「さんふらわあ かむい」のここが良かった!
乗船してみて感じたこと
いうまでもありませんが、先代の「さんふらわあ だいせつ/しれとこ」と比較して大幅に進化したカーフェリーといえましょう。
貨物輸送メインの船舶とはいえ、雑魚寝やカプセルタイプの客室を廃止して全室個室にした点や、客室構成がシンプルなグレードをメインにしているという点で、運航時間帯を考慮に入れなければ1人旅や少人数の旅行にかなり使えそうな船という印象を強く持ちました。
パブリックスペースを広く確保している点や船内照明を上手く使っている点も、個人的には素晴らしいと感じました。
乗船前に知っておきたいポイント
貨物輸送メインの「さんふらわあ かむい」は、船内設備もシンプルな構成なっており、レストランもなければカフェもゲームコーナーもなく、売店の品揃えも夕方便「さんふらわあ さっぽろ/ふらの」の売店と比較すると必要最低限の品揃えに留めています。
その反面、事前に飲食品や楽しむものを購入しておけば、時間を気にすることもなく船内で楽しむことが出来るため、いわば「さんふらわあ かむい」はフェリー旅に慣れた”玄人向け”のフェリーといえるでしょう。
子連れ・ペット連れの対応は?
夕方便「さんふらわあ さっぽろ/ふらの」と比較すると、家族向けの個室数が極めて少ないため、子連れ客にとっては正直利用に適さないフェリーかもしれません。
一方で、ペット連れの利用客にとっては、ペットルームやドッグランの設備がある他、専用の個室も設けられているため、部屋数は少ないですが乗船の検討をしてみる価値はあるといえましょう。
「さんふらわあ さっぽろ/ふらの」との比較
「さんふらわあ かむい」と「さんふらわあ さっぽろ/ふらの」の違い
改めてスペックを見てみましょう。
商船三井フェリー「さんふらわあ かむい」
- 全長: 約199.40メートル
- 幅: 28.60メートル
- 深さ: 22.15メートル
- 喫水: 6.87メートル
- 総トン数: 約15,600トン
- 載貨内容:
13メートルトラック 約155台
乗用車 約50台 - 旅客定員: 157名
- 主機関: 三井E&S製 MAN B&W 12S50ME-C8.5-GI型 二元燃料ディーゼル機関 1基1軸
- 連続最大出力: 21,240キロワット
- 最大速力: 約24.0ノット
<客室構成>
商船三井フェリー「さんふらわあ かむい」コンフォートSシングル
- コンフォートSシングル
- コンフォートSツイン
- スーペリアウィズペットインサイド
- ドライバーズルーム
商船三井フェリー「さんふらわあ ふらの」 苫小牧西港にて
- 全長: 約199.40メートル
- 幅: 27.20メートル
- 総トン数: 約13,816トン
- 載貨内容:
13メートルトラック 約154台
乗用車 約146台 - 旅客定員: 590名
- 連続最大出力: 21,000キロワット
- 最大速力: 24.0ノット
<客室構成>
商船三井フェリー「さんふらわあ ふらの」スーペリアオーシャンビュー(和室)
- スイート
- プレミアム
- スーペリア
- コンフォート
- ツーリスト
- ドライバーズルーム
ご覧いただけると分かる通り、「さんふらわあ かむい」と「さんふらわあ さっぽろ/ふらの」は船のコンセプトが全く異なり、フェリー会社側でも深夜便「さんふらわあ かむい」や「さんふらわあ しれとこ」が「カジュアルフェリー」と位置付けているのに対し、夕方便「さんふらわあ さっぽろ/ふらの」は「カジュアルクルーズ」と位置付けています。
「どちらの船が良いのか?」は利用目的や利用人数によって評価が大きく変わりますが、「家族連れで移動する場合や比較的大人数で移動したい」「移動中の食事や施設を楽しみたい」「午後に到着してその日に動きたい」という方は夕方便が便利ですし、逆に「1人や少人数でリーズナブルに移動したい」「自分のペースで船旅を楽しみたい」という方は深夜便が便利です。
まとめ|「さんふらわあ かむい」はこんな人におすすめ!
- 周りを気にせずに個室で休みながら移動したい
- 1人または少人数で利用したい
- 出来るだけリーズナブルに移動したい
という方にお勧めしたいフェリーです。
今回初乗船でしたが、個人的に「これは今後リピーターになるかも?」と思える位の快適なフェリーでした。
しいて要望を挙げるとするならば、個室内のビビり音は何とか改善して欲しい・・位でしょうか。
運航ダイヤが正直使い難いですが、「令和の長距離カジュアルフェリー」に相応しいフェリーだと思います。
機会がありましたら、是非乗船してみてはいかがでしょうか。