金沢~福岡間夜行高速バス「加賀号」【アーカイブ】

夜行バス,高速バス乗車記,高速バス アーカイブス

突然ですが、かつて九州福岡と北陸金沢を結ぶ夜行高速バスが存在していた事をご存知でしょうか?
その路線とは・・・西鉄と北陸鉄道が運行していた「加賀号」です。

北陸鉄道「加賀号」 ・911

西日本鉄道「加賀号」 3146

西日本鉄道「加賀号」 3146 リア

この記事では、「加賀号」のことを少し書いてみようかと思います。

開業は1990年12月20日。
当初は九州と北陸を直行する交通機関は飛行機しかなく、陸の交通機関としては無い路線だけに、採算面で心配されましたが、予想とは裏腹に利用客が増加、週末には続行便が付くほどの人気路線として成長します。
しかし、バブル経済がはじけた頃から次第に利用客数の伸びに陰りが見え始め、閑散期と繁忙期の乗車率の差が目立つ様になりました。
折りしも、1990年代後半は、西鉄の夜行高速路線のリストラが始まった時期とも重なります。
路線存続の声も少なからずあった様ですが、西鉄と北陸鉄道は路線廃止を決断、1999年6月に廃止されました。

この路線、路線距離900km以上の所要時間12時間を超える路線としてバスファンの間では有名でした。
特に繁忙期には西鉄の他路線の夜行専用車や高速貸切兼用車「スーパーロイヤル」が動員されるなど、その運行車両にも注目が集まりました。
残念ながら今では路線が存在していた面影を見る事は出来ませんが、存続の声が少なからずあった事などを考えると、少なからずの需要はあるのではないかと思います。子会社による季節運行でも構わないので、路線の復活を望みたいものです。

実は私も過去に数回、この路線に乗車した事があります。
北陸鉄道、西日本鉄道双方の便に乗車しましたが、回数的には西鉄便の利用の方が多かったと記憶しています。

1998年のとある日に乗車した時の事を思い出してみますと・・・
福岡天神バスセンター出発時刻20時。
博多駅交通センター、黒崎引野口、黒崎バスセンター、小倉砂津、小倉駅、高速門司港と細かく停車して、めかりパーキングエリアで休憩した後消灯。
その後中国道~山陽道~名神高速道路~北陸道を走り、翌朝の7時前頃に北陸道の尼御前パーキングエリアにて起床後の休憩停車を実施します。
午前7時頃、同パーキングエリアを出発。
その後、北陸小松、片町、香林坊、武蔵が辻と停車して、終点金沢駅前(現:金沢駅東口)には8時15分ごろに到着した事を覚えています。
その時の乗客数は、週末にも関わらずさほど多くなく、20人いるかいないか位の数だったと記憶しています。
印象に残ったのは、車内サービスのスリッパと紙コップがVIロゴ付きであった事と、起床した後にカーテンを開けた時の日本海の景色の素晴らしさでした。

車両は、かつて福岡高速営業所に所属していた3146号車(福岡22か59-97)が使用されていました。
この車両、かつては名古屋~北九州・久留米・大牟田・荒尾線「玄海号」の専用車として活躍していましたが、路線廃止に伴い、「加賀号」に転用されました。
その時は、「まだ暫く『加賀号』で活躍を続ける」ものだと思っていただけに、「加賀号」の廃止の話を聞いたときは残念に思ったものです。

「加賀号」が廃止されてから10年以上が経過していますが、現在の北陸~九州間の流動ってどのような状況なのでしょうか。
シェア的には飛行機(もしくはJR乗り継ぎ)が主流なのでしょうが、夜行高速バスが入り込む余地はもう無いのでしょうか。
バブル崩壊時の1990年後半と状況は変わってきていますし、バス業界のコスト体系も当時とは変わっています。
あくまで「需要が見込める」「乗務員確保の問題がクリアできる」という前提条件付ですが、『北陸~九州間の夜行高速路線バスの運行』という動きがもう一度あってもいいのではないか?と最近思ったりするんですよね。
始めは週末や繁忙期限定運行で様子を見る方法もあるでしょうし、PRや運営のやり方次第では、そこそこ利用が見込める路線に成長するのではないか?と。
そんなことを「加賀号」の画像を見ながら思った次第です。

【おまけ】
西日本鉄道「加賀号」 3174

西日本鉄道「加賀号」 4558
西鉄「ムーンライト」カラーを纏った「加賀号」の車両達です。
これらの車両を見て、懐かしさを感じるバスファンがどれだけいるのか・・・ちょっと興味があったりします。


応援して頂けると嬉しいです。
↓  ↓  ↓  ↓

その他ランキング
にほんブログ村 その他趣味ブログ バス(車)へ
にほんブログ村