夜行バス&鉄道ウォッチャー「ひろしプロジェクトWEB」

夜行バス&鉄道愛好歴30年以上のひろしプロジェクトが、これまで乗車してきた乗り物の乗車記や最新情報を紹介する総合サイトです。

こんにちは。ひろしプロジェクトです。
いつもこのブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

今や日本全国各地を張り巡らしている高速バス路線網。
特に、首都圏と大都市・地方都市を結ぶ夜行高速路線バスは、今やネットワークがほぼ完成したといっても過言ではないでしょう。
しかしながら、実は「首都圏との直通交通機関空白地帯」というのが少ないながらも存在したりします。
真っ先に思いつくのが、兵庫県の但馬地区。
バス会社で説明するならば、全但バス(本社:兵庫県養父市)のエリアになります。
以前は地元の貸切会社が高速ツアーバス形式で東京までの夜行バスを運行していた他、全但バスが東京~城崎間の夜行高速バス運行を計画しているという話を聞いたことがありますが、残念ながら実現には至っていません。
そして、もう一つの「首都圏との直通交通機関空白地帯」が、青森県の下北地区(むつ市・六ヶ所村・野辺地町など)になります。
県庁所在地の青森市からも遠く、東北新幹線七戸十和田駅や三沢空港からも80km以上離れているなど、首都圏へのアクセスは決して良くはありません。
その青森県下北地区と首都圏を結ぶ夜行高速バスが、2014年8月28日に運行を開始しました。
その名は「しもきた号」(東京~八戸・三沢・むつ線)

国際興業「しもきた号」 ・843 下北駅にて

国際興業「しもきた号」 ・843 リア 下北駅にて
東京~八戸・七戸線「シリウス号」の運行で実績のある国際興業(本社:東京都)が、曜日限定(東京発:木曜日~土曜日と繁忙期、むつ発:金曜日~日曜日と繁忙期)という形で運行します。

これまで、首都圏と青森県下北地区を結ぶ夜行バスといえば、地元の下北交通が繁忙期限定の「帰省バス」として運行していた他、地元の尻屋観光が高速ツアーバス形式で運行を行ったことがありますが、夜行高速路線バスという形で運行を行うのは今回が初めてとなります。
「しもきた号」の運行開始は、地元のマスコミに大きく取り上げられ、運行開始初日には、むつ側の始発地であるむつ市役所で開業式典と車両見学会が開催されたそうです。

夜行高速バス「しもきた号」出発式を開催(国際興業公式サイト)
夜行高速バス「しもきた号」出発式(八戸鉄道・バス研究会別館ブログ)

むつ市民のみならず、下北地区にとって念願の首都圏直行夜行高速路線バスの運行に寄せる期待は大きいようですが、「何はともあれ、まずは乗ってみないと!」ということで、早速乗車してきました。

やって来たのは、東京新宿の京王新宿高速バスターミナル。
「しもきた号」はここから発着します。
国際興業の高速バスといえば、東京駅や池袋駅西口(又は東口)を発着するというイメージを思い浮かべますが、同社の京王新宿高速バスターミナルを発着する路線としては、鶴岡・酒田線「夕陽号」東京駅発着便(曜日限定運行)に続いて、「しもきた号」が2路線目となります。

発車時刻は19時40分。
発車の10分前にはバスが入線してきます。
国際興業「しもきた号」 ・843 新宿高速BT入線

乗車した車両は、お馴染みのいすゞガーラSHD(QRG-RU1ESBJ)。
ハイデッカーで導入する事業者が多い中、あえてスーパーハイデッカーで導入するあたり、国際興業のこだわりを感じます。
国際興業「しもきた号」 ・843 新宿高速バスBTにて

国際興業「しもきた号」 ・843 前面 新宿高速バスBTにて

国際興業「しもきた号」 ・843 サイド 新宿高速バスBTにて

乗務員の改札を受け、車内に入ります。
車内はこの様になっておりまして、
国際興業「しもきた号」 ・843 車内

国際興業「しもきた号」 ・843 シート

国際興業「しもきた号」 ・843 座席コンセント
3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっています。
シートは可動式枕付きとなっており、リクライニング角度は若干浅いものの、座り心地は決して悪くはありません。
最近主流の通路カーテン、座席コンセントの他、車内中央部にはサービスコーナー(お茶のセルフサービス)が完備されており、長時間のバスの旅を快適に過ごすことができます。

