関西で廃止される&廃止されたバス2路線に乗車してみました <金剛自動車&阪急バス「阪北線」11系統>
阪急バス「阪北線」11系統(阪急園田駅→梅田)に乗ってみる
近鉄富田林駅から近鉄南大阪線、JR大阪環状線、阪急電鉄神戸本線を乗り継いでやって来たのは、兵庫県尼崎市にある阪急園田駅です。大阪でのもう一つの目的を果たすために来たのですが、その目的というのが、2023年11月5日をもって廃止された、阪急バス「阪北線」11系統に乗車するというものでした。
阪急バス「阪北線」11系統は、十三、日出町、上津島などを経由して梅田と阪急園田駅を結ぶ路線バス。
元々は、かつての豊中営業所が運行を担当していましたが、豊中営業所の移転に伴い大阪営業所(現:阪急観光バス大阪営業所)へ移管され、さらに2022年6月27日のダイヤ改正に合わせて吹田営業所に再移管されています。
晩年は毎時1本のパターンダイヤを堅持していましたが、乗務員不足と来たる2024年問題への対応などを理由に、上記の通り2023年11月5日をもって廃止されました。
阪神バス(旧尼崎市営バス)が頻繁に発着する阪急園田駅。
阪急バスのバス停は、駅北口の西側にあります。
この表記も今は見ることが出来ません。
バス停にやって来たのは、阪急バス吹田営業所所属の7127号車。
長尺の現行型いすゞエルガ(2PG-LV290Q3)です。
ドアが開いたところで、乗車します。
車内は一般的な都市型仕様のシート配列を採用。
一般客に混じって私の様な惜別乗車をされる方も数名見受けられました。
定刻に阪急園田駅を発車したバスは、尼崎市道27号、園田橋線、兵庫県道・大阪府道606号に入り、上津島(こうづしま)へ。
ここから、川沿いの道を庄本付近まで走行し、庄本からは大阪府道152号を日出町方面へ向けて走ります。
で、私個人的に気になっていたのが、阪急バス豊中営業所の跡地がどうなったのかという点。
ご存じの方も多いでしょうが、実は道路拡張用地に転用された部分以外は、イオンタウン運営の商業施設「イオンタウン豊中庄内」になっていました。
とやかくいう立場ではありませんが、なんだか複雑な気分です・・・。
日出町からは、国道176号線を南下し、新三国橋、野中南2丁目、十三など、各バス停に停車していきます。
淀川を渡り、梅田のビル群が遠くに見えると、終点の梅田はもうすぐです。
JR線高架下にある梅田バス停です。
廃止を知らせる貼り紙が、もの悲しさを誘います。
阪急園田駅から梅田までの所要時間は、正味50分弱。
阪急電車で約10分200円で行けるところを、バスは約50分270円ですが、それでも入れ代わり立ち代わり、常にそこそこの数の乗客が座席に座っていました。
前ページでご紹介した金剛自動車と同様、「これ、本当に無くなるんですか?」とも思いましたが、この様な路線を廃止しなければいけない程、業界全体が緊急事態であることも改めて実感。
この先、日本の街中を走る路線バスはどうなっていくのか・・・暗澹たる気持ちのままバスを降りたのでありました。
それにしても、阪急の一大拠点である大阪梅田から阪急バスの姿が見られなくなるというこの事実・・・10年前には想像すらしなかっただけに、改めて驚くばかりです。
こちらは、梅田を発車する阪急園田行き。
多くの乗客を乗せてバスは発車しました。
【乗車データ】
- 乗車日:2023/10/15
- 乗車区間:
阪急園田駅→梅田 - 運行会社:阪急バス
- 車両:いすゞ/エルガ(2PG-LV290Q3)
- 年式:2019年式
- 所属:吹田営業所
- 社番:7127
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