沿岸バス「豊富留萌線」乗車記(その2) 羽幌本社(タ)→豊富駅
『沿岸バス「豊富留萌線」(旧国鉄羽幌線代替バス)乗車記』。
前回は、留萌十字街から羽幌本社ターミナルまでの乗車の模様をお届けししましたが、今回はその続きです。
羽幌の沿岸バス本社ターミナルから終点のJR豊富駅を目指します。
羽幌からは本社ターミナル15時17分発の豊富駅行きに乗車します。
やって来たのはこちらの車両↓。 「豊富留萌線」用として導入された日野セレガFS(KC-RU3FSCB)です。
一度車体更新工事を施しているのですが、車体下部の錆の状況を見る限りでは、この車両もこの先長くはなさそうです。
羽幌本社ターミナルを定刻に発車したバスは、左手に日本海を眺めながら国道232号を北へ向かいます。
生憎の空模様ですが、それでも車窓に広がる日本海の風景は、見ているだけでも心が休まります。
そして、写真はありませんが、進行方向右手には旧国鉄羽幌線の廃線跡が至る箇所で見ることが出来ます。
廃線跡ファンにとっても、この区間は乗り応えがあると思います。
初山別市街を通過したバスは、国道から側道へ。
遠別町歌越地区に入ります。
所々に民家があるものの、廃屋の建物も多く複雑な気持ちに。
それでも車窓一面に広がる畑は、北海道らしさを感じさせる風景でもあります。
歌越地区を通過したバスは、再び国道232号に戻り、遠別町内を通過します。
沿岸バス遠別営業所と遠別(旧国鉄遠別駅跡)各数名乗車し、それまで閑散だったバスの車内は少し賑やかになります。
やがてバスは遠別町から天塩町へ。
日も暮れ始めていきます。
天塩町に入り、天塩高校バス停近づくな否や、バス停には部活動終わりと思わしき大勢の高校生がバスを待っています。
そして、天塩高校ではバス停で待っていた高校生が全員乗車。
それまで比較的静かだった車内は座席が殆ど埋まり、一気に賑やかになります。
天塩町を過ぎたバスは日本海とお別れし、内陸の幌延町へと向かいます。
17時12分、幌延駅に到着。
ここで多くの高校生が下車しますが、それでも車内には10人以上の乗客が残っています。
豊富まで乗車する高校生も数名おり、地域にとって重要な足として機能していることを実感します。
17時30分頃、豊富温泉に到着。
ここで温泉帰りと思わしき観光客1名が乗車して来ます。
あの「湯あがりプリン」でお馴染み『川島旅館』の建て替え工事も順調に進んでいる様で、外観はほぼ出来上がっておりました。
現在は内装工事を進めているといったところでしょうか。
豊富温泉から5分程走行すると、バスは豊富町内に入ります。
住宅地で天塩から乗車して来た高校生が下車し、車内は再び寂しい状態に。
そして、羽幌を出発すること約2時間半の17時42分に、バスは終点の豊富駅に到着しました。 結局終点で下車したのは、私と豊富温泉から乗車した観光客の2名のみ。
駅周辺も土曜日の夕方ということもあってか、何処となく寂しさが漂っていました。
今回、約2年半ぶりにこの路線に乗車しましたが、改めてこの路線の良さと挙げるとするならば、何といっても「日本海オロロンライン」から眺める日本海の景色でしょうね。
特に5月~9月の春から秋にかけての時期は、気候も比較的安定していることから、素晴らしい夕焼けを眺められることでしょう。
今回は残念ながら生憎の曇り空でしたが、今度こそは天気が安定した時期に訪問したいですね。
一方、今回の乗車ではローカル路線バスの厳しさを改めて実感バス旅にもなりました。
通しで乗車した区間のうち、比較的乗客が多かったのは留萌~羽幌間と天塩高校~幌延(豊富)間でしたが、それ以外の区間においては、条約が数人といった状況でした。
もっとも、今回乗車したのが土曜日で平日ではないことから、これが平日であればもう少し状況が変わるのでしょうが、乗り降りする乗客が高校生をはじめとする学生や地元の高齢者が大半なのは前回と同様でした。
現状、生活交通路線として国や北海道からの補助を受けて運行していますが、現行の運行形式を今後も維持していけるのかどうか・・・
旧国鉄ローカル線の代替路線の役目も担っているため、おいそれ廃止ということにはならないでしょうが、今後の利用客の推移如何では、数年前系統分割された宗谷バス「天北宗谷線」の様に系統分割される可能性があるのかなぁとも思いました。
沿線人口が減少している昨今、この路線に限らずローカル路線バスの維持は今後更に大変になってくるでしょう。
現状、事業者・行政(自治体)は路線維持の為に努力を行っているとは思いますが、今後は地元住民をも巻き込んだ取り組みで、この路線が「地域の足」として運行し続ける努力を更に続けて欲しいと切に願いです。
色々と書きましたが、この沿岸バス「豊富留萌線」、ローカルバスファンであれば楽しめる路線であることには間違いないと思います。
興味がある方は是非乗車してみてはいかがでしょうか。
【】
宗谷本線の環境の厳しさというものを痛感しました。