そうこうしているうちに出発時刻になり、19時40分、定刻にバスは新宿高速バスターミナルを発車します。
ここからの乗車は私を含めて2名。
このあと大宮から1名乗車するとのことで、この日は3名で八戸・三沢・むつへと向かいます。
運行を開始してから日が浅いとはいえ、乗客が少ないですね・・・。

バスは一般道を走行後、中野長者橋ランプから首都高速道路中央環状線へ。
その後首都高速道路大宮線に合流し、さいたま大宮へと向かいます。

20時31分、大宮駅東口に到着します。
ここで1名が乗車し、発車。
出発後、自動放送による車内設備の案内と、乗務員による補足説明が行われ、その後10分程経過した20時45分、車内は消灯されます。
実はこの「しもきた号」、所要時間12時間以上の長距離路線なのですが、「シリウス号」と同様、途中の開放休憩が一切ありません。
なので、事前に飲み物類などを購入しておくことをお勧めします。
しかし、12時間以上車内で監禁とは・・・たばこを吸う方はキツイですね。
せめて消灯前1回の開放休憩は実施しても良いのでは?と思いました。

バスは大宮から一般道を経由して東北自動車道~八戸自動車道を八戸へ向けてひた走ります。
暫くは通路カーテンを閉めて起きていましたが、23時を過ぎたあたりから睡魔が襲ってきたので就寝。
翌朝は、八戸自動車道走行時の激しい振動で目が覚めました。
時間にして午前4時前でしょうか。
東日本大震災の復旧工事が、まだ完全に終わっていないのでしょうか・・・。
思わず、地震が発生したのかと錯覚してしまいました。

4時15分、バスは八戸自動車道八戸インターを流出。
その10分後の4時25分、定刻よりも25分早くバスは八戸駅東口に到着します。
ここでは、私を除く2名が下車。
なので、ここからは私一人の貸切状態となりました。(苦笑)

バスは八戸駅東口を発車後、国道454号線から国道45号線へ。
その後、八戸北インターから第二みちのく有料道路へと入ります。
15分程走行して六戸インターを流出し、4時58分に三沢駅正面口を通過。
その7分後の5時05分に三沢市役所を通過します。
5時15分、三沢十和田下田インターから再度第二みちのく有料道路へ。
8分程走行して上北インターを流出し、5時30分、上北町の道の駅おがわら湖にて最後の乗務員交代を行います。
5時53分、国道4号線に流入。
その後は、国道279号線を野辺地・むつ方面へとひた走ります。
6時06分、野辺地中央を通過。
6時13分、野辺地ハーフインターから下北半島縦貫道路に入るものの、7分程走行した野辺地北インターで縦貫道路から再度国道279号に戻ります。
この国道279号、所々JR大湊線を横切る踏切が数箇所あるために、踏み切り通過時の揺れが発生します。
車内トイレやサービスコーナーを利用する際は注意が必要ですね。
6時42分、ローソン横浜町道の駅店を通過。
終着地のむつまで、あと一息です。
国際興業「しもきた号」 ・843 まもなくむつ市

そして、バスは横浜町から30分程国道を走行し、定刻よりも1時間以上早い7時14分に、バスは下北駅に到着しました。
国際興業「しもきた号」 ・843 下北駅到着

「しもきた号」の終点はむつ市役所ですが、この後の行程の関係から私はここで下車。
長時間奮闘した乗務員にお礼を言って、JR下北駅駅舎へと向かうのでありました。
因みにバスは、むつ市役所に到着後、協力会社の下北交通の車庫にて清掃と点呼を行ってから、むつ市内のホテルで仮眠を取り、夕方むつ発の便で東京へ戻るとのこと。
いやはや、お疲れ様です・・・。

