阪急バス「よさこい号」安芸発夜行便乗車記(2016年7月乗車分)

夜行バス,高速バス乗車記

1990年8月の運行開始以来、大阪~高知間を長年にわたって運行し続けている高速バス「よさこい号」

阪急バス「よさこい号」 2889

「よさこい号」といえば、あの大泉洋他が出演している北海道ローカルのバラエティ番組「水曜どうでしょう」でも登場したことがあります。
番組内では高知発の夜行便(旧高知県交通便、現在はとさでん交通便)が登場していましたが、この番組で「よさこい号」という高速バスを知ったという方もいらっしゃるのではないかと思います。

運行開始から暫くは、大阪~高知間で運行していましたが、2014年9月のダイヤ改正で一部便の安芸地区乗り入れも開始され、現在は夜行便2往復を含む1日10往復(うち安芸発着便は2往復)運行されています。
安芸地区への乗り入れについては、かつて近鉄バスと高知東部交通が運行していた夜行高速バス「国虎号」が2014年3月末日を持って休止されて以来、約半年ぶりの安芸地区~関西間高速路線バスの復活となります。


「よさこい号」については、以前このブログで阪急バス担当の夜行便を乗車記を取り上げたことがあります。


今般、安芸まで延伸した「よさこい号」を一度見てみたいと考え、2016年夏の安芸発夜行便に乗車してみましたので、今回はその時の模様をお届けしたいと思います。

かつての「国虎号」安芸側基地から「よさこい号」が発車!

やって来たのは、土佐くろしお鉄道の球場前駅。
土佐くろしお鉄道 球場前駅 その1

土佐くろしお鉄道 球場前駅 その2

土佐くろしお鉄道 球場前駅 その3
目の前の安芸市営球場は、阪神タイガースの秋季キャンプ及び2軍の春季キャンプの場所としても有名で、別名「タイガースタウン」とも呼ばれています。

土佐くろしお鉄道球場駅前の目の前に高知東部交通の安芸営業所があり、安芸発着の「よさこい号」はこちらから発車します。
高知東部交通 安芸営業所 その1

高知東部交通 安芸営業所 その2

高知東部交通 安芸営業所 その3
建物自体はこじんまりとしておりますが、乗車券販売窓口、トイレ、自販機、クーラーが完備されており、真夏の暑い時期でも快適にバスを待つことが出来ます。

21時55分、発車準備を行っていた「よさこい号」夜行便が乗り場に横付けされます。
安芸発の夜行便は阪急バスが運行を担当。
こちらの車両↓が充てられていました。
阪急バス「よさこい号」 05-2889 大阪梅田にて

阪急バス「よさこい号」 05-2889 安芸営業所改札中
「よさこい号」メインで活躍している西工製車両(三菱KL-MS86MP 西工02MC SD-Ⅱ)です。
車両の純正化が進んでいる阪急高速バスですが、高知系統「よさこい号」に関しては未だに西工製車両が健在。
しかし、この車両もあと少しで引退を迎えると思われるだけに、乗車するのであれば今のうちかもしれません。

車内はこの様になっております。(写真はイメージです。)
阪急バス「よさこい号」 05-2889 車内

阪急バス「よさこい号」 05-2889 シート

阪急バス「よさこい号」 05-2889 車内モニター

阪急バス「よさこい号」 05-2889 安芸営業所出発直前
3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様ですが、この時期に導入された車両の特徴なのか、レッグレストが装備されていません。
それでも、現在は使用されていない座席のマルチチャンネルコントローラをはじめ、車内中央部のセルフサービス式サービスコーナー(お茶・コーヒー)、更には紙パック式ジュースの提供など、阪急らしさを伺える車内となっております。

21時58分、私を含めて2名の乗客を乗せたバスは、定刻に安芸営業所を発車します。
その後、安芸駅にて2名の乗客を乗せたバスは、芸西西インターより自動車専用道路の高知東部自動車へ。
5分ほど走行した香南のいちインターで流出し、22時30分、野市駅にて乗車使いのために停車します。
野市駅からは国道55号~国道32号を高知市内へ。
中野団地北口、知寄町にて乗車扱いのために停車後、23時02分、かつての始発地であったとさでん交通桟橋高知営業所に到着します。
こちらでは2名が乗車し、併せて乗務員が交代します。

