阪急バス「大阪・京都~富山線」昼行便 乗車記
高速バス「大阪・京都~富山線」。(写真はイメージです。)
阪急バス(本社:豊中市)と富山地方鉄道(本社:富山市)が昼行・夜行合わせて1日4往復体制で運行しています。
のこ路線の起源は、「高速バスブーム」真っ只中の1989年6月に南海電気鉄道(現:南海バス)と富山地方鉄道が運行を開始した高速バス「大阪なんば~富山線」であります。
昼夜合わせて1日2往復体制で運行していましたが、並行するJR特急列車に比べ総合力で劣っていた上、高速道路での慢性的渋滞による定時性障害が深刻だったこと、更にはなんば高速バスターミナルのアクセス面での不便さなどが足かせとなり、開業当初より利用率が低迷していました。
結局、高速バス「大阪なんば~富山線」は2001年2月に廃止されましたが、その約2年後の2003年12月に運行会社パートナーと乗り場を変更して復活させたのが、今回ご紹介する高速バス「大阪・京都~富山線」なのであります。
3列シート車の投入や、大阪梅田・京都停車で利便性も向上した結果、利用客は堅調に推移。
2010年には昼行便も増発され、現在に至っています。
私自身、この路線にはまだ一度も乗車したことが無く、予てから乗車してみたいとは思っていたものの、これまで乗車が実現出来ずにいました。
今般、運良く乗車の機会を得たことから、「この機会に乗っておかないと・・・」ということで、前回ご紹介した名鉄バス「名古屋~新潟線」夜行便の乗車の後、高速バス「新潟~長岡線」とJR特急「しらゆき4号」、そして北陸新幹線「はくたか577号」を乗り継いで富山へと向かいました。(写真はイメージです。)
発車時間まで少し時間が出来たので、富山地方鉄道の路面電車と郊外電車に初乗車。
何ともいえない雰囲気が味わえる地方鉄道でした。
今回は駆け足で回りましたが、再び訪問する機会があれば、じっくり堪能したいですね。
バスの発車時間に合わせて富山駅前に戻ったところで、乗り場には高速バス「名古屋~富山線」名鉄バス便が停車していました。
バスはほぼ満席の乗客を乗せ、名古屋へと向かっていきました。
東海北陸自動車道の全通と北陸新幹線開業の影響で、「名古屋~富山線」の利用客が増加しているという話は噂では聞いていましたが、どうも本当のようです。
阪急バスが運行を担当します。
やって来たのは、こちらの車両↓。
最新型の日野セレガHD(QRG-RU1ESBA)です。
以前は西工製ハイデッカー(三菱KL-MS86MP 西工02MC C-Ⅰ)が充てられていましたが、本便に関しては写真のタイプの車両に置き換えられたとのこと。
時代の流れですね。
車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様になっています。
通路カーテンこそ装備されていませんが、各座席には充電用コンセントの他、充電用USBポート、シートヒーターを完備。
セルフサービス式のコーヒー・お茶・ジュースのサービスも提供しており、昼夜兼用高速バスの車内サービスとしてはハイグレードの部類に入ります。
16時30分、定刻にバスは富山駅前を発車。 富山市役所前、総曲輪、富山市民病院前、西上袋にて乗車扱いを行ったバスは、16時44分に富山インターから北陸自動車道に入ります。
15分程走行したところで、高岡砺波インターにて流出し、インター併設のパークアンドライド専用バス停「高岡高速バスターミナル」に停車します。
高岡砺波インターから再び北陸自動車道に入りますが、5分程走行した砺波インターにて流出し、砺波駅南へ。
こちらで最後の乗車扱いを行った後、砺波インターから三度北陸自動車道に入り、一路大阪へと向かいます。
砺波駅南を発車したところで、車内モニターにて車内設備の案内が放送され、その後乗務員による補足説明が行われます。
車内は半分ほど座席が埋まった状態。
改めて車内を見回してみると、いかにもアルペン観光帰りのリュックサックを持った乗客がちらほら見受けられます。
