアムワイド」で行く名鉄バス「どんたく号」(名古屋~福岡線)の旅〔バスとりっぷ内〕
名古屋市内を走行中の名鉄バス「どんたく号」3807号車(2019年1月撮影)
実は先日、久しぶりに「どんたく号」に乗車する機会がありました。
筆者にとって約6年ぶりの「どんたく号」の乗車。
いったい、どんな夜行バスの旅であったのでしょうか。
【基本情報】夜行高速バス「どんたく号」の運行区間・所要時間・運賃まとめ
まずは、今回利用した路線の基本情報から。
- 路線名:どんたく号
- 運行会社:名鉄バス・西日本鉄道
- 乗車区間:名鉄バスセンター ~ 小倉駅前・博多バスターミナル
- 乗車時間:11時間02分~11時間15分
- 運賃:
●WEB予約▶ダイナミックプライシング制(運賃はこちら)
※今回は名古屋~北九州(小倉)間12,800円で乗車。
●窓口・電話予約・車内精算時運賃▶大人片道14,000円 - 運行本数:1日1往復運行
【比較】名古屋~福岡の移動手段|新幹線・飛行機・夜行バスどれが安い?
| 移動手段 | 運賃(片道) | 所要時間 | シートタイプ |
|---|---|---|---|
| 夜行高速バス「どんたく号」 | 最安10,000円前後~14,000円 | 約11時間10分 | 3列独立シート |
| JR東海道・山陽新幹線「のぞみ」 | 18,080円 ※普通車指定席 |
約3時間20分 | 2+2列シート(グリーン車)、3+2列シート(普通車) |
| 飛行機 | 最安7,000円前後~ | 約1時間30分 | 2+2列シート、3+3列シート など(LCCを含む。機種によって異なります。) |
※飛行機はクレジットカード決済時料金です。
※最新の料金・販売有無は、こちらから予約画面に進み、別途ご確認ください。
名古屋と北九州・福岡をダイレクトに結ぶこの路線は、JR新幹線や飛行機と比較しても運賃が安くに抑えられる他、夜行バスは寝ながら移動出来るため、コスパ重視派の方にも人気があります。
新幹線や飛行機よりも寝ながら移動出来る分、現地での滞在時間を最大化出来るのが、夜行バス最大のメリットです。
名古屋駅直結! アクセス抜群な「名鉄バスセンター」のりばから九州へ出発
「どんたく号」乗車日当日。
札幌丘珠空港から「トキエア」の飛行機に乗って中部国際空港に到着した筆者は、
名鉄の空港アクセス特急「ミュースカイ」に乗り換え、
名鉄名古屋駅に直結する名鉄バスセンターにやって来ました。(写真はイメージです。)
名鉄バスセンターは、東北、東京新宿、北陸、関西、四国、九州方面へ向かう高速バスのほか、近距離高速バス、一般路線バスも発着する、中京圏有数のバスターミナル。
名鉄百貨店の建物内にある大型バスターミナルで、JR名古屋駅、名鉄名古屋駅、近鉄名古屋駅からのアクセスの良さが魅力です。
実はこの名鉄バスセンター、名古屋駅地区再開発計画に伴い、2026年3月をもって閉鎖となることが予定されていましたが、2025年12月に同計画のスケジュールが全て未定に変更されたことを受け、2026年4月以降も営業を継続することが決定しております。
果たして名古屋駅地区再開発計画がどうなるのか、今後に注目したいですね。
バスのりばは3階と4階にありますが、長距離高速バスは3階から発車。
エスカレーターもしくはエレベーターで3階に上がると、乗車券カウンターと待合所、コンビニエンスストアがあります。
夜行高速バス「どんたく号」は、名鉄バスセンター3階5番のりばから発車します。
