JRバス東北「仙台・新宿号」乗車記

昼行高速バス,高速バス乗車記

既存組・移行組問わず、昼夜数多くの便数が運行されている東京~仙台間の高速バス。
東京駅八重洲口を発着する東北急行バス「ニュースター号」「スイート号」「ホリデースター号」や、「広瀬ライナー」(京王電鉄バス・宮城交通)、「WILLER EXPRESS」、「桜交通」、「キラキラ号」などなど、路線を挙げるとキリがないのですが、今回はその中から、JRバス東北(本社:仙台市)が運行する東京新宿~仙台間昼行高速バス「仙台・新宿号」を取り上げます。(写真はイメージです。)

JRバス東北「仙台・新宿号」 1155

かつての「政宗号」から続くJRバス新宿~仙台線の歴史

まずは、「仙台・新宿号」について簡単に触れておきましょう。
「仙台・新宿号」の元々の起源は、JRバス東北の他、JRバス関東、東北急行バスの3社が共同で運行していた高速バス「政宗号」でした。
1990年に1日3往復体制で運行を開始したのですが、その2年後の1992年にJRバス関東が撤退し、運行支援に回ります。
2003年には夜行便「ドリーム政宗号」が運行を開始、2008年3月末には東北急行バスが運行から撤退し、翌4月1日よりJRバス東北が単独で「仙台・新宿号」として新たに運行を開始します。
その後、「仙台・新宿号」の一部の便に3列シート車が投入され、現在は「仙台・新宿号」「ドリーム政宗号」合わせて計5~7往復運行されています。

今回乗車したのは、新宿10時30分発の「仙台・新宿3号」。
始発地の新宿駅新南口JR高速バスターミナルへ向かいます。
このバスターミナル、名称こそ「新宿駅新南口」と名乗っていますが、実際にはJR代々木駅東口のすぐ傍にあります。
JR利用ですと代々木駅下車が便利なのですが、東口構内の階段を上り下りする必要があるため、重たい荷物を持っての移動は意外と難儀します。

10時20分、定刻10分前にはバスが入線、改札が始まります。
今回乗車した車両はこちら↓。
JRバス東北「仙台・新宿3号」 1154 新宿駅新南口にて
「ドリーム政宗号」などと共通運用のいすゞガーラⅠ(KL-LV774R2)です。
今回、車内が満席のために、車内の撮影が出来なかったのですが、車内は3列独立シート29人乗りの夜行高速仕様となっています。
車内後部にトイレがある関係上、シートピッチが狭い他、リクライニングの角度も浅めの設定ですが、東京~仙台約5時間程の昼間のバス旅であれば、この設備でも十分といえるでしょう。
因みに、この日は帰省シーズンということもあって2台運行で、2号車には「ブルーシティ」(仙台~青森)や「キャッスル」(仙台~弘前)などで活躍するトイレ付き4列シート仕様の三菱エアロエースが充てられていました。

10時35分、定刻よりも5分遅れてバスは新宿駅新南口(代々木)を発車。
早速、自動音声による案内が行われた後、乗務員による自己紹介と補足説明が行われます。
過不足無く丁寧な説明には好感が持てますね。
バスはその間、明治通りを王子まで走行後、王子北ランプから首都高速道路に入り、川口JCTからは東北自動車道を仙台へ向けてひた走ります。
途中まではスムーズな流れだったのですが、最初の休憩地である羽生パーキングエリアの手前から渋滞が始まり、結局羽生パーキングエリアに到着したのは、約20分遅れの12時11分。
ここでは15分間の休憩時間が設定されています。
大半の乗客がバスを降り、トイレや買い物を済ませていきます。
JRバス東北「仙台・新宿3号」 1154 羽生PAにて
パーキングエリア駐車場はほぼ満車状態。
バスの駐車エリアのみが若干空きがあるといった状態でした。

12時26分、乗客が全員揃ったところでバスは発車します。
再び東北自動車道を仙台へ向けてひた走ります。
約20分遅れていますが、バスは安全運転に徹します。

13時37分、バスは2度目の休憩地である黒磯パーキングエリアに到着します。
本来であれば、その先の那須高原サービスエリアで休憩するのですが、この日は遅延による連続運転時間抵触防止のため、休憩場所が変更になりました。
ここでも15分間の休憩時間設けられ、多くの乗客がバスを降りて気分転換していました。
私もパーキングエリア内のコンビニで栃木名物「レモン牛乳」を購入し、バスを撮影後に車内へ戻ります。
JRバス東北「仙台・新宿3号」 1154 黒磯PAにて

13時52分、乗客が全員揃ったところでバスは発車します。
ここから先は比較的アップダウンとカーブが続く区間。
ハンドルを握る乗務員も気を引き締めてバスを進めていきます。

白河、須賀川、郡山、福島と見覚えのある風景を眺めながら、バスは引き続き仙台へ向けてひた走ります。
そして15時23分、バスは白石インターの手前にある国見サービスエリアで最後の休憩停車を行います。
JRバス東北「仙台・新宿3号」 1154 国見SAにて その1

JRバス東北「仙台・新宿3号」 1154 国見SAにて その2
この時点で約30分の遅れ。
仙台での新幹線乗り継ぎが危うくなってきました。

15時38分、乗務員が人数チェックを行い、バスは発車します。
仙台まであと約1時間、ラストスパートです。
16時13分、仙台南インター流出し、ここで東北自動車道とはお別れです。
この先は仙台市内の一般道路を仙台駅東口へと向かいます。
そして16時34分、定刻より約30分遅れでバスはJR長町駅東口に到着しました。
本来であれば終点の仙台駅東口まで乗車する予定でしたが、先述の新幹線の乗り継ぎを考慮して、「仙台・新宿号」とはここでお別れすることにしました。
名残惜しいですが・・・。
JRバス東北「仙台・新宿3号」 1154 長町駅東口到着
乗務員から荷物を受け取り、急いで長町駅へ。
東北本線の普通電車で仙台駅へ移動後、新幹線に乗り継いで次なる目的地へと向かうのでありました。

昼行高速バスの旅ならではの「良さ」を再認識

というわけで、JRバス東北「仙台・新宿号」の乗車記をお届けしました。
今回、久しぶりにJRバス東北の昼行高速バスに乗車しましたが、接客の丁寧さと定速をキープする運転技術の高さには目を見張るものがありました。
と同時に、3列独立シートで変化に富んだ車窓を眺めながら、サービスエリアで購入したものを食してゆっくり流れる時間を楽しむという、昼行高速バスの旅ならではの「良さ」を再認識した気がします。
「なんちゃって3列」と揶揄されるこの車両も、他路線で使用されている車両と比較すると車内設備の面で見劣りするかもしれませんが、東京~仙台間の距離・運行時間を考慮すると、昼行便に限っていえば現行の3列シート車で十分なのではないでしょうか。
残念ながら、今回は通路側の座席にアサインされたこと、そして車内が満席状態であったことから、移動中の車窓などの写真をご紹介することは出来ませんでしたが、次回は閑散期に乗車して、もう一度変化に富んだ車窓を楽しみたいですね。
JRバス東北の「仙台・新宿号」、便数・運賃・車内設備どれを取ってもお手頃で「オススメの路線」だと私は思います。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2014/12/31
  • 乗車区間:
    新宿駅新南口(代々木)→JR長町駅東口
  • 運行会社:JRバス東北
  • 車両:いすゞ/ガーラⅠ(KL-LV774R2)
  • 年式:2005年式
  • 所属:仙台支店
  • 社番:H671-05403


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