伊予鉄道「新居浜特急線」で行く「鉄道歴史パーク in SAIJO」

高速バス乗車記,一般路線バス,鉄道

前々回の記事の続きになります。


愛媛県東予地方に位置し、西日本最高峰「石鎚山」の麓に位置する愛媛県西条市
その西条市に、鉄道ファンであれば一度は訪れておきたい施設があるのをご存知でしょうか。
その施設とは・・・鉄道歴史パーク in SAIJO
資料館、鉄道展示施設、観光交流センターから成る鉄道関連複合施設であります。

四国といえば、新居郡中村(のちの中萩町、現在の新居浜市)出身で、新幹線建設に尽力した第4代日本国有鉄道総裁十河(そごう)信二氏のゆかりの場所であります。
こと西条市に至っては、戦後1年間ではありますが西条市長を務められたこともあり、同氏は西条市名誉市民第一号にもなっています。

私自身、実は恥ずかしながらこの施設の存在を知人から教わるまで知りませんでした。
この度、松山での交通系ベントが午前中で終了したということもあり、折角だからということで「鉄道歴史パーク in SAIJO」へ行ってみることにしました。

かつての高速用車両で快適な一般路線バスの旅

今回は、松山から西條までの移動の足として、伊予鉄道の特急バス「新居浜特急線」を利用することにしました。
やって来たのはJR松山駅。
伊予鉄道関連の高速・特急バスは伊予鉄松山市駅を始発とする路線が多いのですが、「新居浜特急線」はJR松山駅が始発となります。

路線バス「松山新居浜特急線」は、伊予鉄道と瀬戸内運輸(せとうちバス)が共同で運行します。
私が乗車したのは、JR松山駅13時20分発の伊予鉄道担当便。
こちらの車両に乗車しました。
伊予鉄道「新居浜特急」 ・198
かつて「ホエールエクスプレス」などの四国島内高速路線や松山~神戸線などで活躍していた日野セレガR-FD(KL-RU4FSEA)です。

車内は4列シート40人定員の昼行高速仕様となっています。
伊予鉄道「新居浜特急」 ・198 車内
路線転用に伴いトイレは閉鎖されましたが、夜行バスのシート並みに倒れるリクライニングシートとフットレストは健在です。
車内前方には一般路線用のデジタル運賃表と運賃箱が設置された他、到着予定時刻などを知らせる案内表示も設置されています。

松山を発車すること約1時間40分で、バスは西条駅前に到着します。
伊予鉄道「新居浜特急」 ・198 西条駅前到着

伊予鉄道「新居浜特急」 ・198 西条駅前停車中
快適な車内で移動時間の1時間40分はあっという間に過ぎました。
乗客を降ろしたバスは、晴天のもと終点の新居浜へ向けて出発していきました。

鉄道の歴史と文化が学べる施設

お目当ての「鉄道歴史パーク in SAIJO」は、西条駅に隣接しており、先述の通り、資料館、鉄道展示施設、観光交流センターから成る鉄道関連複合施設となっています。
まずは北エリアから見ていくことにします。
四国鉄道文化館 北館 その1

四国鉄道文化館 北館 その3

四国鉄道文化館 北館 初代0系新幹線

四国鉄道文化館 北館 初代0系新幹線 車内

四国鉄道文化館 北館 初代0系新幹線&DF50形ディーゼル機関車

四国鉄道文化館 北館 DF50形ディーゼル機関車

四国鉄道文化館 北館 その8
中核施設となる「四国鉄道文化館」北館です。
大胆な木造建築のが特長で、館内には昭和39年の新幹線開業時に登場した初代0系新幹線と、主に四国で活躍し、準鉄道記念物に指定されている「DF50形ディーゼル機関車」1号機が展示されています。
特に、「DF50形ディーゼル機関車」は、日本でただ1台走行可能な状態で保存されているそうで、隣接するJR予讃線から分岐された軌道が館内に引き込まれています。
この他にも鉄道関連施設やJR四国8000系パンダグラフ、軌道自転車(JR四国愛称:レールスター)、C58形蒸気機関車主動輪、懐かしい鉄道グッズなどが展示されています。

四国鉄道文化館 北館 その2 「十河(そごう)信二記念館」
「四国鉄道文化館」北館の隣には、第4代日本国有鉄道総裁十河信二氏の記念館があります。
十河信二氏の遺品及び関連資料が展示されている他、玄関前と館内に伊藤五百亀作の十河信二胸像が展示してあります。