発車時刻は21時00分。
発車まで少し時間がありますね。
名鉄バス「どんたく号」の車両紹介|クジラカラーの外観と充実した車内設備
今回乗車したのは、こちらの車両でした。
名鉄バス名古屋中央営業所所属3609号車(三菱エアロクイーン QRG-MS96VP)です。
「どんたく号」はもとより、名古屋・浜松~仙台線「青葉号」、名古屋~新潟線といった本州方面長距離夜行高速路線で活躍する、オールラウンドな車両です。
1990年代後半に採用された名鉄高速バス専用カラー(通称:クジラカラー)を纏い、鮮やかな印象を受ける車両です。
幅広56cm! 3列独立「プレミアムワイド」シートの快適設備をチェック
車内は、3列独立シート27人乗りの夜行高速仕様。
ライトブラウンのシートモケットと白熱灯色の照明が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
トイレ入口横はフリースペースとなっており、進行方向左側座席(A席)からトイレへの移動がしやすくなっています。
窓側座席には、座席と通路を仕切るカーテンを装備しています。
シートは、天龍工業製の夜行用ハイグレードシート「プレミアムワイド」を採用。
座席シートの幅が従来のもの(約46cm)より広いのが特徴で、シート幅は56cmとゆったりとしています。
シートクッションは若干硬めですが、リクライニングの角度がそれなりに深く、脚がしっかりと伸ばせる構造になっていることから、長時間座っていても疲れにくいシートです。
今回筆者は、進行方向左側の最後部”10A席”を予約しました。
シートのリクライニングは、座面横の青いリングが付いたボタンを押しながら背もたれを押します。
足置き台(フットレスト)は、高さを2段階に調整できる他、前席の下まで足が伸ばせる様になっています。
また、レッグレストは、ふくらはぎの形状に合わせた構造になっています。
モバイル充電は、コンセントとUSBポート(Type-A)のデュアル電源方式になっており、これは便利です。
ひじ掛けには読書灯が内蔵されています。
ひじ掛けの蓋を内側に倒し、引き出して使用します。
先程ご紹介した、座席と通路を仕切るカーテンです。
窓側座席に設置されており、セットするとこの様になります。
従来車両は窓側にしかなかった荷物棚ですが、名鉄バスの夜行用車両は中央列にも荷物棚を設置。
気兼ねなく上着やコートを置くことが可能です。(写真はイメージです。)
天井には、プラズマクラスター空気清浄機を設置。
車内空間を清潔に保つ、重要な設備です。
※「プラズマクラスター(Plasmacluster)」は、シャープ株式会社(SHARP)の登録商標です。
乗客には飲み物サービスとしてパック式お茶が提供されます。
トランクに荷物を預けると、写真の荷物引換券が渡されます。
降車時に必要ですので、無くさない様にしましょう。
トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりに設置。
広くはありませんので、あくまで緊急用と考えた方が良さそうです。
長距離夜行高速用車両としては一般的な3列シート仕様車ですが、ご紹介した名鉄バス「プレミアムワイド」は、いわゆる「豪華夜行高速バス」に属さない3列シート仕様車の中でもトップクラスの車内設備を誇るのではないでしょうか。
【実録】名古屋〜小倉間の乗車記|3列独立シートの移動はどれだけ快適?