関西方面からの直通列車が無くなった今日においては、関西方面からのアルペン観光の足として広く利用されているのかもしれません。
確かに、この路線であれば、週末の夜行便で富山へ向かい、立山や宇奈月を回って最終日の昼行便で戻るという使い方が出来ますね。
夜行便の座席が取り難い・・・というのも頷けます。
こちらで15分間の開放休憩を取ります。 夕食時間帯ということもあり、殆どの乗客が下車。
トイレや買い物など、思い思いの時間を過ごします。
18時21分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
暗闇の北陸自動車道をひた走ります。
19時21分、若狭・舞鶴方面との分岐点である敦賀ジャンクションを通過。
その30分後の19時51分に、米原ジャンクションにて北陸自動車道から名神高速道路へと進路を変えます。
21時12分、黒丸パーキングエリアに到着。
こちらで2回目の開放休憩を取ります。
尼御前パーキングエリアでの開放休憩時とは異なり、バスを降りる乗客は私を含めて僅か数人。
多くの乗客はシートを倒して眠っていました。
20時27分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
残り約1時間半、大阪までラストスパートです。
20時44分、草津ジャンクションを通過し、その約15分後の20時59分に最初の降車停留所である京都深草に到着。
こちらでは2名が下車していきました。
高速長岡京、名神高槻は降車客がおらず通過し、吹田インターを流出したバスは、21時27分に千里ニュータウンに到着。
こちらでも2名が下車していきました。
その後、流れがスムーズな新御堂筋を10分程走行し、富山を発車すること約5時間の21時37分にバスは新大阪(阪急バス新大阪ターミナル)に到着しました。 終点は大阪梅田(阪急三番街)ですが、今回は乗り継ぎの関係からこちら新大阪で下車。
大阪梅田へ向けて走り去るバスの後姿を見届けて、私はJR新大阪駅へと向かうのでありました。
というわけで、阪急バス「大阪・京都~富山線」昼行便の乗車の模様をお届けしました。
先述の通り、このバスに乗車したのは今回が初めてだったのですが、バスの利用が思っていた以上に浸透している印象を受けました。
文章では触れませんでしたが、実はアルペン観光帰りの乗客以外にも、学生やスーツ姿のビジネスマンも数人乗車していました。
同区間を運行する西日本JRバス「北陸ドリーム大阪号」「北陸道昼特急」を合わせると、意外にも関西~富山間をバスで移動する方が多いのかもしれません。
一番の要因は、片道5,000円前後というリーズナブルな運賃でしょうが、北陸新幹線開業による並行在来線の3セク化とJR在来線特急の金沢打ち切りの影響も少なからずあるのではと今回の乗車を通じて感じました。
そして、今回の乗車で感じたことのひとつに、「運行ダイヤの設定の良さ」があります。
便数こそ1日4往復と多くはありませんが、朝から深夜帯まで幅広くカバーしている他、大阪発の夜行便に至っては、富山に早朝到着するという点で、立山黒部アルペンルートへのアクセスに最適なダイヤといえるでしょう。
事実上の路線復活から10年以上経過した高速バス「大阪・京都~富山線」。
今後もビジネスや観光、帰省の足として、暫くは好調を維持し続けるのではないか・・・
そんなことを感じた今回の阪急バス「大阪・京都~富山線」昼行便の乗車でございました。
機会があれば、今度は夜行便にも乗車してみたいですね。
【乗車データ】
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2003年12月に運行を開始し、ビジネスや旅行客など多くの方に利用されている
阪急バス(本社:豊中市)と富山地方鉄道(本社:富山市)が昼行・夜行合わせて1日4往復体制で運行しています。
のこ路線の起源は、「高速バスブーム」真っ只中の1989年6月に南海電気鉄道(現:南海バス)と富山地方鉄道が運行を開始した高速バス「大阪なんば~富山線」であります。
