岩手県北自動車「盛宮106特急」 簡単な乗車記(スカニア/バンホール アストロメガ)
スカニア/バンホール製の2階建てバス「アストロメガ」。
高速路線用については「InterCityDD」というブランド名も付き、今後も各地で導入が予定されている、いま注目のバスの1台です。
そんな中、一般路線バス用の車両として、この「アストロメガ」が導入する事業者が現れました。
その事業者とは、みちのりグループ傘下の岩手県北自動車であります。
同社は、岩手県盛岡市や宮古市・久慈市といった三陸沿線北部において、路線バスや高速バス、貸切バスを運行する事業者。
特に、盛岡~宮古間を結ぶ路線バス「106急行」は、並行するJR山田線に勝るとも劣らないフリクエンシーサービスが特長で、多くの方に利用されていますが、実は、この盛岡~宮古間の路線バスにスカニア/バンホール製の2階建てバス「アストロメガ」を導入し、新たに「盛宮106特急」として運行を開始したのです。
岩手県北自動車の2階建てバスについては、以前このブログでも紹介した「バスとりっぷ」様の川崎近海汽船(シルバーフェリー)「シルバークイーン」の乗船記の中でも少しだけ触れていますが・・・
今回は、岩手県北自動車が導入した「アストロメガ」について、乗車記という形で詳しく紹介したいと思います。
尚、2階建てバス「アストロメガ」を導入したいきさつや車両への期待については、みちのりホールディングス代表取締役グループCEO松本 順氏へのインタビュー記事としてスカニア公式サイトにて紹介されていますので、宜しければそちらをご覧下さい。
http://scania-griffin.com/customer/2837
三陸海岸が見渡せるこちらのホテルが、今回乗車する「盛宮106特急」の起終点であります。
現在は発着していませんが、かつては東京~宮古間夜行高速バス「ビーム・1号」が発着していたこともありました。
玄関前にはバス停が設置されており、「盛宮106特急」の他、本数は少ないですが岩手県北自動車の路線バスも発着します。
「盛宮106特急」の発車時刻は9時10分。
9時過ぎにはバスが到着します。
早速、導入された「アストロメガ」を見ていきましょう。
外観は、「アストロメガ」の車体に、みちのりホールディングスの高速路線用共通カラー「MEXカラー」を纏っています。
オレンジとゴールドの遠くからでも目立つカラーリングが特徴で、「アストロメガ」の車体にもマッチしています。
乗務員の改札を受け、車内に入ってみます。
まずは2階席から。
2階席の定員は53名。
うち前方6席は、2+1配列の3列ワイドビューシート、残りが4列スタンダードシートになっています。
これまで日本国内で導入された「アストロメガ」は全て4列シート仕様車でしたが、今回岩手県北自動車に導入された車両は、後術の1階席ビジネスシートも含めて、一部の座席が3列シートになっています。
スカニア製2階建てバスによる「3列シート」の採用は、日本国内では初だそうです。
2階の前方6席に設置されている3列ワイドビューシートです。
今回私は、こちらの座席を利用。
見晴らしが素晴らしいのはもちろんのこと、シートのホールディングも良く、快適に座ることが出来ました。
こちらは2階後方の4列スタンダードシート。
既存の「アストロメガ」と同タイプのシートを採用しています。
次に1階席。
1階席は、2階席の3列ワイドビューシートとほぼ同様の3列ビジネスシートになっています。
ワイドビューシートとの違いは、シートモケットの色位でしょうか・・・。
移動中に籠って仕事などをしたい方にはオススメの席かもしれません。
3列ワイドビューシートおよび3列ビジネスシートのリクライニングレバーです。
通常のリクライニングレバーは「引く」ものが多いですが、このリクライニングレバーは「押す」形式になっています。
車内備品も見ておきましょう。
充電用のUSBポートは、エアコンダクトパネルに埋め込まれています。
座席より遥かに高い位置にあるため、予め長めのケーブルを用意しておかないと、使用するには少し不便かもしれません。
車内3ヶ所には、運賃などの各種情報を表示するモニターが設置されています。
3列席には、テーブルが備えられています。
