JR北海道 H100形一般形気動車を見てみる

鉄道

JR北海道 H100形 長万部にて

写真は、JR北海道の最新一般形気動車「H100形」です。
2020(令和2)年3月のダイヤ改正から本格運用を開始しました。

老朽化している従来のキハ40系一般形気動車の置き換えを目的に登場したH100形気動車。
一体どんな車両なのでしょうか・・・。

基本設計はJR東日本GV-E400系気動車と同じ!?

先述の通り、JR北海道H100形気動車は、老朽化しているキハ40系一般形気動車を置き換える目的に開発された車両です。

デビューのきっかけは、2015年(平成27年)3月に策定・公表した「安全投資と修繕に関する5年間の計画」に、2017(平成29)年度に一般型気動車の量産先行車2両の製作が盛り込まれたことにあります。
その後、2015(平成27)年6月に、同時期に制作されることとなったJR東日本の電気式気動車「GV-E400系」と仕様を同一とすることが発表され、2017(平成29)年7月に形式名を「H100形」とすることと、詳細な仕様が発表されました。
このため、外観はGV-E400系とほぼ同じですが、外観のストライプや車体ロゴなどをJR北海道仕様にしている他、酷寒地対策などの仕様変更を施しています。

この車両の最大の特長は、JR北海道の電気式気動車では初めてのディーゼル・エレクトリック方式を採用していることです。
ディーゼル・エレクトリック方式とは、(ざっくり説明すると)ディーゼルエンジンで発電機を駆動し、その発生電力で電動機(モータ)を回し推進する方式。
機械的な部品の省略による運行時・保守時の安全性向上や、機械的部品数減少による信頼性向上、メンテナンスコスト削減などが期待されています。

同社では、過去にハイブリッド式の電気式気動車を試験・試作車両として導入したことがありますが、今回、H100形をディーゼル・エレクトリック方式にした理由として、JR北海道側では「走行用バッテリー搭載を省略することによるメンテナンス軽減・コスト抑制」を挙げています。

尚、製造はGV-E400系と同様、川崎重工業が担当しています。

H100形を小樽~長万部間で見てみる

今回運用を開始したのは、2018(平成30)年に落成した量産先行車2両(H100-1,2)と、2019(令和元)年に新製した6両、そして2020年(令和2)年1月に新製した7両の計15両。
苗穂運転所に配置され、15両全てが函館本線小樽~長万部間(いわゆる「山線」)のワンマン列車全列車及び札幌駅~小樽駅の上り1本に投入されています。

早速、ダイヤ改正の翌日(2020年3月15日)に見て来ました。

小樽にて発車を待つH100形です。
前面、側面の行先表示はLEDになっています。
JR北海道 H100形 小樽にて_01

JR北海道 H100形 小樽にて_02

こちらは、倶知安にて発車を待つH100形。
小樽~倶知安間は基本2両編成で運行されますが、倶知安~長万部間は1両(単行)で運行されます。
JR北海道 H100形 倶知安にて_01

JR北海道 H100形 倶知安にて_02

車体側面のロゴです。
H100形には「DECMO」という愛称がつけられています。
因みに「DECMO」は「Diesel Electric Car with MOtors」 の略だそうです。
JR北海道 H100形 側面ロゴ_01

JR北海道 H100形 側面ロゴ_02

車内の様子です。
配色は733系電車に準じており、座席はJR東日本E217系などと同じ構造の様に見えました。
車両定員36(席)+63(立)の99名となっています。
JR北海道 H100形 車内_01

JR北海道 H100形 車内_02

JR北海道 H100形 車内_03

JR北海道 H100形 車内_04

倶知安乗り換えで小樽から長万部まで乗り通してみましたが、実際に乗車してみての印象は、

  • 乗り心地自体は悪くない。気動車特有の変速ショックが全くない(←当たり前ですが・・・)
  • JR東日本GV-E400系と仕様が共通のため、JR東日本のテイストが満載。
  • 加速はスムーズだが、キハ201やキハ150ほどの鋭さはない。
  • ボックスシートのピッチは広い。向かい合わせで座っても、膝がぶつからない。
  • ボックスシート、ロングシートともに座席の座り心地は正直硬い。長時間座り続けるのは結構キツイかも。
  • バリアフリー対応のトイレはかなり広い。
といったところでしょうか。

最後に

以上、本格運行を開始したJR北海道の最新一般形気動車「H100形」について簡単にご紹介しました。
見方によって評価が大きく分かれる車両だとは思いますが、個人的には「北海道にも現代に合った一般形気動車がようやく登場したか・・・」と好意的に捉えています。

2019(令和元)年9月11日付プレスリリースによると、今回運用を開始した15両に加え、2020年度から2021年(令和3年)度にかけて、さらに60両の投入が計画されているそうです。
最終的には2022年度までに計100両以上が投入される計画になっていますが、計画通りに導入が進むのかどうか、注目したいところです。(恐らく、新型コロナウィルスの影響で計画は変わると思いますが・・・。)

古参のキハ40系やキハ54系などに代わる新時代の一般形気動車「H100形」。
今後、道内各地でH100形が活躍する光景が見られるかと思うと、今から楽しみではあります。

JR北海道 H100形 倶知安駅入線


応援して頂けると嬉しいです。
↓  ↓  ↓  ↓

その他ランキング
にほんブログ村 その他趣味ブログ バス(車)へ
にほんブログ村