京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 乗車記 【追記あり】

夜行バス,高速バス乗車記

全国有数の激戦区間もいえる関東~関西間の高速バス。
その中でも、今回は「通が選ぶ路線」ともいうべき路線をご紹介します。
その路線とは・・・こちら↓。

京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553

神姫バス「プリンセスロード」 1188

京王バス東と神姫バスが共同運行する東京新宿・渋谷~神戸三ノ宮・姫路間夜行高速バス「プリンセスロード」です。
高速バス部門ではお互いベテランの部類にある事業者同士が手を組んでいますが、この「プリンセスロード」、実は結構複雑な変遷を辿っています。

東急との共同運行から京王バスとの共同運行へ・・・

元々この路線は、東京渋谷~神戸三ノ宮・姫路線として、東京急行電鉄(→東急バス)神姫バスが1989年3月3日に運行を開始。
東急バス「ミルキーウェイ」 4123
東急は同社の夜行高速バス統一名称「ミルキーウェイ」を使用し、一方の神姫バスも「プリンセスロード」を同社夜行高速バスの統一名称として用いていました。

その後、1998年7月に東急バスが運行から撤退して以降は、神姫バスが単独で運行を続けますが、そんな中、2003年12月に京王バス東と神姫バスが「新宿~神戸三ノ宮・姫路線」を開設。
東京~神戸三ノ宮・姫路間は2路線体制となります。
しかし、これでは効率が悪いと考えたからなのか、4年後の2007年3月に両路線を統合し、「新宿・渋谷~神戸三ノ宮・姫路線」としてリニューアルします。
その後、加古川駅停留所の新設や、バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)への乗り入れを経て、現在に至ります。

ハイグレードのいすゞガーラHDはお勧め???

やって来たのは、新宿駅南口のバスタ新宿(新宿高速バスターミナル)。
バスタ新宿_01

バスタ新宿_02

バスタ新宿_03

バスタ新宿_04
オープンしてから間もなく2年が経とうとしていますが、この2年で「新宿発の高速バス=バスタ新宿」という程までに知名度は上がったのでしょうか・・・。

今回乗車したのは、東京新宿発姫路行きの京王バス東担当便。
写真の車両が充てられていました。
京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553
2015年式のいすゞガーラHD夜行高速仕様(QTG-RU1ASCJ)です。
同社は、これまでに三菱ふそう製や日野ブランド(セレガ)のj-bus製車両を導入していますが、いすゞブランドj-bus製の高速路線用車両導入はこの車両が初となりました。
いすゞブランドということで、導入当初はバスファンから注目を集めた車両でもあります。

神戸三ノ宮経由姫路行きは、D10番のりばから発車します。
発車の10分前にはバスが入線。
改札が始まります。
京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 バスタ新宿改札中

京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 前面

早速車内に入ってみましょう。
京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 車内

京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 シート
車内は、3列独立シート28人乗りの夜行高速バス標準仕様となっていますが、シートが可動式枕付きの最新タイプを採用しており、シートクッションも柔らか過ぎず固過ぎずといった感じで、座り心地は私好みでした。
トイレを覆うカーテンを装備している他、各座席には座席コンセントも完備。
窓側には通路カーテンも装備するなど、通常の3列シート夜行高速バスにしてはハイグレードな印象を受けます。

各座席のシートポケットには、使い捨てのおしぼりと紙スリッパも入っていました。
京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 使い捨てのおしぼり&紙スリッパ

バスタ新宿で定員(28名)の約半数の乗客を乗せたバスは、定刻22時30分にバスタ新宿を発車し、明治通りを渋谷へ向けて走ります。
22時55分、渋谷マークシティに到着したバスは、残りの乗客を乗せ、定刻23時00分に発車。
発車後、乗務員からの自己紹介と簡単な案内の後に、自動放送による各種案内放送が流れます。
気が付くと、バスは首都高速道路から東名高速道路に入るところでした。

23時15分、東京インターを通過して東名高速道路へ。
ここからは東名高速道路~新東名高速道路~伊勢湾岸自動車道~東名阪自動車道~新名神高速道路~名神高速道路~阪神高速を経由し、神戸三宮まで直行します。

