西日本JRバス「プレミアム中央ドリーム342号」クレイドルシート 乗車記
旧高速ツアーバスに対抗すべく差別化目的で投入された「プレミアムドリーム」ですが、1階席に設けられた上位グレード「プレミアムシート」を中心に現在も好評を得ています。
私自身、「プレミアムドリーム号」には1階席「プレミアムシート」に数回乗車したことはあるものの、こと2階席「クレイドルシート」にはこれまで1度も乗車したことがありませんでした。
今般、九州での交通系会議の帰路で「プレミアムドリーム号」に乗車する機会があり、「それならば折角なので2階席「クレイドルシート」に乗車してみようか・・・。」ということで、早速乗車して来ました。
今回はその時の模様を簡単にご紹介しましょう。
東京都西部をカバーする「プレミアム中央ドリーム」
今回乗車したのは、大阪駅JR高速バスターミナル23時40分発の「プレミアム中央ドリーム342号」。平日はほぼ同時刻帯に「プレミアム中央エコドリーム142号」として運行される便ですが、週末は「プレミアム中央ドリーム342号」として運行されます。
大阪駅JR高速バスターミナル待機スペースで入線を待つ「プレミアム中央ドリーム342号」の外観です。
西日本JRバス所属の三菱エアロキング(BKG-MU66JS)です。
三菱エアロキングでは最終型のモデルとなります。
現在運行されている「プレミアムドリーム号」は、2010年に車内がリニューアルされた3代目の車両となります。
まずは1階席「プレミアムシート」から。 シート幅は約60cm、リクライニング角度は約150°を誇り、「寝返りも打てるシート」が謳い文句の低反発シートを採用しています。
通路カーテンの他、ワンセグテレビ、座席コンセントも完備。
一人だけのプライベート空間が確保できるのが特長です。
2006年に初代の「プレミアムドリーム号」がデビューした当時は、マスコミなどにも取り上げられ注目されましたが、時を経て改良を重ね、そのノウハウは2017年3月にデビューした「ドリームルリエ」の「プレシャスシート」にも引き継がれています。(写真はイメージです。)
そして、今回私がお世話になった2階席「クレイドルシート」です。
シート幅は約46.5cm、リクライニング角度は約138°(+チルト機能)を誇ります。
従来型シートと比較して約7cm広げ、ゆったり感をアップさせたのが特長です。
一方で、シート幅を広げたことにより、その分通路が狭くなっており、シート配列は3列を謳ってはいるものの、実際は2+1配列となっています。
通路カーテンの他、座席コンセントも完備しており、「プレミアムシート」程ではないにせよ、ゆったりと休むことが出来ます。
定員(33名)の約半数の乗客を乗せた「プレミアム中央ドリーム342号」は、定刻に大阪駅JR高速バスターミナルを発車。
発車後、自動音声案内が流された後、乗務員による補足説明と自己紹介が行われ、23時55分に車内は消灯されます。
「プレミアム中央ドリーム342号」の名の通り、このバスは中央自動車道を経由するため、他の「ドリーム号」とは違い、愛知県内まで名神高速道路をひた走ります。
大阪を発車して約1時間半を過ぎた1時18分、バスは名神高速道路多賀サービスエリアに到着。
こちらでは1時40分まで開放休憩となりました。
真夜中ということもあってか、下車する乗客は少なく、かくゆえ私もトイレを済ませた後に手早く写真撮影を済ませてバスへ戻りました。
尚、「プレミアムドリーム号」は、乗務員による人数確認を行わないため、発車時間までにバスに戻らない場合は休憩場所に置いて行かれますのでご注意を。
多賀サービスエリア発車後は、名神高速道路から中央自動車道へ。
小黒川パーキングエリアにて西日本JRバスの乗務員からJRバス関東の乗務員に交代し、東京へ向けて中央自動車道をひた走ります。
リクライニングの角度が浅めの「クレイドルシート」ですが、チルト機能の効果からか、意外にも体にフィットします。
おかげで多賀サービスエリア発車後は夢の中へ。
朝の休憩停車前までぐっすりと眠ることが出来ました。
6時35分、バスは朝の休憩場所である談合坂サービスエリアに到着。
