南海バス「サザンクロス」銚子線 乗車記

夜行バス,高速バス乗車記

毎日100便以上の高速バスが運行される関東~関西間。
その中から異色とも思われる路線を今回は取り上げます。
その路線とはこちら↓。

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478

南海バス(堺市)と千葉交通(成田市)が運行する夜行高速バス「大阪・京都~東京秋葉原・成田空港・銚子線」です。
南海バスは、他路線と同様に「サザンクロス」という愛称がついています・。

この路線については、様々な性格を持った路線という意味において以前から注目しており、一度乗車してみたかった路線でもあります。
先般、九州方面への私用の帰りに乗車する機会があり、大阪発の便(南海バス「サザンクロス」銚子線)に乗車して来ました。
今回はその時の模様をご紹介しましょう。

出発はユニバーサル・スタジオ・ジャパンから

やって来たのは、大阪市此花区に位置する西日本有数のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™」。
南海バス「サザンクロス」銚子線はこちらが始発となります。
直前まで予定が入っていたことから、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™の最寄駅であるJR「ユニバーサルシティ」に到着したのは、発車時刻ギリギリの19時40分過ぎ。
急ぎ足でユニバーサル・スタジオ・ジャパン™のバスターミナルへと向かいます。
ユニバーサルスタジオジャパン バスターミナル_01

南海バス「サザンクロス」銚子線は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™のバスターミナル3番のりばから発車します。
ユニバーサルスタジオジャパン バスターミナル_02

ユニバーサルスタジオジャパン バスターミナル_03

発車時刻は20時00分ですが、のりばに到着するな否や、バスものりばに入線。
早速改札が行われます。

今回乗車した車両はこちら↓でした。
南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 ユニバーサルスタジオジャパン バスターミナルにて
南海バス堺営業所所属の478号車。
2015年式の日野セレガHD(QRG-RU1ESBA)です。
元々この車両は「サザンクロス」東京線用として導入されましたが、南海バス本体の同路線撤退に伴い、現在は主に「サザンクロス」銚子線で活躍しています。

早速車内に入ってみましょう。
南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 車内

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 シート
車内は、全席通路カーテン装備の3列独立シート28人乗り夜行高速仕様。
「サザンクロス」については、Webメディア「バスとりっぷ」でも紹介させていただきましたが、座り心地の可動式枕付きシートと全席コンセント完備が特徴です。
関東~関西間の高速バスの中でも、グレードの高い部類に入るといっていいと思います。

20時00分、バスは定刻にユニバーサル・スタジオ・ジャパン™を発車。
阪神高速湾岸線から同大阪港線~環状線を経由し、難波地区へと向かいます。
20時20分、湊町バスターミナル(なんばOCAT)に到着。
こちらで5分程乗車扱いのために停車し、次のなんば高速バスターミナルには20時35分に到着します。(許可を得た上で撮影しております。)
南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 なんば高速バスターミナルにて
こちらでも5分程乗車扱いのために停車し、次の大阪駅前(桜橋口アルビ前)には20時55分に到着。
ここで多くの乗客が乗車し、車内は一気に賑やかになります。

21時05分、バスは大阪駅前(桜橋口アルビ前)を発車。
発車後、自動音声による案内と乗務員による補足説明が行われますが、過不足無い丁寧な案内が好印象を受けます。
色々といわれている同社ではありますが、こと高速バス「サザンクロス」に関しては、良い意味で変わりつつあるのではないでしょうか。

バスはその間、阪神高速環状線から東大阪線~近畿自動車道~第2京阪道路を経由して京都市内へと向かいます。
JR松井山手駅最寄りの高速京田辺にて乗車扱いを行い、大阪駅前か1時間程でバスは京都駅八条口(ホテル京阪前)に到着、最後の乗車扱いを行います。
かつては都ホテル前がのりばであったのですが、数年前の京阪バスとの提携により、のりばは京阪バスが使用しているホテル京阪前のバスのりばへ移転。
京都での利便性が向上しました。

深夜の高速道路を関東方面へ・・・

22時17分、バスは京都駅八条口(ホテル京阪前)を発車。
京都南インターから名神高速道路に入り、この先は名神高速道路~新名神高速道路~東名阪自動車道~伊勢湾岸自動車道~新東名高速道路~東名高速道路などを経由して東京・成田空港・銚子へと向かいます。

22時45分、草津パーキングエリア第2駐車場に到着。
こちらでは消灯前の開放休憩が10分間設定されています。
南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 なんば高速バスターミナルにて

草津パーキングエリアといえば、名神高速道路のサービスエリアの中でも有数の広さを誇りますが、残念ながら第2駐車場はトイレと自販機のみの設置で、売店やコンビニなどの設備はありませんのでご注意を。
飲食物は乗車前に購入しておいた方が良いかもしれませんね。

22時55分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
そして23時00分、車内は消灯されました。
この先は東京秋葉原到着まで降りることがません。
暫くは起きていましたが、通路カーテンを閉めてシートを倒すと、いつしか夢の中へ。
東京秋葉原到着前の案内放送まで目を覚ますことはありませんでした。

