西鉄高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」2号車 乗車記(2014年8月乗車分)
福岡・北九州~坂出・丸亀・高松間夜行高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」。
このブログではすっかりお馴染みの路線ですが、福岡・北九州~高松間を約10時間20分で結ぶ夜行高速バスです。
「にしてつグループの夜行高速バス=西工車」を連想する方も多いかと思いますが、ご存知の通り、今から4年前に西工(西日本車体工業)が会社解散して以降、最大ユーザーであったにしてつグループでも次第に西工夜行車による運用路線が減少し、現在は福岡~鹿児島線「桜島号」夜行便と福岡~高松線「さぬきエクスプレス福岡号」続行便(2号車)でしか見かけることができません。
台風の影響を受ける中、2014年夏のお盆の繁忙期期間中も全国各地の夜行高速路線が続行便を従えて運行していましたが、こと「さぬきエクスプレス福岡号」においても連休後半を中心に続行便が設定・運行されました。
西工夜行車好きの私は、またしてもこの状況を黙っているわけもなく、続行便設定を予約サイト(発車オーライネット)で確認の上で座席を予約、同路線で活躍する西工夜行車のバス旅を楽しんできました。
今回はその時の模様をご報告したいと思います。
やってきたのは、JR高松駅に隣接する高松駅高速バスターミナル。
2013年10月より供用を開始した新しい高速バスターミナルです。
バスターミナルに到着すると、横浜・東京新宿行きの四国高速バス「ハローブリッジ号」が改札を行っていました。
「ハローブリッジ号」が発車すると、福岡行き「さぬきエクスプレス福岡号」の改札が始まります。
この日は2台運行で、私が乗車する2号車は3番のりばでの改札となります。
今回乗車したバスですが、毎度お馴染みの西鉄高速バス福岡支社所属3802号車。(形式は三菱KL-MS86MP。)
所属こそ福岡支社となっていますが、実際の乗務は北九州支社の乗務員が担当します。
「西工02MC SD-Ⅱ」ボディの白夜行塗装・・・いつ見ても風格が漂う車体ですね。(写真はイメージです。)
車内の様子はこの様になっておりまして、
ワインレッドを基調とした3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっています。
シートこそ杉本工業製ではなく天竜工業製ではありますが、西工夜行車の特徴でもある「均一の通路幅」「緻密に計算された室内空間」はこの車両にもしっかりと受け継がれています。
そのため、メーカー純正車両と比較して座席の前後が広く感じられるのは、西工車ならではの特徴といえましょう。
勿論、足置き台・レッグレストを完備している他、西鉄夜行高速バスの特徴でもあるプライベートカーテンもこの車両には設置されています。
そして実は今回、前回の乗車と違う点を今回一つ見つけました。
なんと、この車両にも座席コンセントが増設されました。 後付け感が否めない部分はありますが、それでも乗客からの数多い要望に応えてくれたという点では評価したいですね。
21時30分、8割方の乗客の乗せたバスは高松駅高速バスターミナルを発車します。
ゆめタウン高松・高松中央インターバスターミナルで乗車扱いを行った後、高松中央インターから高松自動車道に進入、一路善通寺・丸亀へと向かいます。
と、ここで乗務員からマイクを通じて自己紹介と運行経路・到着時刻・車内設備等の説明が行われます。
過不足無く丁寧な案内は、流石にしてつグループといったところでしょうか。
善通寺インターで一旦高速道路を降り、善通寺インターバスターミナルと丸亀駅で乗車扱いを行った後、一般道経由でJR坂出駅へ。
23時00分頃、坂出駅にて最後の乗客を乗せ、補助席である1B席も含めて28席完全満席になったバスは、一路北九州・福岡へ向けて出発します。
再度乗務員からマイクを通じて自己紹介と運行経路・到着時刻・車内設備等の説明が行われ、その間、バスは坂出北インターから瀬戸中央自動車道へ。
案内が終わる頃、バスは瀬戸大橋を通過します。
