函館バス「高速はこだて号」 三菱エアロクイーン(2TG-MS06GP)
写真は函館バス(本社:函館市)の札幌~函館間都市間バス「高速はこだて号」で活躍する三菱エアロクイーン(2TG-MS06GP)です。
「高速はこだて号」は、同社と北海道中央バス(本社:小樽市)が共同で運行する都市間バスです。
以前は、両社に加えて道南バス(本社:室蘭市)、北都交通(本社:札幌市)も運行に加わっていましたが、道南バスは2023年10月1日のダイヤ改正(4往復に減便、夜行便の廃止)で運行から撤退。
さらに北都交通も2025年9月30日をもって運行から撤退し、現在は函館バスと北海道中央バスが1日4往復運行しています。
北海道中央バス「高速はこだて号」 日野セレガSHD
2025年9月30日をもって運行から撤退した「高速はこだて号」北都交通担当便
函館バスの「高速はこだて号」といえば、函館の名所がデザインされた車体カラーリングが特徴。
各方面から注目を集める車両でもありますが、そんな函館バス「高速はこだて号」の車両に、昨年あたりから仲間が1台増えました。
本州の事業者で夜行高速用として活躍していた函館バスT3639号車
それが、今回ご紹介するこちらの車両、函館バス函館営業所所属T3639号車です。
車両自体は先程ご紹介した車両と同型の三菱エアロクイーン(2TG-MS06GP)。
一見、導入から間もない新車にも見えるのですが、実はこの車両、他の車両とは異なる経歴を持つ車両でして、なんと、海を渡ってお隣の県、青森県の弘南バス(本社:弘前市)からやって来た夜行高速用車両なのです。
弘南バス在籍時代は同社青森営業所に配属(社番:30511-6)され、青森・弘前~新宿・東京線「ノクターン・ネオ号」の専用車として活躍。
2023年式の車両ですが、約2年で除籍され北海道の地にやって来るとは・・・全くの予想外でした。
そして、この車両、実は函館バスが所有する他の「高速はこだて号」専用車と違う点もあるのです。
気になる外観と車内は・・・
外観は「高速はこだて号」専用のカラーリングを纏っており、この点では函館バスが所有する他の「高速はこだて号」専用車と同じなのですが、細かく見ていくと、下記の相違点があります。
函館バスT3639号車と自社発注車の違い(比較表)
| 項目 | 函館バス自社導入車 | 元・弘南バス移籍車 |
|---|---|---|
| 最後部列の座席数 | 4席 | 3席 |
| LED表示 | 1色LED(オレンジ色) | 白色LED |
| リアスポイラー装備 | なし | あり |
| 左右の「FUSO Aero」のエンブレム | なし | あり |
| 前面愛称表示板の装備 | なし | あり |
特に、白色LEDとリアスポイラーの有無は、遠くからでもT3639号車を見分ける大きなポイントです。
一方、車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様になっています。
ダークグレー基調の内装が特徴で、最後部座席も全て1人掛けとなっているのが他の「高速はこだて号」専用車と異なります。
窓側座席には、座席と通路を仕切るカーテンを完備。
トイレは、車内中央部の階段を下りた突き当たりにあります。
シートは、天龍工業製の夜行用ワイドシートを採用。
名鉄バス(本社:名古屋市)が最初に採用した夜行高速用シート「プレミアムワイド」と同型のシートを採用しており、可動式枕も搭載しています。
シートクッションは若干固めですが、座り心地は快適そのものです。
もちろん、レッグレストや足置き台(フットレスト)も完備。
奥行が空洞になっており、ゆったりと脚を伸ばすことが出来ます。
モバイル充電はコンセントを採用。
ひじ掛け下の座面横に設置されています。
簡単に車両と車内について紹介しましたが、ここ数年来の弘南バス夜行高速用車両の面影が残る車内が印象に残ります。
●函館バス「高速はこだて号」昼行便 簡単な乗車記【札幌~博多間 3日連続 高速バスだけの旅】
●北海道中央バス「高速はこだて号」5176号車(日野セレガSHD)【2022年冬】