この他、写真はありませんが、「四国鉄道文化館」北館の向かいには観光交流センターがあります。
昭和8年に建造された倉庫を改築した建物で、西条市の観光情報の発信拠点になっています。
西条の産業や祭りなどを紹介している他、西条市内の特産品やお土産、鉄道グッズを販売するコーナーもあります。

フリーゲージトレインが展示してある南側エリア

続いて、南側エリアを見てみることにします。
JR予讃線の跨線橋を渡ったところにある南側エリアには、2014年7月20日に開設された「四国鉄道文化館」南館があります。
四国鉄道文化館 南館 「フリーゲージトレイン」第2次試験車

四国鉄道文化館 南館 その2

キハ65形急行用気動車&C57形蒸気機関車

四国鉄道文化館 南館 キハ65形急行用気動車 車内

四国鉄道文化館 南館 その5
南館は、四国の沿線風景を再現した大型鉄道ジオラマや、鉄道標識・信号機、車両の動輪の実物展示されています。
北館と比べて、家族連れでも楽しめる幅広い展示内容が特長です。
中でも目を引くのが、屋外に展示してある新幹線と在来線の軌間が走行可能な「フリーゲージトレイン」第2次試験車。
主に四国島内や九州で走行試験が行われた車両で、約4年間活躍しました。
ゆかりの地で展示されているという点で、鉄道ファンにとっては何か感じるものがあるのではないでしょうか。
車両展示場には、ファンから『貴婦人』と呼ばれる「C57形蒸気機関車」や、往年の国鉄急行列車「キハ65形急行用気動車」、一貫して四国で活躍した「DE10形ディーゼル機関車」1号機が展示されています。

というわけで、鉄道歴史パーク in SAIJOについて簡単に紹介しました。
この施設、さいたま大宮、名古屋、京都にある鉄道展示施設と比較すると規模は小さいですが、四国の鉄道にゆかりのある濃い展示内容は一見の価値があるという印象を受けました。
(個人的には、「フリーゲージトレイン」第2次試験車が見られたのが一番の収穫でした。)
入場料も300円とお手頃価格ですし、南側エリアは広場もありますので、特に家族連れにはうってつけの施設なのではないでしょうか。
残念ながら今回は1時間程の滞在時間しか取れませんでしたが、次回訪問の際はもう少し滞在時間を確保してじっくり見て回りたい・・・そう思わせる様な鉄道施設でした。
いよ西条を訪れた際は、是非一度訪問してみてはいかがでしょうか。

鉄道歴史パーク in SAIJO
■四国鉄道文化館(北館・南館)
開館時間:9時~18時
(最終入館:午後5時30分)
休館日:水曜日
※水曜日が祝祭日の場合は翌日休館
入館料(北館・南館共通券)
大人・高校生:300円
小・中学生:100円
※20人以上の団体2割引、就学前児童は無料
障害者手帳をお持ちの方および、その介護者1名は無料 TEL(直通)

■十河信二記念館
開館時間:9時~18時
(最終入館:午後5時30分)
休館日:水曜日
※水曜日が祝祭日の場合は翌日休館
入館料:無料

■観光交流センター
開館時間:9時~18時
(物産販売コーナー:午後5時30分まで)
休館日:年中無休
入館料:無料

尚、「鉄道歴史パーク in SAIJO」について詳しくはこちらにてご確認願います。


【おまけ】
復路は、瀬戸内運輸(せとうちバス)担当便で松山へ。
阪神バスから移籍して来たと思われる三菱エアロバス(KC-MS829P)がやって来ました。
瀬戸内運輸「特急新居浜松山線」 5321

瀬戸内運輸「特急新居浜松山線」 5321 車内

瀬戸内運輸「特急新居浜松山線」 5321 松山市駅到着
決して悪くはないのですが、乗るのであれば伊予鉄道担当便が無難といったところでしょうか。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2016/05/15
  • 乗車区間:
    JR松山駅→西条駅前
  • 運行会社:伊予鉄道
  • 車両:日野/セレガR-FD(KL-RU4FSEA)
  • 年式:2001年式
  • 所属:松山斎院営業所
  • 社番:198
【乗車データ】 
  • 乗車日:2016/05/15
  • 乗車区間:
    西条駅前→伊予鉄松山市駅
  • 運行会社:瀬戸内運輸
  • 車両:三菱/エアロバス(KC-MS829P)
  • 年式:2005年式
  • 所属:新居浜営業所
  • 社番:5321


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