九州産交バス「やまびこ号」乗車記(『「SUNQパス」で乗り尽くす九州旅』その4)

昼行高速バス,高速バス乗車記,一般路線バス

「SUQパス」九州旅も今回の記事が最終回になります。


1967年12月の開業以来、約40年以上もの間熊本と大分の間を結ぶ都市間特急バス「やまびこ号」
九州産交バスと大分バスが1日10往復運行していますが、途中阿蘇の山々を経由することから、熊本・熊本空港と阿蘇・大分と直行する交通機関としてのみならず、観光路線としての側面も持っている路線でもあります。

私自身、前回「やまびこ号」に乗車したのは、今から17年前の1996年3月。
この時は専用塗装を纏った3列シート車両に乗車しましたが、あれから17年・・・
現在の「やまびこ号」はどうなっているのか?ということで、今回が2度目の乗車となります。

元「ぎんなん号」専用車がいまだに現役!

西鉄天神バスセンター7時17分発の西鉄「フェニックス号」(こちら↓のバス)で八代インターに到着した私。
西日本鉄道「フェニックス号」 6017

八代インターからは、すぐの乗換でこちらのバス↓に乗車します。
宮崎交通「なんぷう号」 ・135
宮崎交通の熊本~宮崎間高速バス「なんぷう号」(日野セレガR-GD KL-RU1FSEA)です。
「なんぷう号」にはこれまで2度乗車しましたが、いずれも九州産交バス便で、宮崎交通便に乗車したのは今回が初めてでした。
今回はこちらのバスで益城熊本インター傍の「益城インター口まで乗車。
かつて「フェニックス号」にも使用されていた2+1配列3列シート車(29人乗り)でしたが、多少の経年劣化が見受けられたものの、30分で降りるのが勿体無いくらい快適な車両でした。

益城インター口で下車後、10分程の乗り換え時間で「やまびこ号」に乗車します。
今回はこちらの車両↓に乗車しました。
九州産交バス「やまびこ号」 3019
かつて熊本~北九州線「ぎんなん号」の専用車として活躍していた、日野セレガFS(U-RU2FTAB)です。
デビュー後15年以上経過している古参車ですが、車体更新を実施したからか、15年以上経過している車両には見えない程綺麗な状態を保っています。

元「ぎんなん号」専用車ということもあってか、車内は当然この様になっておりまして・・・
九州産交バス「やまびこ号」 3019 車内

九州産交バス「やまびこ号」 3019 シート
2+1配列3列シート29人乗りの長距離昼行高速仕様になっています。
流石にサービスコーナーは使用停止になっていますが、マルチチャンネルコントローラによるDVD放映・ラジオ放送のサービスは未だに健在の他、床もフローリング調になっています。
今でこそフローリング調の車両は増えてきましたが、高速バスの床にフローリング調のパネルを採用したのって、確か九州産交バスが最初なのでは?と記憶しています。

定刻数分遅れで益城インター口を出発した「やまびこ号」は、阿蘇くまもと空港で乗車扱いの為に停車した後、一路国道57号を大分へ向けてひた走ります。
大津駅(南口)・立野・赤水駅前と、主要停留所にこまめに停車していきますが、それにしても今回私が乗車した便、10名にも満たない乗客数でした。
JR豊肥本線不通の影響で混んでいると思っていただけに、少し拍子抜け。
移動を控える人が多いのでしょうか・・・。(尚、JR豊肥本線は現在は全線開通しています。)

やがてバスは、九州山地の山々を眺めながら阿蘇へと入っていきます。
車窓からはこの様な素晴らしい景色が堪能できます。
九州産交バス「やまびこ号」 車窓 その1

九州産交バス「やまびこ号」 車窓 その2
「これぞ阿蘇!!」といった景色が続きます。

11時50分頃、定刻より13分程遅れてバスは阿蘇駅前に到着します。
ここで2名が下車し、入れ替わりで3名乗車してきます。
その後の宮地駅前でも乗降があり停車し、バスは更に山間へと入っていきます。
九州産交バス「やまびこ号」 車窓 その3