昼夜合わせて1日2往復体制で運行していましたが、並行するJR特急列車に比べ総合力で劣っていた上、高速道路での慢性的渋滞による定時性障害が深刻だったこと、更にはなんば高速バスターミナルのアクセス面での不便さなどが足かせとなり、開業当初より利用率が低迷していました。
結局、高速バス「大阪なんば~富山線」は2001年2月に廃止されましたが、その約2年後の2003年12月に運行会社パートナーと乗り場を変更して復活させたのが、今回ご紹介する高速バス「大阪・京都~富山線」なのであります。
3列シート車の投入や、大阪梅田・京都停車で利便性も向上した結果、利用客は堅調に推移。
2010年には昼行便も増発され、現在に至っています。
私自身、この路線にはまだ一度も乗車したことが無く、予てから乗車してみたいとは思っていたものの、これまで乗車が実現出来ずにいました。
今般、運良く乗車の機会を得たことから、「この機会に乗っておかないと・・・」ということで、前回ご紹介した名鉄バス「名古屋~新潟線」夜行便の乗車の後、高速バス「新潟~長岡線」とJR特急「しらゆき4号」、そして北陸新幹線「はくたか577号」を乗り継いで富山へと向かいました。(写真はイメージです。)
バスの発車時間まで富山地方鉄道に初乗車
新潟から約4時間かけてやって来たのは、JR富山駅。 北陸新幹線の開業で、立派に生まれ変わりました。発車時間まで少し時間が出来たので、富山地方鉄道の路面電車と郊外電車に初乗車。
何ともいえない雰囲気が味わえる地方鉄道でした。
今回は駆け足で回りましたが、再び訪問する機会があれば、じっくり堪能したいですね。
バスの発車時間に合わせて富山駅前に戻ったところで、乗り場には高速バス「名古屋~富山線」名鉄バス便が停車していました。
バスはほぼ満席の乗客を乗せ、名古屋へと向かっていきました。
東海北陸自動車道の全通と北陸新幹線開業の影響で、「名古屋~富山線」の利用客が増加しているという話は噂では聞いていましたが、どうも本当のようです。
最新型ハイグレード車両を投入!アルペン観光帰りの乗客も・・・
今回私が乗車したのは、富山駅前16時30分発の大阪梅田行き昼行便。阪急バスが運行を担当します。
やって来たのは、こちらの車両↓。
最新型の日野セレガHD(QRG-RU1ESBA)です。
以前は西工製ハイデッカー(三菱KL-MS86MP 西工02MC C-Ⅰ)が充てられていましたが、本便に関しては写真のタイプの車両に置き換えられたとのこと。
時代の流れですね。
車内は3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様になっています。
通路カーテンこそ装備されていませんが、各座席には充電用コンセントの他、充電用USBポート、シートヒーターを完備。
セルフサービス式のコーヒー・お茶・ジュースのサービスも提供しており、昼夜兼用高速バスの車内サービスとしてはハイグレードの部類に入ります。
16時30分、定刻にバスは富山駅前を発車。 富山市役所前、総曲輪、富山市民病院前、西上袋にて乗車扱いを行ったバスは、16時44分に富山インターから北陸自動車道に入ります。
15分程走行したところで、高岡砺波インターにて流出し、インター併設のパークアンドライド専用バス停「高岡高速バスターミナル」に停車します。
高岡砺波インターから再び北陸自動車道に入りますが、5分程走行した砺波インターにて流出し、砺波駅南へ。
こちらで最後の乗車扱いを行った後、砺波インターから三度北陸自動車道に入り、一路大阪へと向かいます。
砺波駅南を発車したところで、車内モニターにて車内設備の案内が放送され、その後乗務員による補足説明が行われます。
車内は半分ほど座席が埋まった状態。
改めて車内を見回してみると、いかにもアルペン観光帰りのリュックサックを持った乗客がちらほら見受けられます。
関西方面からの直通列車が無くなった今日においては、関西方面からのアルペン観光の足として広く利用されているのかもしれません。
