北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 乗車記(2013年12月乗車分)

夜行バス,高速バス乗車記

大阪バスグループの北海道バスが2013年4月24日に運行を開始した、札幌~釧路間の都市間バス「釧路特急ニュースター号」

北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993

開業当初、何かと苦戦していた同路線ですが、口コミやJR北海道の諸問題の影響で、徐々にではありますが利用客を獲得しつつあります。

そんな中、今年の12月10日にダイヤ改正を実施しました。
今回のダイヤ改正のポイントは2つ。
一つは、北海道有数の繁華街「すすきの」に、「市電すすきの前」という停留所が新設されたことです。
地下鉄南北線すすきの駅や札幌市電すすきの電停に程近く、歓楽街やビジネスホテルへのアクセスにも便利な場所にあります。
そしてもう一つが、これからご紹介する昼行便の新設です。
昼行便の新設については、以前ご紹介した夜行便の乗車記も書きましたが、予てから噂されており、北海道バス側も昼行便運行に関しては視野に入れていたと思います。
このニュースを聞いたとき、個人的には「ようやくか・・・」と思いましたが、何はともあれ「乗車してみないことには始まらない!」ということで、釧路発の昼行便に早速乗車してきました。

釧路側の始発は高校前のバス車庫

今回訪れたのはこちら。
釧路湖陵高校前 太平洋交通車庫
釧路市鶴ケ岱にある、業務提携先の太平洋交通の車庫です。
釧路地区一の進学校「釧路湖陵高校」の前にあり、ここに「湖陵高校前」バス停があります。

で、今回乗車した車両はこちら↓。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 釧路湖陵高校前にて

北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 リア 釧路湖陵高校前にて
大阪バスグループ共通の「ニュースター専用カラー」を纏った三菱エアロエース(QRG-MS96VP)です。
全国的もこのカラーリング、御馴染みになりつつありますね。

車内はこの様になっておりまして・・・・・
北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 車内 その1

北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 車内 その2

北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 シート
後部トイレ付き3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様になっているのですが、北海道内の都市間バスでは唯一ともいえる「通路カーテン」と「座席コンセント」を装備しています。
本州の夜行バスでは当たり前の装備になりつつありますが、こと北海道内の都市間バスに関してはこれまで採用された例が殆ど無く、実質この車両が道内の都市間バスで初めての採用になります。
「回りを気にせずに休みたい」方や、携帯電話・スマートフォンユーザーにとっては有難い設備ですね。
特に昼行便ではありがたい設備かもしれません。

では、乗車時の模様を簡単にご紹介。
始発の湖陵高校前からの乗車は私一人のみで、その後の釧路駅前、鳥取大通3丁目、大楽毛駅に停車するも乗車客はおらず、「もしかすると私一人の貸切状態?」と嫌な予感がします。

バスは釧路市内を抜けると、左手に太平洋を見ながら国道38号線を進んでいきます。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 車窓 太平洋沿い 国道38号

釧路市内を出発して約50分後、白糠駅前(北海道銀行前)に停車しますが、ここでも乗車客は無し。
結局、私一人のみで札幌へ向かうことになりました。
久しぶりの3列シート車独り占め状態、何だか複雑な気分です。
運行を開始したばかりとはいえ、本格的な利用促進活動が必須ですね。

バスはこの先、国道38号線~国道242号線を経由して、道東自動車道池田インターへと向かいます。
湖陵高校前を出発して約2時間弱、バスは最初の休憩地である「道の駅うらほろ」に到着。
ここでは約15分の休憩時間が設定されています。
この道の駅には売店があり、地元特産品やパン・お菓子類・飲み物類が販売されています。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便

北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 道の駅うらほろにて

休憩が終ったところで、バスは札幌へむけて出発。
引き続き国道38号線をひた走ります。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 車窓 浦幌町内 国道38号
やがてバスは豊頃町から池田町に入り、池田インターより道東自動車道に入ります。
暫くは落ち着いた天候でしたが・・・
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 車窓 池田町内 道東自動車道
十勝清水インター手前より、吹雪が酷くなっていきます。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 車窓 清水町内 道東自動車道
次第に横風も強くなり、バスも風に煽られながら峠を上っていきます。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 車窓 清水町内 道東自動車道 その2
スリリングな山坂の高速道路を駆け抜けて、バスは2回目の休憩地である占冠パーキングエリアに到着します。
定刻ですと16時前後に到着といったところでしょうか。
まあ、とにかくこの時は雪が凄かったです・・・ww。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 占冠サービスエリアにて