但し、最前列の席については、小型テーブルとなります。
そして、トイレは1階の中扉近くにあります。
但し、室内は狭いので、あくまで緊急用と考えた方が良いでしょう。
以上、外観と車内を見て回りましたが、欧州車ならではの洗練さと機能性の良さを兼ね備えた、しっかりとした造りの車両であるいう印象を強く受けました。
晴れていると、きっと美しく見えること間違いないでしょうね。
15分程で宮古駅に到着。
乗車扱いのために、しばし停車します。
9時35分、乗車扱いを終えたバスは、宮古駅前を発車。
この先は、愛称にも用いられている国道106号を盛岡へ向けてひた走ります。
一般道走行ということもあり、若干の揺れはありますが、それでも乗り心地は至って快適そのもの。
加えて、2回最前席から眺める景色は、素晴らしいのひとことに尽きます。
河川とJR山田線に囲まれた風景がひと際美しく見えるのも、この2階建てバスのおかげなのかもしれません。
宮古駅前を発って約1時間程で、バスは「道の駅やまびこ産直館」に到着。
こちらでは、乗降扱いと開放休憩のために、5分程停車しました。
「道の駅やまびこ産直館」を過ぎても、長閑で美しい風景は続きます。
バスは、やがて盛岡市内へ。
宮古から2時間程で、盛岡市中心部に入ります。
そして、ほぼ定刻の11時47分に、バスは終点の盛岡駅前に到着。
この後、バスはしばしの休息の後、午後の盛岡発の便で宮古へ戻るそうです。
ともあれ、ゆったりシートで美しい景色を眺めているうちに、あっという間に時間が過ぎていった宮古→盛岡の2時間のバスの旅でした。
と同時に、この2階建てバスを楽しみに使っていただくことで、もっと三陸地方沿岸部を訪れる方が増えればとも考えているそうです。
現在も東日本大震災からの復興に立ち向かっている三陸地方。
その「復興の願い」を込めて、2階建てバスは走り始めました。
地域のシンボルとして、そして震災復興の懸け橋として、末永く「盛宮106特急」が走り続けることを切に願いたいものです。
機会があれば、また乗りに行きたいと考えております。
【乗車データ】
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はとバスや東京ヤサカ観光バスで観光用として導入され、その後、京成バスやJRバス関東(JRバステックを含む)、西日本JRバス、関東鉄道などで高速バス用として導入された、
高速路線用については「InterCityDD」というブランド名も付き、今後も各地で導入が予定されている、いま注目のバスの1台です。
JRバス関東「新東名スーパーライナー」 1802
西日本JRバス「青春エコドリーム号」
そんな中、一般路線バス用の車両として、この「アストロメガ」が導入する事業者が現れました。
その事業者とは、みちのりグループ傘下の岩手県北自動車であります。
同社は、岩手県盛岡市や宮古市・久慈市といった三陸沿線北部において、路線バスや高速バス、貸切バスを運行する事業者。
特に、盛岡~宮古間を結ぶ路線バス「106急行」は、並行するJR山田線に勝るとも劣らないフリクエンシーサービスが特長で、多くの方に利用されていますが、実は、この盛岡~宮古間の路線バスにスカニア/バンホール製の2階建てバス「アストロメガ」を導入し、新たに「盛宮106特急」として運行を開始したのです。
岩手県北自動車の2階建てバスについては、以前このブログでも紹介した「バスとりっぷ」様の川崎近海汽船(シルバーフェリー)「シルバークイーン」の乗船記の中でも少しだけ触れていますが・・・
今回は、岩手県北自動車が導入した「アストロメガ」について、乗車記という形で詳しく紹介したいと思います。
尚、2階建てバス「アストロメガ」を導入したいきさつや車両への期待については、みちのりホールディングス代表取締役グループCEO松本 順氏へのインタビュー記事としてスカニア公式サイトにて紹介されていますので、宜しければそちらをご覧下さい。
GRIFF IN MAGAZINE|スカニアジャパン公式ウェブマガジン
東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜 | GRIFF IN MAGAZINE|スカ...