滝室坂では途中、2012年九州北部水害の影響で橋の復旧工事を行っていました。
九州産交バス「やまびこ号」 迂回路通行中

滝室坂を越えると、バスは大分県へと入ります。
大分市まで残り72kmです。
九州産交バス「やまびこ号」 大分県突入

12時20分過ぎ、遅れを引きずったまま、唯一の休憩場所である「道の駅すごう」に到着します。
九州産交バス「やまびこ号」 道の駅すごう バス停
通常であれば建物傍のバス停に停車するのですが、この日は産直市が開催されていて駐車場は大混雑。
しかも警備員の誘導の不手際でバスがバス停に横付けすることが出来ず、道の駅入口付近に停車して開放休憩を行うというトラブルが発生します。
仕舞には乗務員が警備員にきつい口調でクレームをいう事態に。
乗客も自家用車の往来に気を配りながら、道の駅構内を移動してトイレや買い物などを済ませていました。
事情が事情だけに仕方が無いとはいえ、バス停が設けられている訳ですから、せめてバス停付近の路線バスの駐車スペースは確保してもらいたいものだなぁと思いましたね。
乗務員が気の毒です・・・。

12時30分過ぎ、バス「道の駅すごう」を発車。
豊後竹田の市街地を抜け、竹田温泉花水月・朝地駅前・田中に停車した後は、中九州横断道路に入ります。
九州産交バス「やまびこ号」 中九州道走行中
現在は部分開業状態ですが、いずれ「やまびこ号」の運行経路も順次中九州横断道路へ乗せ換えていくのでしょうか・・・。

新殿・犬飼久原・戸次と大分市街に近づくにつれ、住宅や店舗、ショッピングセンターが増えてきます。
米良バイパスに入ると、大分市中心部はもうすぐです。
九州産交バス「やまびこ号」 米良バイパス走行中

そして14時10分頃、定刻よりも20分程遅れてバスは大分駅近くの大分トキハ前に到着しました。
運賃は熊本から2,700円でした。
九州産交バス「やまびこ号」 3019 大分到着

九州産交バス「やまびこ号」 3019 運賃表
約3時間半の3列シート車での特急バスの旅、今回も快適に過ごさせていただきました。
長く感じるかと思いきや、意外とあっという間でしたね。

というわけで、九州産交バスの乗車記をお届けしました。
先述の通り、今回約17年ぶりにこの路線に乗車しましたが、まず思ったのは、やはり沿線の風景の素晴らしさでしょうね。
特に阿蘇~竹田~犬飼久原間の車窓は、九州山地の風景を楽しむには格好のルートだと思います。
また、この路線は熊本市内・大分市内を除いて、基本的に停留所の乗降制限が無いので、例えば熊本から阿蘇駅前まで移動後、阿蘇で観光して後続のバスに乗車し、竹田温泉花水月でひと風呂浴びてから、更に後続のバスで大分へ向かう・・・といった使い方も出来ます。
なので、勿論熊本~大分間を最短ルートで移動する交通機関としても使えますが、私個人的には「観光」の足として是非この路線を使って欲しいですね。
一方で気になったのが、今回乗車した便の乗車率の低さでしょうか。
朝夕発着の便は結構混むとも聞いていますが、日中時間帯の乗車率が現状どうなのか、気になるところでもあります。
今後の利用状況如何では、ダイヤの改正・便数変更・運行時間帯の調整が必要になってくるのかなぁとも思いました。

ともあれ、並行するJR豊肥本線の状況も含め、「やまびこ号」の今後については、私自身も気にかけていきたいと今回の乗車を通じて改めて思った次第です。

【乗車データ】
●乗車日:2013/07/21
●乗車区間:益城インター口→大分トキハ前
●運行会社:九州産交バス
●車両:日野/セレガFS(U-RU2FTAB)
●年式:1995年式
●所属:熊本営業所
●社番:6017


【おまけ】
大分からはこちらのバス↓で九州を離れました。
大分交通「ぶんご号」 ・106

大分交通「ぶんご号」 ・106 吉志PAにて
大分交通の名古屋~別府・大分間夜行高速バス「ぶんご号」です。
古き良き時代の夜行バスのサービスを思う存分堪能しましたが、こういったバスに乗られなくなるのも、そう遠い話ではない様な気がします。
夜行高速バス「ぶんご号」の乗車記はこちらからどうぞ。


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