こちらでは15分間の開放休憩が設定されています。
早め早めの行動でトイレ、買い物、写真撮影を済ませ、バスに戻ります。
談合坂サービスエリアを発車して20分程でバスは最初の降車停留所である中央道八王子に到着。
こちらでは降車客がおらず、次の中央道日野では1名が下車していきます。
中央道日野から3分程走行した国立府中インターでバスは一旦高速道路を降り、最寄りのJR南武線の谷保駅では3名が下車。
再度国立府中インターから中央自動車道に流入し、中央道府中、中央道深大寺、中央道三鷹と降車扱いのために停車していきます。
それにしても京王バスグループをはじめとする「中央高速バス」でお馴染みの各バス停にJRバス「ドリーム号」が停車していく・・・何となくではありますが新鮮に映るのは私だけでしょうか。
高井戸ランプから首都高速道路4号線に入り、初台ランプで降りたバスは、定刻よりも30分以上早い8時07分にバスタ新宿(新宿駅新南口)に到着しました。
こちらでは残りの乗客の約半数が下車。
その後は四ツ谷駅や半蔵門、国会議事堂傍を通過し、東京駅へと向かいます。
結局、終点の東京駅日本橋口には定刻よりも40分早い8時33分に到着しました。 予想以上の早着には正直驚きましたが、これまた予想以上の快適さで気分スッキリの私は、札幌へ戻るべく成田空港へと向かうのでありました。
というわけで、西日本JRバス「プレミアム中央ドリーム342号」の乗車記をお届けしましたが、単刀直入にいって「予想以上に身体を休めることが出来る」これに尽きるのではないでしょうか。
「予想以上」と書いたのは、「グランドリーム号」の「新型クレイドルシート」や「ドリーム号」の「初代クレイドルシート」と比較して、あまり良くないという話を予てから聞いていたからということもありますが、一番気になっていたのは、従来の3列シート配列に大型の「クレイドルシート」を組み込んだことによる圧迫感(特に前後の圧迫感)でした。
実際シートに座った感じは、思っていた程の圧迫感はありませんでしたし、シートのリクライニング角度が浅めであるとはいえ、クレイドル機能とレッグレスト一体型のフットレストのおかげで、寝る分には問題ないと感じました。
ですが、通路の狭さによる圧迫感はどうしても感じてしまいます。
個人的には、あと2~3cmシート幅が狭くても構わないのではとも感じましたが、限られた車内空間である以上、仕方がないのかもしれません。
一方で、2階建てバス(三菱エアロキング)が生産中止になってしまった以上、「プレミアムドリーム」をはじめとする2階建てバス車両の老朽化問題が今後クローズアップされることでしょう。
「プレミアムドリーム」に代わる車両が新たに登場するのか、それとも「ドリームルリエ」が「プレミアムドリーム」の後継として今後君臨するのか・・・気になるところです。
あくまで個人の考えですが、国産の2階建てバス製造が現時点で見込めないこと、外国製の2階建てバスを輸入して投入することがコスト面などの問題から実現が難しいことを考えると、「プレミアムドリーム」の後継として「ドリームルリエ」が増備され、ゆくゆくは「ドリームルリエ」「グランドリーム」「青春エコドリーム」の3グレードに集約されるのではないかと見ています。
「ドリーム号の、その先へ。」
「ドリームルリエ」登場時に採用されたキャッチフレーズです。
JRバス「ドリーム号」は2年後の2019年に運行開始50周年を迎えますが、今後どの様な「その先を見据えたサービス」を我々に提供してくれるのか・・・一バスファンとして、そして一利用者として注目していきたいと思っています。
【乗車データ】
- 乗車日:2017/07/29
- 乗車区間:
大阪駅JR高速バスターミナル→東京駅日本橋口 - 運行会社:西日本JRバス
- 車両:三菱/エアロキング(BKG-MU66JS)
- 年式:2010年式
- 所属:大阪高速管理所
- 社番:744-0901
- ※大阪~小黒川PA間は西日本JRバスの乗務員が、小黒川PA~東京間はJRバス関東の乗務員が乗務しています。
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