阪九フェリー「いずみ」 簡単な乗船記
そして、久しぶりのフェリー乗船記になります。
大阪(泉大津)・神戸と北九州新門司の間を結ぶ「阪九フェリー」。
日本初の長距離カーフェリー事業者であり、今年2018年で就航50周年を迎えました。
この様な記念の本も出版されたそうでして・・・
個室重視の充実した船内設備と各種省エネ技術による燃費の効率化を両立させており、日本船舶海洋工学会が選定する「シップ・オブ・ザ・イヤー 2015」を僚船の「ひびき」とともに受賞しています。
私自身、これまで阪九フェリーには一度も乗船したことがなかったのですが、2018年のゴールデンウィーク期に乗船する機会があり、北九州新門司から大阪泉大津までの区間を乗船して来ました。
今回はその時の模様を簡単にご紹介しましょう。
目次
新船「いずみ」に乗船してみる
先述の通り、阪九フェリーは2015年冬~春にかけて新船を投入しました。その新船とは・・・「いずみ」「ひびき」です。 大阪泉大津~北九州新門司航路で就航していた「フェリーせっつ」「フェリーすおう」の後継船として2013年に発注され、三菱重工業下関造船所で建造、2015年1月に「いずみ」が、そして2015年4月に「ひびき」がデビューしました。
今回私が乗船したのは、2015年1月にデビューした「いずみ」。
比較的新しい船体への乗船だけに、期待が膨らみます。
まずは、小倉駅からフェリーターミナルがある北九州新門司港へと向かいます。
小倉駅新幹線口~門司駅~新門司港間は送迎バスが運行されており、フェリー乗船客は無料で乗車することが出来ます。
実際の運行は西鉄バス北九州に委託されており、この日は恒美営業所所属のルーセントカラー3169号車(三菱KC-MS829P 西工92MC C-Ⅰ)が充てられていました。
30分程でバスは新門司港フェリーターミナルに到着。
新門司港のフェリーターミナルは船舶会社によって分かれており、阪九フェリーのフェリーターミナルは新門司港北側の位置します。
さらに、阪九フェリーは、行先によってターミナルを分けておりまして、神戸行きは第1ターミナルから、大阪泉大津行きは第2ターミナルからそれぞれ出港します。
早速「いずみ」とご対面です。
三菱重工下関造船所で建造され、2014年7月に進水、2015年1月22日に就航を開始しました。
総トン数15,897トン、全長195m、出力17,400kw、航海速力23.5ノットを誇ります。
デュアルハイブリッド推進システムを国内のフェリーで初めて採用しており、大型フェリーで標準的に採用されている中速ディーゼル主機2機、可変ピッチプロペラ2軸の機関構成を基本に、電動機兼用の軸発電機を搭載しています。
先代の「フェリーせっつ」「フェリーすおう」と比較すると、総トン数や大きさで先代を上回っており大型化されています。
丸みを帯びた船主が特徴であるといえましょうか。
一通り外観をチェックしたところで、フェリーターミナルにて乗船手続きを済ませた後、売店で飲食物を購入し、早速乗船します。
阪九フェリー「いずみ」の旅【1日目】
17:10 乗船
旅客専用桟橋から乗船します。旅客待合室はエレベーター完備のバリアフリー対応になっていて、足が不自由な方でも楽に乗船することができます。この日はゴールデンウィークの繁忙期といういこともあり、乗船客は多めでした。
17:20 船内散策
早速船内を散策してみましょう。5階エントランス部です。
最近流行りの吹き抜け構造となっており、開放感あります。
シンプルながらも、何処となく高級感あふれる造りと色使いが特徴といったところでしょうか。
5階の売店です。
他社のフェリーと比較して品揃えが充実していたのは好印象でした。
名物の「パイシュー」も販売されていましたが、この「パイシュー」、ホントに安くて美味しいです!
