札幌市交通局「1100形」電車がついに一般公開!(2018札幌市電フェスティバル)

鉄道

去る2018年9月1日に、札幌市交通局電車事業所(札幌市中央区)にて「2018市電フェスティバル」(札幌市交通局など主催)が開催されました。

札幌市電フェスティバル2018

2002年から始まったこのフェスも今年で17回目。
しかも、今年は札幌に路面電車が走り始めて100周年という節目の年にもあたります。
運転台体験や車体洗車体験、グッズ販売、飲食の販売、ステージショーなど、毎年様々なイベントが催されるのですが、中でも今年一番の注目を集めたのがこちら↓。
札幌市電フェスティバル2018_08 1101形 お披露目_06
今年夏に導入されたばかりの新型車両「1100形」(1101号)の初お披露目でした。

2013年に導入された「A1200形」(愛称・ポラリス)以来、5年ぶりとなる新型車両「1100形」。
いったいどんな電車なのか、「2018市電フェスティバル」で見て来た時の模様をご紹介します。

とある理由で実現した札幌市初の単車タイプ超低床型電車

札幌市交通局「1100形」電車は、先述の「A1200形」(愛称・ポラリス)に続く超低床車両として導入された新型車両です。
札幌市交通局としては初の単車タイプ超低床車両になります。

どうしてこの車両が導入されることになったのか・・・
当初は、現在3編成在籍している「A1200形」を3編成追加増備する予定でした。
ところが、製造元のアルナ車両が、2020年東京五輪特需の影響で3車体連接車の注文に対応できないということになり、そこで新たに登場したのが、単車タイプの「1100形」というわけなのです。

車両自体は、製造元であるアルナ車両などが開発した超低床車のブランド名「リトルダンサー」のSタイプをベースにしています。
同タイプは既に伊予鉄道(「2100形」や「5000形」)で導入の実績があることから、札幌市交通局「1100形」電車は3事例目ということになります。

「1100形」はポラリスの単車バージョンそのもの

「2018年市電フェスティバル」は10時開場だったのですが、新型車両「1100形」のお披露目は10時30分に行われました。

会場の奥の車庫では、運転台体験用の「A1200形」が展示されていたのですが・・・
札幌市電フェスティバル2018_02 A1202形「ポラリス」

その横で、仕込みが行われていました。(笑)
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形 お披露目_01

そして10時30分、お披露目の時間となりました。
テープカットを行う4名が紹介され、車庫のシャッターが開けられます。
その後、テープカットを行い、「1100形」のお披露目となりました。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形 お披露目_02

まさしくポラリスだぁ・・・。(当たり前ですが。)

車両が前方に移動されると、車両の周りには黒山の人だかり。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形 お披露目_03

札幌市電フェスティバル2018_03 1101形 お披露目_04
この車両の注目度の高さが伺えます。

暫くの間準備が行われた後、車両展示となりました。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形 お披露目_05

人の流れが落ち着いたところで、改めて新型車両「1100形」を見てみます。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_01
外観は「A1200形」を踏襲しており、まさしく「A1200形」の単車バージョンといって良いでしょう。
見ての通り、車体構造は伊予鉄道5000形をベースにしており、車体長は「A1200形」よりも4m短い13,000mmとなっています。

車内に入ってみます。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_03

札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_04

札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_05

札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_06
車内の造りも基本的には伊予鉄道5000形と同じですが、「A1200形」と同様に道産木材を多用し、暖かみをもたせています。
定員は11人減って60人となっていますが、通路幅は1,220mmと400mm広くなり、座席はロングシート、車いすスペースが2カ所設置されています。

運賃箱は運転席から離れた位置に設置されています。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_08
降車時の運賃収受をどうするのかなぁと思ったのですが、後で調べたところ、実は先頭側の仕切壁の一部が「くの字」に大きくスウィングするそうで、このことによって運転席空間がより広くなり、運転士さんが一直線で運賃箱にアクセス出来るようになっているそうです。(さすがに運賃授受の際は一旦立ち上がらなければならないでしょうが。)

運転席です。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_09
てっきりワンハンドルマスコンを導入しているかと思っていただけに、これは意外でした。

改めて正面を見てみます。
札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_10
うん、ポラリスとほぼ同じですなぁ・・・。

ラッシュ時の積み残しが心配?

というわけで、「2018年市電フェスティバル」で初お披露目された札幌市交通局「1100形」電車をご紹介しました。
私は「ついに札幌にも単車のノンステップ電車が走るようになったかぁ・・・」と興味深く見ていますが、一方で気になるのが「ラッシュ時の積み残しの問題」です。
「A1200形」と比較すると、確かに通路幅は広く確保されていますが、単車タイプにしたことで、当たり前ではありますが定員は座席・立席とも「ポラリス」より減っています。
現在の札幌市電は、ラッシュ時の西線地区の混雑が顕著化しており、特に冬の朝ラッシュは大変だとも聞きます。
例えばラッシュ時と昼間の運行方向を変えるなど、運用面での工夫は行うかとは思いますが、ラッシュ時の積み残しが頻発しないか・・・個人的には気になる点ですね。
実際に、同タイプの車両を導入している伊予鉄道でも、多客時間帯の積み残しが一時期問題になったという話も聞いたことがありますし・・・。

現在、「1100形」は試験走行中で、今後、習熟運転や最終調整を行った上で、10月には営業運行を開始する予定です。
また、愛称も付けられる予定で、「札幌市電フェスティバル」にて愛称の投票を受け付けていました。
候補は「ミニリス」「シリウス」「ポラジロー」3つで、この中から「1100形」の愛称が決まる予定です。
一体、どの愛称に決まるのでしょうか。
いずれにしろ、営業運転開始の10月が待ち遠しいですね。

札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_12

尚、札幌市交通局「1100形」は、来年度(2019年度)にも2両追加導入される予定になっています。

札幌市電フェスティバル2018_03 1101形_02


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