商船三井フェリー「さんふらわあ ふらの」<新船> 乗船記

フェリー

北海道苫小牧と茨城県大洗の間を結ぶ商船三井フェリー
北海道~首都圏間の旅客・物流において重要な役目を果たす、長距離カーフェリー会社です。
現在は、苫小牧~大洗航路「さんふらわあ」を2往復運航する他、東京~博多間などでRO-RO船を運航しています。

商船三井フェリー「さんふらわあ」については、以前このブログで2015(平成27)年9月に乗船した「さんふらわあ ふらの」(初代)の乗船記をご紹介しましたが・・・
商船三井フェリー「さんふらわあ さっぽろ」 苫小牧西港FTにて


実はその2年後の2017(平成29)年に新船が就航したのです。
その新船とは・・・2代目「さんふらわあ ふらの」と3代目「さんふらわあ さっぽろ」です。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_40 大洗港にて_02

正確には、2017(平成29)年5月に夕方便新船の2代目「さんふらわあ ふらの」が就航し、遅れること5ヶ月後の2017(平成29)年10月に3代目「さんふらわあ さっぽろ」が就航したのですが、3代目「さんふらわあ さっぽろ」の推進系統の不具合による長期運休などでトラブルがあったものの、商船三井フェリーとして初の新造船であること、そして先代「さんふらわあ」と比較して船内設備が充実しているということで、一躍注目を集めました。

実は先日、新船になってからの「さんふらわあ ふらの」に苫小牧から大洗まで乗船してまいりました。
今回は、その時の模様を簡単にご紹介します。

先代より充実した「さんふらわあ ふらの」の船内

今回乗船したのは、2019(令和元)年7月上旬の苫小牧発大洗行き「さんふらわあ ふらの」
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 苫小牧西港にて
ジャパン マリンユナイテッド磯子工場にて建造され、2017年4月に竣工した、13,816総トン、全長199.7m、幅27.2m、航海速力24ノットを誇る大型カーフェリーです。
先代の「さんふらわあ ふらの」と比較すると、総トン数、全長、全幅ともに大型化されています。

「高速とまこまい号」で苫小牧港へ

商船三井フェリーといえば、北海道~首都圏間の乗り継ぎ割引企画きっぷ「パシフィックストーリーシリーズ」が有名です。
今回は、札幌駅前ターミナルの中央バス窓口で「パシフィックストーリー」を購入し、東京駅まで行くことにしました。
運賃は最安グレード「ツーリスト」利用で10,500円。
これに追加料金をフェリー会社窓口で支払うことで、船室をグレードアップすることが出来ます。
※パシフィックストーリーは利用時期によって運賃が異なります。
パシフィックストーリー 札幌→東京

札幌からは、北海道中央バスの都市間バス「高速とまこまい号」で苫小牧フェリーターミナルへ。
時間はかかりますが、乗り換えなしで移動出来、確実に座れるので便利です。
北海道中央バス「高速とまこまい号」 3189

17時00分~17時30分 乗船手続き・乗船

17時前にバスは苫小牧フェリーターミナル(苫小牧西港)に到着。
苫小牧西港フェリーターミナル
商船三井フェリーの窓口で乗船手続きを行い、船室のアップグレード手続きを済ませます。
今回私は、ひとつ上のグレード「コンフォート」を選択。
追加料金(2,000円)を支払い、カード式の乗船券を受け取ります。

フェリーターミナル2階の売店で買い物を済ませ、17時30分過ぎに乗船開始。
専用通路を歩いて乗船します。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_02

5デッキ プロムナード・売店

早速、船内を見てみることにしましょう。

ブリッジからエスカレータで上ると5デッキ船内入口へ。
5デッキのプロムナードです。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ プロムナード_01

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_09 5デッキ プロムナード_03
上階までの吹き抜け構造になっており、開放感があります。
インフォメーションコーナーには、SSQ(Sunflower Smart QUEST)と名付けられたデジタルサイネージを設置。
タッチパネル式になっており、それぞれの港の天気や、船内図、レストランやショップの営業時間など船に関する様々な情報を教えてくれます。その左横にあるモニターは、船長や機関長の名前や船の現在位置などを案内しています。
尚、SSQは6デッキのレストラン前など船内数か所に設置されいる他、モニター画面の内容は客室内のテレビでも見ることも出来ます。

インフォメーションカウンターの隣にはショップコーナー(売店)があります。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ 売店_01

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ 売店_02

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_04 5デッキ 売店_03
先代「さんふらわあ ふらの/さっぽろ」の売店と比較して、面積が約3倍に拡充されたそうです。
飲み物からおつまみ、スナック菓子、軽食、土産物、アメニティに至るまで、品揃えが充実しているのには驚きました。
もちろん、「さんふらわあ」のオリジナルグッズも豊富に取り扱っています。