夜の瀬戸大橋から眺める景色も見応えはありますが、個人的には下り便の車内から眺める朝の瀬戸内の風景が好きですね。
途中の開放休憩は2箇所にて実施されます。
1回目の消灯前の開放休憩は、瀬戸大橋を渡り切ったすぐの瀬戸中央自動車道粒江パーキングエリア。
ここでは15分~20分間の開放休憩が設定されています。
外は本降りの雨でしたが、殆どの乗客がバスを降りて思い思いの時間を過ごしていきます。
23時45分、乗客が全員揃ったところで、乗務員がプライベートカーテンをセットして消灯。
翌朝の開放休憩まで車外へ出ることは出来ません。
その間、バスは山陽自動車道~中国自動車道を一路九州へ向けてひた走ります。
当然のことながら私を含めた乗客の殆どは夢の中。
翌朝目を覚ますと、バスは朝の休憩場所である中国自動車道壇ノ浦パーキングエリアに停車していました。
5時15分、乗務員のモーニングコールで起床。
同時に2回目の開放休憩(15分間)が行われます。
殆どの乗客がバスを降り、トイレや洗顔・買い物を済ませていきます。
本州と九州の架け橋「関門橋」です。
間近で見ると迫力がありますね。
そして、この壇ノ浦パーキングエリアは、本州と福岡とを結ぶ数多くの夜行バスが休憩停車するパーキングエリアとしても有名です。
この日は運行を開始した西鉄の「福岡~USJ線」の車両が開放休憩停車していました。 この路線にも近いうちに乗車してみたいですね。
5時30分、乗客が全員揃ったところでバスは出発。
関門橋を渡り、門司インターから北九州都市高速道路を富野ランプまで走破すると、小倉駅前はすぐそこです。
5時50分過ぎ、定刻よりも約15分早くバスは小倉駅前高速バス降車場に到着。
ここで数人が下車し、次の砂津では乗務員交代のために5分程停車します。
黒崎インター引野口は降車客がいないとのことで通過し、その後は北九州都市高速道路~九州自動車道~福岡都市高速道路をスムーズな流れで走行します。
7時15分頃、定刻よりも10分程早くバスは博多駅に隣接する博多バスターミナルに到着。
とここで乗務員から降車時の案内がマイクにて実施されるのですが、自社バスの乗り換え案内のみならず他社線(JR・福岡市営地下鉄)の乗り換え案内まできちんと行っていたのには「流石だなぁ」と思いました。
博多バスターミナル到着直前の車内の様子です。
博多バスターミナルで半数以上の乗客が下車し、終点の西鉄天神バスセンターへと向かうのですが、次のキャナルシティ博多は降車客がいないとのことで通過。
そして7時30分、バスは改修工事真っ只中の終点西鉄天神バスセンターに到着しました。 あっという間に過ぎた約10時間のバスの旅。
バスを降りた瞬間の蒸し暑さで、改めて福岡へ来たことを実感したのでありました。
2014年5月の乗車記にも書きましたが、3802号車の「広い車内空間」と「安定した走り」は今回も健在でしたね。
加えて、春先に車体更新を実施し、更に座席コンセントを増設したとなると、もう暫くは活躍を続けるのは間違いないでしょう。
とはいえ、この車両の車齢も10年以上経過していることから、もし乗車されるのであれば、出来るだけ早めの乗車をお勧めしたいですね。
一方で今回、お盆の繁忙期とはいえ「さぬきエクスプレス福岡号」の利用の多さを改めて実感しました。
途中交代制とはいえ片道8,230円でワンマン運行、更にはLCC・新幹線等他の交通機関との競争が激しい、しかもツーマン路線である東京線「はかた号」や名古屋線「どんたく号」、京阪神線「ムーンライト号」などと比較すると、事業者にとっては「おいしい路線」なのかもしれませんね。
閑散期の利用状況がどうなのか気になるところではありますが、それなりに利用が定着しているのではないでしょうか。
今後余程のことがない限り、この路線に関しては暫くは安泰でしょうね。
そんなことを改めて感じた、今回の「さぬきエクスプレス福岡号」2号車の旅でございました。
【乗車データ】
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西鉄高速バス(本社:福岡市)と四国高速バス(本社:高松市)が運行する
このブログではすっかりお馴染みの路線ですが、福岡・北九州~高松間を約10時間20分で結ぶ夜行高速バスです。