空き時間を利用して夕食を済ませ名鉄バスセンターへ戻ると、のりばの反対側にある降車ホームに、これから乗車する名鉄バス「どんたく号」が停車していました。
まもなく乗車開始です。
20時50分、発車10分前にバスがのりばに入線。
乗車改札が行われます。
この日は予約でほぼ満席。
数日前に予約サイト(ハイウェイバスドットコム)を見た時は半数近く空席があったのですが、この数日間で空席が埋まった様ですね。
「どんたく号」は名古屋~福岡間の運行ですが、今回は博多駅へ先回りしてちょっとした撮影をしたかったことから、途中の小倉駅前まで乗車します。
21時00分 名鉄バスセンター(名古屋)発車
乗客が全員揃い、定刻に名鉄バスセンターを発車したバスは、名古屋市中心部などを走行し、栄地区へ向かいます。
10分程で、栄(オアシス21)に到着。
こちらで乗車扱いを行います。
名古屋の栄地区にあるオアシス21は、公園やバスターミナルなどの公共施設と商業施設との複合施設。
現在は外国人観光客に人気の高いスポットらしく、(筆者は知らなかったのですが)「夏のフォトジェニック観光スポット」として国内では北海道・洞爺湖に次ぐ2位に選ばれたことがあるそうです。
オアシス21のバスターミナルは、名古屋市営バス・名鉄バス・三重交通が使用する他、共同運行の岐阜バスや信南交通、東鉄バスなども発着。
ホームドア式のバスターミナルになっており、バス停車中のみドアが開きます。
21時17分、乗車扱いを終えたバスは、栄(オアシス21)を発車。
発車後、乗務員による運行経路、車内設備、休憩場所の案内が行われ、案内終了後に乗務員が車内を回って不明点の確認とパック式お茶の配布を行います。
乗務員による丁寧な案内は、さすが名鉄バスといったところ。
他社と比較しても安心感が違います。
バスはこの先、名古屋高速から東名阪自動車道~新名神高速道路~名神高速道路~山陽自動車道~九州自動車道などを経由して九州福岡をめざします。
旅はまだ始まったばかりです。
22時20分~22時35分 土山サービスエリアにて開放休憩
名鉄バスセンターを発車して約1時間20分、22時20分にバスは消灯前の開放休憩場所である土山サービスエリアに到着します。
こちらでは15分間停車しました。
土山サービスエリアは、滋賀県甲賀市土山町にある新名神高速道路のサービスエリア。
新名神高速道路のサービスエリア・パーキングエリアの中でも有数の広さを誇り、多くの自家用車やトラック・バスが停車するサービスエリアとしても有名です。
上下一体型の休憩施設になっており、上下駐車場の間にトイレや営業施設が配置されているのも特徴のひとつです。
バスも、しばしのひと休み。
深夜運行に備えます。
22時35分、乗客が全員揃ったところで、バスは土山サービスエリアを発車。
発車後、乗務員から「10分後の22時45分に消灯する」との案内がありました。
消灯前の準備を済ませ、リクライニングシートを倒して目を瞑ります。
22時45分、車内灯が消され、深夜運行に入ります。
やがて筆者は夢の中へ。
翌朝の休憩場所停車まで目を覚ますことはありませんでした。
05時25分~05時45分 壇ノ浦パーキングエリアにて開放休憩
翌朝05時過ぎ。
目を覚ますと、バスはどこかに停車していました。
暫くして車内灯が点灯。
その後の乗務員による案内放送で、バスが朝の開放休憩場所である壇ノ浦パーキングエリアに停車していることに気付きました。
壇ノ浦パーキングエリアは、山口県下関市の関門橋(関門自動車道)上にあるパーキングエリア。
下り線(門司方面)にのみ設置されており、パーキング施設の展望台から関門海峡を一望出来ることから、多くの自家用車・トラック・バスが停車するパーキングエリアとして知られています。
また、パーキングエリアの敷地内には、「ファミリーロッジ旅籠屋 壇之浦PA店」というハイウェイホテル(高速道路に直結したホテル)があり、これは国内で3例目(NEXCO西日本では初)のハイウェイホテルだそうです。
施設の建物には、ショップやフードコートも。
いずれも24時間営業となっており、特に深夜のトラックドライバーにとってはありがたいと感じるのではないでしょうか。
バスは、05時45分までの20分間停車。
ラストスパートに向けてしばしのひと休みです。
2021年8月完成の施設リニューアルで展望デッキがオープンしたことで、この様な撮影も出来る様になりました。
06時09分 小倉駅前到着
05時45分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
その1分後の05時46分から47分にかけて、本州と九州を繋ぐ関門橋を通過します。