5デッキ キッズコーナー

キッズコーナーも完備しています。
キッズコーナーは、5デッキプロムナードのショップコーナー(売店)斜め向かいにあります。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ キッズルーム

キッズコーナーでは、J-CREWプロジェクトのアニメ「やっぱり海が好き」がエンドレスで流れていましたが、このアニメ、「初音ミク」の藤田咲さんや「ドラゴンボール」の野沢雅子さんなどを起用するなど、声優陣が結構豪華らしいです(笑)。


5デッキ 浴室

5デッキ船尾側には浴室と自動販売機、そしてドッグランスペースがあります。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ 男性浴室前

6デッキ プロムナード

6デッキのプロムナードです。
こちらも広々として開放感があります。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ プロムナード

レストラン

レストランは6デッキ船主側にあります。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ レストラン前_01

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ レストラン前_02
かつては夕食と朝食がバイキング形式、昼食がカレーバイキングだったかと記憶していますが、聞くところによると2018年にレストランの営業形態が変更されたそうで、現在は夕食がセットメニュー型式(サラダ・ライス・パン・デザート・ソフトドリンクバー付)、朝食がバイキング形式になっています。(昼食はレストラン営業をせずに軽食を販売。)
この他、夕食営業終了後(21時頃~)に数量限定でラーメンの提供を行うこともあります。

自動販売機

自動販売機は、6デッキレストラン前の他、6デッキ船尾側、5デッキ浴室横、5デッキコンフォート入口など数カ所に設置。
給湯室も5デッキに1カ所と6デッキに1カ所設けられています。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ 自動販売機

ゲームコーナー

ゲームコーナーは、6デッキ船尾側にあります。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ ゲームコーナー

5デッキ コンフォート

そして、今回の私の寝床である、5デッキ「コンフォート」です。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ コンフォート

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ コンフォート_02

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ コンフォート_03

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ コンフォート_04

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ コンフォート_05
いわゆるカプセルホテル風の寝台ですが、全席にコンセントと読書灯、テレビを完備しており、さらにキルケット、枕、使い捨てスリッパ、イヤホンも提供されます。
この手の船室は近年の新船の流行ですが、その中でもグレードは高いといえるでしょう。
これで追加料金2,000円は安いと思います。(かつては追加料金が4,000円以上もしていたそうですが・・・。)

コンフォートの入口には、自動販売機とコイン返却式のロッカーが設置されています。
大きな荷物はこちらのロッカーに預けると良いでしょう。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ コンフォート前

その他の船室ですが、5デッキには紹介した「コンフォート」の他に「ツーリスト」と「スーぺーリア(和洋室)」「スーペリアウィズペット」が、6デッキには「スーぺーリア(和室)」「スーぺーリア(洋室)」「スーペリアウィズペット」が、7デッキには「プレミアム(バルコニー付)」「プレミアム(バリアフリー対応)」「スイート」がそれぞれ配置されています。

出港・・・大海原を大洗へ

そうこうしているうちに、出港時刻の18時45分が刻々と近づきます。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 ファンネル

夕焼けの苫小牧西港が美しいです。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_32 苫小牧西港出港前

18時00分 夕食

今回は夕食時のレストランが混雑すると考え、早めに夕食を取ることにしました。

レストランの中は、この様になっています。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ レストラン_01

夕食は、ハンバーグにしました。
味は普通でしたが、サラダ・ライス・パン・デザート・ソフトドリンクがお代わり自由でしたので、お腹一杯になるまで食べました。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ レストラン_02

18時45分 苫小牧西港出港

定刻に「さんふらわあ ふらの」は苫小牧西港を出港。
波は穏やかで、大洗港入港まで快適な船の旅が楽しめそうです。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_32 苫小牧西港出港前

19時00分~21時00分 休憩

出港し落ち着いたところで、5デッキプロムナードや自分の船室(ベッド)でくつろぎます。
船内ではWi-fiサービスが提供されており、プロムナードにおいては(特に上り便は)陸地から離れた場所を航行していても比較的サクサクとネットが繋がります。
このためか、プロムナードのソファーに座ってネットを楽しむ方が多かったです。

21時00分~22時00分 入浴

1度目の入浴を楽しみに大浴場へ。
さほど混んでおらず、波も穏やかであったことから、湯船でのんびりとしておりました。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ 男性浴室

22時00分~ 休憩・就寝

ひとっ風呂を浴びて気持ち良くなったところで、自分の部屋(ベッド)に戻ってテレビを見ながらのんびりとします。
この時分かったのですが、ネットが中々繋がらない部屋の環境下で、テレビがあるのとないのでは退屈度合いが違うなぁと。
おかげで就寝まで退屈せずに済みました。