是非一度ご賞味あれ。
6階のレストランです。
木目を多用した高級感あふれる内装が特徴。
夕食は17:30(繁忙期は17:00)~20:00(利用時間21:00まで)、朝食 05:00~入港まで利用することが出来ます。
バイキング形式ではなく、新日本海フェリーのレストランと同様のカフェテリア形式(好きなものを取って会計を済ませる型式)を採用しています。
尚、同船には新日本海フェリーで見られるような軽食類が楽しめる「カフェレストラン」が設置されていません。
このため、食事はレストランで済ませるか売店で購するか事前に持ち込むかのいずれかになりますのでご注意を。
こちらは自販機コーナー。
5階~7階の各階に設けられています。
7回大浴場と大浴場入口前のフリースペースです。
大浴場は露天風呂付き。
脱衣スペースも広く確保されており、今まで私が乗船したフェリーの大浴場の中では、新日本海フェリー「らべんだあ」と同様、1・2位を争う快適さでした。
大浴場前入口前に眺望が楽しめるフリースペースが確保されているのも、私的には好印象でした。
通路には、この様に歴代の船舶がパネル展示してありました。
個室重視で共有スペースが削減される傾向にある昨今、通路及びエントランス部の共有スペースもきちんと確保されています。
お馴染みのゲームコーナーです。 最近のフェリー船内のゲームコーナーですが、スロット機しか置いていない船舶が増えたように感じるのは私だけでしょうか。
通路に貼られてあったCMポスターです。 「いずみ」「ひびき」就航時は釈由美子さんをCMに起用していましたが、現在は梅沢富美男さんをCMに起用していますね。
一通り船内を散策したところで、今回お世話になった客室へ。
こちらの客室↓にお世話になりました
下位グレード「スタンダード洋室」です。
2段ベッドの階段方式を採用しており、各スペースには100円リターン式コインロッカーと電源コンセントを完備しています。
対面型ではないためプライベート空間も保たれるのが特長で、造りも下位グレードにしてはきちんと造っている印象を受けます。
運賃も片道7,000円台からと安く、コストパフォーマンスは高いといえるでしょう。
17:30 出港
出港の汽笛が鳴らされ、快晴の空の元、定刻に新門司港を出港します。甲板に出て、暫くの間出港時の景色を楽しみます。
18:30 夕食
夕食は17時30分からですが、出港時の景色を眺め、予め購入しておいた「シューパイ」を食した後、かなり遅めにレストランへ。魚類、和食をメインにチョイス。
生ビールと合せて、2,000円近く支払いました。
21:00 入浴
夕食後、自室に戻って少し休んだ後、入浴を楽しみます。混んでいるかなぁと思いきや、意外にも貸切に近い状態でした。
40分近く湯舟に浸かって疲れを癒します。
23:00 就寝
大浴場でさっぱりしたところで、自室に戻って横になると・・・いつしか夢の中へ。波も穏やかで揺れることはほとんどなく、翌朝まで寝ておりました。
阪九フェリー「いずみ」の旅【2日目】
翌朝05:00 起床・入浴
朝は5時00分に起床。入港は6時00分ですが、私が入港後も船内でくつろげる「ゆっくりステイプラン」(https://www.han9f.co.jp/stay/index.html)に申し込んでいたため、起床後は大浴場へ直行。
朝風呂を楽しみます。
06:00 入港・朝食
6時00分、定刻に阪九フェリー「いずみ」は泉大津港フェリーターミナルに到着しました。ですが、私はというと・・・ひとっ風呂浴びたところで、レストランにて朝食をいただきます。
下船の様子を見ながら、朝カレーセット(500円)を美味しくいただきました。
06:30~07:20 洗顔・下船準備
朝食後は、洗顔や下船準備を済ませ、下船時刻まで自室でのんびりと過ごします。07:30 下船
7時30分、「ゆっくりステイプラン」申込者の下船時刻となりました。泉大津港フェリーターミナルからは、フェリー会社手配の乗合タクシーにて南海泉大津駅へ。
10分程で到着しました。
この後私は、次なる所用を済ませるべく、南海電鉄本線にて堺・なんばへと向かうのでありました。
最後に
というわけで、阪九フェリー「いずみ」の簡単な乗船記をお届けしました。今回、初めて阪九フェリーを利用しましたが、船内設備といいサービスといい、SHKラインらしさを感じた船旅でした。
同じSHKラインの新日本海フェリー「らべんだあ」「あざれあ」と同様、昨今の利用客のニーズを色濃く反映した造りになっていますが、個人的に好印象だったのは、個室を増やしているにもかかわらず、共有スペースの広さをそれなりに確保していることでした。
長時間の船旅、個室やベッドで過ごすも、時として気分転換はしたいものです。
新日本海フェリー「らべんだあ」「あざれあ」では、共有スペースの狭さが気になりましたが、今回乗船した「いずみ」においては特に問題を感じませんでした。
そして、露天風呂が付いた大浴場については、「らべんだあ」「あざれあ」の大浴場と多少構造が似ているということもありますが、ストレスなくのんびりと湯に浸かることができました。
比較的新しいということもありますが、脱衣のスペースも含め、現存するフェリーの大浴場の中では「らべんだあ」「あざれあ」と同様に1、2位を争う立派さなのではないでしょうか。
一方で、これだけの設備が整ったフェリーが就航しているとなると、並行する交通機関、特に夜行高速バスが苦境に立たされるのも仕方がないのかなあと感じました。
航行時間の関係上、出港時間が早いという難点はありますが、時間を気にしなければ、夜行高速バスよりも安く、横になって移動出来、しかも食事や風呂も楽しめるフェリーが支持されるのも当然の成り行きなのかなぁと思ってしまいます。
就航から3年が経過した阪九フェリーの「いずみ」と「ひびき」。
昨今の新船と同様に、個室で乗るのであれば間違いなく快適なフェリーであると感じました。
今回は諸事情によりグレードの低い客室での乗船でしたが、機会があれば是非とも個室で乗船してみたいですね。
いい船でした。
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