「にしてつグループの夜行高速バス=西工車」を連想する方も多いかと思いますが、ご存知の通り、今から4年前に西工(西日本車体工業)が会社解散して以降、最大ユーザーであったにしてつグループでも次第に西工夜行車による運用路線が減少し、現在は福岡~鹿児島線「桜島号」夜行便と福岡~高松線「さぬきエクスプレス福岡号」続行便(2号車)でしか見かけることができません。
台風の影響を受ける中、2014年夏のお盆の繁忙期期間中も全国各地の夜行高速路線が続行便を従えて運行していましたが、こと「さぬきエクスプレス福岡号」においても連休後半を中心に続行便が設定・運行されました。
西工夜行車好きの私は、またしてもこの状況を黙っているわけもなく、続行便設定を予約サイト(発車オーライネット)で確認の上で座席を予約、同路線で活躍する西工夜行車のバス旅を楽しんできました。
今回はその時の模様をご報告したいと思います。
風格が漂う車体とコンセントが増設された車内
前回2014年5月の時は福岡発高松行きの便に乗車しましたが、今回は行程の関係上、逆方向の高松発福岡行きの便を選んでみました。やってきたのは、JR高松駅に隣接する高松駅高速バスターミナル。
2013年10月より供用を開始した新しい高速バスターミナルです。
バスターミナルに到着すると、横浜・東京新宿行きの四国高速バス「ハローブリッジ号」が改札を行っていました。
「ハローブリッジ号」が発車すると、福岡行き「さぬきエクスプレス福岡号」の改札が始まります。
この日は2台運行で、私が乗車する2号車は3番のりばでの改札となります。
今回乗車したバスですが、毎度お馴染みの西鉄高速バス福岡支社所属3802号車。(形式は三菱KL-MS86MP。)
所属こそ福岡支社となっていますが、実際の乗務は北九州支社の乗務員が担当します。
「西工02MC SD-Ⅱ」ボディの白夜行塗装・・・いつ見ても風格が漂う車体ですね。(写真はイメージです。)
車内の様子はこの様になっておりまして、
ワインレッドを基調とした3列独立シート28人乗りの夜行高速仕様となっています。
シートこそ杉本工業製ではなく天竜工業製ではありますが、西工夜行車の特徴でもある「均一の通路幅」「緻密に計算された室内空間」はこの車両にもしっかりと受け継がれています。
そのため、メーカー純正車両と比較して座席の前後が広く感じられるのは、西工車ならではの特徴といえましょう。
勿論、足置き台・レッグレストを完備している他、西鉄夜行高速バスの特徴でもあるプライベートカーテンもこの車両には設置されています。
そして実は今回、前回の乗車と違う点を今回一つ見つけました。
なんと、この車両にも座席コンセントが増設されました。 後付け感が否めない部分はありますが、それでも乗客からの数多い要望に応えてくれたという点では評価したいですね。
瀬戸大橋・関門橋を渡って九州へ・・・
では、乗車時の模様を簡単にご紹介。21時30分、8割方の乗客の乗せたバスは高松駅高速バスターミナルを発車します。
ゆめタウン高松・高松中央インターバスターミナルで乗車扱いを行った後、高松中央インターから高松自動車道に進入、一路善通寺・丸亀へと向かいます。
と、ここで乗務員からマイクを通じて自己紹介と運行経路・到着時刻・車内設備等の説明が行われます。
過不足無く丁寧な案内は、流石にしてつグループといったところでしょうか。
善通寺インターで一旦高速道路を降り、善通寺インターバスターミナルと丸亀駅で乗車扱いを行った後、一般道経由でJR坂出駅へ。
23時00分頃、坂出駅にて最後の乗客を乗せ、補助席である1B席も含めて28席完全満席になったバスは、一路北九州・福岡へ向けて出発します。
再度乗務員からマイクを通じて自己紹介と運行経路・到着時刻・車内設備等の説明が行われ、その間、バスは坂出北インターから瀬戸中央自動車道へ。
案内が終わる頃、バスは瀬戸大橋を通過します。
夜の瀬戸大橋から眺める景色も見応えはありますが、個人的には下り便の車内から眺める朝の瀬戸内の風景が好きですね。
途中の開放休憩は2箇所にて実施されます。
1回目の消灯前の開放休憩は、瀬戸大橋を渡り切ったすぐの瀬戸中央自動車道粒江パーキングエリア。
ここでは15分~20分間の開放休憩が設定されています。