確かに、この路線であれば、週末の夜行便で富山へ向かい、立山や宇奈月を回って最終日の昼行便で戻るという使い方が出来ますね。
夜行便の座席が取り難い・・・というのも頷けます。
暗闇のハイウェイを一路大阪へ・・・
富山を発車して1時間半程経ったところで、バスは尼御前サービスエリアに到着。こちらで15分間の開放休憩を取ります。 夕食時間帯ということもあり、殆どの乗客が下車。
トイレや買い物など、思い思いの時間を過ごします。
18時21分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
暗闇の北陸自動車道をひた走ります。
19時21分、若狭・舞鶴方面との分岐点である敦賀ジャンクションを通過。
その30分後の19時51分に、米原ジャンクションにて北陸自動車道から名神高速道路へと進路を変えます。
21時12分、黒丸パーキングエリアに到着。
こちらで2回目の開放休憩を取ります。
尼御前パーキングエリアでの開放休憩時とは異なり、バスを降りる乗客は私を含めて僅か数人。
多くの乗客はシートを倒して眠っていました。
20時27分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
残り約1時間半、大阪までラストスパートです。
20時44分、草津ジャンクションを通過し、その約15分後の20時59分に最初の降車停留所である京都深草に到着。
こちらでは2名が下車していきました。
高速長岡京、名神高槻は降車客がおらず通過し、吹田インターを流出したバスは、21時27分に千里ニュータウンに到着。
こちらでも2名が下車していきました。
その後、流れがスムーズな新御堂筋を10分程走行し、富山を発車すること約5時間の21時37分にバスは新大阪(阪急バス新大阪ターミナル)に到着しました。 終点は大阪梅田(阪急三番街)ですが、今回は乗り継ぎの関係からこちら新大阪で下車。
大阪梅田へ向けて走り去るバスの後姿を見届けて、私はJR新大阪駅へと向かうのでありました。
というわけで、阪急バス「大阪・京都~富山線」昼行便の乗車の模様をお届けしました。
先述の通り、このバスに乗車したのは今回が初めてだったのですが、バスの利用が思っていた以上に浸透している印象を受けました。
文章では触れませんでしたが、実はアルペン観光帰りの乗客以外にも、学生やスーツ姿のビジネスマンも数人乗車していました。
同区間を運行する西日本JRバス「北陸ドリーム大阪号」「北陸道昼特急」を合わせると、意外にも関西~富山間をバスで移動する方が多いのかもしれません。
一番の要因は、片道5,000円前後というリーズナブルな運賃でしょうが、北陸新幹線開業による並行在来線の3セク化とJR在来線特急の金沢打ち切りの影響も少なからずあるのではと今回の乗車を通じて感じました。
そして、今回の乗車で感じたことのひとつに、「運行ダイヤの設定の良さ」があります。
便数こそ1日4往復と多くはありませんが、朝から深夜帯まで幅広くカバーしている他、大阪発の夜行便に至っては、富山に早朝到着するという点で、立山黒部アルペンルートへのアクセスに最適なダイヤといえるでしょう。
事実上の路線復活から10年以上経過した高速バス「大阪・京都~富山線」。
今後もビジネスや観光、帰省の足として、暫くは好調を維持し続けるのではないか・・・
そんなことを感じた今回の阪急バス「大阪・京都~富山線」昼行便の乗車でございました。
機会があれば、今度は夜行便にも乗車してみたいですね。
【乗車データ】
- 乗車日:2016/10/31
- 乗車区間:
富山駅前→新大阪(阪急バス新大阪ターミナル) - 運行会社:阪急バス
- 車両:日野/セレガHD(QRG-RU1ESBA)
- 年式:2015年式
- 所属:豊中営業所
- 社番:1145
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