23時13分、はりまや橋で5名乗車し、その次の高知駅バスターミナルでは13名が乗車。
車内が賑やかになったところで23時30分、バスは高知駅バスターミナルを発車します。
10分程走行した一宮高知営業所で最後の乗車扱い(4名乗車)を行い、28名ほぼ満席のの乗客を乗せたバスは、すぐ傍の高知インターより高知自動車道へと入ります。
高知自動車道に入ったところで、乗務員からのマイクによる簡単な案内と車内モニターを使った車内設備の案内が実施され、すべてが終わった頃には、消灯前の休憩場所である南国サービスエリアに到着します。
こちらでは約10分間の開放休憩時間が設定されており、殆どの乗客がバスを降りてトイレや買い物、消灯前の準備を済ませていきます。
阪急バス「よさこい号」 05-2889<br />
南国SAにて その1

阪急バス「よさこい号」 05-2889 南国SAにて その2

24時02分、乗客が全員揃ったところで、車内前方のカーテンが閉められ消灯。
翌朝の開放休憩まで乗客は外へ出ることが出来ません。
長旅で疲れていたのか、シートを倒すとすぐさま夢の中へ。
翌朝まで目を覚ますことはありませんでした。
その間、バスは高知自動車道~徳島自動車道~神戸淡路鳴門自動車道~山陽自動車道を大阪へ向けてひた走ります。

翌朝4時40分、乗務員の起床放送で目を覚まします。
気が付くとバスは山陽自動車道淡河サービスエリアに停車していました。
こちらで朝の開放休憩を実施するとのことで、出発時間の案内がなされるや否や、多くの乗客がバスを降りて気分転換をしていました。
私も買い物を済ませた後、貴重な時間を使ってWEB用写真の撮影に勤しみます。
阪急バス「よさこい号」 05-2889 淡河PAにて その1

阪急バス「よさこい号」 05-2889 淡河PAにて その2

阪急バス「よさこい号」 05-2889 淡河PAにて その4

阪急バス「よさこい号」 05-2889 淡河PAにて その5

4時50分、乗客が全員揃ったところでバスは発車。
通常であればこの先、岡場駅、宝塚駅、大阪梅田(阪急三番街)、ハービス大阪と停車していくのですが、この日は岡場駅、ハービス大阪での降車予定が無いとのことで、宝塚駅と大阪梅田(阪急三番街)の2箇所で降車扱いを行う旨案内がありました。

5時13分、中国自動車道宝塚インターを流出し、7分程走行した5時20分にバスは宝塚駅に到着します。
阪急宝塚線及びJR福知山線への乗り換えに便利な宝塚駅ですが、最近はJRバスを中心に発着する夜行バスが登場しており、「よさこい号」も夜行便のみではありますが1往復乗り入れています。
こちらでは2名下車していきました。
その後、再度宝塚インターから中国自動車道に流入し、一つ先の中国池田インターで高速道路を流出した後、今度は阪神高速池田インターから阪神高速へ流入、梅田インターまでひた走ります。
JR大阪駅近くの梅田ランプで阪神高速を流出後、数分程でバスは大阪梅田(阪急三番街)に到着しました。
阪急バス「よさこい号」 05-2889 大阪梅田(阪急三番街)到着
時刻を見てみると・・・5時50分。
定刻より25分の早着でした。
私を含めて乗客全員が下車したため、バスはそのまま車庫(阪急バス豊中営業所)へ回送されていきました。

というわけで、阪急バスの「よさこい号」安芸発夜行便の乗車記をお届けしました。
4年前に乗車した時にも思ったことなのですが、老舗路線の人気の高さというものを、今回の乗車でも改めて実感しました。
前回の乗車記でも同じことを書いたのですが、ライバルのJRバス「高知エクスプレス」が夜行2便体制で運行しているにもかかわらず、「よさこい号」夜行便も週末を中心に高乗車率を維持していることを考えると、まだ暫くは安泰なのかなあという気がします。
一方で、今回初めて安芸発着の「よさこい号」に乗車したのですが、沿線人口及び現状の利用状況を考えると、昼夜各1往復という便数設定は妥当なのかなぁという気がしました。
と同時に、もう少し利用があっても良いのかなぁという気もしましたが、利用促進については今後のとさでん交通及び高知東部交通の努力次第といったところでしょうか。
JRバス「高知エクスプレス」と競合関係にある「よさこい号」ですが、これからも地元に根ざした老舗高速路線として「よさこい号」には頑張って欲しいと思います。

阪急バス「よさこい号」 05-2889 淡河PAにて その3


【乗車データ】 
  • 乗車日:2016/07/16
  • 乗車区間:
    高知東部交通安芸営業所→大阪梅田(阪急三番街)
  • 運行会社:阪急バス
  • 車両:三菱/KL-MS86MP(西工02MC SD-Ⅱ)
  • 年式:2005年式
  • 所属:豊中営業所
  • 社番:05-2889


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