外は本降りの雨でしたが、殆どの乗客がバスを降りて思い思いの時間を過ごしていきます。
23時45分、乗客が全員揃ったところで、乗務員がプライベートカーテンをセットして消灯。
翌朝の開放休憩まで車外へ出ることは出来ません。
その間、バスは山陽自動車道~中国自動車道を一路九州へ向けてひた走ります。
当然のことながら私を含めた乗客の殆どは夢の中。
翌朝目を覚ますと、バスは朝の休憩場所である中国自動車道壇ノ浦パーキングエリアに停車していました。
5時15分、乗務員のモーニングコールで起床。
同時に2回目の開放休憩(15分間)が行われます。
殆どの乗客がバスを降り、トイレや洗顔・買い物を済ませていきます。
本州と九州の架け橋「関門橋」です。
間近で見ると迫力がありますね。
そして、この壇ノ浦パーキングエリアは、本州と福岡とを結ぶ数多くの夜行バスが休憩停車するパーキングエリアとしても有名です。
この日は運行を開始した西鉄の「福岡~USJ線」の車両が開放休憩停車していました。 この路線にも近いうちに乗車してみたいですね。
5時30分、乗客が全員揃ったところでバスは出発。
関門橋を渡り、門司インターから北九州都市高速道路を富野ランプまで走破すると、小倉駅前はすぐそこです。
5時50分過ぎ、定刻よりも約15分早くバスは小倉駅前高速バス降車場に到着。
ここで数人が下車し、次の砂津では乗務員交代のために5分程停車します。
黒崎インター引野口は降車客がいないとのことで通過し、その後は北九州都市高速道路~九州自動車道~福岡都市高速道路をスムーズな流れで走行します。
7時15分頃、定刻よりも10分程早くバスは博多駅に隣接する博多バスターミナルに到着。
とここで乗務員から降車時の案内がマイクにて実施されるのですが、自社バスの乗り換え案内のみならず他社線(JR・福岡市営地下鉄)の乗り換え案内まできちんと行っていたのには「流石だなぁ」と思いました。
博多バスターミナル到着直前の車内の様子です。
博多バスターミナルで半数以上の乗客が下車し、終点の西鉄天神バスセンターへと向かうのですが、次のキャナルシティ博多は降車客がいないとのことで通過。
そして7時30分、バスは改修工事真っ只中の終点西鉄天神バスセンターに到着しました。 あっという間に過ぎた約10時間のバスの旅。
バスを降りた瞬間の蒸し暑さで、改めて福岡へ来たことを実感したのでありました。
「広い車内空間」と「安定した走り」は今回も健在
というわけで、西鉄高速バス「さぬきエクスプレス福岡号」2号車の乗車記をお届けしました。2014年5月の乗車記にも書きましたが、3802号車の「広い車内空間」と「安定した走り」は今回も健在でしたね。
加えて、春先に車体更新を実施し、更に座席コンセントを増設したとなると、もう暫くは活躍を続けるのは間違いないでしょう。
とはいえ、この車両の車齢も10年以上経過していることから、もし乗車されるのであれば、出来るだけ早めの乗車をお勧めしたいですね。
一方で今回、お盆の繁忙期とはいえ「さぬきエクスプレス福岡号」の利用の多さを改めて実感しました。
途中交代制とはいえ片道8,230円でワンマン運行、更にはLCC・新幹線等他の交通機関との競争が激しい、しかもツーマン路線である東京線「はかた号」や名古屋線「どんたく号」、京阪神線「ムーンライト号」などと比較すると、事業者にとっては「おいしい路線」なのかもしれませんね。
閑散期の利用状況がどうなのか気になるところではありますが、それなりに利用が定着しているのではないでしょうか。
今後余程のことがない限り、この路線に関しては暫くは安泰でしょうね。
そんなことを改めて感じた、今回の「さぬきエクスプレス福岡号」2号車の旅でございました。
【乗車データ】
- 乗車日:2014/08/16
- 乗車区間:
高松駅高速バスターミナル→西鉄天神バスセンター - 運行会社:西鉄高速バス(2号車)
- 車両:三菱/KL-MS86MP(西工02MC SD-Ⅱ)
- 年式:2003年式
- 所属:福岡支社(乗務は北九州支社)
- 社番:3802
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