23時40分、バスは海老名サービスエリアに到着。
こちらでは消灯前の開放休憩が10分間設定されています。
京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 海老名サービスエリアにて
誤乗車防止と人数把握のために、外に出る場合は乗務員から休憩用の番号札を受け取り、用事が終わってバスに戻った時に番号札を返却するという方式を採っています。
番号札も、バスの前面部の写真と車番を記載するなど、かなりのこだわりの入れ様でした。

23時50分、乗客が全員戻ったところで場はバスは発車。
その後、23時56分に車内は消灯となりました。
途中、土山サービスエリアでの乗務員交代時に目が覚めましたが、それ以外はぐっすりと眠ることが出来、朝目覚めるとバスは阪神高速を神戸三宮へ向けて走行しているところでした。

5時50分、車内灯が一旦灯され起床。
同時に案内放送が流れ、暫くすると乗務員から間もなく神戸三ノ宮に到着する旨の放送がありました。
5時55分、定刻よりも10分早くバスは神戸三ノ宮の神姫バスターミナルに到着。
こちらでは約半数の乗客が下車していきました。
と同時に、こちら神戸三ノ宮神姫バスターミナルは開放休憩場所にもなっており、10分間の休憩時間となりました。
神戸三ノ宮 神姫バスターミナル

京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 神戸三ノ宮にて その1

京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 神戸三ノ宮にて その2

京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 神戸三ノ宮にて その3
早朝のバスターミナルで開放休憩というのも珍しい気がするのですが、まもなく動き出そうとしているバスターミナルの雰囲気味わえたという点で、かえって新鮮に映りました。

6時05分、バスは神戸三ノ宮神姫バスターミナルを発車。
再度消灯なります。
神戸三ノ宮からは、生田川ランプから再度阪神高速3号神戸線に入り、その先は加古川バイパスを加古川駅へ向けてひた走ります。
7時09分、加古川駅に到着。
こちらでは2名下車していきました。
その後、姫路バイパスに入りますが、朝の渋滞に巻き込まれ、結局終点の姫路駅には、定刻の8時00分に到着しました。
京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード) 81553 姫路駅到着
バスを降りて乗務員からトランクに預けた荷物を受け取ると、通勤・通学客で賑わう平日の姫路駅の光景が。
「あっ、今日は平日なんだなぁ。」と我に返るのでありました。

姫路駅の2階に上ってみると、メイン通りを行き交う神姫バスの背後に姫路城が。
姫路駅 神姫バスと姫路城
この景色に、改めて元気をもらった気がしました。

以上、京王バス東「新宿神戸姫路線」(プリンセスロード)の乗車記をお届けしました。
今回、久しぶりに京王の夜行高速バスに乗車しましたが、過不足無い案内と車両レベルの高さという点において、長年高速バスを運行している事業者の安定感というか、安心感というものを改めて感じました。
特に今回は、2015年に導入された新型ガーラHD夜行高速車に注目していたのですが、この車両、3列独立シートの夜行高速仕様車の中ではハイグレードの部類に入るのではと感じました。
設備自体は、3列独立シートにコンセント、通路カーテン付きと、目立ったセールスポイントは無いように見えますが、シートの座り心地が良いのと、ここ最近リクライニングの角度を浅く設定する車両が多い中で、しっかりとリクライニングしてくれるという点で、お勧め出来るバスです。
いわば、「夜行バスの基本に忠実な車両」ともいえるかもしれません。
JRバス「ドリーム号」程に目立った存在ではありませんが、「通が選ぶ夜行バス」のひとつとして挙げても良いのではと思いました。

今度は阪急観光バスと共同で運行している「新宿大阪梅田線」で乗車して見たい気もしますが、機会があれば再度この路線とこの車両に乗車してみたいですね。
それほどまでに、久しぶりに快適と感じた夜行高速バスでありました。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2018/02/08
  • 乗車区間:
    バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)→姫路駅
  • 運行会社:京王バス東
  • 車両:いすゞ/ガーラHD(QTG-RU1ASCJ)
  • 年式:2015年式
  • 所属:世田谷営業所
  • 社番:81553



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