まずは豊富駅から。
特急停車駅ではあるものの、ご覧の通り無人駅であります。
駅舎内には喫茶店がありますが、私が訪れた時は既に営業を終了していました。
写真の時刻表を見ていただければ分かると思いますが、特急を含めた列車の停車本数は僅か13本。
うち特急が6本ですので、普通列車に至っては7本(3.5往復)しか停車していないことになります。
写真は、稚内行きの普通列車を待っている間に到着した名寄行き普通列車(キハ54 510)です。
豊富で1名が下車したものの、豊富からは乗客ゼロで発車していきました。
私が乗車した稚内行きの普通列車も、乗客ゼロで入線。
豊富では私を含めて4名が乗車しましたが、終点の稚内で下車したのは私を含めて2名のみでした。
平日ですと状況が変わるのでしょうが、これがJR宗谷本線の現実なのだなぁと痛感しました。
地元自治体や沿線住民は宗谷本線のことをどう考えているのか・・・
そして聖域無き事業見直しが避けられない状況に追い込まれているJR北海道は、この宗谷本線をどの様にしようとしているのか・・・
少なくても2年半前に訪問した時よりも厳しい状況に置かれていることには間違いなさそうです。
果たして10年後、この地に鉄路は残っているのか・・・正直複雑な気持ちになりました。
稚内に到着してひとっ風呂を楽しみ、居酒屋で軽く飲んだ後は、宗谷バスの都市間バス「特急わっかない号」夜行便で札幌へ戻りました。
新塗色を施した車両を増やしている同社ですが、中古車両を中古車両で代替する構図は変わらない様です。
ですが、各座席にはUSBコンセントを完備するなど、徐々にではありますが車内サービスのレベルは上げている様です。
車内は20席以上が埋まる盛況ぶり。
JRの夜行急行「利尻」が廃止された今日において、札幌~稚内間唯一の夜行交通機関として立派に機能していることを改めて実感しました。
【乗車データ】
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2回に渡ってご紹介する
前回は、留萌十字街から羽幌本社ターミナルまでの乗車の模様をお届けししましたが、今回はその続きです。
羽幌の沿岸バス本社ターミナルから終点のJR豊富駅を目指します。
日本海沿いの風景と集落を眺めながら更に北へ・・・
羽幌で1時間の休憩を挟んだところで仕切り直しです。羽幌からは本社ターミナル15時17分発の豊富駅行きに乗車します。
やって来たのはこちらの車両↓。 「豊富留萌線」用として導入された日野セレガFS(KC-RU3FSCB)です。
一度車体更新工事を施しているのですが、車体下部の錆の状況を見る限りでは、この車両もこの先長くはなさそうです。
羽幌本社ターミナルを定刻に発車したバスは、左手に日本海を眺めながら国道232号を北へ向かいます。
生憎の空模様ですが、それでも車窓に広がる日本海の風景は、見ているだけでも心が休まります。
そして、写真はありませんが、進行方向右手には旧国鉄羽幌線の廃線跡が至る箇所で見ることが出来ます。
廃線跡ファンにとっても、この区間は乗り応えがあると思います。
初山別市街を通過したバスは、国道から側道へ。
遠別町歌越地区に入ります。
所々に民家があるものの、廃屋の建物も多く複雑な気持ちに。
それでも車窓一面に広がる畑は、北海道らしさを感じさせる風景でもあります。
歌越地区を通過したバスは、再び国道232号に戻り、遠別町内を通過します。
沿岸バス遠別営業所と遠別(旧国鉄遠別駅跡)各数名乗車し、それまで閑散だったバスの車内は少し賑やかになります。
やがてバスは遠別町から天塩町へ。
日も暮れ始めていきます。
天塩町に入り、天塩高校バス停近づくな否や、バス停には部活動終わりと思わしき大勢の高校生がバスを待っています。
そして、天塩高校ではバス停で待っていた高校生が全員乗車。
それまで比較的静かだった車内は座席が殆ど埋まり、一気に賑やかになります。
天塩町を過ぎたバスは日本海とお別れし、内陸の幌延町へと向かいます。
17時12分、幌延駅に到着。
ここで多くの高校生が下車しますが、それでも車内には10人以上の乗客が残っています。
豊富まで乗車する高校生も数名おり、地域にとって重要な足として機能していることを実感します。
17時30分頃、豊富温泉に到着。
ここで温泉帰りと思わしき観光客1名が乗車して来ます。
あの「湯あがりプリン」でお馴染み『川島旅館』の建て替え工事も順調に進んでいる様で、外観はほぼ出来上がっておりました。
現在は内装工事を進めているといったところでしょうか。
豊富温泉から5分程走行すると、バスは豊富町内に入ります。
住宅地で天塩から乗車して来た高校生が下車し、車内は再び寂しい状態に。
そして、羽幌を出発すること約2時間半の17時42分に、バスは終点の豊富駅に到着しました。 結局終点で下車したのは、私と豊富温泉から乗車した観光客の2名のみ。
