【備忘録】公共交通マーケティング研究会第1回例会に参加してきました
公共交通事業者の方々や事業に関与する(したい、しなければならない)方々が、「マーケティング」の発想を取り入れてよりよい公共交通をつくっていく活動をできるように、ノウハウや取組の情報交換と横展開、そして現場の改善と社会へのインパクト波及を目指す目的で設立された「公共交通マーケティング研究会」。
そのキックオフともいうべき「スタートアップセミナー」が昨年2018(平成30)年12月に岡山で開催されたことは、このブログでもご紹介しました。
ですが、研究会としての本格的な始動は今年2019(平成31)年から。
その記念すべき第1回例会が、2019(平成31)年2月23日(土)に愛知県名古屋市の名古屋大学にて開催されました。
今回の例会のテーマは、
「顧客志向を意識した駅・バス停における案内掲示の方法を考えよう!」
「公共交通において、顧客を意識した案内表示を実現するにはどのようにしたらよいのか」を考え、議論するというものでした。
少し専門的な要素が入るとはいえ、これならば私もある程度ついていけるのかなぁ・・・と思い、参加して来ましたので、今回はその模様を備忘録として紹介します。
尚、本来であれば、この手の記事はセミナーの内容をメモに取って、その内容を整理してアップするのですが、今回も前回の「スタートアップセミナー」の時と同様に異例の速さ(?)で各講演の資料やワークショップ記録が公式サイトにアップされております。
従いまして、スタートアップセミナーの資料やワークショップの記録は上記リンクからご確認いただくとして、今回は例会の模様を写真中心で紹介していきます。
【おことわり】
本記事に掲載の写真は、一部スマートフォン(iPhone)で撮影しております。
このため、一部の画像において画質が著しく悪いことをご了承願います。
会場までの道のり
札幌から名古屋までは、開催日当日に朝一の飛行機(JAL3100便)で移動しますが、フライト直前になって新千歳空港が急に吹雪模様になり、除雪作業で滑走路が閉鎖されるというアクシデントが発生。 それでも、45分程の遅延で収まり、なんとか中部国際空港に到着します。中部国際空港からは、名鉄特急「ミュースカイ」と名古屋市営バスで名古屋大学へ。
なんとか開始時刻前に到着しました。
開会(共催者挨拶、主催者挨拶)
14時、開会時刻になりました。名古屋大学大学院環境学研究科附属持続的共発展教育研究センター長の山口先生による挨拶と、幹事代表の加藤先生による挨拶です。
イントロダクション
イントロダクションのパートは、早稲田大学の井原先生が担当。公共交通における顧客志向の必要性を分かりやすく説明されていました。
(尚、このパートは、井原先生の他に、東京空港交通の大室氏も講演を担当する予定でしたが、本業で緊急招集がかかり例会に参加出来なくなったことから、井原先生が一人で担当されました。)
話題提供
話題提供のパートは、神姫バスの佐藤氏が担当。バス乗車の際に欲しい情報は何か、そしてそれをどう見せるのかについて、実例を紹介しながら分かりやすく説明されていました。
ワークショップ
今回の例会のメインともいうべきワークショップです。実は、今回の例会参加者に対して、「事例としての善し悪しを問わず、自分が気になっているバス停表示やサイネージなど案内提示を撮影し、最低1枚を持参、それを選んだ理由を30秒~1分で簡単にプレゼンする」という事前課題が出されていました。
参加者によって見る視点が違ったり、様々な課題やアイディアが聞けたという点で、個人的にはこの時間が一番楽しかったですし、勉強にもなりました。
強いていえば、あと10分~15分時間が長ければ・・・とも思いましたが。
因みには私はというと、帯広駅バスターミナル待合室「おびくる」のサイネージ表示について、自分なりの考え及び意見を述べさせていただきました。
総括・次回予告
ワークショップを終えての加藤先生からの総括と、次回開催の予告です。次回例会は、「データでバスダイヤ改正」というテーマで早稲田大学にて開催するそうです。
便利で収支改善につながるような新路線設置・ダイヤ改正を行うにはどうすればよいのかを、データの扱い方や実施プロセス、組織攻略の部分まで学べる会にしたいとのこと。
このテーマについては2回に分けて実施する計画で、夏には豊田市での合宿も予定しているとのことです。
事業者向けの専門的な内容になりますが、バス事業者ダイヤ担当者の参加大歓迎とのことですので、興味があるバス事業者や担当者の方は検討されてみてはいかがでしょうか。
懇親会
例会終了後には、懇親会も開催。 見た感じ、例会参加者(約100名)の半数程度の方が参加されており、盛り上がっておりました。私も様々な方とお話させていただきましたが、「これっ、私が聞いちゃっていいの?」という話もあり、こちらも勉強させていただきました。
最後に
以上、備忘録として「公共交通マーケティング研究会 第1回例会」の模様を纏めてみましたが、スタートアップセミナーと同様に内容が濃かった・・・というのが率直な感想です。で、様々な方からの話を聞いていて、
- 案内方法ひとつをとっても、立場や置かれた環境などによって考え方が違うということ。
- 利用者が必要な情報をバス停に全部載せるには、バス停にある程度のスペースが必要であるということ。(そう考えると、西鉄のバス停はその辺も考えた上で設計されているのではないか?)
- 事業者が作成した時刻表よりもイオンなどSCが作成した時刻表の方が分かりやすいという現実を、事業者側は真剣に考える必要があるのではないか。
- 昨今流行りのサイネージバス停も、表示方法や活用方法を工夫しないと宝の持ち腐れになるのではないか。
- サイネージだけに頼ることの危険性(災害による停電時には役に立たない)。 など
バスに限らず、公共交通を利用する上で最初に目にする「案内表示」ですが、その奥深さというものを今回の例会で改めて実感しました。
先述の通り、今回のスタートアップセミナーの資料及びまとめは、公式サイトにアップされています。
また、当日の映像についても今後公開予定と聞いております。
興味がある方は是非ご覧いただけると幸いです。
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