熊本電気鉄道「5000系電車」(通称:青ガエル)を改めて見てみる

鉄道

1954年(昭和29年)にデビューし、「青ガエル」の愛称で親しまれた東京急行電鉄「5000系」電車。
当時の日本の電車とは隔絶した高性能と軽快な車体スタイルが特徴で、愛嬌のある車体デザインは、多くの鉄道ファンを虜にしました。

東急では1986年(昭和61年)までに全車廃車されましたが、1970年代以降、地方私鉄に大量譲渡され、各地で活躍しました。
残念ながら、現在は殆ど見かけることはありませんが、そんな中、「青ガエル」5000系電車が今でも現役で活躍している鉄道会社が九州にあります。
それが、これからご紹介する熊本電気鉄道(通称:熊電)であります。(写真はイメージです。)
熊本電気鉄道 5000系電車

熊本電気鉄道に東急5000系電車がやって来たのは、今から34年前の1981年(昭和56年)。
この年に2両が移籍し、その4年後の1985年(昭和60年)に4両移籍してきました。
5000系電車は同社初のカルダン駆動方式の車両であり、当時は主力車両として活躍していましたが、老朽化の進行が速かったことに加え、車体強度の問題から冷房装置の搭載が困難なため、6000系電車に置き換えられて廃車が進んでいきます。
現在は、1985年(昭和60年)に移籍し、上熊本~北熊本間の折り返し運転用として残る5101A・5102Aの2両が在籍・活躍しています。

以前このブログで、名鉄バスの名古屋~熊本間夜行高速バス「不知火号」(2号車)の乗車記をご紹介しましたが・・・


実は2014年年末の九州への行先を熊本に決めた理由の一つに、「この電車にもう一度会いたかった。」というのがあります。
私が熊電の5000系電車に乗車したのは、今から5年前の2009年7月。
初めてその姿を見たとき、昭和の懐かしさと車体デザインに愛らしさを感じ、「いつかまた会いに来る!」と思っていたのですが・・・。
結局叶うことは無く、5年の月日がたってしまいました。
しかしながら、後述する引退の噂を耳にし、「この際もう一度会っておこう!」ということで、名鉄バスの「不知火号」で九州産交バス西部車庫に到着後、九州産交バスの路線バスとJR鹿児島本線を乗り継いで、熊電上熊本駅にやってきました。
熊本電気鉄道 上熊本駅 広告

熊本電気鉄道 上熊本駅ホーム
熊電上熊本駅のホームです。
単線1面式のホームですが、どことなく懐かしさを感じるのは私だけでしょうか。

上熊本~北熊本間は30分ヘッドにて運行されています。
やがて、北熊本方面から電車がやってきます。
「青ガエル」こと5000系電車の登場です。
熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 上熊本駅 入線

今回乗車したのは5102A形。
ワンマン運転に対応するために両運転台式に改造されており、5102A形は北熊本側が東急時代のまま、上熊本側は切妻の連結面に窓を設けた貫通型の形状になっています。
前面方向幕と「ワンマンカー」の字体が何ともいえませんね。
熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 上熊本駅にて その1

熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 上熊本駅にて その2

熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 上熊本駅にて その3

車内はこの様になっております。
熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 車内

熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 つり革
東急時代の面影を色濃く残しています。
所々でシートモケットが違うのは、廃車体の座席を流用しているのでしょうか・・・。
つり革の広告も、当時の東急時代のものをそのまま残しています。
この広告を見て、懐かしさを感じる人も少なくないのでは?

熊本電気鉄道 5000系電車 5102A形 幕式運賃表
車内の運賃表です。
2箇所設置されており、今時珍しい幕式運賃表を使っています。

外観・車内を一通り見たところで発車時刻になり、電車は定刻に発車します。
韓々坂、池田、打越、坪井川公園と停車し、10分弱で終点北熊本駅に到着します。
北熊本駅は熊電の拠点駅。
御代志・藤崎宮方面電車の乗り継ぎ駅になっていて、電車の車両基地も併設されています。
運が良ければ、予備の「青ガエル」や主力の6000系電車、200系電車をホームから見ることが出来ます。(写真はイメージです。)
熊本電気鉄道 6000系電車

北熊本駅での折り返し時間は僅か3分。
時間があれば御代志まで行きたかったのですが、今回は時間の関係で再び「青ガエル」で上熊本駅へ戻りました。
その間、往復僅か30分弱。
約5年ぶりの熊電上熊本~北熊本間の旅でしたが、昭和の雰囲気に浸れ、どことなく昭和の懐かしさを感じる、そんな熊電の5000系電車でございました。

最後に。
既に報道などでご存知の方も多いかと思いますが、この熊電5000系電車のうち1両(今回乗車した5102A形)が、老朽化を理由に2月下旬で運行を終了することが発表されました。
『「青ガエル」1両引退へ 熊本電鉄』(くまにちコム)
残る1両も2016年春までには引退する予定で、「青ガエル」の雄姿が見られるのも残り限られてきました。
後身の車両については現在のところ未定ですが、東京メトロ銀座線01系車両を譲り受け、改造工事を行った上で投入するのでは?という見方が大半です。
・「青ガエル」の雄姿を写真に収めたい
・「青ガエル」に乗ってみたい
という方、お早目の行動をお勧めいたします。
尚、熊本電気鉄道では、「青がえる引退記念企画」として、5000系電車の洗車・清掃体験や駅・周辺施設のメンテナンスが体験できる特別企画を行います。
2月8日、15日、22日(いずれも日曜日)の3回開催され、各日定員は20名、参加費用は税込10,580円となっております。
詳しくはこちらのPDF(「青がえる引退記念企画!」 電車のお仕事1日体験!!)にてご確認をお願いいたします。

お仕事体験企画へのお申し込みは・・・
熊本電気鉄道株式会社
鉄道事業部 関連事業課へ。
担当 市原様
電話 096-343-2552
平日 午前9時~午後5時30分
※電話での受付のみとなります。


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