駅周辺も土曜日の夕方ということもあってか、何処となく寂しさが漂っていました。
景色の良さと長距離ローカル路線バスの厳しさを実感
というわけで、前回と今回の2回に分けて、沿岸バス「豊富留萌線」の乗車記をお届けしました。今回、約2年半ぶりにこの路線に乗車しましたが、改めてこの路線の良さと挙げるとするならば、何といっても「日本海オロロンライン」から眺める日本海の景色でしょうね。
特に5月~9月の春から秋にかけての時期は、気候も比較的安定していることから、素晴らしい夕焼けを眺められることでしょう。
今回は残念ながら生憎の曇り空でしたが、今度こそは天気が安定した時期に訪問したいですね。
一方、今回の乗車ではローカル路線バスの厳しさを改めて実感バス旅にもなりました。
通しで乗車した区間のうち、比較的乗客が多かったのは留萌~羽幌間と天塩高校~幌延(豊富)間でしたが、それ以外の区間においては、条約が数人といった状況でした。
もっとも、今回乗車したのが土曜日で平日ではないことから、これが平日であればもう少し状況が変わるのでしょうが、乗り降りする乗客が高校生をはじめとする学生や地元の高齢者が大半なのは前回と同様でした。
現状、生活交通路線として国や北海道からの補助を受けて運行していますが、現行の運行形式を今後も維持していけるのかどうか・・・
旧国鉄ローカル線の代替路線の役目も担っているため、おいそれ廃止ということにはならないでしょうが、今後の利用客の推移如何では、数年前系統分割された宗谷バス「天北宗谷線」の様に系統分割される可能性があるのかなぁとも思いました。
沿線人口が減少している昨今、この路線に限らずローカル路線バスの維持は今後更に大変になってくるでしょう。
現状、事業者・行政(自治体)は路線維持の為に努力を行っているとは思いますが、今後は地元住民をも巻き込んだ取り組みで、この路線が「地域の足」として運行し続ける努力を更に続けて欲しいと切に願いです。
色々と書きましたが、この沿岸バス「豊富留萌線」、ローカルバスファンであれば楽しめる路線であることには間違いないと思います。
興味がある方は是非乗車してみてはいかがでしょうか。
【】
- 乗車日:2016/04/23
- 乗車区間:
沿岸バス本社ターミナル→豊富駅 - 運行会社:沿岸バス
- 車両:日野/セレガFS(KC-RU3FSCB)
- 年式:1998年式
- 所属:不明(留萌営業所or羽幌営業所or豊富営業所のいずれか)
- 社番:1214
【おまけ】宗谷本線の現実と「特急わっかない号」夜行便
この後、私はJR宗谷本線で更に北へと向かったのですが・・・宗谷本線の環境の厳しさというものを痛感しました。
まずは豊富駅から。
特急停車駅ではあるものの、ご覧の通り無人駅であります。
駅舎内には喫茶店がありますが、私が訪れた時は既に営業を終了していました。
写真の時刻表を見ていただければ分かると思いますが、特急を含めた列車の停車本数は僅か13本。
うち特急が6本ですので、普通列車に至っては7本(3.5往復)しか停車していないことになります。
写真は、稚内行きの普通列車を待っている間に到着した名寄行き普通列車(キハ54 510)です。
豊富で1名が下車したものの、豊富からは乗客ゼロで発車していきました。
私が乗車した稚内行きの普通列車も、乗客ゼロで入線。
豊富では私を含めて4名が乗車しましたが、終点の稚内で下車したのは私を含めて2名のみでした。
平日ですと状況が変わるのでしょうが、これがJR宗谷本線の現実なのだなぁと痛感しました。
地元自治体や沿線住民は宗谷本線のことをどう考えているのか・・・
そして聖域無き事業見直しが避けられない状況に追い込まれているJR北海道は、この宗谷本線をどの様にしようとしているのか・・・
少なくても2年半前に訪問した時よりも厳しい状況に置かれていることには間違いなさそうです。
果たして10年後、この地に鉄路は残っているのか・・・正直複雑な気持ちになりました。
稚内に到着してひとっ風呂を楽しみ、居酒屋で軽く飲んだ後は、宗谷バスの都市間バス「特急わっかない号」夜行便で札幌へ戻りました。
新塗色を施した車両を増やしている同社ですが、中古車両を中古車両で代替する構図は変わらない様です。
ですが、各座席にはUSBコンセントを完備するなど、徐々にではありますが車内サービスのレベルは上げている様です。
車内は20席以上が埋まる盛況ぶり。
JRの夜行急行「利尻」が廃止された今日において、札幌~稚内間唯一の夜行交通機関として立派に機能していることを改めて実感しました。
【乗車データ】
- 乗車日:2016/04/23
- 乗車区間:
稚内駅前ターミナル→札幌駅前 - 運行会社:宗谷バス
- 車両:三菱/エアロクイーンⅠ(KL-MS86MP)
- 年式:不明
- 所属:稚内営業所
- 社番:665
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