函館バス「函館江差線」を見てみる

一般路線バス

北海道南部(道南)最大の都市「函館」と桧山振興局の基幹都市「江差」。
これら両地間をダイレクトに結ぶ路線バスが、今回ご紹介する函館バス(本社:函館市)の「函館江差線」であります。

函館バス「函館江差線」 E4475 その1

古くから利用されているこの路線ですが、実は私、この路線に乗車したことは一度も無く、「果たしていつ乗車出来るのだろうか・・・」と事ある毎に思っていたのですが、先日函館・木古内・江差方面へ出かける機会があり、それならば「折角だから函バスの函館江差線に乗車しておこう!」ということで、江差発の最終便に乗車してみました。

函館バス「函館江差線」とは?

先日の通り、函館バスが「函館江差線」は、函館と江差をダイレクトに結ぶ一般路線バスです。
函館江差間の国道227号をひた走る運行経路となっており、途中、北斗市大野や中山峠、厚沢部町鶉、江差病院前(道立江差病院)などを経由します。
所要時間は約2時間半。
運行距離的には100km弱とさほど長くはありませんが、函館市内、北斗市内での走行時間が長いことから、運行距離の割には乗車時間が長く感じます。
「函館江差線」は函館バス函館営業所と江差営業所の共管路線になっており、車両は郊外型ワンステップバスや瀬棚線代替バス・函館長万部線などで活躍していた観光型車両(三菱エアロバススタンダードデッカーなど)が使用されています。
因みに、以前はこの様な貸切お下がりと思しき車両も投入されていました。
函館バス「函館江差線」 T3376

函館江差線に乗車してみる

やって来たのは、江差町郊外の上ノ国町側に位置する、函館バス江差ターミナル。(写真はイメージです。)
函館バス 江差ターミナル
ターミナルといっても、実態は函館バスの営業所になりますが、バス待合所や窓口も完備されています。
聞くところによると、この江差ターミナルが建てられたのは昭和40年代とのこと。
日本海の海風に耐えながら築40年以上も経過しているのですね。

待合室にはストーブも置かれており、「古き良き時代のバス発着所」の雰囲気を今日に至るまで残し続けています。
函館バス 江差ターミナル 待合所 その1

函館バス 江差ターミナル 待合所 その2

函館バス 江差ターミナル 待合所 その3

函館バス 江差ターミナル 待合所 その4

今回乗車したのは、かつて瀬棚線代替バスや「函館長万部線」などで活躍していた三菱エアロバススタンダードデッカー(KC-MS815S)。
トイレこそ付いてはいませんが、リクライニングシートが完備された、一時期道内の鉄道代替バスで採用されていた仕様を踏襲しています。
※写真はイメージです。
函館バス「函館江差線」 T3383

函館バス「函館江差線」 T3384 車内

江差ターミナルを発車したバスは、旧江差駅を経由せずに、桧山振興局裏の住宅地から江差町の中心街へと入っていきます。
海岸沿いの「姥神町フェリー前」に停車した後は、海沿いの国道228号~国道227号を江差病院前へ。
江差病院からは内陸に入り、国道227号を北斗市、函館市方面へひた走ります。
途中、厚沢部町内で若干の乗降があるものの、車内は私を含めて数名と寂しい状態のまま、中山峠を越えて北斗市大野へと入っていきます。

北斗市大野からは、路線の性格が郊外線から市内路線バスへと変わります。
所々で乗降はあるものの、週末の夜ということもあってか、車内は寂しい状態のままです。
七重浜からは交通量も増え、ようやく函館市内に入って来たことを実感。
万代町の跨線橋を越え、函館一の繁華街「五稜郭地区」へと向かいます。
以前はガス会社前から函館駅前方面へ直行していましたが、2015年11月実施のダイヤ改正で経路変更が実施され、全便五稜郭経由になりました。
五稜郭で私を除く全員が下車し、車内は私一人の貸切状態に。
その後は函館市電に並行する形で函館市内を走行し、江差から約2時間20分かけてバスは函館駅前(函館駅前ターミナル)に到着しました。
函館バス「函館江差線」 T3384

というわけで、函館バスの一般路線バス「函館江差線」をご紹介しました。
今回初めて乗車したこの路線ですが、正直ブルーな気持ちになりました。
函館~江差間をショートカットしている路線にも関わらず、何故に乗客が少ないのだろうか・・・と。
もっと利用があっても良いのではないか・・・と。
私が乗車した限りで感じた一番のデメリットは、やはり「ショートカットしているにも関わらず所要時間が長すぎる」ということでしょうか。
五稜郭や市立函館病院、道立江差病院など、利用者が居そうな場所に停車してはいるのですが、何せ函館~江差間の所要時間(約2時間半)が長い。
自家用車であれば国道経由でも1時間半弱で移動出来る区間なだけに、函館~江差間の移動の主役は自家用車に取って代わっているのかもしれません。
主要停留所のみに停車する「快速便」にリニューアルする方法もありますが、「快速便」にしたところで果たして乗客増が見込めるのか・・・という話もありますし、難しいところではありますね。
ですが、少なくとも函館市内、北斗市内の利用者が少ない停留所を通過扱いするなど、所要時間短縮の努力をしない限り、今後もじり貧状態が続くのではと思いました。

JR江差線が無くなった今、函館バス「函館江差線」は函館~江差間を乗り換えなしで移動出来る唯一の交通機関です。
取り巻く環境は今後更に厳しさを増すでしょうが、道南最大の街へのアクセスが断たれることがないことを、一利用者、一バスファンとして切に願いたいものであります。


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