函館バスT3639号車に乗車してみる
昨年2025年末、函館バスT3639号車に乗車する機会がありましたので、その時の模様を簡単にご紹介します。
乗車したのは、札幌駅前07時50分発の函館行きでした。
改めて見ると、青のボディと白色LED表示が目立つ車両ですね。
札幌駅前を発車したバスは、中央バス札幌ターミナルにて乗車扱いのために停車した後、国道12号などを経由して大谷地バスターミナル(地下鉄大谷地駅)へ向かいます。
大谷地バスターミナルにて最後の乗車扱いを行い、バスは札幌南インターから道央自動車道へ。
途中の八雲インターまで高速道路を走行します。
落ち着いたところで、シートを少し倒して座り心地を確認します。
名鉄バス「プレミアムワイド」と同型のこのシートは、身体をしっかりと支えてくれるという点で個人的にお気に入りのシートのひとつ。
心地よいシートでウトウトとしながらも、雪降る車窓を楽しみます。
「高速はこだて号」は途中のサービスエリア(パーキングエリア)で開放休憩が1回または2回実施されます。
通常は有珠山サービスエリアと静狩パーキングエリアにて停車するのですが、この日は室蘭インター~伊達インター間が緊急工事で通行止めになっていた関係で休憩場所が変更、本輪西パーキングエリアと静狩パーキングエリアで各15分程停車しました。
室蘭インターでいったん高速道路を降り、国道37号を走行します。
伊達インターから再び道央自動車道に入り、函館へ向けてひた走ります。
外は雪が降り続いています。
2回目の休憩場所、静狩パーキングエリアにて休憩停車中のバスです。
札幌駅前を発車して約4時間後の11時47分、八雲インターを通過。
八雲からは、八雲、森の各バス停に停車しながら国道5号を函館へ向けてひた走ります。
13時00分、定刻約15分遅れで新函館北斗駅に到着。
こちらでは、北海道新幹線への乗り換え客と思わしき数名の方が下車していきました。
新函館北斗駅を発車したバスは、道の駅なないろ・ななえバス停に停車後、函館新道に入り、函館ジャンクションを経由して亀田・五稜郭方面へ向かいます。
赤川インターを降りて暫く走行した亀田支所前バス停は降車客がなく通過し、次の五稜郭バス停では数名が下車していきます。
国道5号に戻り、ガス会社前バス停を通過すると、まもなく函館駅前バスターミナルに到着です。
そして13時48分、定刻約20分遅れでバスは函館駅前ターミナルに到着しました。
終点は湯の川温泉東ですが、行程の関係で今回はこちらで下車。
駅近くのラッキーピエロで食事を済ませた後、所用を済ませて函館駅近くのホテルへチェックインしたのでありました。
現在のJR函館駅駅舎です。
2003年に使用を開始したこの駅舎ですが、20年以上経過している建物には見えないスタイリッシュな外観ですね。
最後に
というわけで、本州から移籍してきた函館バス「高速はこだて号」専用車(三菱エアロクイーン)T3639号車をご紹介しました。
函館バスの「高速はこだて号」には何度も乗車していますが、今回ご紹介した車両、はっきりいって”あたり車両”です。
三菱エアロクイーンの乗り心地の良さもさることながら、シートが道外事業者で採用されている快適仕様なのが評価出来るポイントなのではと思います。
道外事業者仕様の車両に乗車出来る機会が少ない北海道において、いまの道外事業者仕様の高速バスが体験出来る貴重な存在といえましょう。
また乗ってみたいと思わせる、とても快適な車両でございました。
1台のみの在籍でかつ運用が固定されていないため、乗車出来るかは運次第ですが、函館バス担当便(全4往復中2往復)を狙えば遭遇のチャンスがあります。
機会がありましたら是非乗車してみてはいかがでしょうか。
札幌駅前を走行中の函館バス「高速はこだて号」T3639号車
【乗車データ】
- 乗車日:2025/12/14
- 乗車区間:
札幌駅前→函館駅前ターミナル - 運行会社:函館バス
- 車両:三菱/エアロクイーン(2TG-MS06GP)
- 年式:2023年式
- 所属:函館営業所
- 社番:T3639



