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弘南バス「青森上野号」(日本最長距離昼行高速バス)乗車記

time 2007/07/04

こんにちは。ひろしプロジェクトです。
いつもこのブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。

ここ最近になって、高速ツアーバス対策で格安高速バスの運行を始めた、青森県弘前市に本社を置く弘南バス株式会社。
これからご紹介する「青森上野号」も、そのうちの一つになります。

弘南バス「青森上野号」・382

弘南バス「青森上野号」・382 リア

「青森上野号」は、青森・弘前と東京上野の間を約11時間かけて走る、昼行高速バスの中では距離、所要時間共に日本最長を誇ります。
運行開始は2005年3月1日。
運行開始当初は、上野~青森間を直行していましたが、2006年9月2日に品川・浜松町~弘前間昼行高速バス「スカイターン号」の廃止に伴い、青森上野号を弘前バスターミナル経由に変更し、併せて牡丹平、羽黒平、青森大野の各停留所を廃止、現在に至っています。
この路線の最大の特徴は、何といっても安さにあります。
片道利用であれば8,000円とさほど安くはありませんが、往復割引及び2枚綴りの回数券を利用すると、何と10,000円で往復出来てしまいます。(現在、路線は「スカイ号」に名称変更、片道運賃も5,000円に変更されています。)
しかもこの回数券、同区間を走る夜行便「パンダ号」にも使用出来るという事もあって、徐々にではありますが利用客に浸透している様です。(現在は共通利用が出来ません。)
弘南バス「パンダ号」 ・359

この様な運賃設定がされている背景には、昨今の高速ツアーバスの台頭があります。
実はこの高速ツアーバスにより、弘南バスの東京方面の路線の利用客が軒並み減少しました。
この状況に危機感を抱いた弘南バスが独自で「青森上野号」と夜行便「パンダ号」を開業させ、運賃もツアー形式高速バス並みの運賃設定にしたという訳です。
いわば、”乗客の流出を身内で食い止める”といったところでしょうか。
様々な意味で興味深い「青森上野号」、果たしてその乗り心地とは如何に・・・・・。

今回は、札幌~福岡間を陸路で移動する過酷(?)な苦行の一環で利用することにしました。
札幌~青森間は、JRの「急行はまなす」で移動です。
JR北海道「急行はまなす」

JR北海道「急行はまなす」
外は生憎のくもりで、梅雨の時期独特の”蒸す”感じが本州へ来たという事を実感します。

7時55分、1台のバスが青森駅前の弘南バス乗り場に入線しました。
東京上野ゆき「青森上野号」です。
弘南バス「青森上野号」 ・382 青森駅前改札中
バス停には既に10人近くの乗客がバスを待っていました。
乗る前、「11時間もかかる路線に乗る人なんているんだろうか??」と思っていましたが、意外な結果に少々びっくり。
「青森上野号」が地元に浸透しつつある証でしょう。

乗務員は2名。数箇所のサービスエリアで交代しながら上野まで運行します。
乗車改札の際は、1名が乗車券と台帳のチェックを行い、もう1名がトランクに荷物の詰め込みを行います。

8時00分、定刻にバスは青森駅前を出発します。
早速テープによる案内が行われ、途中休憩箇所や車内設備についての説明が行われます。
ただ、乗務員からの補足説明は一切なく、テープ任せの案内方法は改めた方が良いのでは?と思いました。

国道7号線を約1時間程走り、次の乗車停留所である弘前バスターミナルに到着します。
ここで乗車扱いと10分間のトイレ休憩を行います。
約半数がバスを降り、トイレや買い物を済ませていました。
因みにここで乗車した乗客は11名。青森からの乗客を含めて総勢21名で一路東京へと向かいます。

9時20分、弘前バスターミナルを発車。
発車後、改めてテープによる案内が行われますが、ここでも乗務員からの案内は一切なし。何時になったら乗務員が言葉を発するのでしょうか・・・・。
弘南バス「青森上野号」 ・382 車内前方
因みに、車内は4列シート40名乗りの昼行高速バス仕様ですが、後部4席を交代乗務員の休憩スペースに充てているため、実際の乗客定員は36名となります。

9時45分、大鰐弘前インターから東北自動車道に入ります。
今にも雨が降りだしそうな空模様ですが、車の流れは至って順調。安全速度で一路東北道を南下していきます。

11時20分、最初の休憩場所である紫波サービスエリアに到着。15分間の休憩タイムです。
ここで初めて乗務員がマイクを使って出発時刻の案内を行いました。初めて乗務員の声を聞いたような・・・・。
全員がバスを降り、トイレや飲み物の調達、買い物をしています。
折角なので、前面方向幕と側面行先表示も撮影しておきます。
弘南バス「青森上野号」・382 正面方向幕