新たに東北エリアで都市間運行でも活躍をすることになったスカニア製二階建てバス。盛岡と宮古間を走るスカニア製バスは日本では初となる3列シートを採用しています。運行を開始する株式会社みちのりホールディングスのグループ会社で岩手県北自動車株式会社(岩手県北バス)を取材しました。
国内初のスカニア製2階建てバスによる「3列シート」の採用
やって来たのは、宮古駅からタクシーで10分程の場所に位置する「浄土ヶ浜パークホテル」。三陸海岸が見渡せるこちらのホテルが、今回乗車する「盛宮106特急」の起終点であります。
現在は発着していませんが、かつては東京~宮古間夜行高速バス「ビーム・1号」が発着していたこともありました。
玄関前にはバス停が設置されており、「盛宮106特急」の他、本数は少ないですが岩手県北自動車の路線バスも発着します。
「盛宮106特急」の発車時刻は9時10分。
9時過ぎにはバスが到着します。
早速、導入された「アストロメガ」を見ていきましょう。
外観は、「アストロメガ」の車体に、みちのりホールディングスの高速路線用共通カラー「MEXカラー」を纏っています。
オレンジとゴールドの遠くからでも目立つカラーリングが特徴で、「アストロメガ」の車体にもマッチしています。
乗務員の改札を受け、車内に入ってみます。
まずは2階席から。
2階席の定員は53名。
うち前方6席は、2+1配列の3列ワイドビューシート、残りが4列スタンダードシートになっています。
これまで日本国内で導入された「アストロメガ」は全て4列シート仕様車でしたが、今回岩手県北自動車に導入された車両は、後術の1階席ビジネスシートも含めて、一部の座席が3列シートになっています。
スカニア製2階建てバスによる「3列シート」の採用は、日本国内では初だそうです。
2階の前方6席に設置されている3列ワイドビューシートです。
今回私は、こちらの座席を利用。
見晴らしが素晴らしいのはもちろんのこと、シートのホールディングも良く、快適に座ることが出来ました。
こちらは2階後方の4列スタンダードシート。
既存の「アストロメガ」と同タイプのシートを採用しています。
次に1階席。
1階席は、2階席の3列ワイドビューシートとほぼ同様の3列ビジネスシートになっています。
ワイドビューシートとの違いは、シートモケットの色位でしょうか・・・。
移動中に籠って仕事などをしたい方にはオススメの席かもしれません。
3列ワイドビューシートおよび3列ビジネスシートのリクライニングレバーです。
通常のリクライニングレバーは「引く」ものが多いですが、このリクライニングレバーは「押す」形式になっています。
車内備品も見ておきましょう。
充電用のUSBポートは、エアコンダクトパネルに埋め込まれています。
座席より遥かに高い位置にあるため、予め長めのケーブルを用意しておかないと、使用するには少し不便かもしれません。
車内3ヶ所には、運賃などの各種情報を表示するモニターが設置されています。
3列席には、テーブルが備えられています。
但し、最前列の席については、小型テーブルとなります。
そして、トイレは1階の中扉近くにあります。
但し、室内は狭いので、あくまで緊急用と考えた方が良いでしょう。
以上、外観と車内を見て回りましたが、欧州車ならではの洗練さと機能性の良さを兼ね備えた、しっかりとした造りの車両であるいう印象を強く受けました。
雄大な景色を眺めながらあっという間に感じる約2時間のバスの旅
9時10分定刻に浄土ヶ浜パークホテルを発車したバスは、左手に三陸海岸を眺めながら、宮古駅前へと向かいます。晴れていると、きっと美しく見えること間違いないでしょうね。
15分程で宮古駅に到着。
乗車扱いのために、しばし停車します。
9時35分、乗車扱いを終えたバスは、宮古駅前を発車。
この先は、愛称にも用いられている国道106号を盛岡へ向けてひた走ります。
一般道走行ということもあり、若干の揺れはありますが、それでも乗り心地は至って快適そのもの。
加えて、2回最前席から眺める景色は、素晴らしいのひとことに尽きます。
河川とJR山田線に囲まれた風景がひと際美しく見えるのも、この2階建てバスのおかげなのかもしれません。
宮古駅前を発って約1時間程で、バスは「道の駅やまびこ産直館」に到着。
こちらでは、乗降扱いと開放休憩のために、5分程停車しました。
「道の駅やまびこ産直館」を過ぎても、長閑で美しい風景は続きます。
バスは、やがて盛岡市内へ。
宮古から2時間程で、盛岡市中心部に入ります。
そして、ほぼ定刻の11時47分に、バスは終点の盛岡駅前に到着。
この後、バスはしばしの休息の後、午後の盛岡発の便で宮古へ戻るそうです。
ともあれ、ゆったりシートで美しい景色を眺めているうちに、あっという間に時間が過ぎていった宮古→盛岡の2時間のバスの旅でした。
震災復興の願いを込めて・・・
以上、岩手県北自動車「盛宮106特急」に乗車した時の模様を簡単に紹介しましたが、スカニアの公式サイトにも紹介されている通り、今回のスカニア/バンホール製2階建てバスの導入については、バス会社として「震災復興の総仕上げ」的な意味合いを込めているのだそうです。と同時に、この2階建てバスを楽しみに使っていただくことで、もっと三陸地方沿岸部を訪れる方が増えればとも考えているそうです。
現在も東日本大震災からの復興に立ち向かっている三陸地方。
その「復興の願い」を込めて、2階建てバスは走り始めました。
地域のシンボルとして、そして震災復興の懸け橋として、末永く「盛宮106特急」が走り続けることを切に願いたいものです。
機会があれば、また乗りに行きたいと考えております。
【乗車データ】
- 乗車日:2019/08/23
- 乗車区間:
浄土ヶ浜パークホテル→盛岡駅前 - 運行会社:岩手県北自動車
- 車両:スカニア/バンホール・アストロメガ(TDX24)
- 年式:2019年式
- 所属:宮古営業所
- 社番:2181
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