写真はありませんが、関門橋から関門海峡を眺めるうちに、ついに九州へ上陸したことを実感します。
05時52分、門司インターを通過します。
門司インターからは北九州都市高速道路に入り、10分弱で富野ランプを通過します。
そして、定刻より20分以上早い06時09分、バスは最初の降車停留所である小倉駅前(高速バス降車場)に到着しました。
外はまだ真っ暗。
車通りも少ないですね。
バスはこの後、砂津(チャチャタウン前)、黒崎インター引野口、直方パーキングエリア、若宮インターチェンジの各バス停を経由して福岡の西鉄天神高速バスターミナル、終点の博多バスターミナルをめざしますが、先述の通り、博多駅へ先回りしてちょっとした撮影をしたかったことから、今回はこちらの小倉駅前で下車。
一方で筆者は、JR小倉駅へ移動。
始発のJR山陽新幹線「こだま771号」(N700系16両編成)で博多駅へ移動し、
この後紹介する高速バス・観光バスなどを撮影した後、次の場所へ向かったのでありました。
おまけ:博多駅・祇園周辺で見かけた高速バスたち
祇園駅前で撮影した西鉄「とよのくに号」 3150(三菱エアロエース)
祇園駅前で撮影した西鉄観光バス「GRANDAYS(グランデイズ)」専用車 8545(日野セレガSHD)
祇園駅前で撮影した九州産交バス「フェニックス号」専用車 1010(日野セレガHD)
博多駅前で撮影した西日本鉄道「はかた号」 0001(三菱エアロクイーン)
博多駅前で撮影した防長交通「萩・長門おとずれ号」 1451(日野セレガHD)
夜行高速バス「どんたく号」のメリット・デメリット
夜行高速バス「どんたく号」のメリット
- 新幹線より安い
- 乗り換えなしで移動出来る
- 宿泊費1泊分が節約出来る
夜行高速バス「どんたく号」のデメリット
- 移動時間が長い
- バスに慣れていないと眠りにくい
まとめ:夜行バス「どんたく号」は新幹線よりお得? 快適な九州旅への近道
以上、名鉄バス「どんたく号」3609号車の乗車記をお届けしました。
久しぶりに「どんたく号」を利用しましたが、今回は福岡までではなく小倉までの乗車ということもあってか、想像以上に「あっという間」という感覚でした。
まず、運賃についてですが、「どんたく号」は予約のタイミングや混雑状況によって運賃が変動する「ダイナミックプライシング」を採用しています。
今回筆者は片道12,800円で利用しましたが、変動はあるものの、新幹線の通常料金(名古屋~小倉間 約1.6万円)と比較して、宿泊代1泊分が浮くことを考えればコストパフォーマンスは抜群です。
のりばも、名古屋地区・福岡地区共に駅前もしくは駅周辺であるため、のりばまでのアクセスは抜群の良さ。
迷ってのりばまで辿り着けない・・・といったトラブルに遭うことは限りなく少ないのではと思います。
そして、車両は名鉄バスが誇る「プレミアムワイド」シートを搭載。
リクライニングの角度も深く、足置き台(フットレスト)・レッグレストの構造も身体に合ったものになっていることから、約9時間の移動時間を快適に過ごせました。
シートクッションが若干硬めなのは好みが分かれるところですが、備え付けの小型クッションもあることから、身体の疲れを感じることは特にありませんでした。
今回乗車した車両自体、導入から今年2026年でちょうど10年経過しますが、10年経過したとは思えない程に手入れがしっかりしていたのも好印象でした。
新幹線より安く、飛行機のような空港へのアクセス・待ち時間の手間もない、そして何より、名鉄バスが誇る「プレミアムワイド」シートの居住性の良さが、約11時間という長旅を快適なものに変えてくれるのではないでしょうか。
- 移動コストを抑えつつ、翌朝からフルに活動したい方
- 乗り換えのストレスなく、目的地(小倉・博多)へ直行したい方
- 夜行バスでも「広めのシート」でしっかり眠りたい方
にお勧めしたいのが、夜行高速バス『どんたく号』です。
運行開始から37年。
時代とともに車両は進化していますが、伝統の丁寧な接客と確かな安心感は今も健在です。
機会がありましたら、名古屋~九州間の移動の選択肢に、是非「どんたく号」を加えてみてはいかがでしょうか?
【乗車データ】
- 乗車日:2026/02/14
- 乗車区間:
名鉄バスセンター→小倉駅前 - 運行会社:名鉄バス
- 車両:三菱/エアロクイーン(QRG-MS96VP)
- 年式:2016年式
- 所属:名古屋中央営業所
- 社番:3609
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