というわけで、国際興業「しもきた号」の乗車記をお届けしました。
開業して間もないということもありますが、それにしては乗客の少なさが気になりました。
「しもきた号」の様な大都市と地方都市を結ぶ路線の場合、地方都市側の積極的なPRと利用客を増やす施策・努力によって、地元にとって無くてはならない「おらが街の高速バス」として路線を育てていくことが重要なのでは?と思っています。
(勿論、大都市側でのPRも必要ですが・・・。)
「おらが街の高速バス」の例としては、北海道の沿岸バスが運行する「特急はぼろ号」(札幌~羽幌・豊富)や弘南バスの東京方面各路線、「レイク&ポート号」(江ノ電バス藤沢・羽後交通)、大宮・池袋・横浜~南紀勝浦線(西武観光バス・三重交通)などが挙げられるでしょうか。

で、今回現地を訪れて、もう一つ気になったことがありまして・・・。
この「しもきた号」、実は協力会社として下北交通(本社:むつ市)と提携しています。
乗車券の販売についても提携していると伺っているのですが、その割には、下北交通のターミナルや窓口(むつバスターミナル、むつ営業所、大畑出張所など)に「しもきた号」のポスター・パンフレットはおろか、「しもきた号」の「し」の字を見かけることはありませんでした。
運行開始までに時間が無かったとはいえ、これでは折角「しもきた号」を利用したくても乗車券が買えるかどうか分かりませんし、それ以前に「しもきた号」の停留所以外で「しもきた号」の存在すら知ることができません。
「WEBで予約が出来るし、コンビに発券も対応しているので問題ない。」という方もいらっしゃるかもしれませんが、インターネットが普及しているとはいえ、下北地区の様な高齢者が多い地域でWEB予約を・・・と訴えても、正直難しいと考えます。

以前、某地方バス会社の担当者から、この様な話を伺ったことがあります。
「昨今、WEB予約の充実を・・・としきりに叫ばれているが、高齢者が多いうちらの様な田舎では、都会の方が思っている程インターネットが普及している訳ではない。携帯電話だって、スマホよりガラケーを使用している人が多い位だ。この様な地域でWEB予約を・・・と訴えても正直無理がある。当社の高速バスの場合、電話で予約を入れてくれる方はまだ良い方で、多くは予約なしで乗車当日に直接窓口で購入して乗車する。なので、この様な高齢者が多い地域では、窓口にて気軽に乗車券を買える体制を作っておくことが大事なのではないかと考えている。」
「しもきた号」で今一番やらなければならないのは、このことではないかと思います。
まあ、「しもきた号」に関しては、運行ダイヤや運賃体系から判断して、東京~八戸・七戸線「シリウス号」の補完的役割も担っているようですが、現状のままだと、せっかく運行を開始したのにすぐに廃止・・・ということにもなりかねません。
近隣事業者との関係があるにせよ、少なくても下北交通のターミナル・窓口で「しもきた号」のポスターを貼るなりパンフレットを置くなりすると同時に、窓口で乗車券が気軽に購入できる体制を早急に作っていくことが重要なのではないかと、今回の乗車を通じて強く感じた次第です。
(もしかすると現在は体制が整っているかもしれませんが・・・。)

厳しいことを書きましたが、今回新設された夜行高速バス「しもきた号」、首都圏から下北地区へ観光・ビジネスとして使うのにも便利な路線ですし、逆に下北地区から首都圏へ移動する際の交通機関としても便利であることには間違いありません。
今後、運行事業者間の調整など解決すべき課題はあるでしょうが、「しもきた号」が下北地区の住民にとって「おらが街の高速バス」として親しまれる様、また首都圏から下北地区への観光・ビジネスの足として活用されることを切に願いたいものです。


【乗車データ】 
  • 乗車日:2014/09/04
  • 乗車区間:
    新宿高速バスターミナル→下北駅
  • 運行会社:国際興業
  • 車両:いすゞ/ガーラSHD(QRG-RU1ESBJ)
  • 年式:2014年式
  • 所属:志村営業所
  • 社番:843

【お知らせ】
「しもきた号」/「シリウス号」のご予約は、日本旅行「バスぷらざ」からどうぞ。


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自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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