15分間の休憩も終わり、バスは再び札幌へ向けて出発します。
ところが実はこの先、吹雪の為に通行止め。
夕張インターまで下道を走行することになります。
外はすっかり日が暮れ、視界も悪くなっていきます。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」昼行便 車窓 占冠村内 道道136号

約50分かけて夕張インターまで進み、ここからは再度道東自動車道を札幌へ向けてひた走ります。
所々降雪はあるものの、峠ほどの酷い雪の降り方ではなかったためか、その後は順調に進んでいきます。
しかし、札幌市内に入ったところで、雪は再び酷くなっていきます。

18時過ぎ、バスは札幌南インターを通過。
その後、札幌北インターで高速道路を降り、国道5号線~231号線創成川通りを経由し、札幌市内へと入ります。
最初の停留所である大通市営バスセンターを通過し、定刻約1時間遅れでバスは札幌駅前に到着しました。
北海道バス「釧路特急ニュースター号」・993 札幌駅前到着
予定では終点の市電すすきの前まで乗車する予定でしたが、降雪が酷いのと急用が出来たために止む無くここで下車。
久しぶりのスリリング(?)な冬場の都市間バスの旅を堪能させていただきました。

というわけで、「釧路特急ニュースター号」昼行便の乗車の模様を簡単にご紹介しましたが、今回乗車してみて思ったこと。
以前夜行便に乗車したときにも書いたのですが、再度書こうかなぁ・・・。
私的にはいろいろと思うことがあるのですが、一言で言うと

「立派なリソースがあるだけにもったいない!」

これに尽きるでしょうか。

最新型の良い車両・良い車内設備を誇っているのに、どうもリソースを十分に生かしきれていない印象があるんですよね~。
ご存知の通り、北海道においては、中央バス連合「Rakutoku Bus 13」の力が圧倒的に強いです。
その中央バス連合に真っ向勝負を挑んだとしても、まともに勝てる訳ないわけで、ではどうすれば、利用客が付くようになるのか・・・・

「戦略・戦術は?」
「営業活動は?」
「知名度を上げる努力は?」

これを突き詰めて考え、実行していくしかないと考えます。

前にも書きましたが、大阪バスグループが「ニュースター号」というブランドをどの様な戦略で育てていくのか、方向性をしっかり持つ必要があると思うんですよね。
ウィラーの様な全国ネットワークを目指しているのか?それとも単なるオイシイどこ取りで終始してしまうのか・・・・
その辺の方向性・戦略が出来ていないと、中途半端な路線展開に終わってしまうのではないのかと今回思いました。
なので、まずは「ニュースター号」としての方向性をしっかり決めて、その上で

・どの利用者層をターゲットにするのか
・その地域はターゲットとする利用者層が多いのか?少ないのか?
・ライバル交通機関の現状は?今後の予想は?
・サービスはどうするのか?他社との違いをどう出していくのか?
・営業活動はどうするのか?
 地上戦メインで行くのか?空中戦メインで行くのか?それとも効率よく両立させるのか?
・WEBを活用するのであれば、どういった流れで自社サイトへ誘導し、更に販売サイトへ誘導&クロージングしていくのか?

などといった戦略・戦術を立てて、出来るところから実行していく必要があるでしょうね。

ただ一方で、北海道地区における「ニュースター号」の知名度に関しては、徐々にではあるようですが存在が知られてきているようです。
現に「函館特急ニュースター号」では、函館駅・五稜郭地区の利用客を徐々に増やしている(逆に中央バス陣営の「高速はこだて号」が「函館特急ニュースター号」に乗客を食われ始めている)という話も聞きますし、「釧路特急ニュースター号」に関しても週末を中心に徐々に利用客が付いてきているという新聞報道がありました。
繰り返しになりますが、「ニュースター号」の方向性をもう一度確認し方向性を定めること、そして新聞折込や回覧板、更には企業・専門学校・大学訪問といった、特に地方での集客活動をしっかり行っていけば、今の大阪バスグループの力をもってすれば、ある程度のシェアを獲得することは可能だと思っています。
少なくても、ハード面においては、北海道内の既存事業者よりも上をいっているのですから。
ともあれ、北海道バスの「ニュースター号」が今後どの様な展開を見せるのか、私としても注目していきたいですね。
そんなことを思った、今回の「釧路特急ニュースター号」昼行便の旅でございました。


【お知らせ】
「釧路特急ニュースター号」のご予約は、日本旅行「バスぷらざ」で。



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