翌朝4時25分、車内灯が点灯され起床となります。
その10分後の4時35分、定刻よりも20分程早くバスは東京秋葉原(秋葉原駅)に到着しました。
こちらでは約半数の乗客が下車。
最初に「様々な性格を持った路線」と書きましたが、その役割のひとつである「東京~京都・大阪間の都市間輸送」を垣間見る光景でした。
特にこの路線は、数ある関東~関西間夜行高速バスの中でも、1位2位を争う東京到着時刻が早い路線としても知られています。
早朝から行動したい方にとっては十分に使えるのではないでしょうか。

東京秋葉原で降車扱いを終えたバスは、再度消灯されます。
四街道駅で降車扱いを行い、東関東自動車道を経由して富里バスターミナルへ。
さらに京成成田駅にて降車扱いを行った後、バスは成田空港へと向かいます。

6時24分、成田空港第2ターミナルに到着。
こちらでは10名近くの乗客が下車していきました。
予想していたよりも多くの乗客が下車しましたが、これも様々な性格を持った路線を垣間見る光景のひとつ。
関西から成田空港へ直行するリムジンバスとしての役割も有しているのです。
飛行機へ乗り継ぐ乗客にとってはありがたい路線なのかもしれません。
因みにこの日、成田空港第1ターミナルは降車客がおらず通過しました。
また、このバスは同第3ターミナルには停車しませんので、第3ターミナルへ行かれる方は、第2ターミナルで下車して連絡バスに乗り換えましょう。

成田空港第2ターミナルにて降車扱いを行ったバスは、成田インターから再度東関東自動車道へ。
大栄ジャンクションに差し掛かったところで、今度は圏央道に進路を変え、神崎インターまで進みます。
6時45分、バスは道の駅「発酵の里こうざき」に到着。
こちらには乗降停留所が設置されていますが、開放休憩にもなっており、10分間停車します。
南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 道の駅 発酵の里こうざきにて_01

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 道の駅 発酵の里こうざきにて_02

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 道の駅 発酵の里こうざきにて_03

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 道の駅 発酵の里こうざきにて_04

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 道の駅 発酵の里こうざきにて_05
外は生憎の霧でした。

道の駅「発酵の里こうざき」を発車したバスは、終点の銚子駅へ向けてひた走ります。
7時28分、小見川に到着。
こちらで1名が下車し、残る乗客は私一人となりました。(佐原駅北口、東庄は通過。)
そして、成田線沿いの「利根水郷ライン」をひた走ること約50分、8時18分にバスは終点の銚子駅に到着しました。
南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 銚子駅バス停

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 銚子駅到着

到着後、私はすぐさま銚子駅へ。
人生初の銚子電鉄の乗車し、銚子~外川間を往復した後、銚子からJRを乗り継いで東京都内へ戻り、飛行機で帰路につきました。
(銚子電鉄の訪問については、日を改めてご紹介することにします。)

東京~成田空港~千葉県東部を幅広くカバーする、様々な性格を持った路線

大阪を発車すること約12時間。
東京秋葉原に到着してからが若干長く感じましたが、それでも全体的な印象としては、意外にもあっという間に着いてしまったというのが正直な感想でした。

先程も書いた通り、この路線には様々な性格を持っているといえるでしょう。
大きく3つの性格があると考えますが、一つ目は「東京~京都・大阪間の都市間輸送」、二つ目は「関西~成田空港間のリムジンバス(空港アクセスバス)」、そして三つめは「関西と千葉県東部を結ぶ直行便」です。
これだけの異なった役割を持つ夜行高速バスも珍しいのですが、今回乗車した限りでは、東京都内で早朝から行動したい客層のニーズと、成田空港発着の飛行機利用者のニーズを上手く取り込んでいる印象を受けました。
特に、夏や冬に東京有明で開催されるコミックマーケットの時期には、かなり使える路線かもしれません。
一方でこの路線については、銚子や佐原などをはじめとする千葉県東部地区の利用促進が今後の課題なのかもしれません。
実際に、千葉県東部地区からの利用が思わしくないという話を聞きますし、某市の広報誌には定期的にこの路線の広告が掲載されているという話も聞きます。
曜日別の運賃を導入するなど努力はされている様ですが、千葉県東部地区にとっては唯一の関西直行便であるだけに、折角の路線、大事に活かして欲しいですね。

色々と書きましたが、東京~成田空港~千葉県東部を幅広くカバーしており、これらの地域から関西方面へ向かう交通機関として考えると、利用価値は高いですし、使い勝手も良いといえるでしょう。
機会があればまた利用してみたいと思います。

南海バス「サザンクロス」銚子線 ・478 銚子駅到着_02


【乗車データ】 
  • 乗車日:2018/05/01
  • 乗車区間:
    ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™→銚子駅
  • 運行会社:南海バス
  • 車両:日野/セレガHD(QRG-RU1ESBA)
  • 年式:2015年式
  • 所属:堺営業所
  • 社番:478

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