2026年7月15日、西日本鉄道(以下:西鉄、本社:福岡市)とJR九州バス(本社:福岡市)は、福岡~鹿児島間を結ぶ高速バス「桜島号」の夜行便を約6年ぶりに復活させると発表しました。
2020年6月の運行休止以来、九州島内の夜行高速バスは姿を消していましたが、ついに復活することになります。
「桜島号」夜行便に使用される予定の西鉄8546号車(日野セレガSHD)
この記事では、運行再開の概要と2020年休止前との違い、そして利用者目線で気になるポイントをまとめます。
「桜島号」夜行便が6年ぶりに復活
(以下 西鉄のプレスリリースより)
福岡と鹿児島を結ぶ高速バス「桜島号」
6年ぶりに夜行便を復活します!
- 西日本鉄道㈱(福岡市中央区 代表取締役社長執行役員:林田 浩一)とJR九州バス㈱(福岡市博多区 代表取締役社長:野田 和成)は、2026年9月1日(火)より福岡~鹿児島間の高速バス「桜島号」の夜行便を運行いたします。「桜島号」の夜行便の運行は約6年ぶりとなります。
- 「桜島号」は1990年3月の運行開始以来、福岡と鹿児島を結ぶ高速バスとして多くのお客さまにご利用いただいております。一方、夜行便については、新型コロナウイルス感染症の影響による利用者減少などを背景に、2020年6月に運行を終了しておりました。しかしながら、近年は福岡~鹿児島間における観光を中心とした移動需要が高まっていることに加え、宿泊費の高騰を背景に夜間移動へのニーズも高まっていることから、このたび夜行便の運行を再開いたします。また、鹿児島→福岡便では福岡空港国際線へ乗り入れることで、新たな需要の獲得も図ってまいります。
- 今回、より多くのお客さまにご利用いただけるよう4列シート(全36席)を導入するとともに、女性専用席を14席設けます。また、全席座席間仕切りカーテンを導入し、お客さまに安心してご乗車いただける環境を整備いたします。
- 西日本鉄道㈱とJR九州バス㈱は、お客さまの利便性や移動サービスの拡大を図ることで、福岡と鹿児島を結ぶ交流のさらなる活性化に貢献する交通サービスを目指してまいります。

「桜島号」夜行便 運行再開パンフレット
西鉄の発表によると、「桜島号」の夜行便は2026年9月1日(木)出発便から運行を再開します。
2020年は利用者減少や乗務員不足などを理由に夜行便が廃止され、その後は昼行便のみの運行となっていました。しかし、近年の旅行需要やインバウンド需要の回復などを受け、約6年ぶりの復活となります。
2020年休止前と今回の運行再開で何が変わる?
今回の復活では、単なる「元に戻る」だけではなく、運行内容にもいくつか変更があります。
「桜島号」夜行便の主な変更点
| 項目 | 2020年休止前 | 2026年運行再開時 |
|---|---|---|
| 車両(シート) | 3列独立シート車 | 4列シート車 |
| 車内設備 | 夜行仕様設備 | 必要な設備を備えた4列仕様 |
| 途中休憩 | なし | あり(消灯前1か所) |
| SUNQパス | 利用可能 | 利用不可 |
| 運賃 | 昼行便と同額 | 昼行便より割高 |
| 運行目的 | 夜間移動需要への対応 | 新たな需要創出・観光需要への対応 |
※内容は西鉄発表資料をもとに作成。([西鉄][1])
4列シート車の採用は賛否が分かれそう
夜行バスとしては珍しい4列シート
今回もっとも話題になりそうなのが、4列シート車両で運行される点です。
昼行便と同様に夜行便も4列シート車で運行される
西鉄8546号車のシートはメーカー標準ワイドシートを採用
従来の夜行高速バスといえば3列独立シートが一般的で、休止前の「桜島号」も3列独立シート車で運行していました。
しかし、今回運行再開する「桜島号」夜行便は4列シートを採用しています。
運賃を抑えられるメリットがある一方で、夜行移動では快適性を重視する利用者も少なくありません。
そのため、4列シート車両が利用者にどう評価されるのか注目したいところです。
本音をいいますと、3列車の方が快適に決まってますが、西鉄も3列独立シート夜行仕様車の経年問題がありますし、JR九州バスも出雲線・広島線用の合計3台しか3列独立シート車がないことを考えると、4列シート車での運行は致し方がないのかもしれません。
とはいえ、利用者の口コミや乗車レビューによっては、今後の評価が分かれることになりそうです。
なお、使用車両についてですが、西鉄は元「Lions Express(ライオンズエクスプレス)」の専用車で、つい先日まで「島原号」で活躍していた8546号車(日野セレガSHD)を投入する予定です。
また、JR九州バスは「桜島号」昼行便もしくは「フェニックス号」で活躍していた三菱エアロエースが投入される予定です。
「桜島号」夜行便がSUNQパス利用不可に・・・
九州周遊派には少し残念?
九州旅行では定番ともいえる「SUNQパス」。
高速バスを乗り継いで九州各地を巡る旅行者には非常に人気があります。
しかし今回復活する夜行便では、SUNQパスが利用対象外となっています。([西鉄][1])
夜行便は特別運賃という位置付けになるためと考えられますが、SUNQパスの利用ができない点をどう見るか注視したいところです。
バス事業者側からすると「単独路線の売り上げが立たないSUNQパスで利用されると、収益的にどうか・・・」という考えもありそうですが、今後利用者から要望が多ければ、「SUNQパス利用券」の設定など、制度変更が行われる可能性もあるのかも・・・と筆者は見ています。
九州島内夜行バス復活の意義
2020年以降、九州島内では夜行高速バスが事実上姿を消していました。
夜間に移動することで宿泊費を節約できたり、朝から現地で活動できたりする夜行バスは、学生や旅行者にとって大きなメリットがあります。
その意味では、九州島内夜行バスの復活は利用者にとってありがたいのではないでしょうか。
飛行機や新幹線とは異なる選択肢が増えることで、九州旅行のスタイルにも新たな広がりが期待できます。
まとめ
「桜島号」夜行便の復活は、九州の高速バスファンだけでなく、多くの旅行者にとって待望のニュースと言えるでしょう。
今回のポイントをまとめると、
- 約6年ぶりに九州島内の夜行高速バスが復活
- 夜行便も4列シート車両で運行
- SUNQパスは利用不可
- 夜行移動という新たな選択肢が戻ってくる
一方で、
- 4列シート車両が利用者にどう評価されるのか
- SUNQパス対象外がどの程度影響するのか
など、実際の利用者の反応にも注目したいところです。
利用状況次第では設備やサービス内容がさらに改善される可能性もあり、「桜島号」夜行便の今後の展開に期待したいと思います。
[1]: https://www.nishitetsu.co.jp/ja/news/news20260715_2/main/0/link/26_031.pdf “ニュースリリース | 西日本鉄道株式会社 – 西鉄グループ”
※写真はイメージです。