その後、23時過ぎに就寝。
何度か目が覚めたものの、比較的ぐっすりと眠ることが出来ました。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_25 5デッキ コンフォート 室内

長い船旅を惜しみつつ大洗港に到着

7時00分 起床

翌朝、目を覚まし、スマートフォンの時計を見てみると、7時を回っていました。
目が覚めたところで、プロムナードへ行ってみます。
既に数名の方がソファーに座っておりました。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 5デッキ プロムナード_02

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 6デッキ プロムナード_02

7時30分 朝食

お腹が空いたところで、朝食を済ませにレストランへ。
盛り方が汚いですが、十分に堪能しました。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 朝食

9時00分~10時00分 入浴

2度目の入浴のために浴場へ。
昨晩以上に空いており、のんびりと湯船でくつろぐことが出来ました。

10時30分~13時25分 休憩・下船準備

風呂から上がったところで、部屋でのんびりとしますが、次第に眠気が襲って来ます。
気が付くと夢の中へ。
数時間眠ってしまいました。

「さんふらわあ ふらの」は大洗へ向けて順調に航行しています。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 航行中

入港時刻が近づいたところで、下船準備を始めます。
洗顔、着替え、荷物整理をしているうちに、「さんふらわあ ふらの」はいよいよ大洗港に入港です。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」_35 まもなく大洗港入港

14時00分 大洗港到着

そして、定刻の14時00分に「さんふらわあ ふらの」は大洗港に接岸、到着しました。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 大洗港接岸

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 大洗港にて

大洗といえば・・・はい、ガルパン。
ガルパンのパネルボードやのぼり旗も健在でした。
商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 大洗港 ガルパンパネルボード

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 大洗港 ガルパンのぼり旗

15時00分 大洗港発の茨城交通「みと号」で東京駅へ

この後、私は大洗港フェリーターミナル15時00分発の茨城交通「みと号」で東京駅へと向かいます。
茨城交通「みと号」大洗港FT系統 ・556_01

茨城交通「みと号」大洗港FT系統 ・556_03
途中、常磐自動車道での事故渋滞により20分程遅れたものの、終点の東京駅日本橋口には19時前に到着。
丸1日に渡る船旅は無事に幕を閉じたのでありました。

また乗りたくなる新船「さんふらわあ ふらの/さっぽろ」

というわけで、商船三井フェリー「さんふらわあ ふらの」<新船>乗船の模様を簡単にご紹介しました。

先代の「さんふらわ ふらの」に乗船して約4年、ようやく新しい「さんふらわあ ふらの/さっぽろ」に乗船出来たのですが、率直に思ったのは、先代「さんふらわあ ふらの/さっぽろ」と比較して、(お世辞抜きに)また乗りたくなる様な素晴らしいフェリーであるということでした。

まず、共有スペース(プロムナード)の造り、見せ方が素晴らしい。
新船「さんふらわあ ふらの/さっぽろ」では個室を増やした分、共有スペースを狭くしているのですが、その狭さを感じさせない構造になっており、まるでホテルのロビーにいるかの様な雰囲気でした。
そして、ショップコーナー(売店)のスペースを大幅に拡張したのもポイントが高いです。
品揃えも、先代「さんふらわあ ふらの/さっぽろ」と比較して豊富な印象を受けました。
その他、荷物用のロッカーやSSQ、カプセル船室「コンフォート」内の液晶テレビ、そして乗車記では触れませんでしたが、浴室近くのコインランドリーなど、船内設備の充実ぶりにも驚いた次第です。
ここ数年来、私も新船を中心に様々なカーフェリーに乗船しましたが、個室重視で共有スペースを狭くするフェリーが多い中、この居心地の良さは国内カーフェリーの中でも5本の指に入る程なのではと感じました。

以前にも書きましたが、好きな時間に食事をし、好きな時間に風呂を楽しみ、好きな時間に景色を眺め、寝たいときに寝る・・・これこそ「フェリー旅の良さ」であり「フェリー旅の醍醐味」であります。
苫小牧~大洗航路の所要時間は約19時間と長丁場。
「フェリー旅の良さ」「フェリー旅の醍醐味」を実感するには最適の航路だと私は思います。
時間的制約がある方も多いかとは思いますが、是非ともこのフェリーに乗船して、船旅の素晴らしさを感じて欲しいです。
今秋に東京方面へ出掛ける計画があるので、もう一度「さんふらわあ」に乗船してみたいですね。
今度は「さんふらわあ さっぽろ」に当たると良いなぁ・・・。

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 苫小牧西港にて_02 2019年2月

商船三井フェリー「さんふらわあふらの」 ファンネル後部


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