弘南バス「青森上野号」・382 側面区間表示

11時35分、バスは紫波サービスエリアを出発。
外は相変わらずのどんよりとした空模様。
途中カーブも多く、バスは制限速度を維持しながら南下していきます。
一方の交代した乗務員は車内後方の休憩スペースでしばし休みを取ります。
弘南バス「青森上野号」 ・382 車内後部
この休憩スペースですが、カーテンで仕切られており、乗客からは見えないようになっています。
もしかすると足が伸ばせられるように改造してあるかもしれませんね。

12時45分、2回目の休憩場所である長者原サービスエリアに到着。
ここでは食事タイムという事で、40分停車と長めの休憩時間が取られます。
かくゆえ私もバスを降りてレストランへ直行する事に。
レストランはお昼時という事もあって混雑していましたが、客の回転が速い為か、さほど待たずに食事にありつけることが出来ました。
最初、福島県が近い事もあって、「喜多方ラーメンがあればなあ・・・・」と思っていましたが、残念ながらありません。仕方なくカレーライスで我慢し、その後の牛タン串で満足する事にしました。

13時25分、バスは出発。
ここからは比較的平坦な道が続くものの、所々カーブもあって、乗務員としては気が抜けないところです。
途中、宮城交通の仙台営業所の傍をかすめます。
構内には数多くのバスが止まっていました。
かつてはここに夜行高速バスの車両も止めてありましたが、現在は郊外の仙台南営業所に担当が変更になった為、残念ながらこの営業所で夜行バスの姿を見る事は出来ません。

14時29分、3箇所目の休憩場所である国見サービスエリアに到着。
ここで10分間の休憩を取ります。
外は更に空模様が怪しくなってきていて、今にも雨が降り出しそうな気配。
トイレを済ませて、そそくさとバスに戻ります。

14時40分、バスは出発。
平坦な道のりが続くが、このあたりから次第に工場の数が多くなっていきます。
首都圏が近づいている事を実感させられます。
その後、眠気が襲ってきて我慢出来なくなった為、次の休憩場所に到着するまで仮眠を取る事に。
多少揺れがキツイ箇所もありましたが、比較的ぐっすり休む事が出来ました。

17時04分、最後の休憩場所である佐野サービスエリアに到着。
ここで15分間の休憩を取ります。
駐車場、売店は行楽地帰りのマイカーで大混雑。
バスも売店からかなり離れていたところに停車していた為、急いでトイレと買い物を済ませてバスに戻ります。

17時20分、バスは出発。
外は工場や住宅地、団地が目立つ様になり、交通量も朝とは比べ物にならないほどに多く、東京が近づいている事を改めて実感します。
17時55分、浦和料金所を通過。
その後川口JCTから首都高速道路に入り、扇大橋ランプで高速道路を降ります。
ここからは上野まで一般道をひた走ります。
途中まで、日暮里と足立区を結ぶ都営の新交通システムの高架下を平行して走行します。
殆ど出来上がっていましたが、駅舎の工事などがまだ終わっておらず、もう少しといったところでしょうか。

その後、東京メトロ千代田線の千駄木、根津駅前を通過し、上野公園裏、御徒町駅前を通って、18時40分、定刻より10分程早く終点上野駅前の東北急行バス停留所に到着しました。
バスを降り、荷物を受け取ると・・・・・東京の謙遜とした雰囲気に飲み込まれそうになりました(笑)。

以上、「青森上野号」の乗車の模様を簡単に振り返ってみました。
乗車前は「4列シートの高速バスで11時間持ちこたえられるのであろうか?」と心配していましたが、いざ乗車してみると、以外にもあっという間に過ぎてしまい、疲れも思ったほど感じずに済みました。
この感覚は、もしかすると日本最長距離夜行バス「はかた号」に乗車した時の感覚に似ているかもしれません。
この路線、時間に余裕のある方には是非お勧めしたいです。
夜行便の「パンダ号」よりは遥かに快適に過ごせるのではないでしょうか。
4回の休憩も適度な時間に実施してくれますし、外の景色を眺めたり、寝不足を解消すべくシートを倒して仮眠するなど、それぞれの人が思い思いのバス旅を演出する事が出来る路線であると思います。
そして、何よりも安い!!
この安さは本当に魅力的です。
回数券を使えば、”行きは「パンダ号」、帰りは「青森上野号」”といった使い方も出来、旅のバリエーションも更に広がることでしょう。
弘南バスが提案する新たしい形の高速バス「青森上野号」、是非体験されてみては如何でしょうか。


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自称「高速バスアドバイザー」。高速バス乗車回数900回以上(2016年12月現在)。バス・鉄道をはじめとする乗り物を追っかけて撮ったり、ブログやサイトの運営、バス関連本やネットニュースの原稿執筆、同人誌活動などを通じて、乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っています。北海道札幌市在住。バスと鉄道とカレーと粉物が大好き。 [詳細]

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